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45話 スパイ?
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もし、先生の推理が当たっていたとして、どうして横井さんが……!?
私にお金をくれる理由が分からない。
だって私達には仕事上の付き合いしかないんだよ。
そりゃ、しょっちゅう美味しいお菓子を持ってきてくれて、チカさんには『すっかり餌付けされてる』なんて、からかわれてはいたけど。
単なる事務員と営業マン……というよりかは仲良しだったかも知れない。
……それでも、百万円以上もの大金を貰うような関係じゃなかったはずだ。
全員の視線を受けて横井さんはニコリと営業スマイルを返した。
「飲み物を買ってきたので、ちょっと一服しませんか?」
いつも通りの穏やかな口ぶりでそう言うと、持っていたシノコウの紙袋から缶を取り出す。
そう言えば、通りの向かいの自販機に行くと言ってたっけ?
「はい、小田桐さん」
「あ、ありがとうございます」
タツキ君とチカさんにはブラックコーヒーを、私にはカフェオレを、そしてさっきからずっと横井さんの事を睨みつけている冬馬先生にはアイスココアを手渡した。
ア、アイスココア!?
「はい、君にはコレね。こういう時は甘いものが必要でしょ?……冬馬クン」
と、冬馬クンッ!?
さっき先生も横井さんの事を裕翔って呼び捨てにしてたし。
二人はどういう関係なのっ!?
横井さんから小さな缶を受け取った冬馬先生は一気に飲み干し立ち上がった。
「裕翔……まさか君がここに通っていたとは。少し前まで気づきもしませんでしたよ」
地獄の底から響くような低い声。
こ、こわっ。
「そう? こっちはいつ君にばれるかとひやひやしてたけどね」
横井さんは冬馬先生に険しい顔で詰め寄られても平然としている。
メンタル強っ!
私には絶対ムリだ。
こ、こんな怒りモードマックスの先生、初めて見る。
「で? スパイは楽しかったですか?」
スパイ!?
「いやいや、冬馬クン、そんなスパイだなんて……」
横井さんは左手を胸の前で軽く振って否定する。
冬馬先生はにこりともせず更に横井さんに詰め寄った。
「じゃなかったら何です? 間諜? 密偵? 諜報員?」
「それ、全部同じ意味だよね……」
「とにかく、あなたが知っていることを全て白状して下さい! でないと許しませんよ!!」
「わ、分かったよ……」
横井さんはまるで叱られた子犬の様にうなだれた。
やっぱり、誰も先生には勝てない。
「小田桐さん、スミマセン……」
「い、いえ……」
謝られる理由に見当がつかないものの、こんな、しゅんとした姿を見せられるとなんだか同情してしまう。
「あなたに……いくつか大事なことを隠していました。実は私……」
一瞬の沈黙ののち横井さんは覚悟を決めたのかゴクリと喉を鳴らして唾をのみ込んだ。
「シノコウの営業じゃないんです」
「えええっ!?」
驚いてそう叫んだのは、私じゃなくてチカさんだった。
「シ、シノコウの営業じゃないって……!? どういう事だよ……?」
え? ちょっ、待って?
混乱してきた。
だって横井さん。ちゃんとシノコウの現場の打ち合わせとかしてたよね?
「ちなみに私の名前は横井ではありません」
「えええええええっ!!」
今の今まで『シノコウの横井さん』だと思っていたのに『シノコウの営業』どころか『横井さん』ですらないのぉ!?
「じゃあ、あんた一体どこの誰なんだ?」
驚き過ぎてチカさんの声が裏返った。
「私は……」
横井さん――ホントは違うらしいけど――は胸ポケットから名刺入れを取り出し、私とチカさんとタツキ君に順に名刺を手渡した。
「私、本当は……四宮工建の、四宮裕翔と申します」
……シ、シノミヤ……ユウト!?
四宮工建って冬馬先生のお父さんの会社だよね?
