ヴァンパイア♡ラブどっきゅ〜ん!

田口夏乃子

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第八話 「桜吹雪のネル登場!」

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とある東北地方。

「おい。おばあさん。ここ、どこなんだ?」

一人の女が、畑仕事をしているおばあさんにたずねている。
迷子になったのだろう。
おばあさんは、畑仕事をやめて、女の方を見た。
女は刀を持っている。

「ああん?おばあちゃん、かわいいねぇって?」

おばあさんは、耳をかたむけた。
彼女が聞いているのは、それではない。

「ちがう!ここはどこだって、言ってんだよっ!」

「正直な姉ちゃんだねぇ。」

「このおばあさん、どんだけ耳が遠いんだよ。」

と、そこへ、おばあさんの娘さんらしい女の人が現れた。

「お母さん、なにをしとるべな。」

「この姉ちゃんが、私のことを、かわいいって言ってくれたんだよ♡」

「ちがう。」

「もお!耳が遠いんだから!で、姉ちゃん、なんの用だ?」

「ここ、どこなんだ?」

「姉ちゃん、どこに向かってるの?」

「東京だ。ここ、もしかして、東京なのか!?」

どうやら、東京に行きたがっているようだ。

「いいや、ここは東京じゃない。岩手だ。」

「じぇじぇじぇ!」

有名な朝ドラの、セリフを、声を上げて言った。

「・・・・・・すまん。言ってみただけだ。はやってるからな。」

「東京は、関東地方っていうところにあるだ。」

「ありがとう。」

女はお礼を言って、その場を去った。

(ちくしょー!一体、いつになれば、東京に着くんだよ!)





ーそれから一週間後ー

「へっくしょん!」

リリアさんが、大きなくしゃみをした。

「あ~、寒い。」

リリアさん、最近、おかしいですよ。くしゃみしたり。

「かぜでもひいたんですか?」

「大丈夫よ、マドレーヌ。」

「動物病院に連れて行こうか?」

テレサさん、リリアさんはヴァンパイアキャットですよ?

「動物あつかい、しないでくれる?」

「・・・・・・ごめん。」

リリアさんは、ペット用のベッドまで歩いて、そのままねこんだ。

「リリア、最近、おかしいわねぇ。」

「6月なのに、かぜをひくなんて。」

リリアさん、なにかあったんですか?

「・・・・・・最近、いやな感じがするの。」

いやな感じ?

「リリア~!」

道華と、アキちゃんと、ソラちゃんが、リリアさんのところにやって来た。

「お散歩しよっ。」

道華、リリアさんは具合が悪いから、お散歩できないの。

「え~?」

「ごめんね。お散歩は、また今度にしましょう。」

「・・・・・・うん。」

道華は、こっくりとうなずいた。

「じゃあ、ジュンブライト様とお散歩する!」

アキちゃん、ジュンブライトは、ルクトさんと、お買い物に行っているから、いないよ。

「だまれ、バカ女。」

バカじゃありませんっ。

「アキ!真莉亜に謝りなさいっ!」

「やだ。」

クリスさん、ありがとうございます。

「別にいいのよ。」

ピンポーン。

「誰だろ。」

テレサさんが立ち上がって、玄関を開けると、そこには誰もいなかった。

「ピンポンダッシュかい。最近の若者は、こーゆーのするの、大好きだね・・・・・・ん?」

下を見ると、黒い犬がいた。

「真莉亜~。犬がいるよぉ~。」

犬?

「行ってみましょう。」

私達がかけよると、下には黒い犬がいた。

「・・・・・・これは犬じゃありません!ヴァンパイアキャットですっ!」

ヴァンパイアキャット!?

「おい。」

な、なんでしょうか。

「ここはどこだ。」

満月荘ですよ。

「あんた、誰なんだい。」

「関東地方は、どこだ。」

・・・・・・?

「あんた、なに言ってるの?」

「関東地方は、ここよ。」

社会で習ったんでしょ?九州地方はここだとか、愛知県はここだとか。

「あぁ。でも、全部0点だった。」

もしかして、方向オンチ?

