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第十五話 「真莉亜とジュンブライトが結婚した理由」

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みなさん、こんにちは。春間真莉亜です。
最近、気になることがあります。
それは、なんで未来の私とジュンブライトが結婚したか。
むっちゃくっちゃ気になる!
道華に話そうとしたけど、どうせ、わからないだろうなぁと思って、やめました。
昼休みに、テレサさんと、紅葉と、クリスさんを屋上に連れて、話し合いました。
 
「なんで結婚したかねぇ。」
 
「そんなこと言われても、わからないわよ。」
 
え―っ?
 
「そーゆーこと、道華に聞けばいーじゃん。」
 
「そうよ。道華なら、よく知っているかもしれないわ。」
 
「放課後、道華を連れてきな。」
 
がくっ。みんながそう言うなら、連れてきます。
 
 

 
 
私は道華を満月荘に連れて、なんで未来の私とジュンブライトが結婚したかを聞いてみた。
 
「俺も知りたいぜ。」
 
「私も、知りたいです!」
 
「わたくしも。」
 
「私も。」
 
「あたしも。」
 
「私も。」
 
「あたしも。」
 
「私も。」
 
アキちゃん以外のみんなが、道華のところにやってきた。
 
「ふっ、そんなの聞いて、どーすんの。バカ女のハッピーエンドの話なんか、聞きたくないもんねー。」
 
アキちゃんはあきれた顔をして、その場から立ち去ろうとした。
 
「あら。本当は聞きたいんでしょ?顔にそうかいてあるわ。」
 
紅葉がニヤニヤしながら言うと、アキちゃんは真っ赤になって、振り向いた。
 
「う、うるさい!バ、バカにしないでよ!」
 
アキちゃんは怒りながら、道華のところにやってきた。
 
「まったく、あんたは感情を隠せないタイプなんだから。」
 
クリスさんが、アキちゃんをからかった。
 
「う、うるさい!」
 
では、本題に入りましょう!
 
「ねぇ、道華。なんで、未来の私とジュンブライトが結婚したか、知ってる?」
 
すると、道華がにこっと笑って、うんっとうなずいた。
 
「知ってるよ。あたしが5歳のころ、話してくれたもん。」
 
本当に!?
 
「どこでプロポーズしたんだ!?」
 
ジュンブライトが熱心に、道華に聞いた。
 
「お父さん、落ち着いて。みんな、よく聞いてね。未来のお母さんとお父さんはね・・・・・・。」
 
 

 
 
-5年後ー
 
 
18歳。春間真莉亜は大学生になりました。
そして、私の彼氏、ジュンブライトは去年、念願のヴァンパイア界の大王になりました。
ヒアン様とルクトさんが亡くなって、ショックを受けてたけど、それを乗り越えて、元気にすごしています。
ジュンブライトは37歳。そろそろ、おっさんの仲間入りです。あ、元々、おっさんだったっけ。
私とジュンブライトは、都内のマンションで、同居しています。
もう、ジュンブライトを起こさないと。
私は寝室に入って、ベッドの方へ向かった。
ジュンブライトの寝顔、相変わらずかわいいなぁ。
 
「ジュンブライト、ジュンブライト。起きて。」
 
私は優しく声をかけた。
 
「う、う~ん。」
 
ジュンブライトは、目をこすりながら、起き上がった。
 
「おはよう、真莉亜。」
 
「おはよう、ジュンブライト。」
 
「今日の朝飯は、なんだ?」
 
フレンチトーストと、フルーツヨーグルトと、オレンジジュースだよ。
 
「真莉亜の飯は、いっつも、うまいもんなぁ。」
 
えへへへへ。ありがとう。
私とジュンブライトは、テーブルにすわって、パンっと、手をあわせた。
 
「いただきます。」
 
ジュンブライトは、パクパクとご飯を食べ始めた。
 
「ん~!サイコー!」
 
ジュンブライトはおいしそうに、ご飯を食べている。
すると、ジュンブライトが、フォークをもっている手をとめた。
 
「真莉亜。」
 
なに?ジュンブライト。
 
「俺達、もうすぐ、つきあって5年になるな。」
 
早いね。
 
「それを記念して、どっか、旅行でも行こうぜ!」
 
ジュンブライトが、二カッと笑った。
 
「うん、いいよ。私、そのために、バイト、がんばるから。」
 
「今日もおそいのか?」
 
うん。夜の8時に帰ってくるから。
 
「わかった。ごちそうさまでしたっ。」
 
ジュンブライトは、テーブルから離れて、鏡に向かおうとした。
 
「あ。」
 
ジュンブライトはくるりと、電話の方を振り向いて、電話の方へと向かった。
電話の横には、花びんがあった。
花びんの中には、ピンク色のかわいい花が4束あった。
ジュンブライトは、手をあわせて、目を閉じて、口を動かした。
 
「母さん、親父、じいや。いってきます。」
 
そうつぶやくと、ジュンブライトは、鏡の前に立って、私の方を振り向いた。
 
「いってきます。」
 
「いってらっしゃい。」
 
ジュンブライトは、鏡の中に入って行っちゃった。
さあてと、私も行きますか。
 
 

 
 
