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第四話 「真莉亜とジュンブライト、早くも別れる!?」
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次の日も次の日も、私はジュンブライトと話をしなかった。
「お父さ~ん!」
道華がジュンブライトにだきついてきた。
私は、ジュンブライトに何も言わず、部屋に上がった。
「真莉亜お姉様ぁ~!」
マドレーヌちゃんが、私にだきついて来た。
「向こうで遊びましょう!」
うん。
私が、マドレーヌちゃんと手をつないで、向こうに行ったとたん、リリアさんが現れた。
「ちょっと、二人とも、なにも話さないの?」
リリアさんが、私とジュンブライトの方を見ながら言った。
そして、私はジュンブライトの方を振り返って。
「おっさん王子。」
悪口をあっさり言った。
悪口を言われたジュンブライトは、口を開いて。
「バカ中学生。」
と、悪口をあっさり言った。
超~むかつくけど、がまん、がまん!
☆
次の日の昼休み。私はテレサさんに呼び出され、相談室に行った。
相談室には、テレサさんとルクトさんとリリアさんがいた。
私は無言で、いすにすわった。
「真莉亜、一体、なにがあったんだい。日曜日にジュンブライトとけんかして。」
「王子、「急にキレやがったから、こーなったんだって言ってんだろ!」しか言わないし。」
ルクトさん、ジュンブライトのまね、お上手です。
「正直に話しなさい。」
はいはい。わかりました。正直に話しますよ、正直に。
「ジュンブライトと別れるのが、いやだったんです。」
「それ、どういう意味?」
ジュンブライトがヒアン様と約束したんです。
「もしプロポーズしたら、真莉亜さんと別れてもらう。」って。
「ふーん。」
ところが、先週の日曜日、ジュンブライトが道華にこう言ったんです。「二人にしてくれ。」って。
二人きりになったとたん、ジュンブライトが、「話したいことがある。」って言ったんです。
私、その二つを、頭の中でたしたんです。
二人にしてくれ+話したいことがある=プロポーズって。
「どんなたし算なんだい。」
「さぁ。」
プロポーズされると思ったんです。そして、ジュンブライトがこう言ったんです。
「いろいろ考えたんだけど。」って。
また、私は頭の中でたしたんです。
二人にしてくれ+話したいことがある+いろいろ考えたんだけど=101回目のプロポーズって。
「だからそれ、どんなたし算なんだい。」
「答えが有名なドラマの題名になってるわ。」
「その題名を聞くたび、涙が出ました・・・・・・。」
「なんで泣くんだい。」
そして、最後にジュンブライトが私に、本を差し出したんです。
「本を?」
はい。私、その本を『ゼクシィ』と思ったんです。
「あぁ。あの本ね。あたし、いっつもそれ、読んでるよ。」
「あなた、そんなに彼氏が欲しいの?」
もし、プロポーズが成功したら、結婚式場をどこにするかって、聞いてくるかもしれないと思ったんです。
ジュンブライトと別れたくないと思って、つい・・・・・・。
「本を向こうに飛ばしたんだね。」
私はしゃくり上げそうな顔で、うなずいた。
「それが原因で・・・・・・それが原因で・・・・・・。」
私は「わぁ!」と泣き出した。
泣いている私の肩を、リリアさんがヴァンパイアになって、だきしめた。
☆
「ふーん。そういうことだったのかぁ。」
「あんた、真莉亜に本当のこと、言ってあげたらどうだい。」
「はぁ?なんでだよ。」
「真莉亜、かんちがいしてるから。」
「・・・・・・ちぇ、わかったよ。言えばいーんだろ、言えば。」
☆
今日、いっぱい泣いたから、全然、ねむれない。
私は、部屋の電気をつけて、ベッドに腰をかけた。
時計はもう、11時半を指している。
トントン。
ん?誰?こんなおそくに。
私がカーテンを開けると、そこにはジュンブライトがいた。
・・・・・・おやすみなさい。
私はカーテンを閉めた。
「ちょっ・・・・・・おい!閉めるな!」
あんたになんか、会いたくない!
とっとと出て行ってよ!
