婚約破棄されたけれど、頼りない第一王子様と結婚したら溺愛されました

しおしお

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そして、二人は国を導く――溺愛の王と王妃

王城のバルコニーから、
新たな王都を見渡す。

柔らかな陽光が城の白い石壁に反射し、
春を告げる風が旗を揺らしていた。

今日は、
アルファルファ――いや、新国王の即位式の翌日。

イメルダは窓辺で静かに紅茶を口にしていた。
その横には、
王となった夫が椅子に腰かけ、少し疲れた表情で微笑んでいる。

「昨日は、かなり緊張していらっしゃいましたわね、陛下」

そう声をかけると、
彼は気恥ずかしそうに頭をかいた。

「……ああ。
 あれほど大勢の前で宣誓をするとなると……
 やはり胃が痛かったよ」

「ふふ。でも、とても堂々としておられましたわ」

「君が隣にいてくれたからだよ、イメルダ」

国王は、自然な動作でイメルダの手を取る。
そのまま恋人のように絡めて握る。

イメルダは頬を赤らめた。

(即位して一段と……大人になられましたわね……)



そこへ侍従が控えめに声をかけた。

「陛下、本日の政務の準備が――」

しかし国王は、すっと片手を上げた。

「……少し待ってもらえるか?
 私は今、妻との時間を過ごしている」

侍従は慌てて下がる。

イメルダの胸が強く打つ。

「そ、そんな……公務に支障が出てしまいますわ……」

「大丈夫だ。
 公務は逃げない……けれど、君の表情は今しか見られない」

「……え?」

「昨日から、ずっと君を見るたびに思っていたんだ。
 即位の喜びより……
 “君を隣に迎えて王になれたこと”が、一番嬉しいと」

イメルダの目に涙が浮かぶ。

「……陛下……」

「イメルダ。
 私は王になっても、変わらない。
 いや、変わるとしても――
 “君を幸せにするために強くなる”だけだ」

その言葉に胸が熱くなる。

イメルダはそっと国王の肩にもたれた。

「……わたくしこそ……
 陛下の隣にいられることが、何よりの誇りですわ」



外では、春の花々が咲き誇り、
新しい国の時代の到来を祝福するようだった。

国王は立ち上がり、イメルダの手を取って言う。

「行こう、イメルダ。
 新しい国を……一緒に見に行こう」

イメルダは微笑み、深く頷いた。

「……はい、陛下。
 わたくしは、いつでも隣におります」

二人は手を取り合い、
光の差し込む廊下を並んで歩き出した。

その姿は――

新たな時代を共に歩む“理想の王と王妃” そのものであった。

そして、
二人の絆がこれからどれほど国を導いていくのか、
誰もが期待に胸をふくらませた。

――これは、
誠実な第一王子と名門令嬢が手に入れた、
“愛と誇りの物語”のその後。

二人の未来は、
これからもずっと、輝き続ける。


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