眼鏡は婚約破棄を宣言する

SEKISUI

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 次ってなんだ
 「えっえーと……教科書を破かれたのです。そう、朝来たら私の教科書がビリビリのボロボロにされてとても困りました。縦ロール様が破っていたのを見た目撃者もいます!」
 「そうだぞ縦ロール!今度こそ言い逃れは出来ないぞ!」
 上から目線で二人は自身満々に縦ロールに指を突き立てる
 「花畑様」
 冷たい声で縦ロールは名を呼ぶ
 「貴方、教科書を置いて帰るのは校則違反ですわよ」
 「えっそうなのですか眼鏡様」
 「……そうだったかな。だからといって教科書を破るとは酷い女だ!」
 眼鏡はダメ眼鏡だった
 見た目は出来る眼鏡なのに残念だ
 タラシが二人を冷めた目で見た
 「教科書を破ってわたくしに何の利があるというのです」
 「焼き餅だ!私を好きなお前が嫉妬にかられてやったのだ」
 「ハッ、寝言は寝て言えですわ。わたくしはお父様のようなイケおじが好きなのです!貴方など圏外ですわ!」
 「え………そんな嘘だ!……私の気が惹きたいからって」
 タラシと天パーが首を横に振っている
 「貴方とでは月とスッポンありえませんわ」
 タラシと天パーが頷いている
 「わたくしは全く砂粒程も貴方に興味はありませんがわたくしだと証言した二人には興味がありますわ。どちらの方かしら?花畑様教えて下さいます」
 「へっあ、あの……」
 壁際にいる二人の令嬢に視線を向けた
 二人の令嬢は首を振り会場から出ていった
 「証人は居なくなりましたわね」
 「め、眼鏡さまぁ~どうしましょう」
 「え?あぁそうだな」
 「もう辞めないか眼鏡」
 肩に手を乗せタラシが眼鏡を止める
 「縦ロール嬢はお前のことを羽虫程度にしか感じてないのが分かっただろう。これ以上のグダグダに付き合わされるの俺嫌なんだけど。ごめんね縦ロール嬢。眼鏡は自分に縋って来て欲しかったんだ。俺だったらないわ~だけど。眼鏡の奴、頭弱いから仕方がなかった。花畑の頭はカランカラン音がなる仕様で相乗効果で笑えない三文芝居以下になった。俺の胃が持ちそうにないから帰るよ」
 言いたいこと言ってタラシは一人会場を去って行った
 その後を何故か五歩下がって着いて行く縦ロールと天パー
 「何処へ行く!」
 去る縦ロールに慌てて声を掛ける眼鏡
 足を止め縦ロールは会場を振り返る
 「皆様お騒がせさせ申し訳ございません」
 謝罪会見同様に頭を下げた縦ロールと天パー
 頭を上げて眼鏡に視線を移す
 「眼鏡様」
 「な、なななんだ縦ロール」 
 「貴方とは婚約破棄します。さようなら」 
 「へっ、いや、待て、縦ロール!うぉっ?ゲフッ」
 縦ロールを追おうとした眼鏡が転んだ
 「すまん眼鏡。俺の足が長がくて」
 脳筋がニヤリと笑いストレートと一緒に眼鏡の前から去って行く
 いつの間にか花畑も居なくなっていた
 眼鏡はこの後家から追い出されたそうな
 勿論婚約破棄されて
 
 

 
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