ヴァンパイア♡ラブどっきゅ〜ん!

田口夏乃子

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第十五話 「真莉亜とジュンブライトが結婚した理由」

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裏サイトの悪口は、どんどんエスカレートしてきた。
今度は、私の中学生のころの卒業写真がのってあった。
 
『ブス。』
 
ひ・・・・・・ひどい・・・・・・。
次は、高校生のころの写真がのってあった。
 
『春間真莉亜 9月14日生まれ 双子座 神音女子高校卒 こーんなブスが女子高の卒業生だなんて、信じらんなーい。アハハハハハ!』
 
い・・・・・・いや・・・・・・。
プルプルプルプル。
突然、ケータイが鳴り始めた。
電話に出ようとしたけど、こわくて出られなかった。
私は、電話の相手を想像してみた。
 
「『死ね。』」
 
「『お前がいると、めいわくなんだよ!』」
 
「『裏サイトで、あんたの悪口とうそをかいている・・・・・・。』」
 
想像するだけで、体がふるえる。
こわい気持ちが、だんだん高まる。
と、その時。誰かが私の部屋に入ってきた。
 
「お母さん!」
 
私はパソコンを隠して、下を向いた。
 
「なんで電話に出ないの!」
 
お母さんは怒りながら、私のケータイをとった。
 
「もしもし?あ、比奈多ちゃん!久しぶりねぇ。うんうん、ちょっとまってね。真莉亜、比奈多ちゃんからよ。あなたに話したいことがあるって。」
 
お母さんが、私にケータイを渡した。
 
「もしもし?比奈多さん?」
 
「『あら、真莉亜様。同窓会以来ですわねぇ。元気にしていますか?』」
 
比奈多さんは今、超~セレブなお嬢様の大学に通っている。
いわゆる、女子大かな?
は、はい。
 
「『その声、真莉亜様らしくないですわよ?』」
 
き、気にしないでくださいよぉ~!
 
「『裏サイトの件で、元気が出ないんですね?』」
 
!?
な、なんで比奈多さんが、そんなことを・・・・・・。
 
「『わたくし、ブログをやっていまして。ある日、わたくしの読者の一人が、春間真莉亜の中学、高校時代の卒業写真を送ってください。あと、プロフィールも教えてくださいって。』」
 
私と比奈多さんは、神音女子高校の卒業生なんだ。
 
「『わたくしは、その方に写真を画像にして送りましたけど、泉大学在学中ってことを知って、泉大学のホームページを開くと、裏サイトがありまして。そのサイトには、まあ大変!真莉亜様の悪口とうそがかかれているじゃありませんの!おまけに、潤様との2ショット写真があって!』」
 
比奈多さんが、ぷんぷん怒っている。
ありがとうございます、比奈多さん。心配してくれて。
 
「『困った時は、おたがい様ですわ。オーホッホッホッホ!』」
 
なんか、比奈多さんの笑い声を聞くたび、少し、元気が出たよ。
私はにこにこしながら、電話をきって、お母さんの方を振り向いた。
 
「なんで来たの?」
 
「実はね、ジュンブライトくんがね、最近、真莉亜が元気がないって言ってきて、かけつけたのよ。」
 
ふーん。
実は、お母さん、お父さん、琉理は、ジュンブライトがヴァンパイアだってこと、知ってるんだ。あと、年齢もねっ。
私とジュンブライトが同居してすぐに、家族がやってきて、ぎょうざパーティーをやることになったんだ。もちろん、おばあちゃんも来たんだ。
ジュンブライトはがまんして食べようとしたけど、とうとう、吐いてしまったんだ。
私とおばあちゃんは、まずい!と思ったけど、ジュンブライトが、とんがった歯を出して、お母さんは悲鳴を上げて、お父さんと琉理はびっくりしたんだ。
どうしようもないと思った私とおばあちゃんは、すべてを話したんだ。
おばあちゃんはもう、ジュンブライトがヴァンパイアだってことを知っている。
だって、おばあちゃんは、ルクトさんの友達だったんだもん。
話したあと、理解してくれて、お父さんが、家族だけの秘密にしようって、言ってくれたんだ。
 
「お義母さん。もう来てたのか。」
 
ジュンブライトがひょいっと、顔を出した。
 
「今日のご飯は、私がつくるから。二人が大好きなナポリタンをつくりましょう!」
 
「やったぁ~!」
 
私とジュンブライトは、思いっきり飛び上がった。
 
 

 
 
