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第5章 仮面舞踏と婚約詐欺
しおりを挟む真珠色の海が、朝の光を受けて煌めいていた。
アリシアたちの旅馬車は、王国南西の港町《ルシェール》へと到着した。この町は、エルディア王国でも有数の貿易港を有し、異国の文化と香りが交差する“光の海都”と呼ばれている。
「わぁ、海の匂いがしますわ!」
ベアトリスが目を輝かせながら、馬車の窓を開けた。
潮風に乗って、スパイスと果実酒の香りが漂ってくる。
「にぎやかな町だな。前の鉱山町とは大違いだ」
ガイアが道行く露店と人混みを見回しながら、肩の力を抜いた。
「警備も整っていて、表向きは“平和”そうに見える」
ユリウスは油断なく辺りを見回しつつ、帽子のつばを下ろした。
「けれど、この町に来た目的は、“婚約詐欺”の噂を確かめることだ。忘れるなよ」
「はい。王都にまで届いた“花婿詐欺師”の話……ルシェール侯爵家の名を騙って、婚約者を募っている男がいるそうですわ」
アリシアは、馬車から降りて港の方を見やる。
光に包まれた石畳の向こう、丘の上には大きな洋館が見える。
そこが――今夜、仮面舞踏会が開かれる会場だった。
* * *
宿に到着した一行は、港町の情報を集めるべく、二手に分かれて行動を開始した。
ユリウスとガイアは、商人たちの酒場や情報屋の元を巡り、アリシアとベアトリスは市場で住民からの聞き込みを行う。
「“エルマー様”? ええ、仮面の貴族さまですねぇ」
市場の魚屋の女将が頬を染めて言う。
「前にあたしの娘も舞踏会に呼ばれて……“選ばれたら婚約を”って……ま、夢のような話でしたけどね」
「その後、娘さんはどうなったのですか?」
アリシアが静かに尋ねると、女将の顔が陰る。
「……呼ばれた翌日、朝から姿が見えなくなってね。何日かして戻ってきたけど……何も話してくれなくて。夢から覚めたみたいな顔してたわ」
同じような話が、町の各所で語られていた。
仮面の男、貴族の称号、舞踏会、婚約の囁き――
そして、消えるように去っていく娘たち。
「“侯爵家の名”を騙ってるのは間違いなさそうね」
アリシアは拳を握った。
「でも……なぜ、婚約者だけを集めるのです? 金銭目的であれば、もっと乱暴なやり方もありますのに」
ベアトリスが首をかしげる。
「もしかすると、金だけではない別の“価値”が彼女たちにあるのかも。例えば……血筋や、資産、家名……」
アリシアの頭に、王族として知る“政略結婚”の現実がよぎった。
* * *
夜。
仮面舞踏会が始まろうとしていた。
洋館の前には、馬車がずらりと並び、貴族風の男女が華やかな衣装に身を包み、煌びやかな仮面をつけて続々と入場していく。
アリシアは、濃紅のドレスに仮面を合わせ、ベアトリスと共に別行動で潜入する。
ユリウスとガイアは警備に紛れて裏口から監視に回っていた。
「まさか姫様が舞踏会に“囮”として潜入されるとは……!」
ベアトリスが緊張で声を震わせる。
「何もなければそれでいいの。でも、もし何かあったら――」
アリシアは小さく笑った。
「私が“花嫁候補”に選ばれるのも、悪くないわね」
「冗談は……ほどほどに願います……」
会場内は、金色のシャンデリアと生演奏の音楽で満ちていた。
仮面をつけた人々が互いに名乗らず、微笑み合いながら踊っている。
「初めまして。お嬢様、今宵の星はあなたの瞳にございますね」
声をかけてきたのは、黒と銀の仮面をつけた若い男だった。
長身で整った体格。滑らかな動きと、仕立ての良い燕尾服。
彼の動きには、明らかに“慣れ”があった。
「踊っていただけますか?」
アリシアは微笑みながらその手を取った。
――今宵の標的。
