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侍女は王弟と言う名の変態を見た
しおりを挟む笑顔でタカビーツ令嬢とアメリアを見送ったビオルヘンだったが……後ろ髪引かれまくりだった
付いて行きたかったが100%嫌がられるのが分かっていたので諦めた
因みに90%嫌がっても嫌よ嫌よも好きのうちと思っているので好き放題だ
それで今までも問題なかったと思っているのはビオルヘンだけだが……被害者はアメリアただ一人、良しとしよう
ただビオルヘンは寂しかった
普段学校で余り一緒に過ごす時間がなく、休みの日位は共に過ごしたかったので
数少ない友人とのお出掛けを邪魔するわけにはいけないと朝の内に濃厚イチャイチャするはずだったのに……邪魔が入った……
タカビーツ令嬢のおかげでアメリアとの濃厚接触が不完全な為明日から頑張れない
ああ…………アメリアエキスが足りない……
このままではアメリア禁断症が出るに違いない
世のため人のためビオルヘンは立ち上がらなくてはならない
取り敢えずアメリアが居ないのでアメリアの部屋に行ってアメリアコレクションでも採取しよう
ビオルヘンの心はいつでも何処でもアメリア一色
アメリアがこの事を知ったらキモイ死ねと心から嫌悪を籠めて言葉にするだろう
ルビィナがアメリアの部屋の掃除をしようと扉を開けると右手に箒、左手に塵取り、腰にハタキと袋を付けた王弟が居た
可笑しな光景だ
どう見ても伯爵令嬢の部屋を掃除する高位貴族にしか見えない
でもルビィナは動じない
「ビオルヘン殿下」
声を掛けられ振り返ったビオルヘンの視線は鋭く空気が張り詰める
「ルビィナ……か。今日はここは私がやっておく」
何をとは聞かない
聞いてはいけないのだ
暗黙の了解
ルビィナが特別スルースキルが高いわけではない
この屋敷で雇われる者は見た事は郊外出来ない契約が結ばれている
最も皆郊外する事は憚られ口を閉じ心にしまう
自分の為に
自分がまともな人間である為に
スルースキル無くしてはこの屋敷で普通に過ごせないのだ
ただし今の現場を見たのがアメリアであったならビオルヘンに右ストレートを極め、今、集めていた物が入った袋を奪い取り、焼却炉へダッシュでポイだったが
「ではごゆりとお過ごし下さい。アメリア様がお帰りになりましたらお呼びします」
出来た侍女ルビィナは頭を下げそっと扉を閉める
誰にも害はない
ビオルヘンが掃除した部屋はとても綺麗だ
勿論ルビィナが掃除しても塵一つ残さないが
アメリアはこの部屋で何が行われているか知らない
勿論ルビィナは黙っている
誰も損をしないどころか変態に得しかない
ビオルヘンの所業をアメリアがあくまで知らなければ
世の中知らなくてもいい事もある
ルビィナは次の仕事へと向うのだった
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