76 / 185
第三十三話 「ジュンブライトとマドレーヌちゃんが、けんかした!?」
しおりを挟む
平和なお昼です。
今日は土曜日。なにをしよっかなぁ~?
よし、勉強をしよう!
すると、ドアが、ガチャッと開いた。
「お母さん、遊ぼう!」
ごめんね、道華。勉強するからあっちに行って。
「え~?やだ―。」
もう、わがまま言わないの。
ピンポーン。
「真莉亜~、出て~。」
下から私のお母さんの声が聞こえる。
一体、誰が来たんだろ。
私は、階段を降りて、玄関のドアを開いた。
あれ?誰もいない。
もう!最近の若者は、こんなにおもしろくないいたずらを、するんだから!
私が、ドアを閉めようとした、その時!
「真莉亜お姉様・・・・・・。」
ん?声がした?
下を見ると・・・・・・。
むらさき色のツインテールに、ピンクの大きいリボン。むらさき色の、かわいい目は・・・・・・。
「マドレーヌちゃん!」
ちょっと、様子がおかしいなぁ。
目に、むらさき色の涙をためていて、大きい風呂敷を、どろぼうみたいに、せおっていて、むらさきの目を、うるうるさせている。
マドレーヌちゃん、それ、重くない?
「全然、重くありません。」
マドレーヌちゃんは、超能力ヴァンパイアだから、重いのは、平気だったね。
って、そういうことじゃないよ!
「マドレーヌおばちゃん!なにしに来たの?」
「ゔ・・・・・・ゔぅ。」
道華!耳栓!
「うん!」
「ゔぇ~ん!」
うわっ、耳栓が、ぶっ飛んだよ!
「ゔぇ~ん!」
マドレーヌちゃんの泣き声で、電信柱とか、近所の家の洗濯ものとか、浮いている。
「ゔぇ~ん!」
向かい合わせの家の犬は、ブルブル体をふるわせながら、耳をふせている。
あらら。犬小屋まで浮いちゃって。
「ゔぇ~ん!」
じ・・・・・・地割れがぁ!
「マドレーヌちゃん、もうやめて!」
「ひくっ、ひくっ。」
マドレーヌちゃんが泣きやんだとたん、物が浮かぶのをやめた。
「マドレーヌちゃん。家に上がって。私の部屋で、話をしよう。」
「は・・・・・・はいっ!」
☆
私達は、マドレーヌちゃんを、部屋に連れて来た。
「マドレーヌちゃん。一体、なにがあったの?ちゃんと話して。」
マドレーヌちゃんは、口を動かした。
「私、けんかしたんです。」
誰と?
「もしかして、リリア?」
マドレーヌちゃんは、首を振った。
「ジュンブライトお兄様とです。」
「え~!?」
私達は、大きな声で、驚いた。
「なんでなんで!?」
「実は・・・・・・。」
マドレーヌちゃんは、大好きなホットケーキを、食べたくなって。
「ルクトじいや様ぁ、ホットケーキ、つくってくださ―い。」
と、お願いしたんだけど・・・・・・。
「じいやは休んでろ。俺がつくる。」
「え!?」
急にジュンブライトが、言い出して、みんながざわめいた。
「これは、ヤバイ展開になるぞ。」
「かわいいいとこのためだ。え―っと、卵にぃ、ホットケーキミックスにぃ、牛乳にぃ、バターっと!これでよし!マドレーヌ、お兄様がつくるから、楽しみにしとけ!」
「は、はい。」
「わ!どーすりゃいいんだ?」
「こーするのよ。」
「って、なに梅干し入れてんだ!」
「うるせー!隠し味ってやつだ!」
「ジュンブライト様、あんなに無理しなくていいのに。」
「ジュンブライト様!それはソーダー!」
「ポテトチップスを入れるな―っ!」
「あーあ。マズイホットケーキに、なっちゃうわね。」
そして、とうとう・・・・・・。
「できたぁ!俺特製、ホットケーキ!」
「ゔ・・・・・・。」
「さぁさぁ、遠慮せず、食べろ食べろ!」
「お、王子のお料理、おいしそうですねぇ。」
「だろ?」
「マ、マドレーヌ。早くしないと、冷めちゃうわよ?」
「は、はい・・・・・・。」
マドレーヌちゃんは、そのホットケーキを、一口食べた。
「・・・・・・!」
「どう?どう?」
「こんなの・・・・・・こんなの!ホットケーキじゃありません!」
ガッシャーン!
