伯爵令嬢の婚約者は執事で王弟で変態です

SEKISUI

文字の大きさ
16 / 43

忘れものにはご注意を1

しおりを挟む
 

 ビオルヘンは疲れていた
 今日は兄に会ったから
 だからアメリアに慰めて欲しかった
 残念ながらアメリアは風呂に入ってさっさと寝てしまった
 でもいいのだ………
 今日はとても良いことがある
 愛しい人が残してくれた、湯!
 今ビオルヘンは風呂の中でその幸せを噛み締めていた
 暖かい湯船に頭まで沈め静かに疑似体験を楽しむことにしたのだ
 勿論妄想を最大限に生かして、アメリアの入った風呂を堪能するのだ
 アメリアの出汁はビオルヘンの妄想を駆り立てるのに最適でどんどん膨らみビオルヘンを幸せにする
 まずアメリアの出汁をアメリア自身に替えビオルヘンを抱き締められるところから始まった
 体を湯船でゆっくり動かせば体を優しく撫でられている感じが出て心に春が訪れる
 激しく動かせば撫で回せれて熱く熱くビオルヘンの心を鷲掴む
 全てビオルヘンの頭の中で変換され何故かビオルヘンがアメリアに攻め立てられている
 絡みつくアメリアの出汁
 ただお湯が波うってるだけだ
 只のお湯
 されどアメリアの出汁 
 変態恐るべし
 妄想力が酷い
 

 寒気を覚え目が覚めたアメリア
 そして大変な失態を犯したことを思い出す
 もう少しで完全に夢の中に入る寸前
 危なかった……
 栓を抜き忘れていた
 もう手遅れかもしれない………
 だがこのまま次の日を迎えるよりはましなはず
 「お嬢様!どうしたのです?」
 急にベッドから立ち上がったアメリアに近くでカーテンを閉めていたルビィナが驚き声を上げる
 「ルビィナ大変よ!私抜くのを忘れていたの!」
 急いで風呂場へ向かうアメリア
 困惑しながらもアメリアの後にルビィナは付いて行く

 遅かった……
 腰にタオルを巻いた変態が湯船に沈んでいた
 永久に沈めてしまいたい考えが脳裏をよぎったが
 いけないことだ
 死体が出ては伯爵家の不名誉に繋がる
 落とし蓋をして事故死に見せかけたかったが変態がこの程度で死ぬはずがない
 寧ろ喜ばせる

 取り敢えず水面に出た棒状の物をどうにかしよう
 ビオルヘンが水中で息が出来ているのはこの筒のおかげだ
 水遁の術
 敵から逃げたり隠れたりする隠形術の一つで水の中で活用する
 変態も人科の生き物だ
 肺呼吸は出来ない

 この水遁の術には古来より伝わる作法がある
 熱湯を流すのが流儀だがそれよりももっと良いものがある
 アメリアは急ぎルビィナにそれを用意するよう指示を出す
 それの用意が出来るまで取り敢えず風呂の湯を筒に流し込んでみた
 「ンァアアアアアアアアァァァアアグフグフグフフフフフフ………うふっハァハァクフフツ」
 お湯は変態の口に直ぐに吸収され筒から変な呻き声が流れた
 やばい………気持ち悪い……… 
 怯んだアメリアは後ずさる
 アメリア自ら栄養を与えてしまったのだ
 アメリアエキスのお湯は変態を喜ばせただけに終わる
 「お嬢様お待たせしました」
 ルビィナが頼んでいた物を持って帰って来た
 さっそくアメリアは筒の先端に深淵の緑色したドロリとした液体を流す
 「ゴフッ…………………………………」
 アメリアが頼んだ物は薬草を煎じて三日三晩何度も継ぎ足し濃縮したありがた~い万能薬だ
 良く効く、とても良く効くが、苦い。効力に比例して悶絶級の苦さだ
 普通の人は薄めて甘味を加えて飲むものだ
 ビオルヘンが口にしたのは原液
 良薬は口に苦しというからきっと変態も治るはず
 「……コク…コク…コク…コク………」
 カップ1杯を静かに飲み干した変態
 つまらない
 期待した反応と違う
 寝るかな
 風呂場を出ようとした時筒から声が聞こえた
 「ご褒美が欲しい」
 「えっ」
 薬をきちっと残さず飲んだからご褒美をくれと強請られる
 「口直しにアメリアの体液を流して」
 残念ながら薬は効かなかったようだ
 変態はご顕在です