「あなたは……侯爵家の御曹司ですの?」
「おや、名乗る前に見破られてしまいましたね。そう、私は“ルシェール侯爵家”のエルマー・レヴィン。今宵の舞踏会の主催者です」
男は仮面の下から白い歯を見せ、笑った。
「美しい貴女を一目見た時から、心を奪われてしまった」
「まぁ、光栄ですわ。でも……仮面の下に隠された“もう一つの顔”は、何でしょう?」
アリシアの言葉に、男の目が一瞬だけ鋭くなった。
(やはり――この男、“何か”を隠している)
彼女は踊りながら、足の動き、視線の配り方、身のこなし……すべてを観察していた。
そして、ひとつ確信する。
――この男、“貴族ではない”。
貴族特有の“貴族学院式のステップ”を知らない。手の角度も、貴族社会の育ちを感じさせない。
「あなたの指輪、素敵ですわ。何人目の“婚約者”に渡したものかしら?」
男が少しだけ笑みを崩す。
「ふふ、さて……あなたは何人目だと思いますか?」
「そうですね。少なくとも……私の知る限り、八人目ですわ」
男の瞳がわずかに揺れる。そのとき、背後でワインのトレイが床に落ちた。
「おっと、失礼」
トレイを拾ったのは、ウェイターに扮したユリウスだった。
その目は、すでに“捕獲対象”を見定めていた。
---
(※後編では、アリシアの反撃と詐欺師の正体、町の人々への告白が描かれます)
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お待たせいたしました。それでは、**第5章〈後編〉(約4000文字)**をラノベ形式でお届けします。
前編に続き、婚約詐欺の真相が暴かれ、アリシアが“姫”として人々の前に立ち、正義を示します。町の人々の思い、騙された少女たちの声、そして偽りの貴族が迎える結末が描かれます。
仮面舞踏会の会場は、まるで息を飲んだかのような静寂に包まれていた。
ワインをこぼし、仮面を落としたウェイター――いや、ユリウスは落ちた仮面を拾い上げ、冷たく微笑んだ。
「ふむ、随分と立派な仮面だな。だが中身のほうは、ずいぶんと薄っぺらいようだ」
その声に、会場の客たちがざわめき始める。
エルマーと名乗った男は口元を引きつらせながらも、強がったように言葉を返した。
「なんの話かな? 余興にしては手が込んでいるようだが」
「では、余興ついでにもうひとつ」
ベアトリスがゆっくりと歩み出て、小冊子を開いた。
「ここに記された“婚約証明書”の写し。各地の娘たちにあなたが渡した、同じデザインの指輪と、同じ言葉。“君こそ私の運命の人だ”」
「なっ……!」
エルマー――いや、男の顔から仮面のような笑みが崩れていく。
「婚約証明も正式な文書ではなく、侯爵家の刻印も偽造。さらに、娘たちの家から金品や土地の権利書が“結納金”として奪われている」
ユリウスの鋭い目が、会場を見渡した。
「そして本日、ここに集まった女性たちも――そうだな、“次の花嫁候補”だ」
騒然とする会場。
「あの男に言われたのよ、結婚の準備のために少し資産を移してくれって……!」
「うちの娘も! 侯爵家に入るなら……って、まさか全部嘘だったの?」
そんな中、アリシアが静かに仮面を外す。
「このお方こそ――エルディア王国第一王女、アリシア・ルクレール様であらせられるぞ!」
ユリウスの声が響く。
目を見開く群衆。貴族装束の女が、王家の紋章を胸に、まっすぐとエルマーに向かって歩み寄る。
「私はこの国の民を欺いた者を、決して許しません」
男はあとずさる。
「ち、違うんだ……俺は、ただ……いい暮らしがしたくて……!」
「その欲望のために、何人の少女を、何家族を、泣かせたのです?」
アリシアの声は厳しかったが、怒りではなく、憐れみのような色を含んでいた。
