婚約破棄されたけれど、頼りない第一王子様と結婚したら溺愛されました

しおしお

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第40話 真実の勝利――夫婦の絆と“ザマア”の終焉

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第40話 真実の勝利――夫婦の絆と“ザマア”の終焉

王城は朝の静寂に包まれていた。

しかしその裏で、
イメルダに向けられた“陰口”と“悪意ある噂”は
日に日に増していた。

明らかに、
アルティシアと彼女に同調する一部貴族の仕業。

(殿下に迷惑をかけるわけにはいきませんわ……
 わたくしが、止めます)

イメルダは決意した。



その日の午後。

王宮大広間に、
重鎮貴族と王族が集められた。

国王陛下、アルファルファ殿下、宰相――
全員がそろっている。

イメルダは堂々と前に立つ。

一部の貴族たちがひそひそとささやく。

「ほら……最近、調子に乗っているという噂の……」

「殿下を操っているとか……」

しかし、
イメルダの表情は一点の曇りもない。

その背後には、
しっかりと殿下が立っているから。

「本日は、お集まりいただきありがとうございます」

イメルダの声は凜としていた。

「まず初めに申し上げます。
 わたくしに関する“悪意ある噂”は、
 すべて根拠のない虚言です」

ざわめきが走る。

だがイメルダは一歩も退かない。

「この噂を流した者たちの裏には――
 謹慎中のアルティシア嬢と、
 いまだに彼女を支持する一部貴族の存在があります」

一同が息を呑む。



イメルダは侍従に合図をした。

運び込まれた箱から取り出されたのは――

アルティシアが密かに送った手紙の束
貴族たちに噂を広めるよう依頼した証拠
資金の流れが書かれた台帳

逃れようのない事実だった。

宰相が厳しい表情で宣言する。

「……これらはすべて、
 アルティシア嬢が“再び王家を揺るがせようとした”
 証拠だ」

さらに殿下が一歩前へ出た。

背筋を伸ばし、堂々と。

「イメルダを貶めることは、
 私を貶めることと同じだ。
 私は――妻を守る」

その言葉に、
広間が静まり返った。

イメルダの目が熱くなる。

(殿下……もう、弱くなんてありませんわ……)



そこへ、
拘束され連行されてきたアルティシアが叫んだ。

「何よ!!
 わたくしが一番悪いっていうの!?
 全部イメルダのせいでしょう!?
 わたくしの殿下を奪った女!!」

イメルダは静かに答えた。

「殿下は、奪われたのではありません。
 わたくしと殿下が選び合っただけです。
 そこにあなたの入る余地はありませんわ」

アルティシアの顔が怒りで歪む。

しかし殿下が冷ややかに言い放った。

「アルティシア。
 お前こそ――自分を省みよ」

「っ……!」

「愛とは、相手を利用することではない。
 相手の幸せを願えるかどうかだ」

その言葉に、
アルティシアはなにも返せなかった。



国王陛下が裁定を下した。

「アルティシア。
 お前は国外追放とする。
 二度と王家の名を騙るな」

「っ……あああああああ――!!」

彼女の叫びは虚しく響き、
衛兵に引きずられて退場した。

かつての美しさも誇りも、
今は見る影もない。



そして次に、
国王は殿下へ向き直った。

「アルファルファ。
 お前がここまで変わるとは、父として誇らしい。
 この国の未来を託すにふさわしい成長だ」

殿下は深く頭を下げた。

「ありがとうございます、父上」

その横で、
イメルダは胸が熱くなる。

(殿下……本当に……立派に……)

国王はゆっくりと告げた。

「――近く、正式にお前を“王太子”として指名する」

広間がざわめき、
貴族たちは一斉に殿下へひれ伏す。

イメルダは殿下の手をさりげなく握り、
小さく囁いた。

「おめでとうございます、殿下……」

殿下は照れながらも握り返した。

「……イメルダのおかげだよ。
 君がいなければ、私は……
 王にはなれなかった」

イメルダは首を振り、微笑んだ。

「殿下が変わられたのは、
 殿下ご自身の力ですわ」



こうして――
長きにわたる陰謀と裏切りの騒動は終わりを迎えた。

イメルダを貶めようとした者は敗れ、
殿下は真の強さを手に入れた。

ふたりの絆は、
この国で誰よりも固く結びついた。

王宮中が見守る中、
殿下は小さく、しかし確かに誓った。

「イメルダ。
 私は王になる。
 そして――君を、この国で誰よりも幸せにする」

イメルダは涙を浮かべ、
静かに微笑んだ。

「……はい、殿下」

二人の手は、
もう離れることはない。

――これが、
誠実な第一王子と名門令嬢の“溺愛夫婦物語” の
堂々たる結末であった。


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