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序章:朝、目が覚めたらぬいぐるみになっていた俺。

第2話「俺、ぬいぐるみだった」

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 っと、話し込んじまったな。

 そろそろガキを預けに行くか。

「よし、お前のママを探しに行くぞ。
 なんか写真とか持ってるか?」

「ママ?
 ん……もってる」

 ほぉ、聞いてみるもんだな。

 どれどれ、あんな本を買い与えた親の顔はっと……ん、こいつって……アメリアじゃないか?

 ……

 いや、違うか。

 あいつはこんなに老けてないし。

 アメリアは俺と同い年だからまだ24歳、この写真の女はどうみても30を過ぎてる。

 大体、あんな女と結婚する、もの好きなやつなんているわけがない。

「父親の写真はないのか?」

 ガキに聞いてみると、ガキは不思議そうにこちらを見る。

「写真ないけど、みれる」

 はぁ?

 写真がなきゃ、姿は見れないだろう?

 おい、……はぁ、またなんか取りに行ったし。

 まさか、こいつの父親まで俺の家にいるんじゃないだろうな。

 そんで父親が俺そっくりで……なんて、まさかな。

「はい、これでみて?」

 ……鏡?

 ははは、まさかまさか。

 俺がアメリアと結婚するわけないし、ましてやガキなんて、そう簡単にできやしねえ。

 もしそうなら、寝て起きるたんびにガキが出来ちまう。

 大丈夫だ。

 ……大丈夫、だよな?

 そうだ、きっとこれは、鏡のようで鏡じゃないんだ。

 なんていうか…………そう、写真が貼ってあるとか。

 写真がないとか言ってたが、所詮ガキの言うこと、どれが写真で何が写真じゃないかなんて知ってるわけねえ。

 俺の小さい時なんて、食べ物か食べ物じゃないかしか分からなかったらしいしな。

 ふぅ、考え過ぎだ。

 きっと、ここにはこいつの父親の……へ、ぬいぐるみ?

 なんだこれ?

 鏡の中にぬいぐるみが入ってるぞ。

 こっち見んな。

 おい、そんな食い入るように見るなって、俺があんまりいい男だから食っちまおうってか?

 うははは。

「こりゃいい。
 ホントに鏡の中にぬいぐるみがいるみたいだ。
 どこで買ったんだ?」

「鏡の中にぬいぐるみはいません。
 鏡は反射して周りをうつすんです」

 知ってるよ。

 ったく、最近のガキは冗談もわからねえかねぇ。

 まるでアメリアみたいだ。

 あいつもガキの頃からときどき妙に理屈っぽくて……周りを映す?

 周りって何だ?

 周り……まわり……くるくる回ってとかげがひょっこり……

 歌ってる場合か!

 おいおいおい、そういえばこのぬいぐるみ、さっきから微動だにしねえぞ?

 さっきまであんなに食い入るように、こっちを覗き込んできてたってのに。

 動けよ。

 ほら、動けってば。

 ……っち。

 俺が右手をゆっくりとあげる。

 そうするとぬいぐるみがやっと動き出した、……俺と同じように。

 俺が左手をあげるとぬいぐるみも左手をあげる。

 右手を上げるふりして左手をあげる……と見せかけてウインク!

 可愛い!

 じゃねえよ!?

 どうなってんだコレーーーーー!
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