「貴族の名を騙り、偽りの愛を語り、無辜の人々を利用し……それは、“詐欺”という重罪です。あなたの罪には、相応の罰が与えられます」
「くそっ……!」
男は叫ぶように振り返り、脱出しようと走り出す――が、その行く手をガイアが塞ぐ。
「オレを抜けられると思うか?」
次の瞬間、男の身体は地面に叩きつけられ、呻き声を上げた。
会場の隅に控えていた王都からの密偵たちが素早く拘束に入り、仮面の詐欺師はあえなく捕縛された。
* * *
翌朝。
町の掲示板に、王家による通達が貼り出された。
――《ルシェール侯爵家の名を騙った詐欺事件について》――
――《第一王女アリシア・ルクレール様の関与により、事件は解決へ》――
町の人々はその内容を食い入るように読み、数日前までの“仮面舞踏の夢”が、虚構だったことを悟った。
アリシアは、告発の場にいたすべての被害女性に謝罪と励ましの手紙を渡し、彼女たちを家族のもとへと戻す手続きを進めさせた。
「夢を見ていたんです……“選ばれた”と思って……でも、誰かの“道具”だっただけだった……」
涙を流す若い娘に、アリシアはそっと手を差し出す。
「あなたが信じた想いは、間違いではありません。それを“利用”した者が悪いのです。あなたの未来は、まだこれからです」
娘は涙を拭い、深く頭を下げた。
* * *
数日後。
アリシアたちは、再び旅支度を整えていた。
「姫様、もうお出になりますか?」
ベアトリスが後ろから声をかける。
「ええ。次の町が待ってるもの」
アリシアは港の見える丘から、町を見下ろした。
ルシェールの海は静かで、空は高く、風はどこまでも澄んでいた。
「今回も、騙された人の数だけ、心に傷があった。でも、それを癒すのも、人なのよね」
ユリウスとガイアが荷を積み終え、馬車が再び動き出す。
そのとき――町外れの丘に、黒衣の男が立っていた。
誰もその姿に気づかない。
彼はただ、遠くからアリシアの旅立ちを見送っていた。
「……今日もまた、誰かを救ったな」
仮面をつけず、マントを翻し、彼――セラフィムは静かに背を向けた。
「次は、間に合えばいいが……」
承知しました。以下に**第7章〈後編〉(約4,000文字)**をラノベ形式でお届けします。
アリシア一行は干ばつと飢饉を装った支配の真実を暴き、水門を奪還するために行動を開始。彼女たちの覚悟が、民の心を動かし、大地に再び命をもたらします。
ミルザン北部、水源をせき止めていた大水門《アルマ・ゲート》。
夜闇に沈むその鉄門は、異様な静けさをまとっていた。
本来は農業用水として、一定の周期で町に水を供給する重要施設――だが、今は“供給管理商会”の私兵たちに占拠され、鍵も魔法印で封印されていた。
「このままでは、どれだけ支援物資を持ち込んでも無意味です。水がなければ、畑は死んだまま」
ユリウスが地形図を見ながら呟く。
「いくぞ。連中が“法律”を盾にするなら、こっちは“行動”で示してやる」
ガイアが片手斧を肩に担ぎ、もう一方の手で煙玉を確認する。
「侵入と同時に、私が魔法封印を解除します」
ベアトリスは真剣な顔で魔導具を取り出し、アリシアに向かって深く頷いた。
「でも……本当にいいのですか、姫様。これは、“法”を逸脱する行為です」
アリシアは小さく微笑んだ。
「ええ。けれど……これは、“正義”のための越境。ならば――私は構いません」
その瞬間、背後の木陰から影が舞い降りた。
「結構なご決断だね、姫君」
姿を現したのは、シグレ。
その顔にはいつものように仮面がなく、夜風に長髪がなびいていた。
「裏門の見張りを三人、眠らせておいた。通路は開いたよ」
「……ありがとう、シグレ」
アリシアは軽く頷き、マントを翻す。
「行きましょう。大地の命を取り戻すために!」
* * *