それに名字が同じ四宮ってことは……?
唐突に父の書斎で聞いた話を思い出した。
冬馬先生の家族構成は複雑で、両親は互いに同い年の子供を連れて再婚したステップファミリーだって。
もしかしてこの人って先生の……!?
冬馬先生は苦々しそうな表情で頷いた。
「ええ、彼は……裕翔は、私の弟です」
おとうと……。
そうなんだ……!!
横井さんは冬馬先生の義理の弟さんだったんだ。
初めて会ったのに昔から知っているかのような不思議な親近感を覚えた理由が今わかった。
冬馬先生と横井さんって姿かたちは全く似ていないのに醸し出す雰囲気が良く似てる。
それは二人が兄弟だったからなんだ……!!
「で、でもどうして? なんでよこ……じゃない裕翔さんが私にあんな大金を?」
裕翔さんの正体は分かった。
だけど、余計に意味が分かんなくなっちゃったよ。
どうして先生の弟さんが私に大金をくれるんだぁー!?
「それは、ちょっと……ある人に頼まれて……」
裕翔さんは途端にしどろもどろになって視線をさまよわせ始めた。
ある人って……?
不安げに見上げる私の視線に気づいた冬馬先生が『大丈夫』とやさしくなだめるように小さく頷いて見せる。
「まあ、見当はついているんですがね。だってぴったりじゃないですか」
「……ぴったり?」
先生の言葉に裕翔さんが怪訝そうな顔をする。
「ええ……金額が。ぴったり百十万円」
んんんっ?
百十万円のどこがぴったりなの?
「センセイ? 私には中途半端な金額に思えるけど……」
「いえいえ、ぴったりなんですよ、千尋さん」
先生はそう言ってニヤリと笑う。
「年間百十万円まで……贈与税が非課税なんです」
ぞ、贈与税っ!?
突然出てきたお堅い単語に心底驚く。
贈与税って……? 税って言う位だから税金の一種だよね?
そっか、お金を貰う時にも税金を払う必要があるんだ……。
私、気が付きもしなかった。
でも、裕翔さんに頼んだ人はそういう知識があったってことで……。
それって、つまり。
冬馬先生は再び私の横に腰かけて今度はしっかりと頷いた。
「ええ……もうお分かりですよね?」
……お父さん……?
「実は千尋さんが住民票を移していたと聞いた時からおかしいと思っていたんです。そのことにあの所長が気が付かないはずがない。ただ……千尋さんの事を裕翔に監視させていたとは思いもしませんでしたが」
先生は鋭い目つきで裕翔さんを見上げた。
「『監視』ってそんな、人聞きが悪いな、冬馬クン」
裕翔さんは胸の前で軽く両腕を組み、話し始めた。
「小田桐さん。私はこの一年半、君の両親に頼まれて君を……見守っていた。ただ、私がシノコウに横井という旧姓で出向を決めたのは本当に偶然だったんです……」
子供の頃から建築に興味があった裕翔さんは大学の建築学科を卒業後、両親の勧めるままに四宮工建に就職した。
社長の息子だもんね。周囲の期待や重圧は半端なかったんだろう。
次第にその立場を隠して働いてみたいと思うようになっていったんだって。
それでグループ会社のシノコウに横井という旧姓で出向したい、と四宮社長に直訴した。
「最初は反対されましたよ……でも、私自身若いうちは世間で揉まれないと成長しないんじゃないか、という焦りもありましたし、少し……両親から離れて羽を伸ばしてみたいという欲求もありました。……長男で実子の冬馬クンは家に寄りつかないし、高校生の弟は頼りにならないし、私に対する期待ばかりが膨らんで……はぁ」
裕翔さんはため息をついて続けた。
「そんな時に小田桐所長からフォレストについて教えて欲しいと問い合わせがあったんです。なんでも下のお嬢さんが家出をして足場屋で働きだしたから様子を知りたいと。フォレストはシノコウの下請けですからね。いやー渡りに船でした! じゃあ、私が様子を見て来ましょう! と請け合ってシノコウに出向することが出来たんです。小田桐さんのおかげで夢が叶いました」
裕翔さんはニコッとほほ笑んだ。
んん?
