ヴァンパイア♡ラブどっきゅ〜ん!

田口夏乃子

文字の大きさ
21 / 185

第十話 「ネルさんの弟子」

しおりを挟む
ネルさんとリュウちゃん、あれから3日、どうなってるんだろ。

「きっと、一緒に修行をしているかも知れませんね!」

そうだね。
トタトタトタトタ。
ん?向こうから、足音が聞こえるぞ。
ピンポーン。

「あたしが出るぅ~。」

アキちゃんが、笑顔で玄関へ向かった。

「よいしょっと。あ、ネル!どうしたの?そんなにイライラしちゃって。」

ネルさん、3日ぶりですね。

「うるさい!ほっといてくれ!」

ネルさんは、足をドンドンさせながら、リビングへ向かって、リビングに着いたあと、ドスンとすわった。

「・・・・・・なんか、不機嫌そうね。」

顔がめちゃくちゃおこってるし。どうしたんだろ。

「おい!ルクト!」

「は、はい!」

「・・・・・・酒、持ってこい。」

えぇ!?こんな昼間っから、お酒を飲むの!?

「で、でも、今はお昼ですし、今飲んだら、お体に悪いですし・・・・・・。」

「いいからさっさと持ってこい!」

あんなに怒鳴るネルさん、初めて見た。

「は、はい!」

ネルさんに怒鳴られたルクトさんは、急いでお酒を持ってきた。

「ど、どうぞ。」

「サンキュー。」

ネルさんは、ルクトさんが差し出したお酒のガラス瓶を、ぱっとうばって、ふたを開けた。
ゴクゴクゴクゴク・・・・・・。
ガ・・・・・・ガブ飲みしてる・・・・・・。

「ぶは―っ!こりゃあうまい!おい!どんどん酒、持ってこい!」

「は、はい!ただいまぁ~。」

さっきから気づいたけど、一人、いないね。

「リュウお姉ちゃんは?」

ソラちゃんがたずねると、ネルさんは、ソラちゃんの方を、こわーい目でにらんだ。

「ひぃぃぃぃぃ!お姉ちゃん!今日のネル、こわーい!」

ソラちゃんは泣きながら、クリスさんにだきついてきた。

「そういう女の名前を、二度と口にするな!」

今日のネルさん、いつもとちがう・・・・・・。

「二度と口にするなって・・・・・・。」

「お酒、持ってきましたよぉ。」

ルクトさんが、お酒を二本持ってくると、ネルさんはまた、お酒をガブ飲みした。

「やっぱ、酒はうめぇなぁ。」

ネルさんが、もう一本の酒に手を出そうとした時、リリアさんがお酒に手を出そうとしている手をとめた。

「な・・・・・・なにするんだよ!」

「やめなさい。これ以上飲んだら、本当のこと、話せなくなるわ。」

「は・・・・・・離せ!」

ネルさんが、リリアさんの手を振り離そうとしている。

「ネル、リュウはどうしたんだい。」

「!?」

あんなに尊敬していたリュウさんと、なんで一緒じゃないんですか?

「し・・・・・・知るか!あんなやつのこと!」

本当のこと、話してください。

「そうよ。」

ネルさんは、あきれたのか、「はぁ。」と、ため息をついた。

「・・・・・・実は、けんかしたんだ。」

けんか!?

「なんで、けんかしたの?」

紅葉が質問すると、ネルさんは話した。
その話は、とんでもない話だった。
一週間前、二人はいつものように、菜の花広場で修行をしていた。
修行中、リュウちゃんがこんなことを言い出したのだ。

「ネルさん!私に、『雷神の風』を、教えてください!」

「『雷神の風』!?なんでお前が、それを知ってるんだ。」

『雷神の風』とは、とても危険なわざで、それを身についた剣士が、雷神の呪いで、かみなりを受けて死ぬといわれているわざだ。

「ヴァンパイア界に出る前、『雷神の風』の巻物を買ったんです。」

リュウちゃんが、ネルさんに渡した巻物は、まさしく、『雷神の風』の巻物だった。

「・・・・・・本物だ・・・・・・。これは、『雷神の風』そのものだ。説明も、わざを習得する方法も、『雷神の風』
そのもの!でも・・・・・・。」

「でも?」

「お前には、このわざは危険すぎる。ほかのわざを教えてやろう。」

「いやです!私は、『雷神の風』を、どうしても習得したいんです!