水門内部は、数人の兵士と技術者が交代で詰めていたが、油断していた。
突入から数秒。煙玉と閃光石の連携で視界を封じ、ユリウスとガイアが正面を制圧。
「無駄な抵抗はやめろ。お前たちはすでに包囲されている」
ユリウスの冷静な声に、兵士たちは震え、武器を落とす。
その隙に、ベアトリスが水門中央にある封印台座へと走る。
「王家印の偽造だと……こんな粗雑な術式で……!」
怒りを噛み殺しつつ、彼女は刻印を剥がして魔導印を上書きする。
魔法陣が軋む音と共に、巨大な鉄の歯車が回転を始めた。
ゴゴゴゴ……ギギギギィィィン……
轟音を響かせながら、数ヶ月もの間閉ざされていた水門が、ゆっくりと開かれていく。
「……来るよ」
シグレが屋根の上から呟く。
その言葉と同時に、馬の蹄の音が闇を裂いた。
「そこまでだぁああああッ!!」
現れたのは、供給管理商会の統括責任者、デュラン。
金と黒の羽織をまとい、背後に私兵を従えている。
「この水門は、我が商会が合法に管理している施設だ! 無断で操作すれば、国家への反逆と見なすぞ!」
「あなたたちは王家の名を騙り、偽文書を貼り、民の命を人質にしていた。その罪のほうが遥かに重い」
アリシアが前に出る。
「あなたがたが搾取していた証拠は、すでに王都へ送っています。明日には騎士団が動くでしょう」
「ふざけるな! お前ら、女一人に何が――」
その瞬間、デュランの言葉を遮るように、頭上から何かが落ちた。
――バサッ
それは、ひと束の紙だった。
偽造契約書、王家への偽通達の写し、買収リスト――
「シグレが集めてくれたの。あなたたちが“やってきたこと”の証明」
アリシアの瞳が、怒りと悲しみで揺れていた。
「町を“干ばつ”と嘘で包み、命の価値に値段をつけた。その罪、あなた自身の口で言い訳してみせなさい」
「……っ!」
デュランが剣を抜こうとしたとき――
「……やめなさい」
その声は、民の集団から上がった。
広場の入り口に、鍬や鎌を手にした町人たちが立っていた。
「もう、だまされねぇ……」
「水が、戻ってきた……!」
「姫様が本当に、私たちを助けてくれた!」
アリシアは振り返る。
そこには、土にまみれた手を握りしめる老人、若い母親、少年たち……命をつなぐ者たちの瞳があった。
「今こそ立ち上がる時です。この町の未来は、あなたたちの手にあります」
その声に応えるように、誰かが叫ぶ。
「干ばつに負けない! この土地を取り戻すんだ!」
「姫様と一緒に、畑を耕そう!」
怒号も剣も、やがて意味を失っていった。
デュランは、手にした剣をポトリと落とした。
膝をつき、静かにうなだれる。
「……わたしは……負けたのか……」
アリシアは近づき、静かに言った。
「あなたが負けたのは、武力ではありません。“人の心”に、です」
* * *
数日後、再び潤った灌漑水路が畑を潤し、町の人々は土を掘り返して新たな種をまいていた。
「……みなさん、本当に変わりましたね」
ベアトリスがほっとしたように笑う。
「“自分たちで耕して食う”って当たり前のことを、忘れちまってたんだな」
ガイアも肩を回しながら、農民と一緒に手伝っていた。
「姫様、王都から使者が参りました。ミルザンの復興に関して、正式な支援が開始されるようです」
ユリウスが報告し、アリシアは頷く。
「これからが本番ですわね。町の未来を、どう守るか――」
その時、遠くの丘で、黒いマントの男が馬上からその姿を見ていた。
「……また、間に合わなかったか」
セラフィムはぽつりと呟く。
「けれど……あの方はまた、自らの力で誰かを救った。次こそ、私は――」
風が吹き抜け、草原が揺れた。
旅はまだ、続いていく。
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