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第一話 「ジュンブライトが帰って来た!」
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もうすぐ5月。あの別れから2カ月経とうとしている。
授業中、いつも空を見るんだ。
席が窓ぎわだからじゃなくて、あの人は今、どうしているかな?と思って、空を見ている。
あの人が誰かというと、ヴァンパイア界の王子、ジュンブライト。私の大切な人。
私、春間真莉亜は、最近、ジュンブライトと別れて、元気がなくなってしまったんです・・・・・・。
「春間、春間!」
「あっ、はい!」
私があわてて立ち上がったとたん、周りのみんながクスクス笑い出した。
「どうしたんだ。最近、ボーとしてるぞ。」
「す、すみません・・・・・・。」
はぁ~、恥ずかしいなぁ~。
「空ばっかり見ていて、どうしたんだ。なにか、あったのか?」
え、えっとぉ~、な、なんでもありませ~ん。
「この問題、解けるか?」
は、はい!
☆
「真莉亜、なんか最近、元気ないよ。」
クリスさんが、私を心配している。
クリスさんは、猫族の看板娘で、ジュンブライトのことが大好きな女の子。私の恋のライバルでもある。
「そ、そうかなぁ~?」
「忘れ物はいっぱいするし、遅刻するし、なんか最近、おかしいわよ。」
紅葉が私を心配している。
紅葉は、お妃の娘で悪い魔女、クレインだったけど、お妃をたおして、『久瀬紅葉』として、生きることを決意したんだ。
「真莉亜。」
テレサさん!
テレサさんは、ジュンブライトの幼なじみ。お妃にあやつられていたんだけど、ジュンブライトのおかげで、幼なじみのアルマさんと一緒に、元に戻ったんだ。
今は白田照美として、私達の先生をしているんだ。
「ちょっといいかい?」
テレサさんが、私のとなりにすわってきた。
「東先生から聞いたよ。「春間は最近、授業中に空を見てる。」って。」
テレサさんが、弁当のえびフライをおいしそうに食べながら言った。
「ん~。ここの弁当屋のえびフライ、おいし~。あたし、えびフライが大好きになったよ。人間界の料理は、本当においしいね~。」
「もうっ。テレサったら、本当に食いしんぼうだねっ。」
「失礼な!こう見えて、昔っから胃袋が大きいんだよ!」
「うふふふふ。」
「笑うなっ。」
「真莉亜、少しは元気が出たでしょ?」
クリスさんが二カッと私の方に向かって笑った。
「あのね、ジュンブライトもあんたと同じように、元気がなかったんだって。けど、アルマ達が温泉に連れて行った結果、元気が出たんだって・・・・・・。」
「もう、ジュンブライトの話をしないでください!」
「え?」
テレサさんが、口をポカーンと開けている。
「私、教室に戻ります。」
私は屋上のドアを開けて、教室へと向かった。
☆
それから一週間後。私は学校に行かなくなった。
ジュンブライトに会いたい、ジュンブライトに会いたい。
両想いになれたのに、どうして別れなければならなかったの?
早くあなたに会いたいよ・・・・・・。ジュンブライト・・・・・・。
トントン。
「真莉亜~、いるのぉ~?いたら返事してぇ~。」
その声は、恵だ。
「入って。」
私の声で、ドアががチャッと開いた。
「真莉亜様、お元気ですか?」
比奈多さん。
「最近、全然学校に来ないから、心配していたんですよ。」
比奈多さんが、私を心配するなんて、めずらしいなぁ。
「真莉亜様、早く学校に来てくださいっ。」
「みんな、真莉亜様に会いたがってますよ。」
なぎささん、雪さん・・・・・・。
「三人とも、あんたの友達だからって、私について来たのよ。あっ、それと、真莉亜用のノート。私ががんばって書いたから、ちゃーんと、自分のノートに写すのよ。」
あ、ありがとう。
「じゃあ、これで失礼しますわ。オーホッホッホッホ!」
「比奈多!人んちなんだから、あまり大きな声、出さないのっ!」
「す、すみません・・・・・・。」
四人はぞろぞろ歩きながら、私の部屋を出た。
☆
次の日も、その次の日も、私は学校を休んだ。
ジュンブライト、あなたに会いたい・・・・・・。
すると、部屋のドアが、ガチャッと開いた。
入ってきたのは、お母さんと、テレサさんだった。
「真莉亜。」
「なに?」
「白田先生が、あなたと話したいって。お菓子を食べながら、先生とお話しなさい。」
お母さんが、オレンジジュースと、お菓子がたくさんのったお皿をのせたお盆を、私の前に出して、テレサさんにおしぎをして、部屋を出た。
二人きりになったとたん、部屋の中がしーんと静まり返った。
「真莉亜。」
なんですか?
