ヴァンパイア♡ラブforever

第1章

第五十六話 「負けず嫌いのガオンくん」

1ヶ月後。

「う、う～！」

「道華、立てるようになったわね。」

えぇ。
子供の成長は、早いものです。

「う、う！」

「見て！歩こうとしてるわよ！」

「道華ぁ～、頑張って～！あんよがじょーず、あんよが上手！」

「う、う～！」

「すごいわねぇ！10歩歩けたわよ！」

さすが、私の娘でちゅねぇ～。

「あい、あい！」

「ゔ～！う？」


                        （ガオンの妄想）


「う、う～！」

「すごいね～。10歩、歩けたねぇ～。」

「あい、あい！」


                        （ガオンの妄想 終わり）


「うひひひひひ。」

「う、う～！」

「ん？ネル、見て！ガオンが立とうとしてるわよ！」

「マ、マジか！」

「ゔ、ゔ～！」

「ガオン、頑張れ～！」

「ガオンくん！」

「ゔ～！」

ガオンくんが立とうとした時、ツルッと右足がすべって、転んじゃった。

「うぇ～ん、うぇ～ん！」

「あぁ。痛かったねぇ～。よちよち。痛いの痛いの飛んで行け～。」

「ひくっ、ひくっ、ひくっ。ゔ～！」


                             ☆


                         夜


「ガオーン、はい、あーん。」

「ゔ！」

「どうしたの？食べないのか？」

「ゔ！」

「今日は機嫌が悪いなぁ。どうしたのか。」

それがぁ……道華が立っているところを見て、ガオンも立とうとしたけどぉ、結局、失敗しちゃってぇ……。

「はっ、ガオン、そのくらいで怒るなよ。男じゃねぇだろ。」

「だ、だ！」

「いたっ！」

ガオン、いいかげんにしなさい！
そんなにブーブー言ってちゃ、立てないよ！

「う……。」

さぁ、あーんして。

「あーん。」

ぱくっ。

「あい、あい！」

ふっ、おいしかったか～？

「あい、あい！」

じゃ、もう一回、あーんしよっか。

「う～！」


                                 ☆


あたし達は、ベッドでガオンが生まれたころの写真を見ていた。

「ガオンが生まれて、5か月か～。」

あぁ。

「その前まで、いろいろと、大変だったな。」

「……なぁ、そろそろ、二人目、作る？」

まだはえーよ。ガオンが大きくなってからにしろよ。

「えーっ？いいじゃないの～。」

やだって言ってんだろ！

「うぇーん、うぇーん！」

あ、ガオンが泣いている！
あたしが部屋から飛び出すと……。
あ、ガオンがベッドで泣いている！
ガオ～ン、どうしたの～？ママはここにいまちゅよぉ～。

「う、う～。」

うふふふふ。
ガオン、どうして泣いてたの？

「きっと、立とうとしたからだろう。」

ウルフ一郎！

「あい、あい！」

そっか……ガオンはあたしと同じく、負けず嫌いだな。

「う、う～！」

明日、練習しよっか。

「う～！」

うふふふふ。


                                 ☆