裕翔さんが私と同じタイミングでフォレストの担当になった経緯は分かったけど……。
お父さんがフォレストについて四宮社長に問い合わせたっていうのはびっくりだ。
そもそもウチの父と四宮社長の関係って良好なんだろうか?
ウチの法律事務所を興したお祖父ちゃんは、かつて冴子さんの弁護士として社長と息子の親権を争ったんだよね?
今その法律事務所で冬馬先生は働いている。
しかも、事務所の跡継ぎ候補だ。
「冬馬先生のお父さんは、ウチの父に息子を奪われた、って怒ってないのかな……?」
「え?」
「だって、裕翔さん、冬馬先生は四宮社長に勘当されちゃったんでしょ……?」
「勘当って……と、冬馬クン!? 小田桐さんに何てこと言ってるの?」
「別に……事実を言ったまでの事」
冬馬先生はフンと顔をそむけて見せた。
……なんだか小さな子供が拗ねてるみたいで……カワイイ。
先生、家族にはこんな表情を見せるんだ。
「そりゃ確かに親子喧嘩の際に売り言葉に買い言葉で父さんが『勘当だ、出ていけー』って冬馬クンに怒った事はあったけど……あれは、本心じゃないから」
「どうだか」
「……あのね冬馬クン……ちょっと詰めてくれる?」
裕翔さんは強引に冬馬先生の隣に座った。
そのせいで先生がぐっと私との距離を詰めて、私の肩が先生の腕にくっつく。
セ、センセッ!? ち、近すぎるっ……!!
触れたところが……熱い。
私はひとりでドキドキしちゃってうつむいた。
「冬馬クン、君が家を出ることを許されたのは多分、君と……冴子さんのためだと思うよ」
私にお金をくれる理由が分からない。
だって私達には仕事上の付き合いしかないんだよ。
そりゃ、しょっちゅう美味しいお菓子を持ってきてくれて、チカさんには『すっかり餌付けされてる』なんて、からかわれてはいたけど。
単なる事務員と営業マン……というよりかは仲良しだったかも知れない。
……それでも、百万円以上もの大金を貰うような関係じゃなかったはずだ。
全員の視線を受けて横井さんはニコリと営業スマイルを返した。
「飲み物を買ってきたので、ちょっと一服しませんか?」
いつも通りの穏やかな口ぶりでそう言うと、持っていたシノコウの紙袋から缶を取り出す。
そう言えば、通りの向かいの自販機に行くと言ってたっけ?
「はい、小田桐さん」
「あ、ありがとうございます」
タツキ君とチカさんにはブラックコーヒーを、私にはカフェオレを、そしてさっきからずっと横井さんの事を睨みつけている冬馬先生にはアイスココアを手渡した。
ア、アイスココア!?
「はい、君にはコレね。こういう時は甘いものが必要でしょ?……冬馬クン」
と、冬馬クンッ!?
さっき先生も横井さんの事を裕翔って呼び捨てにしてたし。
二人はどういう関係なのっ!?
横井さんから小さな缶を受け取った冬馬先生は一気に飲み干し立ち上がった。
「裕翔……まさか君がここに通っていたとは。少し前まで気づきもしませんでしたよ」
地獄の底から響くような低い声。
こ、こわっ。
「そう? こっちはいつ君にばれるかとひやひやしてたけどね」
横井さんは冬馬先生に険しい顔で詰め寄られても平然としている。
メンタル強っ!
私には絶対ムリだ。
こ、こんな怒りモードマックスの先生、初めて見る。
「で? スパイは楽しかったですか?」
スパイ!?
