1 / 5
1章
しおりを挟む伯爵家の長女クラリティ・フィオーレは、朝から少し浮かれていた。今日は婚約者リーヴェントン・グラシアと久しぶりに顔を合わせる日だ。結婚が正式に決まる日程を話し合う予定だった。クラリティにとって婚約者との時間は特別であり、彼に対する期待と憧れが彼女の胸を満たしていた。だが、その幸福感は、彼女が客間に通されてから数分後に打ち砕かれることとなる。
「クラリティ、今日ここに来たのは君に大事な話をするためだ。」
リーヴェントンは開口一番そう告げた。その顔にはいつもの穏やかな笑みも、甘い言葉もなかった。何かがおかしい、とクラリティは本能的に感じた。
「……何の話でしょうか?」
クラリティは平静を装おうと努力したが、声が微かに震えてしまった。リーヴェントンはその震えに気づかないふりをして、冷淡な声で言葉を続ける。
「婚約を破棄させてもらう。もう君と結婚するつもりはない。」
一瞬、クラリティは彼の言葉の意味を理解できなかった。婚約破棄――その言葉が頭の中で響き、そして次第に重くのしかかる。
「なぜ……ですか?」
ようやく言葉を絞り出したクラリティに、リーヴェントンはため息混じりに答えた。
「君との婚約は父が勝手に決めたものだ。だが、私は侯爵家の令嬢と結婚することを決めた。彼女との関係は本物だ。君と形式的な結婚をする理由はもうない。」
その冷酷な説明を聞いた瞬間、クラリティの心は粉々に砕かれた。彼女がどれほど彼との未来を夢見ていたか、どれほど彼を信じていたか、すべてが無駄になったのだと悟った。だが、それ以上に彼の態度が許せなかった。まるで彼女が何の価値もないかのように振る舞うその冷たい目が。
「……そうですか。では、お幸せに。」
クラリティは必死に涙を堪え、感情を押し殺してそう言った。それが彼女にできる唯一の抵抗だった。
リーヴェントンは一瞬驚いたような表情を見せたが、すぐに肩をすくめて立ち上がった。
「君も良い人生を。」
その言葉を最後に、リーヴェントンは客間を去っていった。その後ろ姿が見えなくなると同時に、クラリティの膝は力を失い、彼女はその場に崩れ落ちた。
---
家族に事の顛末を報告したとき、クラリティは二重の衝撃を受けた。母は「あの子が婚約破棄されるなんて、なんて恥ずかしいことなの!」と声を荒らげ、父はただ眉間に深い皺を寄せるばかりだった。
「クラリティ、婚約を破棄されたとなれば、私たちの家の立場は危うくなるのよ。どうして彼を引き留めなかったの?」
「……私は何も悪いことをしていません。」
クラリティのか細い反論は、母の叱責にかき消された。彼女の無力感は深まるばかりだった。
---
婚約破棄の噂はすぐに広まった。クラリティがどこに行っても、貴族の噂好きたちの視線が彼女を追った。彼らの目には同情などなく、ただ彼女を面白おかしく笑いものにしようという意図しかなかった。
「聞いたかしら?クラリティ様は婚約破棄されたそうよ。」
「ええ、しかも彼女は侯爵家の令嬢に取られたとか。」
「そんなこと、はじめから無理な話だったのよ。」
クラリティは表面上微笑みを保ちつつ、内心では彼らの言葉に傷ついていた。彼女の中で沸き起こるのは、リーヴェントンへの失望と、それ以上に自分が無力であるという思いだった。
彼女は自室にこもり、誰にも会わずに過ごすようになった。家族からの冷たい視線も、社交界での蔑みも、すべてが彼女の心を蝕んでいった。
「私は何も悪いことをしていないのに……どうしてこんな目に遭わなくてはいけないの?」
夜、一人きりで泣き崩れるクラリティの姿は、誰にも知られることはなかった。
---
その孤独の日々の中で、クラリティの元に一通の手紙が届いた。それは、彼女の人生を大きく変える契機となるものであった。手紙の送り主は、ローゼンハイト公爵家の当主、ガルフストリーム・ローゼンハイト。彼はこう書いていた。
「私は君に提案がある。この内容に興味があれば、明日の夕刻に私の屋敷を訪れてほしい。」
冷静な筆跡の文字は、クラリティの胸にかすかな疑問と希望を抱かせた。このまま何もしなければ、自分の人生は終わってしまう。けれど、この提案に乗ることで何かを変えられるかもしれない――。
クラリティは深い息をつき、翌日の約束に向けて小さな決心を固めた。
