ヴァンパイア♡ラブどっきゅ〜ん!

田口夏乃子

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第三十三話 「ジュンブライトとマドレーヌちゃんが、けんかした!?」

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次の日。
 
「真莉亜お姉様!起きてください!」
 
もう少し、ねかせて~。
 
「『プリキュア』が、始まりますぅ。」
 
私はもう、そーゆー年齢じゃないから、興味ないの。
 
「起きてくださーい!」
 
うるさいなぁ。
 
「マドレーヌおばちゃん、一緒に観よう。」
 
「やーだー。私、真莉亜お姉様と、観たいですぅ。」
 
私は9時に起きるからぁ。
マドレーヌちゃんは、魚のハリセンボンのように、ほっぺたをふくらました。
 
「真莉亜お姉様のいじわる!こーしてやるぅ!」
 
マドレーヌちゃんが、ひとさし指をさした。
な、なに?体が宙に浮かんで・・・・・・。
あ!マドレーヌちゃんが、ひとさし指で、私を宙に浮かしてるんだ!
 
「マドレーヌちゃん!やめて!」
 
「一緒に観ますって、言ってくれますか?」
 
表情、こわ―。
 
「は、はい!一緒に観ればいいんでしょう!一緒に観ればぁ!」
 
「よろしい。」
 
ドッシーン!
いたたたた・・・・・・しりもち、ついちゃった。
マドレーヌちゃんは、にこにこしている。
 
 

 
 
最近のアニメに、ついていけないなぁ。
今、『プリキュア』を観終わったばっかだよ。
私の世代は、キュアブラックとか、キュアホワイトとか、シャイニールミナスとか、いたもん。
マドレーヌちゃん世代のプリキュアは、キュアハートとか、キュアダイヤモンドとか、キュアロゼッタとか、キュアソードとか、キュアエースとか、いろいろ。
現在は、歴代プリキュアとコラボした映画が、毎年の春に、公開するんだって。
時代遅れ・・・・・・か。
 
「毎週日曜日の8時20分に、ジュンブライトお兄様を、真莉亜お姉様にしたよーに起こして、一緒に観てるんですっ。」
 
ジュンブライトって、こんなきつい日曜日の朝を、迎えてるんだね。味わいました。
ピンポーン。
 
「誰かしら。こんな朝早く。」
 
私が出るぅ!
私は、玄関の方へ、走り出した。
ガチャ・・・・・・。
ん?黒いサングラスをかけている、黒いオオカミさんは・・・・・・。
 
「ウルフ一郎さん!」
 
「真莉亜ちゅわ―ん♡会いたかったよ―ん♡」
 
よく、ここがわかりましたね。
 
「でしょ~?俺様、愛のにおいで、わかったんだよ―ん♡」
 
うそつけ。
 
「うそだよ―ん♡」
 
がくっ。それをつけくわえろや。
ウルフ一郎さんは、すぐキャラを変えた。
 
「天パヤローが描いた地図を見ながら、たどり着いたんだ。」
 
ジュンブライトが?
 
「あぁ。へたくそだけど。」
 
ウルフ一郎さんが、私にくしゃくしゃになっている、一枚の紙を渡した。
うわぁ。すっごく雑っ!
テキトーに描いてんだろ、この人。
私の家の前に、山なんてないんですけど―。
 
『ここがまりあんち』
 
家描けや!矢印が指さしてる方向、なにもないんですけど―。
うわっ!家の周り、なにもなっ!
 
「わかりやすく描けっつーの!おまわりさんから教えてもらって、助かったぜぇ。」
 
ウルフ一郎さん、苦労したんだね。
 
「ウルフ一郎お兄様!?」
 
あ、マドレーヌちゃん。
 
「おぉ。元気にしてたか?」
 
「うん!元気にしてたよ!」
 
「お前に言ってね―よ。」
 
もしかして、マドレーヌちゃんを?
 
「あぁ。天パヤローから、マドレーヌを連れ戻せって、命令されて、来たんだよ。」
 
マドレーヌちゃん!ジュンブライト、謝る気になったんだよ!
ところがマドレーヌちゃんは、さっと、私の背後に隠れた。
 
「やですぅ~。あの人の顔、見たくありませ~ん。」
 
「お前のいとこの兄ちゃんが、心配してたぞ。さ、帰ろう。」
 
ウルフ一郎さんが、マドレーヌちゃんに、手を差しのべた。
 
「いやですぅ!」
 
「マドレーヌちゃん、戻った方が、いいと思うよ。」
 
「お父さんと仲直りしなくちゃ。」
 
「ほら。いつまでも、真莉亜ちゃん達に、めいわくかけたらだめだ。帰るぞ。」
 
「もう!こ―してやるぅ!」
 
マドレーヌちゃん、どこ行くの?
 