けど、裏サイトはまだ、解決してなかった。
もう、パソコンを開くたび、死にたくなる。
 
『HMの彼氏の年齢は、37だって!おっさんじゃん!』
 
『中学の国語の先生になるな!』
 
『お前の存在が、みんなをじゃまするんだよ!』
 
『バカ、死ね。』
 
『あの小娘を見るたび、殺したくなる。』
 
頭の中で、サイトでかかれた悪口やうそがうかんでくる。
 
「真莉亜ちゃんっ。」
 
誰かが、私の肩をたたいた。
 
「いや!」
 
私は逃げようとした。
その人は、必死に私を追いかけた。
 
「真莉亜ちゃん!あたしだよ、あたし!」
 
聞き覚えのある声に反応した私は、後ろを振り返った。
中年で、太っていて、優しそうな目をしていて、スーパーのふくろを両手いっぱいにもっているおばさんがいた。
 
「若山さん!」
 
若山さんは、私とジュンブライトが住むマンションのとなりの部屋で、旦那さんと二人で暮らしているんだ。
 
「どうしたの?顔色を悪くしちゃって。」
 
な、なんでもないです。
 
「それはよかった。これ、潤くんと食べてね。」
 
若山さんが、スーパーのふくろの中から、いちごが入ったパックを取り出して、私の前に出した。
私は、いちごのパックを、受け取った。
いいんですか?これ。
 
「うん。スーパーで買いものしてたら、おいしそうないちごがあって、試食したら、とてもおいしくて。」
 
ありがとうございますっ!潤とおいしく、いただきますっ!
 
「アハハハハ。じゃあ、また明日ね。」
 
若山さんは、マンションの中に入って行っちゃった。
私は、若山さんに続いて、マンションの中に入った。
あ、ポストに封筒がある。なにかな?
私が封筒に手を出そうとした、その時。
 
『春間真莉亜へ 泉大学を退学しろ。退学しないと、殺すぞ。』
 
そ・・・・・・想像してしまった・・・・・・封筒の中身を想像してしまった・・・・・・。
脅迫状がきてる・・・・・・こわい!
こわい気持ちが、だんだん高まってくる。
いや!封筒なんか、開けたくない!
 
「どうしたんだ。」
 
管理人さん!その封筒、開けたらだめ!その封筒は、脅迫状ですっ!
その時はもう、おそかった。
管理人さんは、封筒を開けて、手紙を広げた。
もう、人にうらまれるの、いや・・・・・・。
 
「これ、脅迫状じゃないよ。ただの手紙だよ。」
 
管理人さんが、私に手紙を渡した。
本当だ。脅迫状じゃない。よかったぁ。おばあちゃんからだ。
 
 

 
「ただいまぁ。」
 
私は部屋に入った。
 
「ごめーん。買い物で、おそくなっちゃった。ジュンブライト、ジュンブライト?」
 
ジュンブライトの声が聞こえない。
ジュンブライト、いるんでしょ?いたら返事して!
私はそう言いながら、リビングにあがると、ジュンブライトが真剣な顔で、私の顔を見つめていた。
 
「真莉亜。」
 
なに?
 
「お前に話したいことがある。」
 
話したいこと?なにそれ。
 
「これだ。」
 
ジュンブライトが、テーブルの上にあったパソコンを、私の方に見せた。
画面にはなんと、あの裏サイトの書き込みがうつっていた。
 
「な・・・・・・なにこれ。初めて見た・・・・・・。」
 
私はとまどった。
 
「うそつけ。これ、お前の悪口とうそがたっくさん、かかれている。教えてくれ。」
 
そんなの、知らない!
私は逃げようとした。
 
「まて!」
 
ジュンブライトが、私のうでをぎゅっとつかんだ。
離してよ!
 
「説明しろ!」
 
いやだ!
 
「俺はお前の味方だ!たのむ!最初っから最後まで話してくれ!」
 
ジュンブライト・・・・・・。
 
「・・・・・・わかった。話すよ。」
 
私はジュンブライトに、裏サイトのことを全部話した。
 
「・・・・・・そうか。」
 
ジュンブライトは、私の肩をだいた。
 
「つらかったな。」
 
うん、うん・・・・・・。
私は思わず、泣いてしまった。
なんか、本当のことを話すと、スッキリするよ。
 
「明日、一緒に大学に行こう。大学に行って、学長にそのことを話そう。」
 
うん。
 
「それと、ちゃんと話してくれて、ありがとう。」
 
ジュンブライトは、優しくほほえんだ。
 
 

 
 
その2日後。裏サイトの犯人が見つかった。
学長室に入ると、みつあみをしていて、めがねをかけたおんなのこが、くやしそうなかおをしていた。
 
「徳永亜莉紗。この人が、裏サイトに君の悪口をかいたり、うそをかいたりしたんだ。」
 
徳永さんは、私をにらんだ。
 
「ゆるさない!あんたの存在を消えさせるため、こんなこと、したのに!成績がいいからって、この大学の人気者になりやがって!」
 
徳永さんは、私におそいかかった。
教授が、徳永さんをとめようとした。
 
「やめろ!徳永!」
 
「やだ!私はね、この大学で一番成績がいいあんたが一番、うらやましかった!だから、裏サイトに書き込みをしたのよ!」
 
「やめなさい!」
 
学長の怒鳴り声で、徳永さんは私をおそうのをやめた。
 
「徳永亜莉紗。君はもう、この大学の生徒じゃない。」
 
そのとたん、徳永さんは腰をぬかして、顔を両手でおおって、しくしくと泣き始めた。
こうして、裏サイトの事件は終わった。
 
 
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