とうとうマドレーヌちゃんは、テーブルをたおした。
たおしたひょうしに、ホットケーキを乗せた皿が割れ、ホットケーキが落ちちゃった。
「なにすんだよぉ!」
「ジュンブライトお兄様のホットケーキなんか、食べたくありません!ルクトじいや様のホットケーキが、食べたかったですぅ!」
「文句言うな!人がつくったもんに!」
「ジュンブライトお兄様は、ふざけ半分が、多すぎますっ!」
「ふざけてねぇ!真剣につくったんだぜ!?」
「うそつき!」
「なんだとぉ!?」
「ウルフ一郎、止めてよぉ。」
「止めろって言われたって・・・・・・。」
「食べ物を粗末にするなっ!」
「してません!」
「あんたら!いーかげんにせんかいっ!」
「もう!ジュンブライトお兄様なんか、ず~っと、死んでいれば、よかったですぅ!」
「!?」
「マドレーヌ・・・・・・。」
「・・・・・・行け。」
「えっ?」
「この家から出て行け!お前はもう、俺のいとこじゃねぇ!」
「・・・・・・!?」
「おい!それは言いすぎだろ!」
「てめぇはだまってろ!」
「・・・・・・。」
そして、ジュンブライトは、マドレーヌちゃんのところに行き・・・・・・。
パン!
マドレーヌちゃんのほっぺに、ビンタした。
ほっぺには、ジュンブライトの手形が、赤くくっきり見えていた。
「二度と俺のこと、ジュンブライトお兄様って、呼ぶな。」
「・・・・・・!!ジュンブライトお兄様なんか・・・・・・ジュンブライトお兄様なんか!大っ嫌いですぅ!」
「俺も、お前のことが、大っ嫌いだ!!」
「つまり、兄妹げんかならぬ、いとこげんかだねっ。」
「私、ジュンブライトお兄様に、あんなひどいことを・・・・・・。」
ヤ・・・・・・ヤバイよ・・・・・・。
「うぇ~ん!」
もう、これで2回目~。
あっ、私の『ОNEPICE』のコミックが!
リラックマのぬいぐるみも、マドレーヌちゃんが背負ってきた、でっかい風呂敷も!
みーんな、宙に浮かんでるぅ~。
「うぇ~ん!」
机も、いすも、棚も、制服も、カバンも、本棚も、ベッドも!
「マドレーヌちゃん!いいかげんにして!」
「ひくっ、ひくっ。」
ふぅ。やっと、おさまったよぉ。
「マドレーヌちゃん、ジュンブライトのところに行こう。そして、ちゃんと謝ろう。」
「やです~。私、あの方とはもう、会いたくありません。」
マドレーヌちゃん・・・・・・。
マドレーヌちゃんは、私にだきついて来た。
「私、真莉亜お姉様と、一緒にいたいです。」
「で、でも・・・・・・。」
「いいじゃない!マドレーヌおばさん!大歓迎だよ!」
道華が言うと、マドレーヌちゃんが、笑顔になった。
「やったぁ~!」
マドレーヌちゃんは、うれしそうに、ピョンピョンはね上がってる。
本当に、これでいいのかな?
☆
私は一人で満月荘に行った。
ピンポーン。
ガチャッと、ドアが開いた。
「ジュンブライト。」
「真莉亜。」
ジュンブライトは、私を中に入らせた。
「寝室で、キスしよう。」
「今はそんなんじゃないの。マドレーヌちゃんのことで来たの。」
「あいつか。ほっとけ。」
ほっとくわけにはいかないでしょ!?
マドレーヌちゃんは今、私の家にいるんだよっ!
