硝子の瞳に映る蜃気楼

鳴沢ゆき

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1章

3話-赤いペンキ-

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 朝のHRが終わる。1時間目は体育だ。女子が教室で着替えるため、男子はそそくさと教室を出ていく。私と凜も、着替えを始める。
「今日の体育って何するんだっけ?」
「今日は、女子が第一体育館でバドミントン。男子は外でサッカーって龍が言ってたかな?」
 私が質問をして、凜が答える。この学校、公立学校にしては設備が良く、体育館が2つある。ほかにもいろいろな施設がある。2人で話しながら、かつ凜の胸の大きさを羨みながら、青色のジャージに着替えていく。着替えを終わらせたタイミングで、
「いってらっしゃい」
と咲夜が言う。体育はさすがに咲夜をつれていかない。人形を置いておく場所がないし、万が一何かが飛んできて咲夜に当たったら嫌だからだ。多分、唯一、学校生活で、咲夜と離れるときだろう。
「いってきます」
 昨夜にそう返して、教室を後にした。

 バドミントンの授業を始めてください。 
「2人ペアになってください」
 体育の女教師の声を合図として全員がペアを作り始める。私は凜のとこに駆け寄っていく。体育はいつも通り進行していった。運動の得意な凜が手加減なしで相手ペアを押し切ってしまうというふうに。凜は頭はあまりよろしく無いが、運動神経が良い。2年生でありながら弓道部の副部長をしているくらいだ。
 体育が終わると女子はすぐに教室に向かう。始まる前は、「女子が着替え始めるから男子が早く出ていく」だったが、体育終わりは、「男子がもどってくるから女子が早く着替える」なのだ。この学校の暗黙の了解のようなものである。

 教室に入った女子生徒は一様に黒板を見て騒いでいる。

 黒板に真っ赤なペンキがぶちまけられていたのだ。
 
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