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第五十二話 「ヴァンパイアキャット三人組が、さらわれた!?」

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「マドレーヌおばちゃん、遊ぼう!」
 
「いいですよ~!」
 
「ソラ、ブランコで遊ぼう!」
 
「うん。あ、リリア達は?」
 
「私達はいいわ。」
 
「ゆっくり遊んでいいよ。」
 
「ガキ達と遊ぶと疲れる。」
 
「・・・・・・わかった。」
 
「ソラァ~、早くぅ~!」
 
「あ、うん~!」
 
「はぁ。子供は元気ね。」
 
「ほんとだねぇ。」
 
「・・・・・・って、なんであたしも、ここに?」
 
タッ、タッ、タッ、タッ。
 
「ん!?誰か来る!」
 
「ぬいぐるみのふりをしないと!」
 
「あ―、ややこしい。」
 
「・・・・・・。」
 
「・・・・・・。」
 
「・・・・・・。」
 
「かっわい~♡ぬいぐるみさんだぁ~♡」
 
(く、苦しい・・・・・・。)
 
「あなたはペペねっ。そして、そのあなたはピギー。んで、そのあなたは、リカちゃんねっ。」
 
(はぁ!?)
 
 

 
 
子供達は今、リリアさんと、ギロさんと、ネルさんと一緒に、菜の花広場に行ってます。
 
「子供達は今、なにしてるんだろ。」
 
「きっと、遊んでるにちがいますよ。」
 
そうですね。
 
「ガーゴー、ガーゴー。」
 
ウルフ一郎さんは、いびきをかいて寝ている。
ガチャッ。
ん?今、ドアが開いたよね?
 
「帰って来るのが早いねぇ。」
 
「んが!もう、こんな時間か?」
 
ウルフ一郎さんが、目をこすりながら、起きてきた。
 
「ちげ―よ。」
 
「ていうか、三十分前に行ったわよね。」
 
「うん。」
 
クリスさんは、うなずいた。
そして、私達は不思議に思い、玄関に行った。
玄関には、道華、マドレーヌちゃん、アキちゃん、ソラちゃんがいた。
 
「どうしたの?なにかあったの?」
 
「お母さん、聞いて!」
 
「リリアとギロとネルが、いなくなったの!」
 
「え~!?」
 
私達は驚いた。
一体、誰に!?
 
「知らなーい。」
 
「のどがかわいたから、ジュースを買ってもらおうと、リリアにたのもうとしたの!」
 
「そしたら、今までベンチにすわってたのに、急にいなくなったの!」
 
「ギロも!」
 
「ネルも!」
 
それ、前に聞いたことと、同じです。
 
「リ、リ、リリアが・・・・・・私のリリアが・・・・・・。」
 
うわぁ。マドレーヌちゃんが、むらさき色の涙をためてるよ!
これはヤバイよぉ~!
 
「みんな、耳栓をして!」
 
「おぉ!」 「はいっ!」 「うん!」 「えぇ!」
 
みんなが耳栓をしたとたん。
 
「うわ~ん!」
 
マドレーヌちゃんが、泣き出した。
うわぁ~。くつとか、花びんとか、かさとか宙に浮かんでるよぉ。
 
「誰かにさらわれたですぅ!うわ~ん!」
 
あぁ、どんどんひどくなってくよぉ~。
 
「びぇ~ん!」
 
もう、どうしようもありません・・・・・・。
 
「ゔ、ゔぅ・・・・・・。」
 
ジュンブライトがおそるおそる、マドレーヌちゃんに近づいた。
 
「マドレーヌ、泣くのはやめろ。」
 
「ひくっ、ひくっ、ひくっ・・・・・・。」
 
マドレーヌちゃんは、泣き止んだ。
泣きやんだとたん、浮かんでたものが、浮かぶのをやめた。
ふぅ、やっと落ち着いたよぉ。
ジュンブライトは、マドレーヌちゃんの前にしゃかんで、顔を見上げた。
 
「マドレーヌ、さらわれたのは、リリアだけじゃないだろ?ギロ、ネルもだ。だから、泣くひまがあったら、取り戻せばいいだけだ。な?そうだろ?」
 
「は、はい。」
 
マドレーヌちゃんは、こくりとうなずいた。
 
「よし、それでいい。」
 
ジュンブライトは笑顔でマドレーヌちゃんを頭をなでた。
 
「さあて、三人を探すか。」
 
けど、どうやって?
 
「情報聴取だ。行くぞ!」
 
あぁ、まってよ、ジュンブライト!
 
「ったく、気が早ぇやつだ!」
 
私達は、部屋を出た。
 
 
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