ジュンブライトは、足を止めて、私の方を見つめた。
「なんだと?」
☆
ジュンブライト、マドレーヌちゃんに、謝りたいんでしょ?
「ふん!謝りたくねぇよ!あのガキ、俺のホットケーキを、台無しにしたんだ!」
あんたがつくったのが、まずかったからだよ。
「マドレーヌは?」
マドレーヌちゃんは、道華と一緒に、家にいます。
「そう。」
リリアさん、しょんぼりしている。
そりゃそうだよ。マドレーヌちゃんが、いないんだもん。
「なんか、子供が一人、減ったような。」
「マドレーヌちゃんが、家出したんだよ。」
「え―っ!?あんなにいい子なのに!?」
「驚きすぎだろ。」
「俺、マドレーヌとけんかしたの、生まれて初めてだぜ。」
え!?そうなの!?
「王子は、王女様とけんかしたことが、一つもないのです。」
「仲良しこよしだな。」
「それと、マドレーヌをブッたのも。」
ジュンブライトが、自分の右手を、目を細くしながら、見つめている、
ジュンブライト・・・・・・。
「真莉亜ぁ~。キス、しよ~。」
そ、そんなこと言ったら、反応する人が・・・・・・。
「ヴァンパイア界の王子!真莉亜ちゃんの唇にキスしようなんて、ゆるさん!」
ほーら、いた。約一名。
「俺のストレス発散を、じゃますんな!」
「なんだとぉ!?」
「やんのかオラァ!」
「あんたらがけんかしてどーすんだい!」
「とーにーかーく!ジュンブライト、あなた、マドレーヌちゃんのために、ケーキを作ろうとしたんだね。」
「あぁ。」
「その気持ち、伝えてあげなよ。」
私は優しくほほえんだ。
「優しくほほえむ真莉亜ちゃんも、ステキだぁ!」
「口チャックしろ。」
「う~ん。」
ジュンブライトは、考えこんだ。
「よし。明日、決める。」
「今決めろや!」
☆
夜。
私と道華は、ぐっすりねていた。
ガチャッ。
ん・・・・・・光が差しこんで来た。
「真莉亜お姉様。」
マドレーヌちゃん、どうしたの?
「一人でねるのがこわいから、一緒にねてもいいですか?」
いいよ。右側にねていいよ。
マドレーヌちゃんは、私の右側にねた。
かわいい寝顔。どっかの誰かさんと、そっくり。
「真莉亜お姉様のベッド、ふかふかですぅ。」
寝言、言ってる。
「ムニャ、ムニャ・・・・・・真莉亜お姉様のホットケーキ、早く食べたいですぅ。」
うふふふふ。
☆
「マドレーヌ・・・・・・あがっ!」
「ムニャムニャ・・・・・・天パヤロー、真莉亜ちゃんは、渡さないぞぉ~。」
「こ、こいつぅ~。いつかこらしめてやるぅ~!あがっ!」
「うわーい。巨大なオムライス。こんなに食べきれないよぉ。」
「足じゃまっ!」
「ったく・・・・・・マドレーヌ・・・・・・。」
「『ん・・・・・・誰だ。こんな夜中に。』」
「『ジュンブライトお兄様。』」
「『マドレーヌ。どうしたんだ?』」
「『一人で寝るのがこわいから、一緒に寝てもいいですか?』」
「『あぁ。いいぜ。』」
「『・・・・・・ジュンブライトお兄様の胸、あったかいですぅ。』」
(ふっ。寝言、言ってらぁ。)
「『ムニャ、ムニャ・・・・・・ジュンブライトお兄様より、ギロお兄様の方が、かっこいいですぅ。』」
「『って、おい!』」
「・・・・・・。」
ガラッ。
「ん・・・・・・。」
「ジュンブライト様。」
「アキ、ソラ。どうしたんだ。」
「マドレーヌがいないから、こわくてねむれなくて。」
「一緒にねても、いいですか?」
「いいぜ。」
「わーい!」
「あ、こら!」
「ジュンブライト様の胸、あったかいわ~。」
「一生、このままでいたい♡」
「おめぇら、姉ちゃんのところに、ねてろ。」
☆
今日は土曜日。なにをしよっかなぁ~?
