上 下
30 / 191
2023年11月

11月20日

しおりを挟む
双子は良くなったようだが、長男にうつったようで朝起きるとぐったりしていた。
妻には月曜日は抜けるのが難しいと伝えていたため、病院は帰ってからで良いとのことだった。
前に貰った解熱剤の残りを使うと言っていたのを聞いて、俺の母親もそうやって薬を取っておいていたのを思い出す。
父はわりと片付けて生活するのが好きだったので飲み残しを取っておくのに文句を言っていたが、今になると母の方が正しかったのではなかろうかと考えながら出社した。

出社後すぐにパソコンでメールを確認すると、新倉さんから上司も立ち会って確認して、今日で終わらせたいとのメールが来ていた。
東と富田さんに確認すると富田さんが一緒に来てくれるとのことで心強い。
先方の会社に着き会議室に通されると、先方と取引がある製作所の方だという俺と同じ年くらいの男がいた。
確認作業をし、いくつかその場で直してこれで発注をかけるとのことだった。
も不都合なことがあったときのためにと連絡先を交換し、製作所の方は帰っていった。
新倉さんと宮舘さんに間に合いそうか心配だと話すと、先に貰った設計図の中から絶対にサイズか変わらないものは先に用意してもらったり必要そうな材料は先に確保していると返ってきた。
発注出来るとなったら直ぐに作ってもらえるようにしてあるとのことだった。
今回全部使うわけではない物も注文したが、納期に間に合わないよりはマシだと笑う宮舘さんの豪快さに男として憧れを抱く。
帰り際には久保田さんをクビにしたことを聞かされた。
前に勤めていた会社の同期で転職や独立した人に聞いたら、前にいた所でも同じようなことをして損害を出したという情報が回ってきたとのことだった。
佐々木君にも迷惑をかけたとについての謝罪と急いで仕事をしたことに対する感謝をされ帰社した。
改めての謝罪は今回のことについて噂になると会社としてもまずいと思ったのだろうか。

会社に戻り佐々木君になんとかなったと伝えると心から安堵した様子だった。
ずっと心配していたのだろう。
昼休みにはスーパーで長男向けの食べ物と飲み物もをいくつか選び家に帰りに置いてきた。
昼休みが終わった頃に東が戻ってきたのでなんとかなったことと、長男に風邪うつったようだと伝えた。
子供は全員にうつると覚悟したほうが良いと言われ心臓がギュッとなった。

今日は早めに帰り、一人で長男を病院に連れて行った。
長男もここがかかりつけの小児科なので思ったよりは楽に診療を終えた。
体重など答えられないでいると他にもこんな親が来るのだろう、心得たように調べてくれた。
おそらく双子からうつったのだろうとのことだった。
しおりを挟む

処理中です...