クラリティはローゼンハイト公爵邸の前に立ち尽くしていた。重厚な扉の前で深呼吸を繰り返し、自分の中の不安を何とか押し殺そうとしていた。なぜ彼が自分に手紙を送ってきたのか、その理由が分からないまま、彼女は意を決して扉を叩いた。執事が扉を開け、無表情に中へと案内する。
通された客間は広く、豪奢でありながらもどこか冷たい印象を受ける部屋だった。その中央に座っていたのは、噂に聞く公爵家の当主ガルフストリーム・ローゼンハイト。その端正な顔立ちには感情の色がなく、冷たい青い瞳がクラリティをじっと見据えていた。彼は彼女が挨拶する前に、端的に言葉を投げかけてきた。
「よく来たな、クラリティ・フィオーレ嬢。時間通りだ。」
その言葉は礼儀を欠いているわけではないが、どこか事務的で感情がこもっていないように感じた。クラリティは緊張を隠しながら軽く会釈した。
「手紙をいただいたので参りました。私に何かお話があると伺いましたが……?」
「そうだ。本題に入ろう。私は君に結婚を申し込みたい。」
その言葉は、クラリティの胸を大きく揺るがした。突然の結婚の申し出に、彼女は目を見開いて彼を見つめた。
「……私に、ですか?」
信じられない思いで問い返すと、ガルフストリームは頷いた。
「そうだ。だが、この結婚は形式的なものだ。お互いに愛情を求める必要はない。ただ、お互いの利益を守るための契約に過ぎない。」
彼の冷静な声が部屋に響き渡る。クラリティは、彼の言葉に驚きつつも、同時に疑問を抱いた。
「形式的な結婚、ですか……それはどういう意味でしょう?」
「簡単に言えば、私は君に妻としての役割を果たしてもらいたい。ただし、互いに干渉はしない。君の生活に制約を与えるつもりもないし、私も自由に行動する。見せかけの夫婦として周囲にふるまえばそれで十分だ。」
クラリティはその説明を聞き、困惑を隠せなかった。結婚とは本来、愛や信頼によって結ばれるものだと信じていた。だが、彼が語るのは、そんな理想とは程遠いものだった。
「……なぜ私なのですか?私は婚約を破棄されたばかりで、社交界での評価も低いはずです。それでも私を選んだ理由があるのでしょうか?」
クラリティの質問に対し、ガルフストリームは少しだけ微笑みを浮かべた。それは冷笑とも取れる微かな表情だった。
「君が婚約を破棄されたことは、私にとって都合がいい。君は失った名誉を取り戻したいはずだ。一方で、私は公爵家の地位を安定させるために妻を必要としている。君の家柄ならば、政治的な均衡を保つのに適している。」
そのあまりにも冷徹な理由に、クラリティは胸の奥がズキリと痛むのを感じた。彼にとって自分はただの駒に過ぎないのだろう。それでも、彼の申し出は魅力的でもあった。今の状況を変える手段としては、他に選択肢が見当たらない。
「……私には他に道がないということですね。」
そう呟いたクラリティの言葉に、ガルフストリームは少しだけ表情を和らげた。
「君にとっても悪い話ではないだろう。このまま落ちぶれるよりは、私の妻として表舞台に立つ方が良い。」
その言葉に、クラリティは複雑な思いを抱えながらも、やがて小さく頷いた。
「分かりました。お受けいたします。」
ガルフストリームはその答えに満足したように微かに頷き、契約の内容を詳細に説明し始めた。
---
その後、クラリティは屋敷を後にしたが、彼の言葉が頭の中で何度も繰り返された。形式的な結婚――それは彼女が夢見た理想とは程遠いものだった。しかし、この契約を受け入れなければ、彼女には何も残らない。両親からの失望の目、社交界からの冷たい視線、そのすべてを覆すためには、この結婚しか選べなかった。
「本当にこれでいいの……?」
帰りの馬車の中で、クラリティは何度も自問した。だが、どれだけ考えても、他の道は見つからなかった。
これが彼女の新しい人生の始まりになる。その道がどれほど険しく、冷たいものか、彼女にはまだ知る由もなかった。
クラリティは婚約破棄の噂が広まったことで、社交界での地位が地に落ちたと痛感していた。街に出るたび、蔭口や嘲笑が彼女を追いかける。特に、元婚約者であるリーヴェントン・グラシアの態度は彼女をさらに傷つけた。