 そうか……万能薬といっても何にでも効く理由ではないのだなと冷静に考えるアメリア
 ルビィナを見れば
 「煮ますか?凍らせますか?」
 視線を湯船に移せば変態は頬をご褒美を待っている 
 
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

ヤンデレ王子を闇落ちから救ったら愛執まみれの独占欲に囚われました

大江戸ウメコ
恋愛
幼い頃に精霊の祝福である未来視の力が開花し、「夫である第二王子ナハルドに殺される」という己の運命を知った伯爵令嬢ツィーラ。この悲惨な未来を変えるべく、ツィーラは彼を避けようとしたが、ひょんなことから婚約者に選ばれてしまった! ならば、ナハルドが将来闇落ちしないよう、側で彼を支えることを決意する。そんな努力の甲斐あって、ツィーラへの好意を隠さず伝えてくるほど、ナハルドとの関係は良好になった。だけど、彼の並々ならぬ執着心のすべてを、ツィーラはまだ知らなくて――

【完結】平凡な魔法使いですが、国一番の騎士に溺愛されています

空月
ファンタジー
この世界には『善い魔法使い』と『悪い魔法使い』がいる。 『悪い魔法使い』の根絶を掲げるシュターメイア王国の魔法使いフィオラ・クローチェは、ある日魔法の暴発で幼少時の姿になってしまう。こんな姿では仕事もできない――というわけで有給休暇を得たフィオラだったが、一番の友人を自称するルカ=セト騎士団長に、何故かなにくれとなく世話をされることに。 「……おまえがこんなに子ども好きだとは思わなかった」 「いや、俺は子どもが好きなんじゃないよ。君が好きだから、子どもの君もかわいく思うし好きなだけだ」 そんなことを大真面目に言う国一番の騎士に溺愛される、平々凡々な魔法使いのフィオラが、元の姿に戻るまでと、それから。 ◆三部完結しました。お付き合いありがとうございました。(2024/4/4)

冷徹団長の「ここにいろ」は、騎士団公認の“抱きしめ命令”です

星乃和花
恋愛
⭐︎完結済ー全16話+後日談5話⭐︎ 王都最硬派、規律と責任の塊――騎士団長ヴァルド・アークライトは、夜の見回り中に路地で“落とし物”を拾った。 ……いや、拾ったのは魔物の卵ではなく、道端で寝ていた少女だった。しかも目覚めた彼女は満面の笑みで「落とし物です!拾ってくださってありがとうございます!」と言い張り、団長の屋敷を“保護施設”だと勘違いして、掃除・料理・当番表作りに騎士の悩み相談まで勝手に開始。 追い出せば泣く、士気は落ちる、そして何より――ヴァルド自身の休息が、彼女の存在に依存し始めていく。 無表情のまま「危ないから、ここにいろ」と命令し続ける団長に、周囲はざわつく。「それ、溺愛ですよ」 騎士団内ではついに“団長語翻訳係”まで誕生し、命令が全部“愛の保護”に変換されていく甘々溺愛コメディ!

行き遅れのお節介令嬢、氷の公爵様と結婚したら三人娘の母になりました

鳥柄ささみ
恋愛
お節介焼きで困っている人を放っておけないシアは、数多のご令嬢達から人気の令嬢だ。毎日ファンレターが届き、社交界に出れば令嬢に取り囲まれるほどである。 けれど、それに反比例するように男性からの人気はなく、二十七だというのに嫁の貰い手もないため、毎日母から小言をもらっていた。 そんなある日のこと、突然公爵家から縁談の話が。 シアは公爵家がなぜ自分に縁談など持ち掛けるのかと訝しく思いつつ話を受けると、なんと公爵の後妻として三人の娘の母代わりになれと言われる。 困惑するも、自分へ縁談を持ちかけた理由を聞いて、お節介なシアは嫁ぐこと決めたのだった。 夫になるレオナルドはイケメンなのに無表情で高圧的。三人の娘も二女のアンナを除いて長女のセレナも三女のフィオナもとても反抗的。 そんな中でもお節介パワーを発揮して、前向きに奮闘するシアの物語。 ※他投稿サイトにも掲載中

