白い結婚のはずが、気づけば溺愛されていましたわ! 地味令嬢、辺境でスローライフを望んだのに国まで救ってしまう件

しおしお

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第32話 —エピローグ:雪解けの春、そして未来へ—

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第32話 —エピローグ:雪解けの春、そして未来へ—

辺境に、今年一番の春風が吹いた。

白銀の世界だった大地は、
少しずつ雪を失い、
新しい命を芽吹かせようとしている。

その変化は、
ミレイユの心にも重なるようだった。

◆ロヴェルの“更なる過保護”

暖炉の前。
ミレイユはゆっくりとページをめくっていた。
膝には編みかけのベビーブランケット。

ロヴェルが部屋に入ってくると、
いつものように真剣な顔になる。

「……寒くないか?
椅子の高さは合っているか?
疲れたなら横になったほうがいい」

「ロヴェル様……。
そこまで気を遣わなくても大丈夫ですわ」

「いや、大丈夫ではない」
ロヴェルは真剣だった。

「君が少しでも疲れるのは……避けたい」

(うう……過保護が限界突破しておりますわ……)

でも、そんな彼が愛おしい。

ミレイユはそっと笑ってロヴェルの袖を引く。

「では……隣に座ってくださいます?」

ロヴェルは一瞬だけ驚いた顔をし、
すぐに穏やかな笑みを浮かべ、
ミレイユの隣へ座った。

◆小さな命への想い

「……もうすぐ会えるのだな」

ロヴェルが彼女のお腹に視線を落とす。
その声は思いがけないほど柔らかかった。

「ええ。
この子がどんな子になるのか、楽しみですわ」

「きっと……君に似て優しい子になる」

「ロヴェル様に似て、不器用だけど誠実な子かもしれませんわ」

二人は顔を見合わせて照れ笑い。

外では小鳥が鳴き始めていた。
冬の終わりを告げる、明るい声で。

◆家臣たちの日常

廊下では、家臣たちがひそひそ話している。

家臣A
「奥様……今日も幸せそうだな……」

家臣B
「というか、公爵様が幸せすぎて顔が緩みっぱなしだ。
初めて見たぞ、あんな柔らかい表情」

家臣C
「ま、まあ……奥様が領地を救い、
公爵様の人生も救ったようなものだからな……」

家臣全員
「……なんて夫婦だ……」

◆ミレイユ、未来を見つめる

その頃。
ミレイユは窓から春の光を眺めていた。

辺境に来たばかりの頃──

「スローライフを送るのが夢ですの」と言っていた自分が、
まさかここまで変わるとは思わなかった。

領地の改革も、
領民との交流も、
そしてロヴェルとの日々も。

どれも“望んで得たもの”ではなく、
“気づいたら傍にあった宝物”だった。

「……ロヴェル様」

「なんだ?」

ミレイユは微笑んで言った。

「わたくし、この領地が……
この暮らしが……
そしてあなたが……とても好きですわ」

ロヴェルは一瞬息を飲み、
ゆっくりと彼女の手を包んだ。

「……ミレイユ。
私もだ。
君と、この子と……
これからも、ずっと一緒に生きたい」

◆雪解けのキス

静かな暖炉の炎。
窓の外には春の光。

ロヴェルはそっとミレイユに近づき──
互いの手を確かめながら、柔らかくキスをした。

雪が解けるように、
胸の奥で温かい幸福が広がっていく。

◆エピローグの終わりに

こうして──

“白い結婚”として始まった二人は、
契約ではなく愛で結ばれた“本物の夫婦”へと歩み出した。

そして辺境は、
雪国の厳しい大地でありながら、
いつしか王国で一番温かい場所と呼ばれるようになる。

理由はただひとつ。

公爵ロヴェルと、その妻ミレイユが、
この地に“愛と繁栄”をもたらしたから。

二人の物語は、
ここからも続いていく。

けれど──
ひとまず、ここで幕を下ろそう。

白い結婚は終わり。
ここからは、本物の家族の物語。


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みんなの感想(1件)

dragon.9
2025.12.04 dragon.9

キュンキュンしちゃう(/// ^///)

素直な不器用さん✨採用∠( ・´ー・`)/!

解除

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