15 / 25
第15話 樹音の救済作戦始動! さだちゃんを消えさせないために……!
しおりを挟む
第15話 樹音の救済作戦始動! さだちゃんを消えさせないために……!
さだちゃんの存在が、どんどん薄くなっていく。
朝起きたら、輪郭がぼやけて、声をかけたら少し遅れて反応する。
昼には、私の手がさだちゃんの体をすり抜ける瞬間が増えた。
私はパニックになった。
「ヤバいヤバいヤバい!!
さだちゃん消えちゃダメ!!
絶対に、絶対に救うから!!」
さだちゃんはベッドに座って、自分のほとんど透けた手を見つめている。
無言で、ただ視線を落としているだけ。
私はスマホを握りしめて、
まずは怖がらせる方法を考えた。
「怖がらせれば存在保てるんだよね?
じゃあ、ちょっと本気ホラー動画撮ろ!!
みんなをビビらせて、さだちゃんを支えよう!!」
さだちゃん(薄くなった手で、私の袖を弱く掴む。
わずかに首を横に振る)
私は気づいた。
さだちゃんは、もう怖がらせたくないんだ。
みんなに「かわいい」って愛されて、
呪いじゃなくなったのに、
また怖がらせるのは嫌なんだ。
私はさだちゃんを抱きしめた。
すり抜けそうで、必死に力を込めた。
「わかった……怖がらせるのはやめよう。
でも、消えちゃダメ!!
別の方法絶対ある!!」
私は頭をフル回転させた。
怖がられる以外で、
存在を保つ方法。
みんなの「かわいい」が力になってるなら、
それを最大限に集めればいい。
「ライブ配信!!
緊急ライブで、みんなに助けてもらおう!!」
私は即座に準備。
タイトル
「【緊急】こわかわいい怨霊ちゃんが消えそうなんです……みんなの力で助けてください!!」
配信スタート。
私はカメラに向かって、涙目で叫んだ。
「みんな聞いて!!
さだちゃんが、怖がられないせいで存在が薄れて消えそうなんです!!
でもさだちゃんはもう呪いたくない!!
みんなの『かわいい』が力になってるはず!!
コメントで『かわいい』って連打して!!
さだちゃんを救ってください!!!」
画面にさだちゃんを映す。
ほとんど透けたさだちゃんが、カメラの前に無言で立つ。
新しいコーデを着て、髪をそっと触りながら、わずかに首を傾げる。
コメントが爆速で流れる。
「かわいい!!!!」
「消えないで!!かわいいすぎる!!」
「推しが消えるなんて嫌だ!!かわいい!!」
「スリラーも這い出しも全部かわいい!!」
「一生推す!!かわいいかわいいかわいい!!」
数万人の「かわいい」が画面を埋め尽くす。
私はさだちゃんの手を握った。
「さだちゃん見て!!
みんなさだちゃんのこと大好きだって!!」
さだちゃん(画面を見て、薄かった手が少しずつ実体を取り戻す。
目を見開いて、わずかに息を飲む)
コメントは止まらない。
「こわかわいい最強!!」
「消えないで一緒にバズろう!!」
「かわいいの暴力!!」
ライブ視聴者数が20万超え。
さだちゃんの輪郭が完全に元に戻る。
肌の色が戻り、手の温かさが戻った。
私は泣きながらさだちゃんを抱きしめた。
「よかった……!!
さだちゃん消えなくてよかった!!
みんなありがとう!!!」
さだちゃん(私の腕の中で、
無言で目を閉じて、私の背中に手を回す。
頰が赤くなって、わずかに震える)
ライブ終了後。
私はさだちゃんに言った。
「もう怖がられる必要ないね!!
みんなの『かわいい』でさだちゃんはずっとここにいられる!!
これからも毎日一緒に遊んで動画撮ろ!!」
さだちゃん(薄く微笑んで、
私の袖をそっと掴む。
超小声で、ほとんど息のように)
さだちゃん
「……ありがとう」
私は涙目で叫んだ。
「さだちゃん今喋った!!
かわいいすぎるヤバい!!!!」
さだちゃん(耳まで真っ赤になって、視線を逸らす)
──呪いのビデオは、
もう呪いじゃなくなった。
かわいいの力で、
さだちゃんは永遠に私のそばにいる。
これからも、
毎日バズらせよっしょ!!
さだちゃんの存在が、どんどん薄くなっていく。
朝起きたら、輪郭がぼやけて、声をかけたら少し遅れて反応する。
昼には、私の手がさだちゃんの体をすり抜ける瞬間が増えた。
私はパニックになった。
「ヤバいヤバいヤバい!!
さだちゃん消えちゃダメ!!
絶対に、絶対に救うから!!」
さだちゃんはベッドに座って、自分のほとんど透けた手を見つめている。
無言で、ただ視線を落としているだけ。
私はスマホを握りしめて、
まずは怖がらせる方法を考えた。
「怖がらせれば存在保てるんだよね?
じゃあ、ちょっと本気ホラー動画撮ろ!!
みんなをビビらせて、さだちゃんを支えよう!!」
さだちゃん(薄くなった手で、私の袖を弱く掴む。
わずかに首を横に振る)
私は気づいた。
さだちゃんは、もう怖がらせたくないんだ。
みんなに「かわいい」って愛されて、
呪いじゃなくなったのに、
また怖がらせるのは嫌なんだ。
私はさだちゃんを抱きしめた。
すり抜けそうで、必死に力を込めた。
「わかった……怖がらせるのはやめよう。
でも、消えちゃダメ!!
別の方法絶対ある!!」
私は頭をフル回転させた。
怖がられる以外で、
存在を保つ方法。
みんなの「かわいい」が力になってるなら、
それを最大限に集めればいい。
「ライブ配信!!
