夫の親友〜西本匡臣の日記〜

ゆとり理

文字の大きさ
320 / 784
2024年8月

8月17日

しおりを挟む
今日はアイツのお母さんの四十九日だった。
葬式をしたところと同じセレモニーホールだった。
お寺からいらしゃったのは、若い方ではなくそこそこお歳を召した方だった。
よくこの時期に頼めたなと思い聞くと、華佳おばさんが色々と助けてくれたと話していた。
納骨も今日するのだとずっと考えていたが、お寺から最近は暑くて大変だから出来たら涼しい時期にした方がいいと言われ従ったそうだ。
おそらく子供たちと華佳おばさんのことを心配してのことだと思うと話していた。
特に今日はとても暑かったので、若い俺も助かった。
10月か11月にしてもいいかと聞かれた。
俺はいつでも良いが、なぜ俺に確認したのだろう。
妻に言った方がいいのに。

お斎で出された仕出し弁当は今どき珍しくなってきた、肉も魚も入っていないものだった。
お坊さんがお年を召した方だったので、気を使ったのかもしれない。
うちも文乃のところも子供たちには不満だったようで、少し食べただけだった。
家を出る前に母がパンを少し食べさせてくれたので、空腹だとは騒がずに済んで良かったが、長男は基本うるさかった。
子供たちにはお弁当を食べに行くと伝えていたので、唐揚げでも入っている豪華なものを想像したのだろう、帰り道も不満そうにしていた。
俺も子供の頃に同じ経験をしたので、見たことがない料理がごちそうではないことがわかった時の衝撃は理解できた。

本位牌の準備から、今日に会場の準備まで文乃が用意したようだった。
近所や親戚の方たちにも声をかけたようだったが、高齢の方も多く、季節柄難しいようだった。
何か手伝おうかとも思ったが、親戚を差し置いて手を出すわけにもいかず何も出来なかった。
妻も同じ気持ちで、手を出さないなら口も出さないでおこうとなり、両親と一緒に陽翔の面倒を見るくらいしか出来なかった。
法要にかかったお金についても、微々たるアイツの遺産でとなった。
妻は長女を産んでから仕事を辞めざるを得なかったので、少し使ってしまったので足りるかと心配していた。
もし足りなかったら家計から出そうと思う。
アイツのお母さんには世話になったし、最後に出来ることだと思う。

帰りは近所の方と同じタイミングで帰れば良いのかと思っていると、文乃が妻に何か話しかけたので結局華佳おばさんと同じタイミングで帰った。
実家で着替えてから、家に戻ってきたが長男は家に帰ることを途中で理解したらしく、ぐずっていた。
まだ父と遊びたかったらしい。

セレモニーホールに向かう準備をしている頃にまたあの番号から電話があった。
一体誰なのだろう。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

職場のパートのおばさん

Rollman
恋愛
職場のパートのおばさんと…

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

処理中です...