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第十一話 「アキちゃんとソラちゃんのお姫様ごっこ?」

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私達は、お城によじ登って、お城にのりこもうとしていた。
はぁ、はぁ、はぁ・・・・・・もう、づかれた~。
つるっ。
うわぁ!お、落ちそうになったよぉ。
 
「ちょっと!手、離さないのよ!」
 
だ、だってぇ、下を見ると、もう、だめになりそうで・・・・・・。
 
「下を見たら、ますますこわくなるわよ!」
 
は~い。
 
「ん!?人の声が聞こえる!」
 
あのバルコニーの方からだ!
 
「真莉亜!行くわよ!」
 
え!?ま、まさか、このお城の壁から、飛び移るんですか!?
 
「あたり前じゃない!それしか方法がないんだから!」
 
む、無理です~!
 
「3、2、1で行くわよ!」
 
ひ、一人ずつ、行きましょう・・・・・・。
 
「ったく、しょうがないわねぇ。あたしから行くから、ちゃんと、飛び移るのよ。」
 
わかりました。
 
「行くわよ。3、2、1!」
 
クリスさんは、その瞬間、バルコニーに飛び移った。
クリスさん、すご~い!スパイダーマンみた~い!
 
「あんた、手!」
 
手?あわわわわ!
ふぅ~、やっとつかまえられたぁ。
 
「真莉亜!3、2、1で、飛び移るのよ!」
 
そ、そうだった!すっかり飛び移るの、忘れてた!
 
「バカじゃないの。」
 
春間真莉亜、飛び移ります!
すパイだーまんみたいに、飛び移ります!
 
「3、2,1!」
 
私はその瞬間、シュッと、バルコニーに飛び移った。
と、思ったら、バルコニーの柱につかまってた。
わわわわ!どうしよ~!足、ブラブラするよぉ~!
 
「真莉亜!手!」
 
クリスさんが、私の前に手を出した。
私は、右手を出して、クリスさんの手をにぎった。
 
「あんた、どんだけ、バカなのよ!」
 
クリスさんがそう言ったとたん、私はバルコニーになんとか、飛び移った。
し、死ぬかと思ったぁ~。
 
「もう!ハラハラさせないでよ!城の中に入るわよ!」
 
は、は~い。
私とクリスさんは、お城の中に入った。
 
「真莉亜お姉様~!」
 
その声は・・・・・・。
 
「マドレーヌちゃん!」
 
マドレーヌちゃんは、私にだきついてきた。
 
「ごめんなさい!放り出したりして!私、真莉亜お姉様のことが、大好きなのに・・・・・・クリスお姉様のことも、大好きなのに・・・・・・。」
 
マドレーヌちゃん・・・・・・。
 
「マドレーヌちゃんが悪いわけじゃないのよ。悪いのは、アキの方よ。」
 
ところで、マドレーヌちゃん、道華は?
 
「道華は・・・・・・。」
 
「お~い!」
 
道華が、こっちに向かって走ってるのが見えた。
 
「マドレーヌおばちゃん!アキがね、トランプ持ってこいって!」
 
ちょうどよかった~。道華、アキちゃんとソラちゃんは、どこにいるの?
 
「あそこのお部屋にいるの。」
 
道華が、遠くにある大きな扉を指さした。
 
「ところでお母さん達、なにしに来たの?」
 
え・・・・・・え―っとぉ・・・・・・。
 
「このお姫様ごっこを、やめさせてもらうのよ!アキとソラに!」
 
クリスさん、ナイスアイデアですね!
 
