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第四話 「真莉亜とジュンブライト、早くも別れる!?」

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次の日も次の日も、私はジュンブライトと話をしなかった。

「お父さ~ん!」

道華がジュンブライトにだきついてきた。
私は、ジュンブライトに何も言わず、部屋に上がった。

「真莉亜お姉様ぁ~!」

マドレーヌちゃんが、私にだきついて来た。

「向こうで遊びましょう!」

うん。
私が、マドレーヌちゃんと手をつないで、向こうに行ったとたん、リリアさんが現れた。

「ちょっと、二人とも、なにも話さないの?」

リリアさんが、私とジュンブライトの方を見ながら言った。
そして、私はジュンブライトの方を振り返って。

「おっさん王子。」

悪口をあっさり言った。
悪口を言われたジュンブライトは、口を開いて。

「バカ中学生。」

と、悪口をあっさり言った。
超~むかつくけど、がまん、がまん!





次の日の昼休み。私はテレサさんに呼び出され、相談室に行った。
相談室には、テレサさんとルクトさんとリリアさんがいた。
私は無言で、いすにすわった。

「真莉亜、一体、なにがあったんだい。日曜日にジュンブライトとけんかして。」

「王子、「急にキレやがったから、こーなったんだって言ってんだろ!」しか言わないし。」

ルクトさん、ジュンブライトのまね、お上手です。

「正直に話しなさい。」

はいはい。わかりました。正直に話しますよ、正直に。

「ジュンブライトと別れるのが、いやだったんです。」

「それ、どういう意味?」

ジュンブライトがヒアン様と約束したんです。

「もしプロポーズしたら、真莉亜さんと別れてもらう。」って。

「ふーん。」

ところが、先週の日曜日、ジュンブライトが道華にこう言ったんです。「二人にしてくれ。」って。
二人きりになったとたん、ジュンブライトが、「話したいことがある。」って言ったんです。
私、その二つを、頭の中でたしたんです。
二人にしてくれ+話したいことがある=プロポーズって。

「どんなたし算なんだい。」

「さぁ。」

プロポーズされると思ったんです。そして、ジュンブライトがこう言ったんです。
「いろいろ考えたんだけど。」って。
また、私は頭の中でたしたんです。
二人にしてくれ+話したいことがある+いろいろ考えたんだけど=101回目のプロポーズって。

「だからそれ、どんなたし算なんだい。」

「答えが有名なドラマの題名になってるわ。」

「その題名を聞くたび、涙が出ました・・・・・・。」

「なんで泣くんだい。」

そして、最後にジュンブライトが私に、本を差し出したんです。

「本を?」

はい。私、その本を『ゼクシィ』と思ったんです。

「あぁ。あの本ね。あたし、いっつもそれ、読んでるよ。」

「あなた、そんなに彼氏が欲しいの?」

もし、プロポーズが成功したら、結婚式場をどこにするかって、聞いてくるかもしれないと思ったんです。
ジュンブライトと別れたくないと思って、つい・・・・・・。

「本を向こうに飛ばしたんだね。」

私はしゃくり上げそうな顔で、うなずいた。

「それが原因で・・・・・・それが原因で・・・・・・。」

私は「わぁ!」と泣き出した。
泣いている私の肩を、リリアさんがヴァンパイアになって、だきしめた。





「ふーん。そういうことだったのかぁ。」

「あんた、真莉亜に本当のこと、言ってあげたらどうだい。」

「はぁ?なんでだよ。」

「真莉亜、かんちがいしてるから。」

「・・・・・・ちぇ、わかったよ。言えばいーんだろ、言えば。」





今日、いっぱい泣いたから、全然、ねむれない。
私は、部屋の電気をつけて、ベッドに腰をかけた。
時計はもう、11時半を指している。
トントン。
ん?誰?こんなおそくに。
私がカーテンを開けると、そこにはジュンブライトがいた。
・・・・・・おやすみなさい。
私はカーテンを閉めた。

「ちょっ・・・・・・おい!閉めるな!」

あんたになんか、会いたくない!
とっとと出て行ってよ!

