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第五十話 「イケメントリオ、子供になる!?」

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ネルのやつ、おせぇなぁ。
 
「きっと、迷子になっているでしょう。」
 
「ちっ、だから着いて行くって言ったのに。なにが、自分の力で、ジュンブライトのところにたどり着いてみせるだ!」
 
探してみよう!
 
「おぉ!」
 
「はい!」
 
俺達は、ネルを探すことにした。
 
「ネル―、ネルぅ~。」
 
「どこにいるんだぁ?」
 
「返事してくれぇ~。」
 
俺達は、噴水の前に集まった。
 
「見つかったか!」
 
「いいえ。迷子センターには、いませんでした。」
 
「レストランにも。」
 
もうちょっと探すか。
 
「おう!」 「はい!」
 
俺達が、またネルを探しに行こうとした、その時。
 
「ん!?これは!」
 
どうしたんだ、オオカミヤロー!
 
「これを見ろ!」
 
俺とギロが、ウルフ一郎が指をさした方を見ると・・・・・・。
ん!?これは、俺達がネルに頼んだ、ソフトクリームじゃねぇか!
 
「あーあ。せっかく、食べるのをまっていたのに・・・・・・。」
 
「って、そう言っている場合じゃねぇだろ!」
 
ウルフ一郎が、ギロの頭をたたいた。
 
「ネルはきっと、誰かにさらわれたにちがいねぇ!」
 
「よ―し、ネルを助けに行くぞ!」
 
俺は向こうに行こうとした。
 
「ちょっとまて!」
 
なんだよ、オオカミヤロー。
 
「俺様が助けに行く。」
 
はぁ!?なに言ってんだよぉ!一人じゃ危ねぇから、みんなで行こう!
 
「だめだ!おめぇらと一緒に行ったら、おめぇらを巻き込んでしまう!」
 
意味わかんねぇこと、言うんじゃねぇ!
てめぇ、一人でやれば、なんでも上手くいけるって思ってねぇだろ―なぁ?
 
「・・・・・・。」
 
ウルフ一郎は、そのままだまりこんだ。
 
「・・・・・・全ては、ネルのためだ。」
 
ちっ、わかったよ。一人で勝手にネルを助けてくださーい。
ど―せ、無理だと思うけど。
 
「せ、先輩!そ―いう言い方は、ないでしょうよ!」
 
「・・・・・・わかった。じゃあ、お前らはここに残ってろ。絶っっっっっ対、こっから動くんじゃねぇぞ。」
 
そう言ったあと、ウルフ一郎は、落ちたソフトクリームのにおいをかぎ始めた。
 
「くんくんくん。よし、あっちだ!」
 
ウルフ一郎は、向こうへと走って行った。
 
「・・・・・・あいつ、犬みてぇだな。」
 
「はい。」
 
 
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