「ジュンブライトのことが、そんなに好きなのかい?」
・・・・・・はい。
「じゃあ、なんで学校に来ないんだい。この前、恵と比奈多達が、「学校に来て。」って言ってたのに、その気持ちに答えられず、ずっと休むなんて、頭がどうかしてるねぇ。」
元気がないからです。
「なんで元気がないんだい。」
ジュンブライトと別れたから。
「学校とジュンブライトは関係ないだろ。」
・・・・・・。
「あんた、いつまでそうしとくんだい。ジュンブライトはヴァンパイア界の王子だから、もう二度と、会えないよ。」
もう二度と、会えない・・・・・・。
「けど、また会えるさ。いつかきっと。」
も、もう・・・・・・。
「うるさいですっ!」
私がさけんだ後、私の目から涙が出た。
「真莉亜・・・・・・。」
「この前も言ってましたよね?「また会える。」って!私、ずっと信じてたのに、ジュンブライトに合会えないんじゃないですか!私、ジュンブライトのことが、好きなんですよ!?それなのに、平気で、「また会える。」って言い出して!恋をしたことがないテレサさんは、よくこんなことが言えますねっ!」
「ちょっ、真莉亜!どこに行くんだい!」
部屋を出ようとする私を、テレサさんが止めた。
「・・・・・・思い出の場所ですよ。」
私はそう言って、部屋を出た。
☆
思い出の場所というのは、ジュンブライト達が暮らしていた、古いお屋敷。
門には、『入居者募集』というはり紙があった。
あっ、お屋敷の門、開いている。
ということは、お屋敷も開いているのかな?
☆
授業中、いつも空を見るんだ。
席が窓ぎわだからじゃなくて、あの人は今、どうしているかな?と思って、空を見ている。
あの人が誰かというと、ヴァンパイア界の王子、ジュンブライト。私の大切な人。
私、春間真莉亜は、最近、ジュンブライトと別れて、元気がなくなってしまったんです・・・・・・。
「春間、春間!」
「あっ、はい!」
私があわてて立ち上がったとたん、周りのみんながクスクス笑い出した。
「どうしたんだ。最近、ボーとしてるぞ。」
「す、すみません・・・・・・。」
はぁ~、恥ずかしいなぁ~。
「空ばっかり見ていて、どうしたんだ。なにか、あったのか?」
え、えっとぉ~、な、なんでもありませ~ん。
「この問題、解けるか?」
は、はい!
☆
「真莉亜、なんか最近、元気ないよ。」
クリスさんが、私を心配している。
クリスさんは、猫族の看板娘で、ジュンブライトのことが大好きな女の子。私の恋のライバルでもある。
「そ、そうかなぁ~?」
「忘れ物はいっぱいするし、遅刻するし、なんか最近、おかしいわよ。」
紅葉が私を心配している。
紅葉は、お妃の娘で悪い魔女、クレインだったけど、お妃をたおして、『久瀬紅葉』として、生きることを決意したんだ。
「真莉亜。」
テレサさん!