よし、勉強をしよう!
すると、ドアが、ガチャッと開いた。
「お母さん、遊ぼう!」
ごめんね、道華。勉強するからあっちに行って。
「え~?やだ―。」
もう、わがまま言わないの。
ピンポーン。
「真莉亜~、出て~。」
下から私のお母さんの声が聞こえる。
一体、誰が来たんだろ。
私は、階段を降りて、玄関のドアを開いた。
あれ?誰もいない。
もう!最近の若者は、こんなにおもしろくないいたずらを、するんだから!
私が、ドアを閉めようとした、その時!
「真莉亜お姉様・・・・・・。」
ん?声がした?
下を見ると・・・・・・。
むらさき色のツインテールに、ピンクの大きいリボン。むらさき色の、かわいい目は・・・・・・。
「マドレーヌちゃん!」
ちょっと、様子がおかしいなぁ。
目に、むらさき色の涙をためていて、大きい風呂敷を、どろぼうみたいに、せおっていて、むらさきの目を、うるうるさせている。
マドレーヌちゃん、それ、重くない?
「全然、重くありません。」
マドレーヌちゃんは、超能力ヴァンパイアだから、重いのは、平気だったね。
って、そういうことじゃないよ!
「マドレーヌおばちゃん!なにしに来たの?」
「ゔ・・・・・・ゔぅ。」
道華!耳栓!
「うん!」
「ゔぇ~ん!」
うわっ、耳栓が、ぶっ飛んだよ!
「ゔぇ~ん!」
マドレーヌちゃんの泣き声で、電信柱とか、近所の家の洗濯ものとか、浮いている。
「ゔぇ~ん!」
向かい合わせの家の犬は、ブルブル体をふるわせながら、耳をふせている。
あらら。犬小屋まで浮いちゃって。
「ゔぇ~ん!」
じ・・・・・・地割れがぁ!
「マドレーヌちゃん、もうやめて!」
「ひくっ、ひくっ。」
マドレーヌちゃんが泣きやんだとたん、物が浮かぶのをやめた。
「マドレーヌちゃん。家に上がって。私の部屋で、話をしよう。」
「は・・・・・・はいっ!」
☆
私達は、マドレーヌちゃんを、部屋に連れて来た。
「マドレーヌちゃん。一体、なにがあったの?ちゃんと話して。」
マドレーヌちゃんは、口を動かした。
「私、けんかしたんです。」
誰と?
「もしかして、リリア?」
マドレーヌちゃんは、首を振った。
「ジュンブライトお兄様とです。」
「え~!?」
私達は、大きな声で、驚いた。
「なんでなんで!?」
「実は・・・・・・。」
マドレーヌちゃんは、大好きなホットケーキを、食べたくなって。
「ルクトじいや様ぁ、ホットケーキ、つくってくださ―い。」
と、お願いしたんだけど・・・・・・。
「じいやは休んでろ。俺がつくる。」
「え!?」
急にジュンブライトが、言い出して、みんながざわめいた。
「これは、ヤバイ展開になるぞ。」
「かわいいいとこのためだ。え―っと、卵にぃ、ホットケーキミックスにぃ、牛乳にぃ、バターっと!これでよし!マドレーヌ、お兄様がつくるから、楽しみにしとけ!」
「は、はい。」
「わ!どーすりゃいいんだ?」
「こーするのよ。」
「って、なに梅干し入れてんだ!」
「うるせー!隠し味ってやつだ!」
「ジュンブライト様、あんなに無理しなくていいのに。」
「ジュンブライト様!それはソーダー!」
「ポテトチップスを入れるな―っ!」
「あーあ。マズイホットケーキに、なっちゃうわね。」
そして、とうとう・・・・・・。
「できたぁ!俺特製、ホットケーキ!」
「ゔ・・・・・・。」
「さぁさぁ、遠慮せず、食べろ食べろ!」
「お、王子のお料理、おいしそうですねぇ。」
「だろ?」
「マ、マドレーヌ。早くしないと、冷めちゃうわよ?」
「は、はい・・・・・・。」
マドレーヌちゃんは、そのホットケーキを、一口食べた。
「・・・・・・!」
「どう?どう?」
「こんなの・・・・・・こんなの!ホットケーキじゃありません!」
ガッシャーン!
