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解呪ってなんだよ
ロイが胸を張ってクッキーにあり得ないキーワードを口にした
念でも籠もってるの?
あの阿呆従者大丈夫って言い切ったけど信用性ゼロだからね
殴っていいかな?
クッキーなのに異界のものに視えてきた
嫌だ持ちたくない
手が震える
マジで
「ローレン食べないのか?」
長いまつ毛に彩られた瞳に戸惑いの色を浮かべセドが小首を傾げる
その瞳には悪意は感じられなかった
クッキーは禍々しいけど
罠か?
「私が作ったものは嫌か?」
中々手を付けない俺にセドは悲しげに瞳を地面へ落としシュンと哀愁を漂わせる
ヤダわぁなまじ顔がいいだけに罪悪感が湧く
やばい……ない尻尾が力無く垂れ下がる幻覚まで見えてくる……ぁあどうしたら………
「そっか……嫌なのか……あの女のは食べようとしたのに」
モタモタしてたら違う方向でやばくなった
「ちっ違う……俺はただセドの初めての作業を聞きたかっただけなんだ。セドが俺の為に作ってくれたクッキーでしょ?セドの奮闘を知って噛み締めて味わって食べたかったんだ。それに俺もセドの為に作ってみたいかなぁなんて、だからあくまで参考までに聞きたかっただけで、クッキーが食べたくないとかじゃないから。なあロイ、近くでセドの頑張りを見てたお前なら過程とやらを包み隠さず俺に教えてくれるだろ?」
これならばクッキーを拒否してるようには聞こえまい
俺の言葉に『好き、可愛い、天使…』とかブツブツいいながら頬を蒸気させて喜ぶセド
取り敢えず何とかなった
ほっとこう
ロイは相変わらず視線を合わせない
俺は低く低くゆっくりと全てを知ってる者の名を呼ぶ
「ロイ」
ロイの肩がビクリと揺れて青褪める
逃さない
俺はあのやばいのを絶対に体内に入れなくてはならないのだ
少しでも情報が欲しい
どうゆうことか説明して貰おうか!
クッキーが何故こんな色になったのか、どうしたらこんなに重いクッキーになるのかを詳しく!
「絶対怒らない、引かない、クッキーを食べると約束してくれるなら話ます」
ロイがここまで渋るとは………あのクッキーに何が…………?!
「………分かった」
たかがクッキー、されどクッキー、クッキーとは奥深いものだ
知らんけど
苦虫を噛み潰したような顔でロイは話はじめた
「クッキーの材料はさっきも言った通り小麦や玉子などの基本となるモノしか使用しておりません。塩と砂糖を間違えるドジっ子系古典的な落ちも残念ながらありませんでした」
おい、そんな落ちいらんから
誰も求めてないし
「ここまではまだ変化は見られません。少々お待ち下さい」
渋ってたわりに饒舌だな、おぃ
「小麦を入れ、泡だて器からヘラに換えさっくり3回程混ぜ合わせた時までは良かった。セイクリード様もまだ普通でした」
まで、まだとなればここからがブツを生み出したのか?
「セイクリード様が美味しくなあれ、美味しくなあれ、と唱えながら生地をさっくりペタ、さっくりペタと混ぜ合わせていたら、オレの中でなんか違う感がしました。ですがまだ食べれる段階でしたので、そっと見守っておきました」
すっごく殴りてぇ
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