呪いのTikTokプロデュース ~ダサすぎ怨霊ちゃんをギャルJKがこわかわいいで全国バズらせる~

しおしお

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第4話 変身完了! いよいよTikTokプロデュース開始!!

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第4話 変身完了! いよいよTikTokプロデュース開始!!

109を出て、私たちは大量の袋を提げて家に戻ってきた。

さだちゃんは甘めギャルコーデに着替えて、リビングの全身鏡の前に立っている。  
ミニスカにオフショルのニット、チョーカーとピアスでアクセント。  
レッグウォーマーで脚長効果抜群。髪はふわふわの巻き髪で、おでこ全開。

私はスマホで写真を連写しながら叫んだ。

「うわぁぁぁぁ!! 完・璧!!  
髪も服もヤバかったのが全部解決!!  
顔からつま先までかわいいすぎるヤバい!!!  
さだちゃん今マジで最強!! 渋谷歩いたらスカウト100%!!」

さだちゃんは鏡に映る自分をじっと見つめ、  
新しいスカートの裾を指先でそっと摘んで、わずかに首を傾げた。  
頰が薄く赤くなって、視線を逸らす。

私は興奮が収まらなくて、さだちゃんの肩を抱いた。

「これでさだちゃん、正式に命名!!  
『さだちゃん』って呼ぶね!! かわいいっしょ!!」

さだちゃん(無言で小さく頷く)

私はさらに畳み掛ける。

「それからさ、このビデオ自体もヤバイ、やばいっしょ!!  
古すぎてダサい!! 這い出てくる演出とか平成すぎ!!  
うちTikTokやってるし、手伝えるよ!!  
こわかわいい路線で絶対バズらせる!!」

さだちゃん(わずかに目を丸くして、私を見る)

私はスマホを三脚にセットして、リングライトを点灯させた。

「まずはさだちゃんの今の姿をビフォーアフターで撮ろ!!  
ビフォーは……あ、昨日の白ワンピの写真ないけど想像で!!  
アフターは今!! ほら、ポーズ取って!!」

さだちゃんは無言で立ち、  
少しぎこちなくピースサインをしてみる。

「かわいい!! でももっと笑顔!!」

さだちゃん、口角をわずかに上げる。  
それだけで破壊力エグい。

撮影しながら、私はさらに熱が入った。

「次はダンス!!  
流行りの可愛い音源でサビだけ踊ってみて!!  
短いし簡単だから大丈夫っしょ!!」

さだちゃん(明らかに「無理」という表情。  
 視線を床に落として、指でスカートの裾をくるくる)

私は笑いながら。

「え? 踊るの? 無理! って顔してる!!  
大丈夫大丈夫!! 1回試しに踊ってみてよ!!  
音楽流すね!!」

可愛いアップテンポのTikTok音源を再生。

さだちゃんは長い沈黙の後、  
ゆっくり動き始めた。

──が。

両腕をゾンビのように前に突き出して、カクカク。  
肩を交互に上げ下げ。  
足は横スライドのシャッフルステップ。  
表情は完全無表情、目力だけ強い。

部屋の照明までチカチカし始めて、雰囲気完コピ。

私はポカン。

「……」

音楽が終わるまで、共沈黙。

私は我に返って大爆笑転げ回り。

「あははははははは!!!!!  
待って待って!! さだちゃんそれスリラーじゃん!!!  
マイケル・ジャクソンのゾンビダンス完璧すぎてヤバい!!!  
可愛い音源なのに怖さがエグい!!  
ギャップで腹痛い!!!」

さだちゃん(ダンスを止めて、無言で私を見る。  
 わずかに首を傾げて「どうだった?」風)

私は涙目で笑いながら。

「でもこれ最高!!  
#こわかわいいスリラー怨霊ちゃん で絶対バズる!!!  
ちょっとスリラー混ぜつつ可愛く調整して本番撮ろっしょ!!」

さだちゃん(耳まで赤くなって、視線を完全に逸らす)

私はスマホを構え直した。

「よし、次は本番!!  
さだちゃんの呪いが、明日から全国にバズるよ!!」

さだちゃんは無言で立ち位置についた。  
新しい服を着て、髪を軽く触りながら。

──大変身完了。  
この子、絶対バズる。  
私、確信した。

(第4話 終わり)

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