テレサさんは、ジュンブライトの幼なじみ。お妃にあやつられていたんだけど、ジュンブライトのおかげで、幼なじみのアルマさんと一緒に、元に戻ったんだ。
今は白田照美として、私達の先生をしているんだ。
「ちょっといいかい?」
テレサさんが、私のとなりにすわってきた。
「東先生から聞いたよ。「春間は最近、授業中に空を見てる。」って。」
テレサさんが、弁当のえびフライをおいしそうに食べながら言った。
「ん~。ここの弁当屋のえびフライ、おいし~。あたし、えびフライが大好きになったよ。人間界の料理は、本当においしいね~。」
「もうっ。テレサったら、本当に食いしんぼうだねっ。」
「失礼な!こう見えて、昔っから胃袋が大きいんだよ!」
「うふふふふ。」
「笑うなっ。」
「真莉亜、少しは元気が出たでしょ?」
クリスさんが二カッと私の方に向かって笑った。
「あのね、ジュンブライトもあんたと同じように、元気がなかったんだって。けど、アルマ達が温泉に連れて行った結果、元気が出たんだって・・・・・・。」
「もう、ジュンブライトの話をしないでください!」
「え?」
テレサさんが、口をポカーンと開けている。
「私、教室に戻ります。」
私は屋上のドアを開けて、教室へと向かった。
☆
それから一週間後。私は学校に行かなくなった。
ジュンブライトに会いたい、ジュンブライトに会いたい。
両想いになれたのに、どうして別れなければならなかったの?
早くあなたに会いたいよ・・・・・・。ジュンブライト・・・・・・。
トントン。
「真莉亜~、いるのぉ~?いたら返事してぇ~。」
その声は、恵だ。
「入って。」
私の声で、ドアががチャッと開いた。
「真莉亜様、お元気ですか?」
比奈多さん。
「最近、全然学校に来ないから、心配していたんですよ。」
比奈多さんが、私を心配するなんて、めずらしいなぁ。
「真莉亜様、早く学校に来てくださいっ。」
「みんな、真莉亜様に会いたがってますよ。」
なぎささん、雪さん・・・・・・。
「三人とも、あんたの友達だからって、私について来たのよ。あっ、それと、真莉亜用のノート。私ががんばって書いたから、ちゃーんと、自分のノートに写すのよ。」
あ、ありがとう。
「じゃあ、これで失礼しますわ。オーホッホッホッホ!」
「比奈多!人んちなんだから、あまり大きな声、出さないのっ!」
「す、すみません・・・・・・。」
四人はぞろぞろ歩きながら、私の部屋を出た。
☆
次の日も、その次の日も、私は学校を休んだ。
ジュンブライト、あなたに会いたい・・・・・・。
すると、部屋のドアが、ガチャッと開いた。
入ってきたのは、お母さんと、テレサさんだった。
「真莉亜。」
「なに?」
「白田先生が、あなたと話したいって。お菓子を食べながら、先生とお話しなさい。」
お母さんが、オレンジジュースと、お菓子がたくさんのったお皿をのせたお盆を、私の前に出して、テレサさんにおしぎをして、部屋を出た。
二人きりになったとたん、部屋の中がしーんと静まり返った。
「真莉亜。」
なんですか?
「ジュンブライトのことが、そんなに好きなのかい?」
・・・・・・はい。
「じゃあ、なんで学校に来ないんだい。この前、恵と比奈多達が、「学校に来て。」って言ってたのに、その気持ちに答えられず、ずっと休むなんて、頭がどうかしてるねぇ。」
元気がないからです。
「なんで元気がないんだい。」
ジュンブライトと別れたから。
「学校とジュンブライトは関係ないだろ。」
・・・・・・。
「あんた、いつまでそうしとくんだい。ジュンブライトはヴァンパイア界の王子だから、もう二度と、会えないよ。」
もう二度と、会えない・・・・・・。
「けど、また会えるさ。いつかきっと。」
も、もう・・・・・・。
「うるさいですっ!」
私がさけんだ後、私の目から涙が出た。
「真莉亜・・・・・・。」
「この前も言ってましたよね?「また会える。」って!私、ずっと信じてたのに、ジュンブライトに合会えないんじゃないですか!私、ジュンブライトのことが、好きなんですよ!?それなのに、平気で、「また会える。」って言い出して!恋をしたことがないテレサさんは、よくこんなことが言えますねっ!」
「ちょっ、真莉亜!どこに行くんだい!」
部屋を出ようとする私を、テレサさんが止めた。
「・・・・・・思い出の場所ですよ。」
私はそう言って、部屋を出た。
☆
思い出の場所というのは、ジュンブライト達が暮らしていた、古いお屋敷。
門には、『入居者募集』というはり紙があった。
あっ、お屋敷の門、開いている。
ということは、お屋敷も開いているのかな?
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