「俺、お前と話したいことがあって、会いに来たんだよ!」

え?
私はまたカーテンを開けて、窓を開けて、ジュンブライトを部屋の中に入れた。
ん!?本をもっている!?

「話したいことって、これなんだ!」

私は本の方をビシッと指さした。

「ち・・・・・・ちげーよ!」

もう、出て行ってよ!

「真莉亜!俺の話を聞いてくれ!」

あんたの話なんか、聞くもんか!

「ちょっと来い!」

「キャッ!」

ジュンブライトが私の手を強くひっぱって、ベッドに腰をかけさせて、それと同時に、ジュンブライトが私のとなりに腰をかけた。

「な・・・・・・なにすんのよ!」

その本、『ゼクシィ』だとわかってるからねっ!
すると、ジュンブライトが、顔をカッとさせて、持ちあげた。

「これのどこが、『ゼクシィ』なんだよぉ!」

・・・・・・え?
これ、『ゼクシィ』じゃない。
『デート』って書いてあって、表紙にはラブラブカップルがうつっている。
これって、まさか・・・・・・。

「そ。デートしよう。」

えぇ~!?
それじゃあ、全部、私のかんちがいだったってこと!?

「あたり前だろ。」

出た。流行語ノミネート大賞予定の言葉。
このつっこみ、久しぶりにやるよ。

「俺、お前とつきあって、デートしたくなったんだ。それで、お前とどこに行くか話そうとしたけど、お前がかんちがいしちゃってさ。」

そうだったんだ・・・・・・。

「それに、俺、もうお前にプロポーズなんか、しねぇよ。」

ジュンブライトがいつものように二カッと笑った。
ごめんね、ジュンブライト。かんちがいしちゃって。

「あぁ。で、デート、いつ行こっか?」

今度の日曜日、空いてるから、今度の日曜日にしよっか。
それに、ジュンブライト。

「なんだ?」

今日、泣きすぎたせいか、全然、ねむれないの。
ジュンブライトとねたら、ねむれる気がするの。
ジュンブライト、一緒にねよっ。

「真莉亜・・・・・・。わかった。一緒にねてあげるよ。もう、おそいしな。」

ジュンブライトが、二カッと笑いながら、ベッドに上がった。
私は左につめて、ジュンブライトは、立ち上がって、私の方を見た。

「おやすみ、真莉亜。」

「おやすみ、ジュンブライト。」

ジュンブライトが電気を消して、私のとなりにねた。
私達は横向きになって、手をつないでねた。
なんか、全然ねむれない。

「う~ん・・・・・・。」

私が起き上がると、ジュンブライトが不思議そうに起き上がった。

「どうしたんだ。」

「・・・・・・ねむれないの・・・・・・。」

「そうか・・・・・・じゃあ、これはどうだ。」

ジュンブライトが突然、服を脱いで、上半身裸になった。
な、なにすんのよ!

「落ち着け!」

ジュンブライトが、ふとんにもぐりこんで、私の顔を胸に押しつけた。
・・・・・・ジュンブライトの胸、あったかい・・・・・・。
なんか、ねむれそうな気がする・・・・・・。
ドックン、ドックン、ドックン、ドックン。
ジュンブライトの心臓が、私の耳元に響いてくる。

「俺のハートが、すんげぇ響いているだろ?それはな、お前がいるから、響いているんだよ、真莉亜。」

ジュンブライト・・・・・・。

「これで、ねむれるだろ?」

うん・・・・・・。
大好きだよ、ジュンブライト。

「俺もだ。大好きだぜ、真莉亜。」

私達はそのままねむった。





私は、朝ご飯を食べて、制服に着がえて、ジュンブライトが脱ぎ捨てた服をたたんでいた。
ジュンブライトは上半身裸で、とても気持ちよさそうにねている。
私は、ジュンブライトの服をベッドの上に置いた。

「いってきます。」

チュッ・・・・・・。
私が、ジュンブライトのかわいい寝顔にキスすると、ジュンブライトが動き出した。

「・・・・・・ムニャ、ムニャ・・・・・・。」

うふふふふ。かわいい。
私はジュンブライトのかわいい寝顔を見て、ほほえんだ。
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