乙女ゲームに転生したらヒロインではなく僕（モブ）が愛されます！？

第一章

出会い

　「もう少しで着きますよ」

ガタゴトと揺れる馬車
居心地は前世の車と比べると最悪だ、
　
ついさっき分かったことだがこのユキ・ニードフェアとか言うやつは結構なお坊ちゃんらしい。あのでかい屋敷や使用人達の数を見るとそう解釈するしかない。

「着きましたよ」

やっと着いたか、
馬車から降り学園を見上げる

「こ、ここは！？！？」

そこには見覚えのある学園があった。
それは《異世界転生で推しに純愛されています！》の学園だった

そうか、だからフェーリン学園の名前に見覚えがったのか。なぜこうも忘れていてしまったのか、、
もしかしたら僕の推しユエ・ド・シフォンに会えるかもしれない！

『きゃーーー！！』

遠くから歓喜の声が聞こえる
しかも疑問なことに男の声だ。こういうのって普通女の声じゃないのか？
そう思いながら歓喜の声が聞こえる方向に進む。

「な、な！？」

そこにはな、なんと！？僕の推しユエ・ド・シフォン、ユエ様が歩いていた。
なんてイケメンなんだ！？！？
髪の毛は七三分けで日本の髪、いや漆黒の髪と言っとこう。そしてルピー色の瞳。なんて素敵なんだろう。これは歓喜の声が飛び交って聞こえてくるわけだ。
しかもなんて言ったって将来皇帝の王に君臨するお方だ。
そしてユエ様の後ろに歩いているのは友達のなんだっけ？

「なんて素敵なんだろう！やはりノア様とリン様とユエ様は今日も美しい。」
「本当にそれ！ノア様とリン様とユエ様　今日も凛々しいお姿だ。あんな人に抱かれたい。」

そうだ！ユエ様の後ろに歩いているのが、ノア・リフェント。
リフェント国の王でユエ様の友達みたいなお方だ。（ユエ様はそう思ってなさそうだけど）結構チャラい王子で攻略対象者だ。金髪の髪色で瞳も金色だ。
リン・モース。
モース国の王でユエ様の友達だ。表では王子様キャラだが裏では腹黒王子だ。水色の髪色で瞳は紫と水色のオッドアイで攻略対象者。

イケメンなのはイケメンなんだかやはり僕の推しユエ様には負ける。なんだってあの容姿、性格、勉学、魔法…何もかも超完璧人間だ

ユエ様をじっと見つめる
なんてイケメンなんだ…

「ふぇっ！？」

見つめていると一瞬目が合ったような気がする。
なんだ！？絶対目が合ったよな！？
ドクンドクンドクン
やばい尊すぎる！！
顔がポッと熱くなる。目が合っただけでめちゃくちゃ顔が熱いのはやばいだろ！

教室に行って休むか。

そう思い教室まで歩く
教室は1クラス30人ぐらいだろう。

席は自由らしい。適当に座っとくか。
まぁ僕は前世と同じぼっち友達生活なんだろうな。前世のを生かして寝てるふりでもしよう

ドサッ

？…なんか隣に誰か座ったな

横目で誰が座ったのか確認する

え、、！

そこにはな、なんと僕の推しユエ様がいた。

（なんでなんでなんで！？なんで僕の隣の席にユエ様が！？！？）

そうパニックしているとユエ様が喋りかけてきた

「おいお前寝てるふりしてるだろ」
「は、はひぃ！」

やばい声が裏返った…恥ずかしすぎる。しかもイケボで話しかけてくるなんて反則だ

ふっ

ユエ様が笑った！？
笑った姿でも美しすぎる

「授業終わったら時間あるか？」
「も、もちろんです！！どこまでもついていきます！」

僕はこの数時間後何が起こるか分からずにそう答えてしまったのである。