とうとうマドレーヌちゃんは、テーブルをたおした。
たおしたひょうしに、ホットケーキを乗せた皿が割れ、ホットケーキが落ちちゃった。
「なにすんだよぉ!」
「ジュンブライトお兄様のホットケーキなんか、食べたくありません!ルクトじいや様のホットケーキが、食べたかったですぅ!」
「文句言うな!人がつくったもんに!」
「ジュンブライトお兄様は、ふざけ半分が、多すぎますっ!」
「ふざけてねぇ!真剣につくったんだぜ!?」
「うそつき!」
「なんだとぉ!?」
「ウルフ一郎、止めてよぉ。」
「止めろって言われたって・・・・・・。」
「食べ物を粗末にするなっ!」
「してません!」
「あんたら!いーかげんにせんかいっ!」
「もう!ジュンブライトお兄様なんか、ず~っと、死んでいれば、よかったですぅ!」
「!?」
「マドレーヌ・・・・・・。」
「・・・・・・行け。」
「えっ?」
「この家から出て行け!お前はもう、俺のいとこじゃねぇ!」
「・・・・・・!?」
「おい!それは言いすぎだろ!」
「てめぇはだまってろ!」
「・・・・・・。」
そして、ジュンブライトは、マドレーヌちゃんのところに行き・・・・・・。
パン!
マドレーヌちゃんのほっぺに、ビンタした。
ほっぺには、ジュンブライトの手形が、赤くくっきり見えていた。
「二度と俺のこと、ジュンブライトお兄様って、呼ぶな。」
「・・・・・・!!ジュンブライトお兄様なんか・・・・・・ジュンブライトお兄様なんか!大っ嫌いですぅ!」
「俺も、お前のことが、大っ嫌いだ!!」
「つまり、兄妹げんかならぬ、いとこげんかだねっ。」
「私、ジュンブライトお兄様に、あんなひどいことを・・・・・・。」
ヤ・・・・・・ヤバイよ・・・・・・。
「うぇ~ん!」
もう、これで2回目~。
あっ、私の『ОNEPICE』のコミックが!
リラックマのぬいぐるみも、マドレーヌちゃんが背負ってきた、でっかい風呂敷も!
みーんな、宙に浮かんでるぅ~。
「うぇ~ん!」
机も、いすも、棚も、制服も、カバンも、本棚も、ベッドも!
「マドレーヌちゃん!いいかげんにして!」
「ひくっ、ひくっ。」
ふぅ。やっと、おさまったよぉ。
「マドレーヌちゃん、ジュンブライトのところに行こう。そして、ちゃんと謝ろう。」
「やです~。私、あの方とはもう、会いたくありません。」
マドレーヌちゃん・・・・・・。
マドレーヌちゃんは、私にだきついて来た。
「私、真莉亜お姉様と、一緒にいたいです。」
「で、でも・・・・・・。」
「いいじゃない!マドレーヌおばさん!大歓迎だよ!」
道華が言うと、マドレーヌちゃんが、笑顔になった。
「やったぁ~!」
マドレーヌちゃんは、うれしそうに、ピョンピョンはね上がってる。
本当に、これでいいのかな?
☆
私は一人で満月荘に行った。
ピンポーン。
ガチャッと、ドアが開いた。
「ジュンブライト。」
「真莉亜。」
ジュンブライトは、私を中に入らせた。
「寝室で、キスしよう。」
「今はそんなんじゃないの。マドレーヌちゃんのことで来たの。」
「あいつか。ほっとけ。」
ほっとくわけにはいかないでしょ!?
マドレーヌちゃんは今、私の家にいるんだよっ!
ジュンブライトは、足を止めて、私の方を見つめた。
「なんだと?」
☆
ジュンブライト、マドレーヌちゃんに、謝りたいんでしょ?