緊急ライブで、みんなに助けてもらおう!!」
私は即座に準備。
タイトル
「【緊急】こわかわいい怨霊ちゃんが消えそうなんです……みんなの力で助けてください!!」
配信スタート。
私はカメラに向かって、涙目で叫んだ。
「みんな聞いて!!
さだちゃんが、怖がられないせいで存在が薄れて消えそうなんです!!
でもさだちゃんはもう呪いたくない!!
みんなの『かわいい』が力になってるはず!!
コメントで『かわいい』って連打して!!
さだちゃんを救ってください!!!」
画面にさだちゃんを映す。
ほとんど透けたさだちゃんが、カメラの前に無言で立つ。
新しいコーデを着て、髪をそっと触りながら、わずかに首を傾げる。
コメントが爆速で流れる。
「かわいい!!!!」
「消えないで!!かわいいすぎる!!」
「推しが消えるなんて嫌だ!!かわいい!!」
「スリラーも這い出しも全部かわいい!!」
「一生推す!!かわいいかわいいかわいい!!」
数万人の「かわいい」が画面を埋め尽くす。
私はさだちゃんの手を握った。
「さだちゃん見て!!
みんなさだちゃんのこと大好きだって!!」
さだちゃん(画面を見て、薄かった手が少しずつ実体を取り戻す。
目を見開いて、わずかに息を飲む)
コメントは止まらない。
「こわかわいい最強!!」
「消えないで一緒にバズろう!!」
「かわいいの暴力!!」
ライブ視聴者数が20万超え。
さだちゃんの輪郭が完全に元に戻る。
肌の色が戻り、手の温かさが戻った。
私は泣きながらさだちゃんを抱きしめた。
「よかった……!!
さだちゃん消えなくてよかった!!
みんなありがとう!!!」
さだちゃん(私の腕の中で、
無言で目を閉じて、私の背中に手を回す。
頰が赤くなって、わずかに震える)
ライブ終了後。
私はさだちゃんに言った。
「もう怖がられる必要ないね!!
みんなの『かわいい』でさだちゃんはずっとここにいられる!!
これからも毎日一緒に遊んで動画撮ろ!!」
さだちゃん(薄く微笑んで、
私の袖をそっと掴む。
超小声で、ほとんど息のように)
さだちゃん
「……ありがとう」
私は涙目で叫んだ。
「さだちゃん今喋った!!
かわいいすぎるヤバい!!!!」
さだちゃん(耳まで真っ赤になって、視線を逸らす)
──呪いのビデオは、
もう呪いじゃなくなった。
かわいいの力で、
さだちゃんは永遠に私のそばにいる。
これからも、
毎日バズらせよっしょ!!
0
あなたにおすすめの小説
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
【完結】あなたに知られたくなかった
ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。
5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。
そんなセレナに起きた奇跡とは?
わたしのことがお嫌いなら、離縁してください~冷遇された妻は、過小評価されている~
絹乃
恋愛
伯爵夫人のフロレンシアは、夫からもメイドからも使用人以下の扱いを受けていた。どんなに離婚してほしいと夫に訴えても、認めてもらえない。夫は自分の愛人を屋敷に迎え、生まれてくる子供の世話すらもフロレンシアに押しつけようと画策する。地味で目立たないフロレンシアに、どんな価値があるか夫もメイドも知らずに。彼女を正しく理解しているのは騎士団の副団長エミリオと、王女のモニカだけだった。※番外編が別にあります。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
見た目は子供、頭脳は大人。 公爵令嬢セリカ
しおしお
恋愛
四歳で婚約破棄された“天才幼女”――
今や、彼女を妻にしたいと王子が三人。
そして隣国の国王まで参戦!?
史上最大の婿取り争奪戦が始まる。
リュミエール王国の公爵令嬢セリカ・ディオールは、幼い頃に王家から婚約破棄された。
理由はただひとつ。
> 「幼すぎて才能がない」
――だが、それは歴史に残る大失策となる。
成長したセリカは、領地を空前の繁栄へ導いた“天才”として王国中から称賛される存在に。
灌漑改革、交易路の再建、魔物被害の根絶……
彼女の功績は、王族すら遠く及ばないほど。
その名声を聞きつけ、王家はざわついた。
「セリカに婿を取らせる」
父であるディオール公爵がそう発表した瞬間――
なんと、三人の王子が同時に立候補。
・冷静沈着な第一王子アコード
・誠実温和な第二王子セドリック
・策略家で負けず嫌いの第三王子シビック
王宮は“セリカ争奪戦”の様相を呈し、
王子たちは互いの足を引っ張り合う始末。
しかし、混乱は国内だけでは終わらなかった。
セリカの名声は国境を越え、
ついには隣国の――
国王まで本人と結婚したいと求婚してくる。
「天才で可愛くて領地ごと嫁げる?
そんな逸材、逃す手はない!」
国家の威信を賭けた婿争奪戦は、ついに“国VS国”の大騒動へ。
当の本人であるセリカはというと――
「わたし、お嫁に行くより……お昼寝のほうが好きなんですの」
王家が焦り、隣国がざわめき、世界が動く。
しかしセリカだけはマイペースにスイーツを作り、お昼寝し、領地を救い続ける。
これは――
婚約破棄された天才令嬢が、
王国どころか国家間の争奪戦を巻き起こしながら
自由奔放に世界を変えてしまう物語。
聖女じゃない私の奇跡
あんど もあ
ファンタジー
田舎の農家に生まれた平民のクレアは、少しだけ聖魔法が使える。あくまでもほんの少し。
だが、その魔法で蝗害を防いだ事から「聖女ではないか」と王都から調査が来ることに。
「私は聖女じゃありません!」と言っても聞いてもらえず…。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる