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第六話 「道華のもう一つの正体」
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今日は土曜日。私と道華は、いつものように、満月荘に来ています。
「マドレーヌちゃ~ん。スッポンの生き血ジュース、もってきたよぉ。」
テレサさんが、笑顔でスッポンの生き血ジュースをもってきた。
「ありがとうございます!」
マドレーヌちゃんが、笑顔でジュースを受け取って、ごくごく飲んだ。
「あ―!最高です~!」
マドレーヌちゃん!口の周りに、血がついてるよ!
「あ、ごめんなさい。」
マドレーヌちゃんが、ティッシュで口の周りをふいた、その時。
「・・・・・・血・・・・・・血・・・・・・血!血をくれ!」
道華がよだれを流しながら、言った。
あんた、人間でしょ?
「血をくれ!」
聞いてないし!
「急にどうしたのよ。」
「血・・・・・・!」
「なにか悪いものでも食べたんですか?」
「食べてない!血が欲しい!」
「道華様、なにかあったんですか?」
「血~!」
「ヴァンパイアみたーい。」
「血・・・・・・!早くくれ~!」
「おしばいなの?」
「ちがーう!血をくれ~!」
「あー!血、血、血、血、うっせー!」
今日の道華、ヴァンパイアみたい。
「だーめ。これはヴァンパイア界の飲み物だから、人間が飲むと、死ぬよ。」
テレサさんがからっぽになったコップを、片づけながら言った。
「ご・・・・・・ごめ~ん。さっきの冗談、冗談。」
・・・・・・あやしい。
「お前、またなんか隠してねぇか?」
「か、隠してなんかないよ!あ!それより、これ・・・・・・。」
道華が、私に白い紙を差し出した。
なに?これ。
「土曜参観。」
「土曜参観?」
私とジュンブライトは、ハモリながら、首をかしげた。
「マドレーヌ。土曜参観、いつあるの?」
「来週の土曜日です。」
あ!そういえば、琉理が言ってた!
「来週の土曜日に、土曜参観がある。」って!
「そ。それでね、二人に来て欲しいの。土曜参観に。」
え~?私、家でゴロゴロした~い。
「へー、おもしれぇじゃねぇか。で、なにをやるんだ?」
「家族を紹介するの。」
それって、発表?
「うん!あたし、二人のために、とってもいい文章を書いたんだ!」
道華が私達のためにぃ!?ジュンブライト、楽しみだね。
「お前、よけーなこと、書いてそー。」
「よけーなこと、書いてないよ!ちゃ―んと、真剣に書いたんだもん!」
「『真剣に』ということばがあやしい。」
「ねぇ、観に行くでしょ?」
「もっちろん。土曜参観を、観に行くぜ。おめぇも行きたいだろ?真莉亜。」
ジュンブライトがそういうなら・・・・・・行ってあげてもいいよ。
「やったぁ~!」
道華が喜びながら、飛び跳ねた。
☆
けど月曜日、道華がお腹をこわして、早退した。
原因は、今日の給食がぎょうざだったらしく、にんにくのにおいをかいだとたん、急に「オェー!」って、吐いたらしい。
しかも、人前で。
保健室まで運んだ先生が、お母さんにこう言ったんだって。
「道華ちゃん、ヴァンパイアみたいですね。」って。
「今日の給食のこんだて、見るの忘れてた・・・・・・。」
私のベッドでねこんでる道華が、そうつぶやいた。
「あんた、やっぱりなにか、隠してない?」
「ぎくぅ!」
だって、満月荘に行った時、「血をくれ!」って、言ってたじゃん。
「そ・・・・・・それはぁ、冗談だって、言ったじゃん。」
本当のこと、話しな。
そうしたら、スッキリするよ。
「やだ!」
道華がベッドにもぐりこんだ。
道華、なぞだらけだなぁ。
だって、未来からやって来た理由、一言も話さないんだもん。
おまけに、ヴァンパイアみたいだし。
不思議だなぁ~。
また、やっかいなことになりそう。
ピンポーン。
ん?誰なんだろ。
私は部屋を出て、階段を降りて、玄関を開けた。
そこには、道華と同じ歳の女の子が立っていた。
黄色い髪の色で、毛先がふんわりしていて、ハートのワンピースを着ていて、優しい瞳をした女の子。
「道華ちゃんのお姉ちゃんですか?」
あっ、はい。
「私、道華ちゃんと同じクラスの、安藤美鈴といいます。学級委員をやっています。」
年上に敬語でしゃべるなんて、なんていい子なんでしょー!