「ふん!謝りたくねぇよ!あのガキ、俺のホットケーキを、台無しにしたんだ!」
あんたがつくったのが、まずかったからだよ。
「マドレーヌは?」
マドレーヌちゃんは、道華と一緒に、家にいます。
「そう。」
リリアさん、しょんぼりしている。
そりゃそうだよ。マドレーヌちゃんが、いないんだもん。
「なんか、子供が一人、減ったような。」
「マドレーヌちゃんが、家出したんだよ。」
「え―っ!?あんなにいい子なのに!?」
「驚きすぎだろ。」
「俺、マドレーヌとけんかしたの、生まれて初めてだぜ。」
え!?そうなの!?
「王子は、王女様とけんかしたことが、一つもないのです。」
「仲良しこよしだな。」
「それと、マドレーヌをブッたのも。」
ジュンブライトが、自分の右手を、目を細くしながら、見つめている、
ジュンブライト・・・・・・。
「真莉亜ぁ~。キス、しよ~。」
そ、そんなこと言ったら、反応する人が・・・・・・。
「ヴァンパイア界の王子!真莉亜ちゃんの唇にキスしようなんて、ゆるさん!」
ほーら、いた。約一名。
「俺のストレス発散を、じゃますんな!」
「なんだとぉ!?」
「やんのかオラァ!」
「あんたらがけんかしてどーすんだい!」
「とーにーかーく!ジュンブライト、あなた、マドレーヌちゃんのために、ケーキを作ろうとしたんだね。」
「あぁ。」
「その気持ち、伝えてあげなよ。」
私は優しくほほえんだ。
「優しくほほえむ真莉亜ちゃんも、ステキだぁ!」
「口チャックしろ。」
「う~ん。」
ジュンブライトは、考えこんだ。
「よし。明日、決める。」
「今決めろや!」
☆
夜。
私と道華は、ぐっすりねていた。
ガチャッ。
ん・・・・・・光が差しこんで来た。
「真莉亜お姉様。」
マドレーヌちゃん、どうしたの?
「一人でねるのがこわいから、一緒にねてもいいですか?」
いいよ。右側にねていいよ。
マドレーヌちゃんは、私の右側にねた。
かわいい寝顔。どっかの誰かさんと、そっくり。
「真莉亜お姉様のベッド、ふかふかですぅ。」
寝言、言ってる。
「ムニャ、ムニャ・・・・・・真莉亜お姉様のホットケーキ、早く食べたいですぅ。」
うふふふふ。
☆
「マドレーヌ・・・・・・あがっ!」
「ムニャムニャ・・・・・・天パヤロー、真莉亜ちゃんは、渡さないぞぉ~。」
「こ、こいつぅ~。いつかこらしめてやるぅ~!あがっ!」
「うわーい。巨大なオムライス。こんなに食べきれないよぉ。」
「足じゃまっ!」
「ったく・・・・・・マドレーヌ・・・・・・。」
「『ん・・・・・・誰だ。こんな夜中に。』」
「『ジュンブライトお兄様。』」
「『マドレーヌ。どうしたんだ?』」
「『一人で寝るのがこわいから、一緒に寝てもいいですか?』」
「『あぁ。いいぜ。』」
「『・・・・・・ジュンブライトお兄様の胸、あったかいですぅ。』」
(ふっ。寝言、言ってらぁ。)
「『ムニャ、ムニャ・・・・・・ジュンブライトお兄様より、ギロお兄様の方が、かっこいいですぅ。』」
「『って、おい!』」
「・・・・・・。」
ガラッ。
「ん・・・・・・。」
「ジュンブライト様。」
「アキ、ソラ。どうしたんだ。」
「マドレーヌがいないから、こわくてねむれなくて。」
「一緒にねても、いいですか?」
「いいぜ。」
「わーい!」
「あ、こら!」
「ジュンブライト様の胸、あったかいわ~。」
「一生、このままでいたい♡」
「おめぇら、姉ちゃんのところに、ねてろ。」
☆
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
3
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる