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第四十五話 「ギロさんの仕事場に潜入!」

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ギロさんが着がえ終わって、更衣室を出た瞬間、病院の中はとんでもないことになっていた。
 
「キャ―♡ギロせんせ~い♡」
 
「こっち向いてぇ~♡」
 
「キャ―♡」
 
なんと、ギロさんファンクラブのみな様が、まるで、ハリウッドスターが来日したように、騒いでいたんです!
 こりゃあ、やかまし~い。
 
「キャ―♡」
 
「キャ―♡」
 
んもう、どこまで続くんだろ、これ。
パシャッ、パシャッ!
うわ!写真まで撮られてる!
しかも、みんなが女性看護師さん達と、女性のお医者さん達と、女性の患者さん達だらけ。
 
「キャ―♡ステキィ~♡」
 
はぁ。早くぬけ出さないかなぁ~?
 
「ギ~ロせんせ―い♡」
 
一人の看護師さんと、女性のお医者さんと、女性の患者さんが、ギロさんのところに走ってやって来た。
 
「私のラブレター、読みましたか!?」
 
「ああ、読んだよ。」
 
「キャ―♡そうと思いましたぁ~♡」
 
「今日のオペ、がんばりましょうね!」
 
「あぁ。」
 
「私の診察、今日、ギロ先生が担当ですか!?」
 
「え―っと、ちょっとまってね。」
 
ギロさんは、今日、診察する患者さんのリストを見た。
 
「うん、そうだよ。」
 
「キャ―♡早く診察時間にならないかなぁ?」
 
患者さんは、跳びはねて大喜び。
 
「じゃあ、今日もよろしくお願いしま~す!」
 
三人はギロさんに手を振って、走って行っちゃった。
 
「バイバーイ。」
 
ギロさんはかわいい笑顔で、三人に手を振った。
ギロさん、ジュンブライトよりすごい・・・・・・。
 
「さぁ、お仕事開始、開始ぃ!」
 
ギロさんは元気よく、ずんずん歩いた。
 
 

 
 
診察室では、ギロさんが一人の少女の診察をしていた。
 
「先生、どうですか?」
 
「う~ん。今のところ、異常はないですねぇ。熱はだんだん、下がっていますし、大丈夫でしょ。」
 
「ありがとうございます、先生!」
 
少女のお母さんが、ギロさんの方に向かって、お辞儀をした。
 
「いいえ、とんでもない。」
 
「ギロ先生、ありがと―。」
 
少女はにこっと笑った。
 
「どういたしまして。」
 
ギロさん、普段よりかっこいい~。
 
 

 
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