ざまあみろ! 悪役令嬢、婚約破棄されたけど、最強の男たちに溺愛されています!

しおしお

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1-2 アルフレッドの訪問と冷たい視線

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1-2 アルフレッドの訪問

メイドが去ってからしばらく経った頃、部屋の扉がノックされた。アレクサンドラは、深呼吸をして、心の準備を整える。

「入って」

声は、普段よりも少しだけ震えていた。扉が開かれ、入ってきたのは、見慣れた姿の青年だった。第一王子、アルフレッド。ゲームの中で見た通りの、金髪碧眼の美青年。しかし、彼の顔には、微塵の優しさも見当たらなかった。冷たい視線が、アレクサンドラを射抜く。

アルフレッドは、部屋の中央に立ち止まり、冷淡な口調で言った。

「気分はどうだ、イザベラ?」

彼の声には、まるで他人を扱うようなよそよそしさがあった。まるで、恋人ではなく、ただの取引相手に対するような。

アレクサンドラは、静かに答えた。

「まだ少し、体調が優れません」

アルフレッドは、眉をひそめた。

「毒でも盛られたのか?」

冷たい言葉に、アレクサンドラは内心でため息をついた。まるで、自分のことを心配しているような口ぶりではない。むしろ、皮肉を言っているように聞こえる。

「いいえ。ただ、少し疲れているだけです」

アレクサンドラは、平静を装いながら答えた。しかし、心臓は、激しく脈打っていた。アルフレッドとの関係は、最悪だ。ゲームの知識では分かっていたことだが、実際に彼の冷たい視線を浴びると、想像以上の衝撃を受ける。

「……婚約者が、こんなに弱々しい顔をしているとはな」

アルフレッドは、嘲笑するように言った。その言葉には、明らかにイザベラへの侮蔑が含まれている。

アレクサンドラは、彼が自分を嫌っていることを、改めて痛感した。この状況を、どのように打開すれば良いのか? 破滅エンドを回避するためには、彼との関係を改善する必要がある。しかし、彼の冷たい態度を見ていると、それは非常に困難なことのように思えた。

「ご心配には及びません。すぐに元気になります」

アレクサンドラは、笑顔で答えた。まずは、彼の警戒心を解く必要がある。しかし、無理に媚びるような態度は避けなければならない。イザベラは、高慢な性格だった。アルフレッドが、そんな彼女を嫌うのも当然のことだ。

アルフレッドは、アレクサンドラの言葉に、少しだけ顔色を変えた。予想外の反応だったのだろう。

「……そうか。ならば良い」

彼は、一言だけそう言うと、踵を返して部屋を出て行こうとした。

その背中を見て、アレクサンドラは、ある決意をした。

「アルフレッド殿下」

彼の足が止まった。

「……何だ?」

アルフレッドは、振り向きもせずに言った。

「少し、お話がしたいことがあります」

アレクサンドラの声は、震えていた。しかし、彼女は、自分の心を奮い立たせた。今、この場で、何か行動を起こさなければ、何も変わらない。

アルフレッドは、少しの間、沈黙していた。そして、ゆっくりと振り向いた。彼の目は、疑念の色を帯びている。

「話、だと? 何を話したいんだ?」

アレクサンドラは、深呼吸をして、答えた。

「殿下と、これからのことについて」

アルフレッドは、眉をひそめた。彼は、まるで面倒くさそうに言った。

「……分かった。だが、手短に済ませろ」

アレクサンドラは、心の中で小さくガッツポーズをした。彼女の言葉が、アルフレッドの興味を引いたのだ。

「ありがとうございます。では、こちらへ」

アレクサンドラは、ソファを指し示した。アルフレッドは、渋々といった様子で、ソファに座った。

アレクサンドラは、彼の向かいに座り、話を切り出した。

「殿下。私は、これまでの自分の行いを、深く反省しています」

アレクサンドラの言葉に、アルフレッドは、少しだけ驚いたような表情をした。

「……何を言っているんだ?」

「私は、殿下を支えることが出来ませんでした。自分のことばかりを考え、殿下のことを理解しようとしませんでした。その結果、殿下にご迷惑をおかけしてしまいました。本当に、申し訳ありませんでした」

アレクサンドラは、丁寧に頭を下げた。それは、イザベラのこれまでの態度からは、想像もできないようなものだった。

アルフレッドは、しばらくの間、何も言わなかった。彼の目は、アレクサンドラの様子をじっくりと観察している。

「……何が、お前を変えたんだ?」

彼は、ようやく口を開いた。彼の声には、僅かな興味が滲んでいる。

アレクサンドラは、答えた。

「すべてを失う恐怖です。そして、私自身の過ちを、深く理解したからです」

彼女は、真剣な表情で言った。それは、演技ではなく、彼女の本心だった。転生前の人生を失い、イザベラとして生きていくことになった。破滅エンドを回避するためには、自分の過ちを認め、変わらなければならない。

「……そんなに簡単に、人は変われるものか?」

アルフレッドは、疑わしげな表情で言った。彼は、イザベラが本心から変わったとは思っていないようだ。

アレクサンドラは、静かに答えた。

「私は、努力します。殿下を支え、この国のために尽くせるように。それが、私の願いです」

彼女の言葉には、強い決意が込められていた。アルフレッドは、その言葉に、少しだけ心を動かされたのかもしれない。

「……分かった。ならば、見せてみろ。お前の本気というものを」

アルフレッドは、冷たい視線を向けながらも、どこか期待しているような口調で言った。

アレクサンドラは、深く頷いた。

「必ず、殿下にご納得いただけるよう、努力いたします」

彼女は、心の中で誓った。アルフレッドとの関係を改善し、破滅エンドを回避するために。そして、この国の未来のために。

アルフレッドは、立ち上がり、冷たい口調で言った。

「期待しているぞ。だが、裏切るようなことがあれば、容赦はしない」

彼は、そう言うと、部屋を出て行った。

アレクサンドラは、彼を見送った後、深く息を吐いた。アルフレッドとの最初の対話は、何とか成功したと言えるだろう。しかし、それは、ほんの始まりに過ぎない。

彼女は、再び日記を手にした。そして、イザベラのこれまでの行いを振り返り、今後の計画を立て始めた。破滅エンドを回避するためには、イザベラを変え、アルフレッドとの関係を改善し、セシリアの策略から逃れなければならない。それは、困難な道のりになるだろう。

しかし、アレクサンドラは、決して諦めない。彼女は、イザベラとして、自分の未来を切り開くために、全力を尽くすことを誓った。

その日、イザベラの部屋には、新たな決意と、わずかな希望が、静かに満ちていた。
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