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王家の血
第2話
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辺り一面、真白な光景が広がっていた。
風も無ければ、空気すら存在しているのかも定かではない。それ程なまでに静まりかえっている。
「レイヴス。」
誰かが俺の名前を呼んでいる。そう思った俺は、声のする方へ歩いていった。
しかし、いくら歩こうとも景色は変わらない。それどころか、しっかりと前に進めているのかも分からない。
「レイヴス。」
聞き覚えのない声が、ただ俺を呼んでいる。しかし、先程よりはっきりと聞こえてきている。俺は前に進めているのだろう。
すると、前方にぼんやりと何かが浮かび上がってきた。俺はそれを見て走り出した。次第に近づいてくるその影、それが何なのかを認識出来る距離まで来たのと同時に、俺は足を止めた。
「レイヴス。早く起きなさい。」
「うぅ、まだ寝てても良いでしょ。」
「ダメよ、今日は街まで父さんを迎えに行くんでしょ。」
そこに居たのは、黒髪長髪の女性と、幼い頃の俺だった。
しかし、その光景に俺は見覚えが無い。
「早く準備して行くわよ。」
その女性がそう言うと、幼い頃の俺は支度を始めた。
その瞬間、その光景が風に流される花びらのように消えていき、別の光景が写し出された。
建物の中、その窓から見える外の景色は暗く、雨が強く降っていた。
「母さん、父さんはいつ帰るの。」
そう言ったのは、幼い頃の俺だった。"母さん"と、あの女性を見ながらそう言った。
見覚えの無い光景、見覚えの無い女性、それを母さんと呼ぶ幼い俺。俺はいったい何を見ているのだろう。
「大丈夫よレイヴス。」
そう言って彼女は、笑っていた。その笑顔は、優しくて暖かい。そんな顔をしていた。それを見た幼い俺は、安心したように微笑んでいた。しかしそれは、束の間の出来事だった。
「ミリア!ここから逃げろ。」
「父さん!」
建物の扉を勢いよく開け入ってきた男を幼い俺は"父さん"と言っていた。そして、その男は彼女の事をミリアと言った。
「来るんじゃ無いレイヴス!」
「貴方、何があったの。」
先程とは裏腹に、心配そうで悲しげな顔をしながら彼女はそう言った。
「話は後だ、早くレイヴスを連れて逃げろ。」
「でも、」
「いいから早く行け!」
「ミリア、レイヴスを頼んだぞ。それとレイヴス。強く生きろ。」
「行くわよ、レイヴス。」
彼女は決死したかのようにそう言い走ってその建物から逃げ出した。幼い俺は彼女に抱かれながら父の方を見ていた。建物の明かりで中の様子が見えた、そこには父と呼ばれていた男の影と、それを取り囲む数人の影が見えた。
「父さん!父さぁぁぁん‼︎」
幼い俺は何かを悟ったのか、そう叫んでいた。
建物の中の影を見ると周りを囲んでいた数人が、一斉に剣を抜き、その男を刺した。
辺りはまた真白になった。すると今度は、鳥のさえずりのような音が聞こえてきた。
そして目の前にぼんやりと、木造の建物の屋根が見えてきた。
感覚もある。柔らかくて暖かい。まるでベッドの中のような、、、ああ、そうか、そこで俺はようやく気がついた。俺は夢を見ていたのだ。
「あ、やっと起きた!」
「今、お兄ちゃん呼んでくるから待ってて。」
そう言うと、その人は何処かへ行ってしまった。
「また見知らぬ場所で、聞いたことのない女性の声か。」
しばらく待ってると、部屋の扉をノックする音が聞こえた。
「どうぞ。」
そう返事すると、一人の男と一人の女の子が入ってきた。
「おお!目が覚めたか。」
男は俺にそう言ってきた。
「俺の名前はネロ!よろしくな。」
「私はペトゥ。よろしく。」
「レイヴスだ、よろしく。」
そうして俺たちは握手をし、俺はどうして俺がここに居るのかを聞いた。
どうやら、三日前に近くの山で倒れているのを見つけたらしい。そのままこのログハウスに連れ込み、看病してくれていたようだ。しかし妙だ、俺があの夢を見る前に最後に居たのは、焼け落ちた指令室だったはず。そして奴が現れた。
「でも、どうしてあんな所にいたの。」
ペトゥがそう俺に質問してきたが、それは俺にも分からない事だ。
「じつは、俺も覚えてないんだ。覚えてる事は、城下町の門付近で、大量の魔獣達と戦闘になり、魔獣たちは退けたものの何者かにより指令室が攻撃された。」
「というと、貴方はもしかして旧王国軍の人って事?」
「旧王国軍?」
「あぁ、そっか知らないんだよね。」
「二日前、王都は陥落したわ。闇の王ガイア率いる魔人軍によってね。」
「王国軍はどうなったんだ。」
「国王や幹部を含め、ほとんどがやられて壊滅したと聞いたわ。」
ペトゥの話によると、たった一日で軍は壊滅し、王都は陥落したことになる。しかし、ペトゥは続けてこう言った。
「でも、希望はまだある。」
王国軍の生き残りが、魔人軍への対抗勢力を整えようとしていると言う話があるらしい。