「今、追い出してやりますからねぇ!」
 
わわわっ!マドレーヌちゃんが持ち上げてるのは、私の家のたんす!
 
「マドレーヌちゃん!やめて!」
 
マドレーヌちゃん、聞く耳なし。
 
「ひぇ―っ!」
 
ウルフ一郎さん、逃げ出したよぉ。
 
「逃げてもムダです!えい!」
 
マドレーヌちゃんは、たんすを、逃げてゆくウルフ一郎さんの方に、投げた。
 
「ひっ・・・・・・!」
 
ドッシーン!
あらら。ウルフ一郎さんは、たんすの下敷きになっちゃった。
それを見たマドレーヌちゃんは、大喜び。
 
「やったーですぅ!追い出しましたよぉ!」
 
マドレーヌちゃん、いくらなんでも、やりすぎなんじゃない?
 
 

 
 
ウルフ一郎さんは満月荘に戻ったものの、大ケガしたんだよ。
マドレーヌちゃんのパワー、おそるべし。
ガチャッ・・・・・・。
 
「ニャー、ニャー。」
 
侵入者、子猫二匹、発見!
ボンッ!
白いけむりの中から、顔がそっくりな、二人の女の子が・・・・・・。
 
「アキちゃん、ソラちゃん!」
 
「なんでここにいるの!?」
 
「インターホンを押そうとしたけど・・・・・・。」
 
「とどかなくって、窓から入ったの。子猫に変身してねっ。」
 
そーゆーの、不法侵入って、いうんだよ。
アキちゃんとソラちゃんには、まだわからないか。3歳児だもん。
 
「バカ女、マドレーヌは、どこ?」
 
私はバカ女じゃありませんっ。春間真莉亜ですっ。
 
「アキちゃん、いたよ!」
 
ソラちゃんが、私の後ろに隠れている、マドレーヌちゃんを、びしっと指さした。
 
「アキとソラも!?」
 
「うん!愛しのジュンブライト様から、たのまれた。」
 
「マドレーヌ、一緒に帰ろっ。」
 
「いやですぅ~!」
 
マドレーヌちゃん・・・・・・。
 
「リリアも心配してるよ。」
 
マドレーヌちゃん、みんな、マドレーヌちゃんをまってるよ。
 
「ええい!私の地獄を、味わってもらいますっ!」
 
え―っ!?
 
「アキちゃん、ソラちゃん!逃げて!」
 
私は二人に向かって、さけんだ。
 
「なにが起こるのよぉ!」
 
「ふっ、ふっ、ふっ、ふっ、ふっ・・・・・・。」
 
「マドレーヌ、こわーい笑みを浮かべてる・・・・・・。」
 
「二人とも!ベッドの下に隠れて!」
 
「わかった!」
 
アキちゃんとソラちゃんは、すばやく、ベッドの下に隠れた。
しかし・・・・・・。
 
「隠れてもムダですよぉ。」
 
マドレーヌちゃんが、ベッドの下をのぞきこんで、ニヤリ。
 
「えい!」
 
二人を宙に浮かしたよぉ!
おそるべし、超能力の力!
ドッシーン!
二人は床に落っこちた。
 
「いった~い。」
 
「うぇ―ん!」
 
ソラちゃんは、大声を上げて、泣いている・・・・・・。
 
「ハンマーたたき地獄!くらえ―っ!」
 
お、おもちゃのハンマーが、宙に浮かんで、二人の頭に・・・・・・。
パコン、パコン、パコーン!
パコン、パコン、パコーン!
 
「びぇ―ん!」
 
「もう、やめて~!」
 
「マドレーヌおばちゃん、やめてあげなよ。」
 
「二人が部屋を出て行くまで、やめませんっ!」
 
なんていじわるなの!?
 
「もう、いや!」
 
「おじゃましました―!」
 
二人は泣きながら、部屋を出て行った。
 
「ア―ッハッハッハッハッハッ!私にかなう者なんて、この世にはいないですぅ!」
 
マドレーヌちゃんの高笑いが、部屋じゅうに、響き渡る。
 
 
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