「やかましいわ!ところで、関東地方のどこなんだ?」

「東京ですよ。」

すると、ヴァンパイアキャットさんの目が、キラーンと光った。

「なにぃ!?」

「なんなの?あのヴァンパイアキャット。」

「さぁ。」

「・・・・・・ん!?」

どうしたんですか!?

「・・・・・・復讐のにおいがする!」

ヴァンパイアキャットさんは、猛ダッシュで、部屋に上がった。

「ちょっと!勝手に入らないでよ!」

クリスさんがそう言った、その時。

「お母さん、助けて!」

部屋の向こうから、道華の声が聞こえた。

「どうしたんだい!?」

「か・・・・・・刀を持っているお姉ちゃんが・・・・・・。」

「リリアを殺そうとしている!」

!?

「あのヴァンパイアキャット、刀を持っていたわ!」

そういえば、復讐のにおいがするって、言ってた!

「リリアが危ない!」

私達は、急いで部屋に入って、猛ダッシュで、リビングに向かった。
リビングには、リリアさんを守ろうとしている、道華とアキちゃんとソラちゃんがいた。
その前には、三人に刀を向ける、女の人がいた。
黒い髪で、ポニーテールで、服装は、暴力団みたいで、胸には包帯をまいている。

「おい、ガキども。そこ、どけろ。」

「やだ!」

女の人は、カッとなった。

「どけねぇと、お前らも殺すぞ。」

それだけはやめてくださいっ!

「なんだ?お前らは。」

「あんた、一体、何者なんだい。」

「リリアを殺そうとするなんて、ひどいわ!」

「おまけに、アキ達を殺そうとするなんて!」

「ゆるしませんっ!」

私達は、リリアさんを守った。
すると、リリアさんはヴァンパイアになって、女の人のところにやって来た。

「リリアさん!」

「リリア!殺されますよ!」

私達が言っても、リリアさんは無視をした。
そして、女の人の顔を見た。

「ネル、バカなまねは、よしなさい。」

ネルと呼ばれた女の人は、ニッと笑った。

「久しぶりだな、リリア。」

知り合いなんですか?

「・・・・・・私の妹よ。」

「えぇ~!?」

まさか、リリアさんに妹がいたなんて!

「しかも、妹があの、ネルだなんて!」

ネルさんっていう人、有名人なの?

「はい!元ヴァンパイア暴力団の一員で、ヴァンパイア界一の剣士なんです!賞金稼ぎと手を組んだり、『桜吹雪の舞』っていうすごいわざをもっているんです!みんなからは、『桜吹雪のネル』と、呼ばれているんですっ!」

そんなにすごい人が、リリアさんの妹だなんて・・・・・・。

「あなた、なんでここに来たの!」

「ふっ、それはな、お前に復讐するためだよっ!」

復讐って、リリアさん、なにをやったんですか!?

「し・・・・・・知らないわよ。昔のことなんか。」

「うそつけ!」

ネルさんは、リリアさんの方に刀を向けた。

「あたしは覚えてる。ガキのころ、あたしにいじわるしたり、あたしのものをうばったり!あたしはお前に復讐するために、2年前、ヴァンパイア界を出た!」

2年前に出発した!?

「けど、東京は一体、どこにあるか、わからないまま、2年間、迷いこんだ。」

やっぱり・・・・・・。

「方向オンチじゃん。」

「やかましいわ!」

「ネルはこー見えて、方向オンチなのよ。」

「お前はだまってろ!」

まるで、『らんま2分の1』に出てくる、響良牙みたいですね。

「うん。」

「響良牙と比べるなっ!てか、お前らは一体、誰なんだ!」

リリアさんが、ネルさんの肩をポンっとたたいた。

「説明するから、刀、直しなさい。」

「・・・・・・あぁ。」

ネルさんは、刀を直した。
リリアさん、いいお姉さんだねぇ。
ネルさん、うらむ必要、ないんじゃない?


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