それに、闇の王ガイア。あの日指令室を襲撃したあいつと、何か関係があるかもしれないと思った俺は、すぐに出発の準備を整えた。
風も無ければ、空気すら存在しているのかも定かではない。それ程なまでに静まりかえっている。
「レイヴス。」
誰かが俺の名前を呼んでいる。そう思った俺は、声のする方へ歩いていった。
しかし、いくら歩こうとも景色は変わらない。それどころか、しっかりと前に進めているのかも分からない。
「レイヴス。」
聞き覚えのない声が、ただ俺を呼んでいる。しかし、先程よりはっきりと聞こえてきている。俺は前に進めているのだろう。
すると、前方にぼんやりと何かが浮かび上がってきた。俺はそれを見て走り出した。次第に近づいてくるその影、それが何なのかを認識出来る距離まで来たのと同時に、俺は足を止めた。
「レイヴス。早く起きなさい。」
「うぅ、まだ寝てても良いでしょ。」
「ダメよ、今日は街まで父さんを迎えに行くんでしょ。」
そこに居たのは、黒髪長髪の女性と、幼い頃の俺だった。
しかし、その光景に俺は見覚えが無い。
「早く準備して行くわよ。」
その女性がそう言うと、幼い頃の俺は支度を始めた。
その瞬間、その光景が風に流される花びらのように消えていき、別の光景が写し出された。
建物の中、その窓から見える外の景色は暗く、雨が強く降っていた。
「母さん、父さんはいつ帰るの。」
そう言ったのは、幼い頃の俺だった。"母さん"と、あの女性を見ながらそう言った。
見覚えの無い光景、見覚えの無い女性、それを母さんと呼ぶ幼い俺。俺はいったい何を見ているのだろう。
「大丈夫よレイヴス。」
そう言って彼女は、笑っていた。その笑顔は、優しくて暖かい。そんな顔をしていた。それを見た幼い俺は、安心したように微笑んでいた。しかしそれは、束の間の出来事だった。
「ミリア!ここから逃げろ。」
「父さん!」
建物の扉を勢いよく開け入ってきた男を幼い俺は"父さん"と言っていた。そして、その男は彼女の事をミリアと言った。
「来るんじゃ無いレイヴス!」
「貴方、何があったの。」
先程とは裏腹に、心配そうで悲しげな顔をしながら彼女はそう言った。
「話は後だ、早くレイヴスを連れて逃げろ。」
「でも、」
「いいから早く行け!」
「ミリア、レイヴスを頼んだぞ。それとレイヴス。強く生きろ。」
「行くわよ、レイヴス。」
彼女は決死したかのようにそう言い走ってその建物から逃げ出した。幼い俺は彼女に抱かれながら父の方を見ていた。建物の明かりで中の様子が見えた、そこには父と呼ばれていた男の影と、それを取り囲む数人の影が見えた。
「父さん!父さぁぁぁん‼︎」
幼い俺は何かを悟ったのか、そう叫んでいた。
建物の中の影を見ると周りを囲んでいた数人が、一斉に剣を抜き、その男を刺した。
辺りはまた真白になった。すると今度は、鳥のさえずりのような音が聞こえてきた。
そして目の前にぼんやりと、木造の建物の屋根が見えてきた。
感覚もある。柔らかくて暖かい。まるでベッドの中のような、、、ああ、そうか、そこで俺はようやく気がついた。俺は夢を見ていたのだ。
「あ、やっと起きた!」
「今、お兄ちゃん呼んでくるから待ってて。」
そう言うと、その人は何処かへ行ってしまった。
「また見知らぬ場所で、聞いたことのない女性の声か。」
しばらく待ってると、部屋の扉をノックする音が聞こえた。
「どうぞ。」
そう返事すると、一人の男と一人の女の子が入ってきた。
「おお!目が覚めたか。」
男は俺にそう言ってきた。
「俺の名前はネロ!よろしくな。」
「私はペトゥ。よろしく。」
「レイヴスだ、よろしく。」
そうして俺たちは握手をし、俺はどうして俺がここに居るのかを聞いた。
どうやら、三日前に近くの山で倒れているのを見つけたらしい。そのままこのログハウスに連れ込み、看病してくれていたようだ。しかし妙だ、俺があの夢を見る前に最後に居たのは、焼け落ちた指令室だったはず。そして奴が現れた。
「でも、どうしてあんな所にいたの。」
ペトゥがそう俺に質問してきたが、それは俺にも分からない事だ。
「じつは、俺も覚えてないんだ。覚えてる事は、城下町の門付近で、大量の魔獣達と戦闘になり、魔獣たちは退けたものの何者かにより指令室が攻撃された。」
「というと、貴方はもしかして旧王国軍の人って事?」
「旧王国軍?」
「あぁ、そっか知らないんだよね。」
「二日前、王都は陥落したわ。闇の王ガイア率いる魔人軍によってね。」
「王国軍はどうなったんだ。」
「国王や幹部を含め、ほとんどがやられて壊滅したと聞いたわ。」
ペトゥの話によると、たった一日で軍は壊滅し、王都は陥落したことになる。しかし、ペトゥは続けてこう言った。
「でも、希望はまだある。」
王国軍の生き残りが、魔人軍への対抗勢力を整えようとしていると言う話があるらしい。
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