夫の親友〜西本匡臣の日記〜

ゆとり理

文字の大きさ
171 / 784
2024年4月

4月2日 1/2

しおりを挟む
昨日東と会った時に乗田さんの奥様とのことを話すと、早瀬さんを連れて行けと言われた。
嫌じゃなければと早瀬さんに声をかけると、気になってたからいいよとあっさりと了承してもらえた。
約束の時間を少し過ぎた頃に着くと、玄関を開けて出迎えてくれた。
リビングに通され、カタログや写真を見せると食い入るように見ていた。
引き戸を見ていたので、開き戸から替えるとなると大規模な工事になるかもしれないというと、やっとこちらを見た。
「私ったらコーヒーも出さずに」と慌てて、キッチンにパタパタと足音をたてて向かった。
その足音に妻を思い出した。
朝あったばかりなのに、なんでこんな事を思ったのだろうと思っていると、早瀬さんから予算先に聞いたほうがいいのではと提言された。
戻って来た奥様に早瀬さんが、「奥さんは下の名前何っておっしゃるんですか?書類とかは全部旦那さんの名前だったから気になっちゃって」と軽く聞いた。
智子さん、55歳。
私とそんなに変わらないのねとの早瀬さんの言葉から、色々と話が弾んでいた。
今回の依頼の部屋は智子さんがリビングとして使っている部屋だったらしい。
他人の家のリビングは多少なりとも居心地が悪いものだが、通されたリビングはそれが無く、まるで客室に通された気分だったのはそれが理由だったのかもしれない。
「主人といる時はここにいるんだけど、普段は2階の部屋にいるの。ここは自分のものがない気がして。」と少し寂しそうに話していた。
飾られてあった絵画や花瓶、棚の中の物に至るまで、嫁いで来る前から元々あったものだと。
ここよりも上の部屋で話しを聞かせて欲しいと言うと、少し笑ってどうぞと上の部屋に通された。
よくある何となく自分の落ち着ける場所ではないと感じる空間だった。
寝具類はなかったが、古い子供が描いた絵や産まれたばかりの子供を抱く女性の写真とローテーブル、読みかけの本が置いてあった。
窓にはレースのカーテンのみがあり、「主人が寝た後はここで少しゆっくりしていたんだけど、明かりをつけると外から見えるから困ってて」と早くなんとかしたいようだった。
窓を開けて確認したが、交換だけならうちの会社でもできるが、外壁も経年劣化しているので工務店に仕事を頼まないといけないと思うと説明した。
予算を聞くと工事をすると収まらなさそうだった。
工事の見積もりは、うちで出来ないので開き戸を勧めると、「開き戸も最初からだったから、自分を変えたくて」と、自分のリビングを作りたいようだった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

職場のパートのおばさん

Rollman
恋愛
職場のパートのおばさんと…

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

処理中です...