君を助けるための石

秋風 爽籟

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10話 東広島市の神社

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鈴が倒れて3日目 13時



尊は、家に戻って来たけれど…

すごい倦怠感で…

すぐ神社に行きたいけど…

少しだけ…休んでからにしよう



そう考えながら…寝てしまった。



目が覚めると…14時



―――ヤバい…1時間経ってしまった…



次の神社は…

一昨年の6月か…



ここは、鈴とドライブしてる途中に見つけた神社だ…

鈴とは一時、映画を見に行くことにハマった事もあったけれど…

やっぱり、ドライブがいいねってことになったんだ…

鈴は…

「映画をみている間は、尊と喋れないからつまらない…ドライブだったら喋りながら行けるから」

そう言ってくれて…

めちゃくちゃ嬉しかった…

それからは、ドライブばかり行くようになったんだ…



この時は、二人とも平日に休みが取れたから

時報塔を見に行ったり

古い建物を見に行ったり…

二人で和食を食べて…

道の駅に行ったり、滝を見に行ったり

ウロウロしまくったんだった。



尊は、写真の上に石を置いて…

目を閉じて…目を開ける。

すると…神社に着いた。



―――もう、この行動がためらいもなく出来るようになっちゃったよ。



広島県の東広島市にある、その神社は、入口に大きな鳥居があって…

その先には左右に石灯篭が続いていた。

それを抜けると、長い階段があって

上ると…狛犬と石灯籠

そして本殿がある。



御神祭の情報はないな…

何の神様なんだろう…

ネットで調べてみたけど…これっていう情報はなかった。



下で、ご高齢の男性とすれ違ったけど…

境内には…人はいない。

尊は、参拝をした後に…

石を置いてみた。

でも…石は何の変化もしない。



―――やはりここでもないか…

―――帰ろう



そして、家の写真の上に石を置く…

この行動も、当たり前になってきたな…



鈴の両親は、夕方に帰るって言ってたから

そろそろ、病院に行くか…

鈴のことも気になるし…



尊は、病院に向かった。

病室に行くと、鈴の両親がいた…



「お義父さん、お義母さんありがとうございました。おかげで仕事が少しできました。鈴はどうですか?」



「いや、気にしないでいいよ。鈴は、変わりない…」



尊は、鈴のそばに行って鈴の顔を覗き込んだ…

鈴は、ただ眠っている…



「先生とは話されましたか?」



「話はしたけど…やっぱり原因が分からないと言われたよ。色々検査をしたけど…特に悪い所が見つからないらしい…なのに目を覚まさない。どうしてなのか…」



鈴の両親も、困惑していた…



「後は、僕がまた経過を知らせますから…今日は、自宅に帰って休んで下さい」



「すまないね…じゃ、頼んだよ。尊くん」



「ホント…ごめんなさいね。また、来るから」



お義父さんとお義母さんは、そう言って帰って行った。



鈴が目を覚ませられるように頑張らないと…

そして、鈴の両親を喜ばせたい…

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