『白い結婚から始まったはずなのに、冷徹公爵の溺愛が止まりません!』

しおしお

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第40話 エピローグ 白い結婚のその先で

第40話 エピローグ 白い結婚のその先で

庭園に朝日が差し込む。
花々の露がキラキラと輝き、鳥たちの声が柔らかく響いた。

その美しい光景の中――
白いクロスのテーブルには、
フィオナ手作りのケーキとミルクティが並んでいた。

そして、そこに座るのはただひとり。

「……今日も、最初の客になれたようだ」

レイヴン公爵は、どこか誇らしげに微笑んでいた。

フィオナは可笑しそうに笑う。

「毎朝、誰よりも早いですもの。
レイヴン様が最初じゃない日なんて、ありえませんよ?」

「当然だ。これは“夫としての特権”だからな」

(特権……そんな言い方をされると……)

胸の奥がじんわりと熱くなる。

レイヴンはケーキを一口食べ、満足げに目を細めた。

「……やはり、君の作るものは格別だ」

「ありがとうございます。そう言っていただけると……嬉しいです」

「嬉しいだけではないだろう?」

レイヴンがそっとフィオナの手を取った。

「君が作るものも、君の声も、君の笑顔も……
私は全部好きだ」

「レイヴン様……」

フィオナは頬を赤らめながら、そっと手を握り返す。

「わたしも……レイヴン様が大好きです」

二人の間に、柔らかい風が吹いた。
花弁がひらりと舞い、ふたりを包み込む。


---

かつてフィオナが望んだ“白い結婚”。
それは、過去の傷から逃げるための、
“誰にも愛されないほうが楽だ”という防御だった。

でも今は。

(こんなにも温かい想いで満たされている……)

レイヴンの隣は、怖くなんかない。
むしろ、誰よりも安心する場所になった。

フィオナは紅茶を飲みながらふと笑った。

「……こんな日が来るなんて、あの頃は考えられませんでしたね」

「ああ。
だが――これからは、もっとだ」

レイヴンがフィオナの肩をそっと抱き寄せる。

「君と過ごす日々を、もっと積み重ねたい。
笑って、泣いて、喧嘩して……
全部含めて、夫婦として歩いていきたい」

「……はい」

「そして、君が望むなら……家族だって、いつか」

フィオナの心に、幸せがふわりと広がる。

「レイヴン様となら……
どんな未来も、きっと素敵です」

レイヴンはフィオナの頬にそっと触れた。

「では――これからもよろしく、私の愛しい妻」

「……はい。
よろしくお願いします、レイヴン様」

二人は優しく微笑み合い、
新しい朝、新しい未来へと歩み出す。


---

こうして、
“白い結婚から始まったはずの契約夫婦”は、
誰よりも濃く、温かい愛で満たされた本物の夫婦となった。

そして庭園カフェには、
今日もまた――
幸せそうな二人の姿が並んでいる。

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