冷酷総長は、彼女を手中に収めて溺愛の檻から逃さない

彩空百々花
恋愛
誰もが恐れ、羨み、その瞳に映ることだけを渇望するほどに高貴で気高い、今世紀最強の見目麗しき完璧な神様。 酔いしれるほどに麗しく美しい女たちの愛に溺れ続けていた神様は、ある日突然。 「今日からこの女がおれの最愛のひと、ね」 そんなことを、言い出した。

年下男子に追いかけられて極甘求婚されています

あさの紅茶
恋愛
◆結婚破棄され憂さ晴らしのために京都一人旅へ出かけた大野なぎさ(25) 「どいつもこいつもイチャイチャしやがって!ムカつくわー!お前ら全員幸せになりやがれ!」 ◆年下幼なじみで今は京都の大学にいる富田潤(20) 「京都案内しようか?今どこ?」 再会した幼なじみである潤は実は子どもの頃からなぎさのことが好きで、このチャンスを逃すまいと猛アプローチをかける。 「俺はもう子供じゃない。俺についてきて、なぎ」 「そんなこと言って、後悔しても知らないよ?」

婚約破棄された堅物令嬢ですが、鬼の騎士団長の娘として宮廷の陰謀を暴くのに忙しいので、美貌のカストラート(実は王子)に溺愛される暇はありません

綾森れん
恋愛
「お前のような真面目くさった女はいらない。婚約は破棄させてもらう!」 婚約者だった公爵令息に冷酷に言い放たれたリラ・プリマヴェーラ。 だが、彼女の心にあったのは悲しみではなく―― 十年前の王族暗殺事件を調査したいという情熱だった。 伯爵令嬢であるリラは、鉄の掟を守る『鬼の騎士団長』の娘。 彼女には恋よりも何よりも優先すべき使命があった。それは、十年前に幼い王子が暗殺された事件の真相を暴き、父を、そして王国を陰謀から救うこと。 婚約破棄直後、彼女の前に現れたのは、天使の歌声を持つ美貌のカストラート(去勢歌手)、アルカンジェロだった。 彼が十年前の事件について密かに調べていることを、リラは知ってしまう。 真相を探るため、リラは彼を自分の音楽教師として迎え入れ、距離を縮めていく。 事件解決の協力者として彼と接するうち、リラは謎めいたアルカンジェロに危機を救われることになる。 しかし、リラは知らない。 アルカンジェロの正体が、十年前に暗殺されたはずの第三王子であることを。 そして彼にとってリラこそが、初恋の女性であることを。 彼は十年間、密かにリラを想い続けていたのだ。 王位を狙う者たちから身を隠すため、声楽の技術を駆使して、教会歌手として大聖堂で生き延びてきたアルカンジェロだったが、王家を巡る不穏な陰謀が静かに動き始めていた。 捜査に猪突猛進な堅物令嬢と、彼女を影から支え執着を見せる、カストラート歌手のふりをした王子。 宮廷の闇を切り裂く二人の恋と事件の行方は――? ※本作は、過去に投稿していた『真面目くさった女はいらないと婚約破棄された伯爵令嬢ですが、王太子様に求婚されました。実はかわいい彼の溺愛っぷりに困っています』の設定・キャラクター・構成を大幅に改稿し、新作として再構成したものです。 物語の結末やキャラクターの掘り下げを強化しておりますので、初めての方も、以前お読みいただいた方もお楽しみいただけます。

定時で帰りたい私と、残業常習犯の美形部長。秘密の夜食がきっかけで、胃袋も心も掴みました

藤森瑠璃香
恋愛
「お先に失礼しまーす!」がモットーの私、中堅社員の結城志穂。 そんな私の天敵は、仕事の鬼で社内では氷の王子と恐れられる完璧美男子・一条部長だ。 ある夜、忘れ物を取りに戻ったオフィスで、デスクで倒れるように眠る部長を発見してしまう。差し入れた温かいスープを、彼は疲れ切った顔で、でも少しだけ嬉しそうに飲んでくれた。 その日を境に、誰もいないオフィスでの「秘密の夜食」が始まった。 仕事では見せない、少しだけ抜けた素顔、美味しそうにご飯を食べる姿、ふとした時に見せる優しい笑顔。 会社での厳しい上司と、二人きりの時の可愛い人。そのギャップを知ってしまったら、もう、ただの上司だなんて思えない。 これは、美味しいご飯から始まる、少し大人で、甘くて温かいオフィスラブ。

処理中です...