おまけに、学級委員をやっているなんて!
「道華ちゃん、大丈夫なんですか?」
心配してくれて、ありがとー。
道華に、こんな友達がいるなんて、うらやましいよ。
「これ、よかったら。」
美鈴ちゃんが、私に箱を渡した。
ケーキを買ってきてくれたの?ありがとー。
道華、きっと喜ぶよ。
「ありがとうございます。うちの両親、パティシエなんで。」
美鈴ちゃんち、ケーキ屋さんなんだぁ。
「じゃあ、さようなら。」
美鈴ちゃんは、ワンピースをひらりとゆらしながら、そのまんま、歩いて行った。
「あ。」
美鈴ちゃんが立ち止まり、にっこりしたかわいい笑顔で、私の方を振り向いた。
「道華ちゃん、ヴァンパイアみたいだねって、クラスのみんなが言ってましたよ。」
と、言い残して、歩き始めて、帰っちゃった。
ヴァンパイアみたいだね・・・・・・か。
☆
土曜参観当日。
私とジュンブライトが、道華の教室に向かっている時だった。
「真莉亜お姉様ぁ~!」
「王子~!」
マドレーヌちゃん、ルクトさん、リリアさん!
どうしたんですか?息を切らして。
「道華が美鈴っていう子を、裏庭に連れて行くのを見たわ!」
えぇ!?
「もう、授業、始まるぞ!てか、それがどうしたんだ。」
「なんか、いやな予感がするんです!」
ルクトさんが、あわてながら言った。
いやな予感?
「はい!早く行きましょう!」
マドレーヌちゃんが、私の手をぎゅっとにぎった。
でも、授業が・・・・・・。
「今は道華が優先よ!早く行きましょう!」
私達は、急いで階段を降りた。
美鈴ちゃん、大丈夫かなぁ?
☆
「マドレーヌちゃ~ん。スッポンの生き血ジュース、もってきたよぉ。」
テレサさんが、笑顔でスッポンの生き血ジュースをもってきた。
「ありがとうございます!」
マドレーヌちゃんが、笑顔でジュースを受け取って、ごくごく飲んだ。
「あ―!最高です~!」
マドレーヌちゃん!口の周りに、血がついてるよ!
「あ、ごめんなさい。」
マドレーヌちゃんが、ティッシュで口の周りをふいた、その時。
「・・・・・・血・・・・・・血・・・・・・血!血をくれ!」
道華がよだれを流しながら、言った。
あんた、人間でしょ?
「血をくれ!」
聞いてないし!
「急にどうしたのよ。」
「血・・・・・・!」
「なにか悪いものでも食べたんですか?」
「食べてない!血が欲しい!」
「道華様、なにかあったんですか?」
「血~!」
「ヴァンパイアみたーい。」
「血・・・・・・!早くくれ~!」
「おしばいなの?」
「ちがーう!血をくれ~!」
「あー!血、血、血、血、うっせー!」
今日の道華、ヴァンパイアみたい。
「だーめ。これはヴァンパイア界の飲み物だから、人間が飲むと、死ぬよ。」
テレサさんがからっぽになったコップを、片づけながら言った。
「ご・・・・・・ごめ~ん。さっきの冗談、冗談。」
・・・・・・あやしい。
「お前、またなんか隠してねぇか?」
「か、隠してなんかないよ!あ!それより、これ・・・・・・。」
道華が、私に白い紙を差し出した。
なに?これ。
「土曜参観。」
「土曜参観?」
私とジュンブライトは、ハモリながら、首をかしげた。
「マドレーヌ。土曜参観、いつあるの?」
「来週の土曜日です。」
あ!そういえば、琉理が言ってた!
「来週の土曜日に、土曜参観がある。」って!
「そ。それでね、二人に来て欲しいの。土曜参観に。」
え~?私、家でゴロゴロした~い。
「へー、おもしれぇじゃねぇか。で、なにをやるんだ?」
「家族を紹介するの。」
それって、発表?