「俺、お前と話したいことがあって、会いに来たんだよ!」
え?
私はまたカーテンを開けて、窓を開けて、ジュンブライトを部屋の中に入れた。
ん!?本をもっている!?
「話したいことって、これなんだ!」
私は本の方をビシッと指さした。
「ち・・・・・・ちげーよ!」
もう、出て行ってよ!
「真莉亜!俺の話を聞いてくれ!」
あんたの話なんか、聞くもんか!
「ちょっと来い!」
「キャッ!」
ジュンブライトが私の手を強くひっぱって、ベッドに腰をかけさせて、それと同時に、ジュンブライトが私のとなりに腰をかけた。
「な・・・・・・なにすんのよ!」
その本、『ゼクシィ』だとわかってるからねっ!
すると、ジュンブライトが、顔をカッとさせて、持ちあげた。
「これのどこが、『ゼクシィ』なんだよぉ!」
・・・・・・え?
これ、『ゼクシィ』じゃない。
『デート』って書いてあって、表紙にはラブラブカップルがうつっている。
これって、まさか・・・・・・。
「そ。デートしよう。」
えぇ~!?
それじゃあ、全部、私のかんちがいだったってこと!?
「あたり前だろ。」
出た。流行語ノミネート大賞予定の言葉。
このつっこみ、久しぶりにやるよ。
「俺、お前とつきあって、デートしたくなったんだ。それで、お前とどこに行くか話そうとしたけど、お前がかんちがいしちゃってさ。」
そうだったんだ・・・・・・。
「それに、俺、もうお前にプロポーズなんか、しねぇよ。」
ジュンブライトがいつものように二カッと笑った。
ごめんね、ジュンブライト。かんちがいしちゃって。
「あぁ。で、デート、いつ行こっか?」
今度の日曜日、空いてるから、今度の日曜日にしよっか。
それに、ジュンブライト。
「なんだ?」
今日、泣きすぎたせいか、全然、ねむれないの。
ジュンブライトとねたら、ねむれる気がするの。
ジュンブライト、一緒にねよっ。
「真莉亜・・・・・・。わかった。一緒にねてあげるよ。もう、おそいしな。」
ジュンブライトが、二カッと笑いながら、ベッドに上がった。
私は左につめて、ジュンブライトは、立ち上がって、私の方を見た。
「おやすみ、真莉亜。」
「おやすみ、ジュンブライト。」
ジュンブライトが電気を消して、私のとなりにねた。
私達は横向きになって、手をつないでねた。
なんか、全然ねむれない。
「う~ん・・・・・・。」
私が起き上がると、ジュンブライトが不思議そうに起き上がった。
「どうしたんだ。」
「・・・・・・ねむれないの・・・・・・。」
「そうか・・・・・・じゃあ、これはどうだ。」
ジュンブライトが突然、服を脱いで、上半身裸になった。
な、なにすんのよ!
「落ち着け!」
ジュンブライトが、ふとんにもぐりこんで、私の顔を胸に押しつけた。
・・・・・・ジュンブライトの胸、あったかい・・・・・・。
なんか、ねむれそうな気がする・・・・・・。
ドックン、ドックン、ドックン、ドックン。
ジュンブライトの心臓が、私の耳元に響いてくる。
「俺のハートが、すんげぇ響いているだろ?それはな、お前がいるから、響いているんだよ、真莉亜。」
ジュンブライト・・・・・・。
「これで、ねむれるだろ?」
うん・・・・・・。
大好きだよ、ジュンブライト。
「俺もだ。大好きだぜ、真莉亜。」
私達はそのままねむった。
☆
私は、朝ご飯を食べて、制服に着がえて、ジュンブライトが脱ぎ捨てた服をたたんでいた。
ジュンブライトは上半身裸で、とても気持ちよさそうにねている。
私は、ジュンブライトの服をベッドの上に置いた。
「いってきます。」
チュッ・・・・・・。
私が、ジュンブライトのかわいい寝顔にキスすると、ジュンブライトが動き出した。
「・・・・・・ムニャ、ムニャ・・・・・・。」
うふふふふ。かわいい。
私はジュンブライトのかわいい寝顔を見て、ほほえんだ。
「お父さ~ん!」
道華がジュンブライトにだきついてきた。
私は、ジュンブライトに何も言わず、部屋に上がった。
「真莉亜お姉様ぁ~!」
マドレーヌちゃんが、私にだきついて来た。
「向こうで遊びましょう!」
うん。
私が、マドレーヌちゃんと手をつないで、向こうに行ったとたん、リリアさんが現れた。
「ちょっと、二人とも、なにも話さないの?」
リリアさんが、私とジュンブライトの方を見ながら言った。
そして、私はジュンブライトの方を振り返って。
「おっさん王子。」
悪口をあっさり言った。
悪口を言われたジュンブライトは、口を開いて。
「バカ中学生。」
と、悪口をあっさり言った。
超~むかつくけど、がまん、がまん!