「いやいや、冬馬クン、そんなスパイだなんて……」
横井さんは左手を胸の前で軽く振って否定する。
冬馬先生はにこりともせず更に横井さんに詰め寄った。
「じゃなかったら何です? 間諜? 密偵? 諜報員?」
「それ、全部同じ意味だよね……」
「とにかく、あなたが知っていることを全て白状して下さい! でないと許しませんよ!!」
「わ、分かったよ……」
横井さんはまるで叱られた子犬の様にうなだれた。
やっぱり、誰も先生には勝てない。
「小田桐さん、スミマセン……」
「い、いえ……」
謝られる理由に見当がつかないものの、こんな、しゅんとした姿を見せられるとなんだか同情してしまう。
「あなたに……いくつか大事なことを隠していました。実は私……」
一瞬の沈黙ののち横井さんは覚悟を決めたのかゴクリと喉を鳴らして唾をのみ込んだ。
「シノコウの営業じゃないんです」
「えええっ!?」
驚いてそう叫んだのは、私じゃなくてチカさんだった。
「シ、シノコウの営業じゃないって……!? どういう事だよ……?」
え? ちょっ、待って?
混乱してきた。
だって横井さん。ちゃんとシノコウの現場の打ち合わせとかしてたよね?
「ちなみに私の名前は横井ではありません」
「えええええええっ!!」
今の今まで『シノコウの横井さん』だと思っていたのに『シノコウの営業』どころか『横井さん』ですらないのぉ!?
「じゃあ、あんた一体どこの誰なんだ?」
驚き過ぎてチカさんの声が裏返った。
「私は……」
横井さん――ホントは違うらしいけど――は胸ポケットから名刺入れを取り出し、私とチカさんとタツキ君に順に名刺を手渡した。
「私、本当は……四宮工建の、四宮裕翔と申します」
……シ、シノミヤ……ユウト!?
四宮工建って冬馬先生のお父さんの会社だよね?
それに名字が同じ四宮ってことは……?
唐突に父の書斎で聞いた話を思い出した。
冬馬先生の家族構成は複雑で、両親は互いに同い年の子供を連れて再婚したステップファミリーだって。
もしかしてこの人って先生の……!?
冬馬先生は苦々しそうな表情で頷いた。
「ええ、彼は……裕翔は、私の弟です」
おとうと……。
そうなんだ……!!
横井さんは冬馬先生の義理の弟さんだったんだ。
初めて会ったのに昔から知っているかのような不思議な親近感を覚えた理由が今わかった。
冬馬先生と横井さんって姿かたちは全く似ていないのに醸し出す雰囲気が良く似てる。
それは二人が兄弟だったからなんだ……!!
「で、でもどうして? なんでよこ……じゃない裕翔さんが私にあんな大金を?」
裕翔さんの正体は分かった。
だけど、余計に意味が分かんなくなっちゃったよ。
どうして先生の弟さんが私に大金をくれるんだぁー!?
「それは、ちょっと……ある人に頼まれて……」
裕翔さんは途端にしどろもどろになって視線をさまよわせ始めた。
ある人って……?
不安げに見上げる私の視線に気づいた冬馬先生が『大丈夫』とやさしくなだめるように小さく頷いて見せる。
「まあ、見当はついているんですがね。だってぴったりじゃないですか」
「……ぴったり?」
先生の言葉に裕翔さんが怪訝そうな顔をする。
「ええ……金額が。ぴったり百十万円」
んんんっ?
百十万円のどこがぴったりなの?
「センセイ? 私には中途半端な金額に思えるけど……」
「いえいえ、ぴったりなんですよ、千尋さん」
先生はそう言ってニヤリと笑う。
「年間百十万円まで……贈与税が非課税なんです」
ぞ、贈与税っ!?
突然出てきたお堅い単語に心底驚く。
贈与税って……? 税って言う位だから税金の一種だよね?
