ヴァンパイア♡ラブどっきゅ〜ん!

田口夏乃子

文字の大きさ
141 / 185

第五十一話 「ウルフ一郎さんとサングラスの秘密」

しおりを挟む
へぇー。そういう意味で、サングラスを大切にしているんですね。
 
「あぁ。」
 
ウルフ一郎さんは、天井を見上げた。
 
「父ちゃん、ちゃんと見守ってくれてるかなぁ?俺様のこと。」
 
見守ってますよ、きっと。
 
「だよねー♡君の言う通り、見守ってるよねぇ~♡」
 
真剣な話をしていたくせに、急にキャラが変わるなんて。
 
「気持ち悪い。」
 
「んだとオラァ!」
 
「あんだとオラァ!」
 
「二人とも!けんかはやめてください!」
 
「おめぇに気持ち悪りぃって、言われたくねぇ―よ!」
 
「だまれ、クソオオカミがぁ!」
 
「んだとぉ?クソ天パがぁ!」
 
「あ―もう!やめてよお父さ―ん!」
 
「ウルフ一郎もぉ~!」
 
「いいか!真莉亜は、俺の女だ!」
 
「んだとぉ!?俺様の女だ!」
 
「ったく、うるさいねぇ、昼間っからぁ!」
 
ガラッ。
 
「お邪魔する。」
 
その声は・・・・・・。
 
「ネルさん!」
 
私が言うと、二人はけんかをやめた。
 
「一週間ぶりですねっ。」
 
「やっかましい。クソ女。」
 
むかむか!
 
「ってめぇ~!クソ剣士女!よくも真莉亜ちゃんに悪口が言えたなぁ~!この、胸Dカップが!」
 
「・・・・・・!」
 
ネルさんの顔が真っ赤になった。
そして、みんなは「えっ!?」と、ネルさんの方を振り返った。
 
「ネル、お前、Dなのか!?」
 
「クスクス。Dだって。」
 
「・・・・・・こんのぉ~!」
 
ネルさんは、ウルフ一郎さんに、寝技をした。
 
「うわぁ!」
 
ドッシーン!
 
「はぁ、はぁ。貴っ様ぁ!人前で、女の胸のサイズを明かすなっ!ったく、よりによって、あのジュンブライト様の前で・・・・・・。」
 
「す、すみません。」
 
「あ。靴箱に、こんなのがあったぞ。」
 
「え?」
 
ネルさんが、ポケットから取り出したのは・・・・・・。
あ!ウルフ一郎さんのサングラス!
 
「俺様のサングラスだぁ~!」
 
ウルフ一郎さんは、ネルさんのところに走って行って、サングラスを取って、かけた。
 
「よかったですね、ウルフ一郎さん。」
 
「うん!」
 
ウルフ一郎さんは、笑顔でうなずいた。
だって、大切なものが見つかったんだもん。
 
「よかったな、オオカミヤロー。」
 
「もう二度と、なくすなよ。」
 
「おう!あと、サンキューな、ネル。見つけてくれて。」
 
ウルフ一郎さんが、ネルさんに向かって、ニッと笑うと、ネルさんの顔がまた真っ赤になって、顔を横に向けた。
 
「べ、別に!礼は・・・・・・。」
 
「いらん。」
 
(・・・・・・!また言われた―っ!)
 
ところで、なんで靴箱にあったんだろ。
 
「さぁ~。」
 
「きっと、誰かが入れたんじゃない?」
 
「そうだね。」
 
あれ?アキちゃんが、抜き足差し足忍び足で、外に出ようとしているぞぉ。
・・・・・・な―んか、怪しいなぁ。
 
「アキ~、どうしたのぉ~?」
 
「なにかあったの?」
 
「ぎくぅ!」
 
ぎくぅ?
 
「あ―!お前、まさか俺様のサングラスを、靴箱に隠したなぁ~!」
 
「ひっ!す、すみませ~ん!」
 
アキちゃんは、ぱっと逃げた。
 
「ゆるさん!まてぇ~!」
 
ウルフ一郎さんは、アキちゃんを追いかけた。
 
「ご、ごめんなさ~い!」
 
「ゆるさん!おしりペンペンしてやるぅ~!」
 
「ひ―っ!」
 
あーあ。追いかけっこになっちゃったよぉ。
 
「ったく、アキのしわざだったのね!どーりでおとなしいと思ったわ!」
 
クリスさんは、ぷんぷん怒っている。
 
「ってめぇ~!俺様の宝物に、二度とさわるなぁ~!」
 
「ひ―っ!お願いだから、ゆるしてぇ~!」
 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

彼の言いなりになってしまう私

守 秀斗
恋愛
マンションで同棲している山野井恭子(26才)と辻村弘(26才)。でも、最近、恭子は弘がやたら過激な行為をしてくると感じているのだが……。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】

田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。 俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。 「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」 そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。 「あの...相手の人の名前は?」 「...汐崎真凛様...という方ですね」 その名前には心当たりがあった。 天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。 こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。

中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語

jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
 中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ  ★作品はマリーの語り、一人称で進行します。

社長に拾われた貧困女子、契約なのに溺愛されてます―現代シンデレラの逆転劇―

砂原紗藍
恋愛
――これは、CEOに愛された貧困女子、現代版シンデレラのラブストーリー。 両親を亡くし、継母と義姉の冷遇から逃れて家を出た深月カヤは、メイドカフェとお弁当屋のダブルワークで必死に生きる二十一歳。 日々を支えるのは、愛するペットのシマリス・シンちゃんだけだった。 ある深夜、酔客に絡まれたカヤを救ったのは、名前も知らないのに不思議と安心できる男性。 数日後、偶然バイト先のお弁当屋で再会したその男性は、若くして大企業を率いる社長・桐島柊也だった。 生活も心もぎりぎりまで追い詰められたカヤに、柊也からの突然の提案は―― 「期間限定で、俺の恋人にならないか」 逃げ場を求めるカヤと、何かを抱える柊也。思惑の違う二人は、契約という形で同じ屋根の下で暮らし始める。 過保護な優しさ、困ったときに現れる温もりに、カヤの胸には小さな灯がともりはじめる。 だが、契約の先にある“本当の理由”はまだ霧の中。 落とした小さなガラスのヘアピンが導くのは——灰かぶり姫だった彼女の、新しい運命。

処理中です...