☆
次の日の昼休み。私はテレサさんに呼び出され、相談室に行った。
相談室には、テレサさんとルクトさんとリリアさんがいた。
私は無言で、いすにすわった。
「真莉亜、一体、なにがあったんだい。日曜日にジュンブライトとけんかして。」
「王子、「急にキレやがったから、こーなったんだって言ってんだろ!」しか言わないし。」
ルクトさん、ジュンブライトのまね、お上手です。
「正直に話しなさい。」
はいはい。わかりました。正直に話しますよ、正直に。
「ジュンブライトと別れるのが、いやだったんです。」
「それ、どういう意味?」
ジュンブライトがヒアン様と約束したんです。
「もしプロポーズしたら、真莉亜さんと別れてもらう。」って。
「ふーん。」
ところが、先週の日曜日、ジュンブライトが道華にこう言ったんです。「二人にしてくれ。」って。
二人きりになったとたん、ジュンブライトが、「話したいことがある。」って言ったんです。
私、その二つを、頭の中でたしたんです。
二人にしてくれ+話したいことがある=プロポーズって。
「どんなたし算なんだい。」
「さぁ。」
プロポーズされると思ったんです。そして、ジュンブライトがこう言ったんです。
「いろいろ考えたんだけど。」って。
また、私は頭の中でたしたんです。
二人にしてくれ+話したいことがある+いろいろ考えたんだけど=101回目のプロポーズって。
「だからそれ、どんなたし算なんだい。」
「答えが有名なドラマの題名になってるわ。」
「その題名を聞くたび、涙が出ました・・・・・・。」
「なんで泣くんだい。」
そして、最後にジュンブライトが私に、本を差し出したんです。
「本を?」
はい。私、その本を『ゼクシィ』と思ったんです。
「あぁ。あの本ね。あたし、いっつもそれ、読んでるよ。」
「あなた、そんなに彼氏が欲しいの?」
もし、プロポーズが成功したら、結婚式場をどこにするかって、聞いてくるかもしれないと思ったんです。
ジュンブライトと別れたくないと思って、つい・・・・・・。
「本を向こうに飛ばしたんだね。」
私はしゃくり上げそうな顔で、うなずいた。
「それが原因で・・・・・・それが原因で・・・・・・。」
私は「わぁ!」と泣き出した。
泣いている私の肩を、リリアさんがヴァンパイアになって、だきしめた。
☆
「ふーん。そういうことだったのかぁ。」
「あんた、真莉亜に本当のこと、言ってあげたらどうだい。」
「はぁ?なんでだよ。」
「真莉亜、かんちがいしてるから。」
「・・・・・・ちぇ、わかったよ。言えばいーんだろ、言えば。」
☆
今日、いっぱい泣いたから、全然、ねむれない。
私は、部屋の電気をつけて、ベッドに腰をかけた。
時計はもう、11時半を指している。
トントン。
ん?誰?こんなおそくに。
私がカーテンを開けると、そこにはジュンブライトがいた。
・・・・・・おやすみなさい。
私はカーテンを閉めた。
「ちょっ・・・・・・おい!閉めるな!」
あんたになんか、会いたくない!
とっとと出て行ってよ!
「俺、お前と話したいことがあって、会いに来たんだよ!」
え?