「お前は自殺する気か!」

「・・・・・・!?」

「あんなに難しいわざを習得するなんて、バカだなぁ。」

「じゃあ、私一人で習得します!『桜吹雪の舞』より、もっと強いわざを生み出します!自分の手で!」

「・・・・・・勝手にしやがれ。」

・・・・・・という話だった。

「お~い!」

どうしたの?

「手紙が入ってたよ!」

道華が、白い紙をみんなに見せた。

「ネル宛てじゃん。」

紙を取ったクリスさんが、『ネルさんへ』という字を見つめた。

「あたしに・・・・・・?」

ネルさんは、クリスさんの手に持っている紙をぱっと取って、紙を広げた。

「!?」

ネルさんが、目をまるくした。

「・・・・・・決闘の申し出だ。」

誰から!?

「リュウからだ。」

「私に見せて!」

紅葉!私にも見せて!
どれどれ?ん?

〈決闘を申しこむ。明日の朝、菜の花広場に来い。 リュウより〉

「ちょっとまって。明日、雨が降るって、言ってたわよ?」

「雨だと!?」

「なにか、関係あるのかい?」

ネルさんは、こくりとうなずいた。

「あぁ!『雷神の風』とな!」

ネルさんは、ニヤリと笑った。

「ところで、菜の花広場は、どこなんだ?」

「あだーっ!」

私達は、お笑い劇みたいにコケた。
修行しに行く時、よく通ってる道を通れば、いいんですよ。

「お前に教えられたくないわ!」

す、すみません・・・・・・。

「あたし、菜の花広場への道のり、全然覚えてないんだ。ジュンブライト様!菜の花広場への道のりを、教えてください!お願いします!」

ネルさんが、ジュンブライトの方に向かって、おしぎすると、ジュンブライトは、ニカッと笑った。

「いいぜ!ネルのためなら、なんでもやるぜ!」

「あ・・・・・・あたしのためなら、なんでもやる?それって、もしかして!あたしのことを、好きでいらっしゃるのぉぉぉぉぉ!?」

いや、ちがうと思う。

「だって、ネルは俺の友達だから。ダチのためなら、なんでもやるぜ!」

「ガーン。」

あらら。ネルさん、すっごく落ちこんでるよぉ。

「友達・・・・・・か。あたしとジュンブライト様の赤い糸は、一体いつ、結ばれるんだぁぁぁぁぁぁ!」

「結ばれないと思うわ。」

うん。

「片想いしてるから。」

そうだね。

「ジュンブライト様と結ばれるのは・・・・・・。」

「あたしよ!」「あたしよ!」「私よ!」

ジュンブライト大好き三姉妹の声がハモッて、三姉妹はムッとした顔になった。

「ジュンブライト様と結ばれるのは、この、あたしよ!」

「ちがーう!あたしが、ジュンブライト様と結ばれるの!」

「ジュンブライト様のお嫁さんになるのは、私だよ!」

三人とも、けんかはやめてください。



しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

彼の言いなりになってしまう私

守 秀斗
恋愛
マンションで同棲している山野井恭子(26才)と辻村弘(26才)。でも、最近、恭子は弘がやたら過激な行為をしてくると感じているのだが……。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

ちょっと大人な物語はこちらです

神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な短編物語集です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜

来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、 疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。 無愛想で冷静な上司・東條崇雅。 その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、 仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。 けれど―― そこから、彼の態度は変わり始めた。 苦手な仕事から外され、 負担を減らされ、 静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。 「辞めるのは認めない」 そんな言葉すらないのに、 無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。 これは愛? それともただの執着? じれじれと、甘く、不器用に。 二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。 無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話

登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。

処理中です...