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11話 松江市美保関町の神社
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鈴が倒れて3日目 15時半
鈴の両親が帰ってから…
尊は暫く、鈴の顔を見ていた。
鈴は、表情を一切変えないで眠っている。
鈴の魂はどこにいるのだろう?
また、元気な鈴に会いたい…
―――こんなことを考えている暇があったら、行動すべきだよな…
よし、次の神社に行こう。
次の神社は…
一昨年の5月に行った、島根県松江市美保関町の神社か…
この時は、俺が突然行こうって誘ったんだ…
灯台を見に行ったら、そこに鳥居があったって感じかな…
鈴は、急に遠くにドライブに行こうって言いだしても
いつも、付き合ってくれる。
むしろ、嬉しそうだ…
その顔を見るのが嬉しくて…
どんどん色んな所に連れて行きたくなる。
尊は、写真を見ながら色々思い出して…
悲しくなった。
―――でも、今は感傷にひたっている場合じゃない。
尊は、写真の上に石を置いた。
そして目を開けると…
そこは、灯台だった。
灯台の周りをぐるっとまわると…
鳥居が見えた。
本殿はここにはない…
灯台に来る前にあった神社の境内末社らしい。
ここから海の方に向かって北東4㎞の沖合の岩礁にも鳥居があるらしいが…今日は見えないな。
主祭神は、事代主命、生玉依媛命
事代主命が釣りをして居た場所だと伝えられている。
でも、ここには本殿も無いし…
鈴が石を持ち帰ったとは思えないけど…
一応、石を置いてみるか…
やはり…石は光らない。
ここもダメだよな…
分かっていても来なければいけないのが辛い…
あの時に、この近くの神社も行きたかったけど、駐車場が分からなくて
寄らなかったから…行っても仕方ないよな…
―――よし、帰ろう
尊は、鈴の病室に帰った…
鈴は、変わらず眠っている。
鈴は、もしかしたら…何か嫌なことがあって
この世界が嫌になったのかな?
そんな風には見えなかったけど…
俺が、気が付かなかっただけなのかもしれない。
こうして神社に行くことで
鈴の気持ちが分かっていけるといいんだけど…
そう、考えていると…
ノックの音が響いた…
「はい、どうぞ」
入って来たのは…
鈴の同僚の、愛だった。
「突然、すみません。鈴さんのことを聞いて…」
「いえ、わざわざありがとうございます」
愛は、一度だけ家にも遊びに来たことがあるから知っていた。
鈴が会社で仲良くしている子で、年下だけど
何でも話せる子だって言ってた。
「鈴さん、どうなんですか?」
「それが、原因が分からないんです。でも目を覚ます気配もなくて…」
「そうなんですね…それは、心配ですね…」
「あの…鈴は、最近何か嫌なことがあったとか言ってませんでしたか?」
「いえ…会社で嫌なことがあったとかは無いです。プライベートの話もよくするんですが、いつも楽しそうにドライブに行った話をしてくれていました」
「そうですか…ならいいんです、すみません。来て下さってありがとうございます」
「また、何か聞きたいことがあったらいつでも言って下さい。また来ますね」
そう言って、愛は帰って行った…
鈴の両親が帰ってから…
尊は暫く、鈴の顔を見ていた。
鈴は、表情を一切変えないで眠っている。
鈴の魂はどこにいるのだろう?
また、元気な鈴に会いたい…
―――こんなことを考えている暇があったら、行動すべきだよな…
よし、次の神社に行こう。
次の神社は…
一昨年の5月に行った、島根県松江市美保関町の神社か…
この時は、俺が突然行こうって誘ったんだ…
灯台を見に行ったら、そこに鳥居があったって感じかな…
鈴は、急に遠くにドライブに行こうって言いだしても
いつも、付き合ってくれる。
むしろ、嬉しそうだ…
その顔を見るのが嬉しくて…
どんどん色んな所に連れて行きたくなる。
尊は、写真を見ながら色々思い出して…
悲しくなった。
―――でも、今は感傷にひたっている場合じゃない。
尊は、写真の上に石を置いた。
そして目を開けると…
そこは、灯台だった。
灯台の周りをぐるっとまわると…
鳥居が見えた。
本殿はここにはない…
灯台に来る前にあった神社の境内末社らしい。
ここから海の方に向かって北東4㎞の沖合の岩礁にも鳥居があるらしいが…今日は見えないな。
主祭神は、事代主命、生玉依媛命
事代主命が釣りをして居た場所だと伝えられている。
でも、ここには本殿も無いし…
鈴が石を持ち帰ったとは思えないけど…
一応、石を置いてみるか…
やはり…石は光らない。
ここもダメだよな…
分かっていても来なければいけないのが辛い…
あの時に、この近くの神社も行きたかったけど、駐車場が分からなくて
寄らなかったから…行っても仕方ないよな…
―――よし、帰ろう
尊は、鈴の病室に帰った…
鈴は、変わらず眠っている。
鈴は、もしかしたら…何か嫌なことがあって
この世界が嫌になったのかな?
そんな風には見えなかったけど…
俺が、気が付かなかっただけなのかもしれない。
こうして神社に行くことで
鈴の気持ちが分かっていけるといいんだけど…
そう、考えていると…
ノックの音が響いた…
「はい、どうぞ」
入って来たのは…
鈴の同僚の、愛だった。
「突然、すみません。鈴さんのことを聞いて…」
「いえ、わざわざありがとうございます」
愛は、一度だけ家にも遊びに来たことがあるから知っていた。
鈴が会社で仲良くしている子で、年下だけど
何でも話せる子だって言ってた。
「鈴さん、どうなんですか?」
「それが、原因が分からないんです。でも目を覚ます気配もなくて…」
「そうなんですね…それは、心配ですね…」
「あの…鈴は、最近何か嫌なことがあったとか言ってませんでしたか?」
「いえ…会社で嫌なことがあったとかは無いです。プライベートの話もよくするんですが、いつも楽しそうにドライブに行った話をしてくれていました」
「そうですか…ならいいんです、すみません。来て下さってありがとうございます」
「また、何か聞きたいことがあったらいつでも言って下さい。また来ますね」
そう言って、愛は帰って行った…
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