私は、泉大学という大学に通っています。
その大学の授業料が高いため、都内のファミリーレストランで、バイトをしています。
そうそう。なんで、ジュンブライトと同居しているのかというと、高校を卒業して、一人暮らしをするって言ったら、ジュンブライトが、俺、真莉亜と一緒に住む!って、言い出して・・・・・・。
当時、生きていたルクトさんがとめたけど、いやだ!俺、真莉亜と一緒に住む!真莉亜と一緒じゃなきゃいやだ!って、わがままを言って、それにこまったルクトさんが、真莉亜様、王子をよろしくお願いします。って、たのまれて、同居してるんだ。
正直、え―っ!と、思ったけど、ジュンブライトと一緒に住むなんて、夢みたいで、うれしくなったよ。
ジュンブライトの今のしつじは、リリアさんがやってる。
リリアさんとマドレーヌちゃんとテレサさんは、去年、ヴァンパイア界に帰っちゃった。
紅葉は医者になるため、医学部がある大学に通っていて、クリスさんは、トリマーの専門学校に通っている。
二人に会えないのはさびしいけど、中学校の同窓会の時、久々に会ってうれしかった。
二人とも、元気そうでよかったよ。
 
「春間。」
 
食堂のテーブルでコーヒーを飲みながら、レポートを書いている私のところに、大学の教授がやってきた。
 
「君は成績優秀だなぁ。今日の発表、よかったぞ。」
 
ありがとうございます。
 
「将来の夢はなんだ?」
 
「中学の国語の先生です。」
 
私が笑顔で言うと、教授はにこっと笑った。
 
「春間は成績がこの大学で一番輝いているから、きっと、採用試験に一発で合格するだろうな。んじゃあ、またな。」
 
教授は私に手を振りながら、食堂を出た。
よーし!立派な中学の国語の先生になれるよう、がんばるぞー!
私は、レポートを書き始めた。
 
「ちっ。」
 
 

 
次の日。私が廊下を歩いていると、三人組の女の子が、私をみて、ひそひそと話し始めた。
 
「ねぇ、あの子・・・・・・。」
 
「しっ!指をささないの!」
 
「私、あれ見たよ!すっごくひどかった!」
 
私は気になって、女の子達の方へ歩き始めた。
 
「なに話してるの?」
 
私が不思議そうに声をかけると、女の子達は、はっと顔をあげて、一目散に逃げた。
 
「?」
 
私は逃げてゆく女の子達の姿を見て、首をかしげた。
 
 

 
 
バイトの休憩中、大学で知り合った、野原理香ちゃんが、私に声をかけてきた。
 
「真莉亜、大学の裏サイト、見たことある?」
 
「ない。」
 
私は首を大きく振った。
それがどうしたの?
 
「昨日見たら、あんたのことがかいてあったの!」
 
私のこと?
 
「そう。それが超~ひどくて!」
 
どんなことがかいてあったの?
 
「パソコンで見るといいよ!」
 
そう言うなら、見よっかな。
 
 

 
 
バイトに帰ってくると、私は早速、自分の部屋に入って、パソコンを開いた。
インターネットを開いて、『泉大学』と検索した。
泉大学のホームページを開くと、私はあるものに気づいた。
 
『泉大学 裏サイト』?
 
私は好奇心をつのりながら、クリックすると、そのサイトには、意外なことがかいてあった。
・・・・・・私?
私はぼうぜんとして、言葉を失った。
サイトにかかれてあったのは・・・・・・。
 
『春間真莉亜は、自分の成績をブログで自慢している。サイテー女だ!』
 
う・・・・・・うそよ。私、ブログやってないし、成績を自慢していない!
誰?こんなことかいたの!
マウスをさらに下に動かすと、また意外なことがかいてあった。
 
『「私の彼氏、イケメンなのぉ~♡」それがどうした。自分の彼氏がかっこいいからって、いい気にのるな!』
 
いい気にのっていない!こんなデタラメなことかいたの、誰!?
すると、私は画面の下にある写真に気づいた。
その写真は、私とジュンブライトが、一緒に手をつないで歩いている写真だった。
・・・・・・私、私・・・・・・うそをかかれている!大学の裏サイトで、悪口と一緒にかかれている!
一体、誰なの?こんなバカなこと、かいたの!
 
「ふぅ、気持ちよかったぁ。」
 
ジュンブライトが、お風呂からあがってきた!
まずい!この裏サイトで、ジュンブライトを巻き込みたくない!
私は急いで、シャットダウンをした。
 
「真莉亜。帰って来たのか。」
 
ジュンブライトが、バスタオルで頭をふきながら、私の部屋に入ってきた。
 
「めずらしいなぁ。お前がパソコンをするなんて。」
 
ぎくぅ!
私は、つくり笑いをしてジュンブライトの方を振り向いた。
 
「ど、動画を見ようとして・・・・・・。」
 
「動画?なんの動画を見たんだ?」
 
えっと、『ОNEPICE』。この前、見逃したから。
 
「顔色、悪いぞ。」
 
き、気のせいじゃない?さぁ、ご飯食べよっ。今日の夜ご飯は、カレーとポテトサラダだよっ。
 
「やったぁ~!」
 
私とジュンブライトは、部屋を出た。
裏サイトのこと、ジュンブライトには秘密にしとこっ。
これ以上、大切な人を巻き込みたくないから。
 
 
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