「うん!あたし、二人のために、とってもいい文章を書いたんだ!」
道華が私達のためにぃ!?ジュンブライト、楽しみだね。
「お前、よけーなこと、書いてそー。」
「よけーなこと、書いてないよ!ちゃ―んと、真剣に書いたんだもん!」
「『真剣に』ということばがあやしい。」
「ねぇ、観に行くでしょ?」
「もっちろん。土曜参観を、観に行くぜ。おめぇも行きたいだろ?真莉亜。」
ジュンブライトがそういうなら・・・・・・行ってあげてもいいよ。
「やったぁ~!」
道華が喜びながら、飛び跳ねた。
☆
けど月曜日、道華がお腹をこわして、早退した。
原因は、今日の給食がぎょうざだったらしく、にんにくのにおいをかいだとたん、急に「オェー!」って、吐いたらしい。
しかも、人前で。
保健室まで運んだ先生が、お母さんにこう言ったんだって。
「道華ちゃん、ヴァンパイアみたいですね。」って。
「今日の給食のこんだて、見るの忘れてた・・・・・・。」
私のベッドでねこんでる道華が、そうつぶやいた。
「あんた、やっぱりなにか、隠してない?」
「ぎくぅ!」
だって、満月荘に行った時、「血をくれ!」って、言ってたじゃん。
「そ・・・・・・それはぁ、冗談だって、言ったじゃん。」
本当のこと、話しな。
そうしたら、スッキリするよ。
「やだ!」
道華がベッドにもぐりこんだ。
道華、なぞだらけだなぁ。
だって、未来からやって来た理由、一言も話さないんだもん。
おまけに、ヴァンパイアみたいだし。
不思議だなぁ~。
また、やっかいなことになりそう。
ピンポーン。
ん?誰なんだろ。
私は部屋を出て、階段を降りて、玄関を開けた。
そこには、道華と同じ歳の女の子が立っていた。
黄色い髪の色で、毛先がふんわりしていて、ハートのワンピースを着ていて、優しい瞳をした女の子。
「道華ちゃんのお姉ちゃんですか?」
あっ、はい。
「私、道華ちゃんと同じクラスの、安藤美鈴といいます。学級委員をやっています。」
年上に敬語でしゃべるなんて、なんていい子なんでしょー!
おまけに、学級委員をやっているなんて!
「道華ちゃん、大丈夫なんですか?」
心配してくれて、ありがとー。
道華に、こんな友達がいるなんて、うらやましいよ。
「これ、よかったら。」
美鈴ちゃんが、私に箱を渡した。
ケーキを買ってきてくれたの?ありがとー。
道華、きっと喜ぶよ。
「ありがとうございます。うちの両親、パティシエなんで。」
美鈴ちゃんち、ケーキ屋さんなんだぁ。
「じゃあ、さようなら。」
美鈴ちゃんは、ワンピースをひらりとゆらしながら、そのまんま、歩いて行った。
「あ。」
美鈴ちゃんが立ち止まり、にっこりしたかわいい笑顔で、私の方を振り向いた。
「道華ちゃん、ヴァンパイアみたいだねって、クラスのみんなが言ってましたよ。」
と、言い残して、歩き始めて、帰っちゃった。
ヴァンパイアみたいだね・・・・・・か。
☆
土曜参観当日。
私とジュンブライトが、道華の教室に向かっている時だった。
「真莉亜お姉様ぁ~!」
「王子~!」
マドレーヌちゃん、ルクトさん、リリアさん!
どうしたんですか?息を切らして。
「道華が美鈴っていう子を、裏庭に連れて行くのを見たわ!」
えぇ!?
「もう、授業、始まるぞ!てか、それがどうしたんだ。」
「なんか、いやな予感がするんです!」
ルクトさんが、あわてながら言った。
いやな予感?
「はい!早く行きましょう!」
マドレーヌちゃんが、私の手をぎゅっとにぎった。
でも、授業が・・・・・・。
「今は道華が優先よ!早く行きましょう!」
私達は、急いで階段を降りた。
美鈴ちゃん、大丈夫かなぁ?
☆
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