私はまたカーテンを開けて、窓を開けて、ジュンブライトを部屋の中に入れた。
ん!?本をもっている!?
「話したいことって、これなんだ!」
私は本の方をビシッと指さした。
「ち・・・・・・ちげーよ!」
もう、出て行ってよ!
「真莉亜!俺の話を聞いてくれ!」
あんたの話なんか、聞くもんか!
「ちょっと来い!」
「キャッ!」
ジュンブライトが私の手を強くひっぱって、ベッドに腰をかけさせて、それと同時に、ジュンブライトが私のとなりに腰をかけた。
「な・・・・・・なにすんのよ!」
その本、『ゼクシィ』だとわかってるからねっ!
すると、ジュンブライトが、顔をカッとさせて、持ちあげた。
「これのどこが、『ゼクシィ』なんだよぉ!」
・・・・・・え?
これ、『ゼクシィ』じゃない。
『デート』って書いてあって、表紙にはラブラブカップルがうつっている。
これって、まさか・・・・・・。
「そ。デートしよう。」
えぇ~!?
それじゃあ、全部、私のかんちがいだったってこと!?
「あたり前だろ。」
出た。流行語ノミネート大賞予定の言葉。
このつっこみ、久しぶりにやるよ。
「俺、お前とつきあって、デートしたくなったんだ。それで、お前とどこに行くか話そうとしたけど、お前がかんちがいしちゃってさ。」
そうだったんだ・・・・・・。
「それに、俺、もうお前にプロポーズなんか、しねぇよ。」
ジュンブライトがいつものように二カッと笑った。
ごめんね、ジュンブライト。かんちがいしちゃって。
「あぁ。で、デート、いつ行こっか?」
今度の日曜日、空いてるから、今度の日曜日にしよっか。
それに、ジュンブライト。
「なんだ?」
今日、泣きすぎたせいか、全然、ねむれないの。
ジュンブライトとねたら、ねむれる気がするの。
ジュンブライト、一緒にねよっ。
「真莉亜・・・・・・。わかった。一緒にねてあげるよ。もう、おそいしな。」
ジュンブライトが、二カッと笑いながら、ベッドに上がった。
私は左につめて、ジュンブライトは、立ち上がって、私の方を見た。
「おやすみ、真莉亜。」
「おやすみ、ジュンブライト。」
ジュンブライトが電気を消して、私のとなりにねた。
私達は横向きになって、手をつないでねた。
なんか、全然ねむれない。
「う~ん・・・・・・。」
私が起き上がると、ジュンブライトが不思議そうに起き上がった。
「どうしたんだ。」
「・・・・・・ねむれないの・・・・・・。」
「そうか・・・・・・じゃあ、これはどうだ。」
ジュンブライトが突然、服を脱いで、上半身裸になった。
な、なにすんのよ!
「落ち着け!」
ジュンブライトが、ふとんにもぐりこんで、私の顔を胸に押しつけた。
・・・・・・ジュンブライトの胸、あったかい・・・・・・。
なんか、ねむれそうな気がする・・・・・・。
ドックン、ドックン、ドックン、ドックン。
ジュンブライトの心臓が、私の耳元に響いてくる。
「俺のハートが、すんげぇ響いているだろ?それはな、お前がいるから、響いているんだよ、真莉亜。」
ジュンブライト・・・・・・。
「これで、ねむれるだろ?」
うん・・・・・・。
大好きだよ、ジュンブライト。
「俺もだ。大好きだぜ、真莉亜。」
私達はそのままねむった。
☆
私は、朝ご飯を食べて、制服に着がえて、ジュンブライトが脱ぎ捨てた服をたたんでいた。
ジュンブライトは上半身裸で、とても気持ちよさそうにねている。
私は、ジュンブライトの服をベッドの上に置いた。
「いってきます。」
チュッ・・・・・・。
私が、ジュンブライトのかわいい寝顔にキスすると、ジュンブライトが動き出した。
「・・・・・・ムニャ、ムニャ・・・・・・。」
うふふふふ。かわいい。
私はジュンブライトのかわいい寝顔を見て、ほほえんだ。
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