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人体実験7
しおりを挟む変態を眼前に背に冷や汗が流れるアメリア
チラチラ視線を変態の右手の縄にも注意しつつ近づいて来る変態と扉までの距離を目測する
「へっ?」
変態が消えた
扉を見た一瞬
「……アメリア」
声がアメリアの右隣から聞こえ反射的に振り向けば……
「エッ……?!へァ………………」
美麗な顔のアップが有り不覚にも一瞬惚けてしまう
チュッチュッ
軟かい物が唇を何度も掠める
「ちょっ……ヤッ……」
我に返り口元を手で隠し横図去るアメリア
変態は切れ長の紫紺の瞳を長い銀の睫毛を伏せ残念がる
唇の手を当て無駄に色気を乗せ憂いた姿は美しく魅入ってしまいそうになる、が胴体に巻き付けた縄が全てを台無しにしている
彼はどこからどう見ても美しき変態だ
二人にはどうでもいいことだが
「アメリアそろそろお縄に付こうか」
喜色満面の笑みを浮かたビオルヘンが縄を両手にアメリアへ迫る
「バカなの!」
素直に変態の仲間入りする令嬢がどこにいる
右足に体重を乗せ左の拳をビオルヘンを下から突上げる
「グハッアアアアンンンウフッフフフフフフ……今日始めてアメリアからの接触だね」
殴られた顎を抑え高揚に顔を赤らめ喜ぶビオルヘン
アメリアが今度は右ストレートを繰り出す
ビオルヘンが左の頬を差し出す
左の拳を振り上げればビオルヘンは婚約者に右の頬を捧げた
そして沈めるようとスカートが捲くれ上がるのも気にせずアメリアがカカト落としを肩にお見舞いしようと足を振り上げれば、ビオルヘンはアメリアの正面にしゃがみ込み目を見開いて自ら頭を差し出すのだった
「水色のレース」
アメリアは気付いていない何時もの変態のペースハマっている事に
アメリアはいい加減学習するべきだ痛みで性欲が満たされる特殊な性癖を持つ人種がいることを
自分の婚約者を濁りのない目でしっかりと見てあれがかの有名なマゾヒストだよ
但しビオルヘンは生粋のM属性ではない
アメリア限定のマゾヒストだ
興奮はアドレナリンを活性化させ変態を元気にした
打撃が入れば入るだけ回復したビオルヘンはやがてS属性へと転換される
そしてビオルヘンは抜かりなくきっちりしていた
アメリアが打撃を入れる度にアメリアの体に縄を巻き付けていたのだ
趣味と実益をかね備えるのが変態を極めし者の称号を持つ者の証の一つだ
勿論の縄の扱いも一流だ
次第にアメリアは身動きを封じられ動けなくなる
体に巻き付けられた縄に拘束されアメリアの体に縄が食い込みビオルヘンを興奮させた
「お揃いだね。但し飾り縛りではないけどね」
服の上からとはいえアメリアの胴体の中心には六角形を模した形に縄は絡められ手を後手縛りで拘束された姿はそれなりに卑猥だ
足は自由に動かせたが足の付け根に巻き付けれられた縄が動く度に食い込み動かすのを憚らせる
大体こんな格好を他の者に見られるのは羞恥心に耐え難く悔しい涙が瞳に溢れ出す
「解きなさいよ!バカ!変態!」
悪態を付くアメリアの頬に手を添えて口角を上げ
「さ~て、お仕置きの時間だ」
黒い笑みを浮かべたビオルヘンにアメリアは青褪める
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