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変態のお茶会
しおりを挟む昨日は友人と楽しく過ごしたアメリアだった
今日は仕方がないのでビオルヘンと家で寛ぐつもりだ
又夜中みたいな不愉快極まりない思いはしたくないから、だから仕方なくだ
今アメリアは真っ赤な顔で目が落ち着きを無くし、花々に囲まれ庭園でお茶をしていた
何時でも四季の花が楽しめる温室は見る者の目を楽しませてくれる
テーブルにはカラフルな砂糖菓子や季節のフルーツをふんだんに取り入れたケーキなどが並べられていた
女子ならば目を輝かせて喜ぶであろう
アメリアだって喜んだ
今の現状になるまでは
アメリアはビオルヘンの膝の上だ
「アメリアあ~ん」
とてもご機嫌なビオルヘンは親鳥が子に餌を与えるかのように少しずつアメリアの口にお菓子やケーキを運ぶ
恥ずか死過ぎてアメリアはいっぱいいっぱいだ
「美味しい。フフッ可愛いなぁ食べちゃいたい」
婚約者の甘い物と甘い動作と甘い言葉でアメリアは『誰か~た~すけて~!』と心で悲鳴を上げている
何故こうなった
ケーキが食べたかったからだ
お誘いがあった場所にルビィナを連れて赴けばビオルヘンが満面の笑みで迎えてくれた
そしてアメリアは選択を迫られた
二択から選べと
その二択はどちらもビオルヘンの上だった
同じ上でも婚約者としてのビオルヘンの上か、変態としてのビオルヘンの上かの究極の選択だ
ビオルヘンは笑顔だが決して目の奥は笑っていなかった
断りたかったが否と答えたら何かされそうな雰囲気があった
昨日の事もある
蛇に睨まれたカエル
そもそもが庭でケーキ三昧しない?と誘われて簡単に了承したアメリアはチョロ過ぎた
ルビィナに案内されたテーブルには椅子が無く、空気椅子のビオルヘンが居た時点で逃げれば良かったのだ
日頃からビオルヘンの奇行に慣れているアメリアはそれを見ても自然に受け入れてしまっていた
慣れとは怖いもの
不自然しかないのに
「やぁアメリア。どうぞ座って」
手を広げて自分の膝に座れと誘うビオルヘン
「椅子に座るから大丈夫です」
「あっ!ごめんね気付かずに」
そう言ってビオルヘンは椅子から立ち上がり徐に四つん這いになる
「さぁどうぞ」
「要らないから」
ゴミ虫を見る目でビオルヘンにきっぱりと断る
「アメリア。我儘は駄目だよ。どっちに座る?」
「立って食べ………」
「アメリア」
温室なのにヒヤリと背筋が凍る
変態が本気になった
「私は哀しいな……アメリアがそんな聞き分けのない子だったとは……」
空気は益々寒々しくなる
「私の膝の上か背中どちらにす・わ・る?のかな」
そんな中空気と化かしていたルビィナが言葉を挟んだ
「お嬢様同じ椅子でも如何にも変態の椅子に座るのと、座ってる風の変態に座るのでは絵面がちがいます。どうせ何方か座らないといけないのでしたら、どちらが他人から見て誤解を受けないで済むでしょう」
ビオルヘンへの援護射撃?
それとも説得されてるのどろうか?
「普通の椅子に座りたいのだけれど」
「無理をおっちゃらないで下さい」
ルビィナの中でもアメリアは聞き分けのない子供扱いにされている
「あれ?わたしが悪いの?」
そして今にいたるのであった
勿論ビオルヘンが満足するまでアメリアの辱めは続くのであった
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