呪いのTikTokプロデュース ～ダサすぎ怨霊ちゃんをギャルJKがこわかわいいで全国バズらせる～

第16話 消滅危機からの復活！ さだちゃんの新しい日常が始まる！！

第16話　消滅危機からの復活！　さだちゃんの新しい日常が始まる！！

緊急ライブ配信から一晩。

朝、目が覚めた私は、隣で眠るさだちゃんを見て、涙が出そうになった。

さだちゃんの姿は、完全に元に戻っていた。  
肌の色も、手の温かさも、髪のツヤも、全部。

私はさだちゃんをそっと揺り起こした。

「さだちゃん！！　起きて起きて！！  
みんなの『かわいい』のおかげで、消えなくなったよ！！」

さだちゃん（目をゆっくり開けて、  
　自分の手を見つめて、わずかに息を飲む）

実体がある。  
触れる。  
温かい。

さだちゃんは無言で私の手を握り返した。  
指が絡まって、離さない。

私はスマホを開いて、昨日のライブの結果を見せた。

「見て見て！！  
視聴者数ピークで50万超え！！  
『かわいい』コメント10万件以上！！  
みんなさだちゃんのこと大好きだって！！  
トレンドも『#さだちゃん消えないで』が1位！！」

さだちゃん（画面をじっと見て、  
　指先でコメントをスクロール。  
　「かわいい」「消えないで」「推し」「ずっと一緒」  
　を読みながら、頰が薄く赤くなる。  
　目を細めて、口角がほんの少し上がる）

私はさだちゃんを抱きしめた。

「もう怖がられる必要ないね！！  
みんなの『かわいい』でさだちゃんはずっとここにいられる！！  
呪いじゃなくなった！！」

さだちゃん（私の腕の中で、  
　無言で目を閉じて、私の背中に手を回す。  
　わずかに震えながら、強く抱き返す）

朝ごはんを食べながら、私は宣言した。

「今日はお祝い！！  
新しい動画撮ろ！！  
『さだちゃん復活記念♡　みんなありがとうダンス！！』」

さだちゃん（無言で小さく頷く。  
　新しいコーデを選んで、鏡の前で髪を触る）

撮影スタート。

さだちゃんはカメラに向かって、  
最初はゆっくり這い出てくるポーズ──でも笑顔で。  
大きな瞳でカメラ目線、口角少し上げて。

サビで可愛くハートとピース。  
後半スリラーは軽めにして、最後に大きくピースとハート。

私は編集でキラキラエフェクト満載にして、  
コメントで多かった「かわいい」を文字で散りばめて投稿。

即座に爆再生。

コメント  
「復活おめでとう！！かわいい！！」  
「消えなくてよかった！！かわいいすぎる！！」  
「これからもずっと推す！！」  
「さだちゃんの笑顔守れて嬉しい！！」

さだちゃんは画面を見て、  
口角をほんの少し上げた。  
超小声で、ほとんど息のように。

さだちゃん  
「……みんな、ありがとう」

私は叫んだ。

「さだちゃんまた喋った！！  
しかも『みんなありがとう』！！  
かわいいすぎるヤバい！！！」

さだちゃん（耳まで真っ赤になって、視線を逸らす。  
　でも、私の袖をそっと掴んで離さない）

午後はお祝いデート。

渋谷のカフェでスイーツ食べたり、  
プリクラ撮ったり、  
原宿で新しいアクセサリー探したり。

さだちゃんは私の手をずっと握って、  
周りの景色をじっと見て、時々小声で。

さだちゃん  
「……きれい  
　……たのしい」

私は毎回萌え死にそうになった。

夕方、家に戻って。

私はさだちゃんに聞いた。

「さだちゃん、消えそうだった時、怖かった？」

さだちゃん（長い沈黙の後、  
　私の手を強く握って）

さだちゃん  
「……怖かった  
　……樹音と、  
　……離れたくなくて」

私は泣きながらさだちゃんを抱きしめた。

「私も！！  
さだちゃんがいなくなったら生きていけない！！  
これからもずっと一緒に！！」

さだちゃん（私の腕の中で、  
　無言で強く抱き返して、  
　頰を私の肩に埋める）

夜、ベッドで並んで。

私はさだちゃんの髪を撫でた。

「さだちゃんの新しい日常、始まったね。  
これから毎日楽しいこといっぱいしよ！！」

さだちゃん（目を細めて、  
　小さな笑顔で）

さだちゃん  
「……うん  
　……樹音と、  
　……ずっと」

私はさだちゃんの額に軽くキスした。

「約束！！」

さだちゃん（耳まで赤くなって、  
　無言で私のパジャマの裾を掴む）

──さだちゃんの新しい日常は、  
笑顔と、  
小さな言葉と、  
私との時間でいっぱい。

怖がられる必要はもうない。  
みんなの「かわいい」で、  
永遠にここにいられる。

プリクラ行ったり、  
カフェ行ったり、  
動画撮ったり、  
夜はお泊まりしたり。

毎日、さだちゃんと一緒に。

バズりはもちろん続くけど、  
それ以上に、  
さだちゃんが私のそばにいることが、  
一番ヤバい（いい意味で）。

これからも、  
永遠に、  
こわかわいい日常を。

（第16話　終わり