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お出掛け1(変態度は低いです)
しおりを挟む今日のアメリアはポニテに若草色のワンピースで町娘風の装いだ
そしてビオルヘンは頭にターバン、縞々シャツにスラックス、そして何故かちょび髭と破落戸風
「着替えて」
「それは出来ない」
「何処に行くつもりよ!」
「デートに決まっている!」
今日は久しぶりに二人だけのお出掛けだった
だが目的はない
お忍びで何となく街をフラフラして、店を冷やかし、美味しい物を食べて帰る予定だ
人はそれを世にウィンドーショッピングと云う
「頭が末期なの?!」
「私が普通の格好したら珍獣みたいに囲われてせっかくのアメリアとのデートが台無しになるだろう!」
「その前に私の世間体が台無しになるわ!!着替えないと半径二メートル離れての別居デートしかしないから」
「お嬢様それはすでにデートではありません。ただの街娘AとチンピラBの関係です」
アメリアの髪を整えながらルビィナは二人に指摘する
「殿下もその格好で出掛けますと憲兵を呼ばれますよ。誘拐犯で」
「仕方ない。誰も近づけさせないぞ作戦は失敗か………昨日頑張って気合いで伸ばしたのに」
ちょび髭を引っ張り残念がるビオルヘン
「凄い…男性は髭を気分で長さを変えられるのね」
「殿下だけです。世の殿方は出来ません」
関心するアメリアに訂正を入れるルビィナ
「大体、殿下は顔が良すぎるんですから服装をどうにかするなら顔に鼻眼鏡でも付けたら方が宜しいかと」
鼻眼鏡をビオルヘンに付けるルビィナ
出来る侍女は鼻眼鏡する用意万全だ
ルビィナの手が震える………なんと……美しい……鼻眼鏡すら付けこなすとは美形恐るべし、気品さえ漂いアメリアが横に並ぶと黙れされてる感が半端ないアメリアが!
「詐欺師ですね。これは無かったことでお願いします」
ビオルヘンを商家の息子風に見える装いに着替えさせ、二人は出掛けた
朝は阿呆な時間を過ごし今は昼前だ
「最近出来たフレンチの店があるんだけど。どうかなぁ?」
「じゃあそこで」
お店は北通りを少し行った所にあった
街を歩けば男女関係なく惹き付ける美貌の主ビオルヘンを見て人々は振り替える
中にはビオルヘンに絡んで来る者もいた
「よう兄ちゃんそんなお子様より、俺といいことしようぜ」
体格のいい若いオトコがビオルヘンに声を掛けてアメリアを見て鼻で笑う
「私は掘る側の人間ですが貴方は趣味じゃない。それに私はアメリアしか勃たない」
ビオルヘン言葉な男の顔が引きつり、アメリアは引いた
「……あぁ………いや……ごめんなさい………」
男は謝り、アメリアに同情の視線を向けて楚々くさと去って行く
アメリアはちょっぴり帰りたくなった
「鼻眼鏡付ける?」
店に着いた二人は向かい合わせで席に座っていた
隣に座ろうとしたビオルヘンを押し出しで阻止したアメリア
ビオルヘン的には膝か背中に座らせたかったが外なので一旦は諦めて素直に向かいに座ったのだ
「アメリアア~ン、フフッ美味しいよ」
ニコニコしながらビオルヘンがホークでアメリアの口元までムール貝の香草焼きを運ぶ
「自分で食べれる」
恥ずかしくて拒否するアメリア
「そう?今さぁ…私はこの床に寝そべり手足をバタつかせたい衝動にかられたんだけどアメリアはどう思う?」
返答の代わりにアメリアは死んだ魚の目をして差し出されたムール貝を口に入れるのだった
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