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イチ
しおりを挟む中級宿の部屋の一室に男が二人同じベッドで寝ていた
「ぅう~ン飲み過ぎた……頭痛い………」
起きたのは10代後半位の若い男だった
少し釣りがった赤褐色の瞳を擦り見た部屋は男の知らない部屋だ
「……あれ……ここ何処だ…………昨日は………ぅうっ……」
男は三年付き合った彼女に振られたことを思い出し気が重くなる
結婚も考えていてそろそろかな、と思った矢先に別れを告げられ酒場で自棄酒したのだった
マスターに愚痴を聞いて貰い飲んだ、一升瓶開ける勢いで飲んだ
そのせいか頭が痛い
何故か腰も痛い、股も痛い
何があった………
全く思い出せない
項垂れる男の手に布団以外の感触があることに気付いた
銀糸の髪があった
「えっ…誰?」
隣で眠る美丈夫に見覚えがなく男は困惑した
「何で裸……」
眠る美丈夫は何も身に着けていなかった
そこで始めて自分も裸だったことに気付いた
「へっ……どゆこと?」
パニックに成りそうな自分を必死で落ち着かせる、が下着すらお互い付けていないことに驚愕する
「待って…待って……これは……もしかして俺がやった り、した、方?……」
眠る美丈夫は男より体格が良く引き締まった肉体の持ち主だった
「ってないか……じゃあ俺がされた側、かな?うっ…痛た、た……」
忘れていた腰の痛さに突っ伏する
男は考える
ゆっくり体をお越して隣を見る
「…………よし。なかったことにしよう」
男は逃げ出した
痛い体を叱咤して男は急いで服を着て荷物を纏めて部屋を出た
部屋には美丈夫が一人残され寝息を立てている
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