そっか、お金を貰う時にも税金を払う必要があるんだ……。
私、気が付きもしなかった。
でも、裕翔さんに頼んだ人はそういう知識があったってことで……。
それって、つまり。
冬馬先生は再び私の横に腰かけて今度はしっかりと頷いた。
「ええ……もうお分かりですよね?」
……お父さん……?
「実は千尋さんが住民票を移していたと聞いた時からおかしいと思っていたんです。そのことにあの所長が気が付かないはずがない。ただ……千尋さんの事を裕翔に監視させていたとは思いもしませんでしたが」
先生は鋭い目つきで裕翔さんを見上げた。
「『監視』ってそんな、人聞きが悪いな、冬馬クン」
裕翔さんは胸の前で軽く両腕を組み、話し始めた。
「小田桐さん。私はこの一年半、君の両親に頼まれて君を……見守っていた。ただ、私がシノコウに横井という旧姓で出向を決めたのは本当に偶然だったんです……」
子供の頃から建築に興味があった裕翔さんは大学の建築学科を卒業後、両親の勧めるままに四宮工建に就職した。
社長の息子だもんね。周囲の期待や重圧は半端なかったんだろう。
次第にその立場を隠して働いてみたいと思うようになっていったんだって。
それでグループ会社のシノコウに横井という旧姓で出向したい、と四宮社長に直訴した。
「最初は反対されましたよ……でも、私自身若いうちは世間で揉まれないと成長しないんじゃないか、という焦りもありましたし、少し……両親から離れて羽を伸ばしてみたいという欲求もありました。……長男で実子の冬馬クンは家に寄りつかないし、高校生の弟は頼りにならないし、私に対する期待ばかりが膨らんで……はぁ」
裕翔さんはため息をついて続けた。
「そんな時に小田桐所長からフォレストについて教えて欲しいと問い合わせがあったんです。なんでも下のお嬢さんが家出をして足場屋で働きだしたから様子を知りたいと。フォレストはシノコウの下請けですからね。いやー渡りに船でした! じゃあ、私が様子を見て来ましょう! と請け合ってシノコウに出向することが出来たんです。小田桐さんのおかげで夢が叶いました」
裕翔さんはニコッとほほ笑んだ。
んん?
裕翔さんが私と同じタイミングでフォレストの担当になった経緯は分かったけど……。
お父さんがフォレストについて四宮社長に問い合わせたっていうのはびっくりだ。
そもそもウチの父と四宮社長の関係って良好なんだろうか?
ウチの法律事務所を興したお祖父ちゃんは、かつて冴子さんの弁護士として社長と息子の親権を争ったんだよね?
今その法律事務所で冬馬先生は働いている。
しかも、事務所の跡継ぎ候補だ。
「冬馬先生のお父さんは、ウチの父に息子を奪われた、って怒ってないのかな……?」
「え?」
「だって、裕翔さん、冬馬先生は四宮社長に勘当されちゃったんでしょ……?」
「勘当って……と、冬馬クン!? 小田桐さんに何てこと言ってるの?」
「別に……事実を言ったまでの事」
冬馬先生はフンと顔をそむけて見せた。
……なんだか小さな子供が拗ねてるみたいで……カワイイ。
先生、家族にはこんな表情を見せるんだ。
「そりゃ確かに親子喧嘩の際に売り言葉に買い言葉で父さんが『勘当だ、出ていけー』って冬馬クンに怒った事はあったけど……あれは、本心じゃないから」
「どうだか」
「……あのね冬馬クン……ちょっと詰めてくれる?」
裕翔さんは強引に冬馬先生の隣に座った。
そのせいで先生がぐっと私との距離を詰めて、私の肩が先生の腕にくっつく。
セ、センセッ!? ち、近すぎるっ……!!
触れたところが……熱い。
私はひとりでドキドキしちゃってうつむいた。
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