「賛成するの、おそ。」
 
「私に着いて来てください。」
 
というわけで、私とクリスさんは、道華とマドレーヌちゃんを先頭にして、アキちゃんとソラちゃんがいるお部屋に、行くことになりました。
トントン。
マドレーヌちゃんが、ドアをノックした。
 
「アキ、ソラ。お客様を連れてきました。」
 
「入っていいよ。」
 
部屋の向こうから、アキちゃんの声が聞こえた。
マドレーヌちゃんは、ガチャッとドアを開けた。
 
「失礼しまーす。」
 
うわぁ。お部屋の中、かっわいい~♡
ベッドはピンク色で、カーテンまでついていて、たんすの色は白で、ソファーの色もピンクで、テーブルの形は、ハートの形をして、色はピンク色のかわいいテーブル。かっわいい~♡
欲しいなぁ。
 
「真莉亜じゃねぇか!」
 
その声は・・・・・・。
 
「ジュンブライト!」
 
なにくつろいでるのよ!
てか、あんた、その服、なかなか似合うねぇ。
ジュンブライトは今、王子様の服を着ている。
 
「その服、どうしたの?」
 
「たまたまあった。」
 
たまたまあったんかい!
 
「ジュンブライト様~♡」
 
クリスさんが、ジュンブライトに近づこうとした、その時。
つるっ。
 
「ふんぎゃあ!」
 
クリスさん!
 
「クリスお姉様!」
 
「クリス!」
 
私達は、クリスさんのところへかけよった。
 
「大丈夫ですか?」
 
「いたたたた・・・・・・ん?」
 
クリスさんが、黄色で、皮みたいなものを、手にした。
 
「バナナの皮?」
 
「お姉ちゃん、大丈夫?」
 
そこへ、ソラちゃんがやってきた。
 
「大丈夫じゃないわよ!誰?ここにバナナの皮をおいたの!」
 
クリスさんがさけぶと、ソファーの方から笑い声が聞こえた。
 
「アキ!」
 
「ひっかかったわねぇ、お姉ちゃん。」
 
「こんないたずらはやめて、お姫様ごっこをやめなさいっ!」
 
すると、アキちゃんが、鼻でふっと笑った。
 
「いやだねーだ!お姫様にさからう者は、死刑よ!道華!マドレーヌ!二人を牢獄に閉じこめて!」
 
ちょっとまって。
 
「なんなの?バカ女。」
 
アキちゃん、一つ、お約束してもらう?
 
「約束?」
 
うん。私達を雑用係にして、私達がちゃ―んと働いたら、お姫様ごっこをやめるって。
 
「ちょ・・・・・・真莉亜!なに言ってんの!」
 
「クリスさんは、だまってて!」
 
クリスさんは、そのまんまだまりこんだ。
 
「おもしろいわねぇ。いいわよ。しかし、ちゃ―んと、働いていなかったら、二人とも、死刑にするわよ!」
 
はい!その気でがんばりますっ。
 
 

 
私とクリスさんは、調理室に行って、ルクトさんと、リリアさんと、テレサさんと、紅葉に、雑用係になったことを話した。
 
「というわけなんで、よろしくお願いします。」
 
私とクリスさんは、ルクトさん達の方に向かって、おしぎをした。
 
「こちらこそ、よろしくお願いします。」
 
ルクトさんが、私達に向かって、おしぎをした。
 
「紅葉達達の服、かわいいね。」
 
ほんとだ。まるで、秋葉原のメイドカフェのメイドさんみたーい。
 
「こんなの着るの、恥ずかしいよぉ。」
 
テレサさんの顔が、まっかっかになってる。
 
「本当かい?」
 
「えぇ。」
 
んじゃあ、私は皿洗いを手伝います。
 
「じゃあ、これをお願いします。」
 
はいは~い・・・・・・って、ルクトさん!皿の量、多すぎますよ!
 
「アキ様から、「バカ女に大量の皿を洗わせて。」って、言われましたので。」
 
そ、そんなぁ~。
で、でも、ちゃんと働かなかったら、死刑にされるもん。
がんばらなくちゃ。
私は、皿をゴシゴシ洗い始めた。
 
「あたしはお料理をつくる!ジュンブライト様のために、とびっきりおいしい料理を、作ってやろっと!」
 
「じゃあ、これをきってくれるかい?」
 
テレサさんが、台所に魚を置くと、クリスさんは猫顔になって、魚にとびついた。
 
「ん~♡おいしいニャ~♡」
 
「食べるなっ!」
 
テレサさんが、クリスさんの頭を、グーでなぐった。
 
 
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