ある日の午後、クラリティは街で偶然リーヴェントンと新しい婚約者である侯爵家の令嬢エリシアと出くわした。二人は親しげに腕を組み、周囲の注目を一身に集めながら歩いていた。人々は微笑ましいカップルを祝福するように見つめ、その一方でクラリティには冷たい視線が注がれる。彼女はその場から逃げ出したい気持ちを抑え、毅然とした態度を保とうと努めた。だが、リーヴェントンの冷たい笑みが彼女を逃がしてはくれなかった。
「これはこれは、クラリティ嬢。久しぶりだね。」
彼はわざとらしく礼儀正しい口調で話しかけてきた。その声には明らかに嘲笑の色が含まれていた。エリシアは意味ありげに微笑み、クラリティを見下すように目を細めた。
「お久しぶりです、リーヴェントン様。お幸せそうで何よりです。」
クラリティは内心の動揺を隠しながら、できるだけ落ち着いた声で答えた。だが、その言葉に対して彼は鼻で笑い、腕を組んだまま口元を歪めた。
「そうだろう?エリシアといると、まるで天国にいるような気分だ。君と違って、彼女は知性も教養も申し分ない。それに、美貌も……ね。」
その侮辱的な言葉に、クラリティは心の中で怒りと屈辱が渦巻くのを感じた。彼がこれほどまでに冷酷な男だったとは思わなかった。だが、ここで感情をあらわにしては、彼の思う壺だと理解していた。
「素敵なご関係ですね。どうぞ末永くお幸せに。」
そう言って微笑みを作り、頭を下げると、クラリティはその場を立ち去ろうとした。しかし、リーヴェントンはそれを許さなかった。
「ところで聞いたよ、君が公爵家のガルフストリームと結婚することになったそうだね。」
彼の声には皮肉が込められていた。クラリティは足を止め、振り返らずに答えた。
「ええ、そうです。ご存じだったのですね。」
リーヴェントンは声を上げて笑った。その笑いは周囲の人々を振り返らせるほど大きく、耳障りだった。
「君があんな冷たい男と結婚するなんて、さぞ面白い夫婦になるだろうね。愛のない形式的な結婚がどれほど虚しいものか、すぐに分かるだろうさ。」
その言葉にクラリティは背筋を凍らせた。彼の言う通り、ガルフストリームとの結婚は形式的なものだった。だが、それを嘲笑する彼の態度に、彼女の中で何かがはじけるような感覚があった。
「リーヴェントン様。」
クラリティは振り返り、彼を真正面から見つめた。彼女の瞳には涙の跡も動揺もなかった。ただ、静かな怒りと決意が宿っていた。
「私は形式的な結婚でも構いません。それでも、自分を捨てた方よりは、誇り高く生きられると思っています。」
その言葉にリーヴェントンは一瞬動揺したように見えたが、すぐにその表情を取り繕った。しかし、周囲の人々がその言葉にどこか感心したように頷いているのを見て、彼の顔にはかすかな苛立ちが浮かんだ。
「ほう、強がりが上手になったな。」
彼は嘲るように言い残し、エリシアと共に歩き去った。
---
リーヴェントンと別れた後、クラリティは静かに公爵邸へと向かった。ガルフストリームとの契約は、彼女がこれからの人生で背負う新たな枷だった。だが、リーヴェントンの嘲笑に対して自分を保てたことで、彼女の中には少しだけ誇りが戻ってきた気がした。
「形式的な結婚でも……私には私のやり方がある。」
彼女は心の中でそう呟き、次第に湧き上がる決意に自分を奮い立たせた。これから先、どれだけ冷たい現実が待っていようとも、彼女は自分自身を失わないと誓った。ガルフストリームとの結婚は、彼女が未来を取り戻すための新たな第一歩だったのだ。
クラリティはガルフストリームとの二度目の会合に臨むため、公爵邸へと向かった。初めて彼と会った時の冷たい印象は、今でも彼女の心にくすぶっていた。形式的な結婚、愛のない契約、干渉しない生活――どれを取っても彼女が夢見ていた結婚とは程遠いものだった。しかし、この道以外に生きる術がないことを理解していた彼女は、気持ちを奮い立たせて扉を叩いた。
客間で待っていたガルフストリームは、前回と同じように無表情な顔で迎え入れた。彼の態度はあくまで事務的で、温かみを感じさせるものではなかった。執事がクラリティに椅子を勧めると、ガルフストリームは彼女が座るのを待ってから、切り出した。
「では、結婚契約の詳細について話そう。」
彼はすぐに本題に入った。その声には一切の躊躇もなく、まるでビジネスの交渉でもしているかのようだった。
---
契約の条件
ガルフストリームが取り出したのは、分厚い書類だった。そこには結婚に関する詳細な取り決めが記されており、彼はその内容を一つずつ説明していった。
「まず、私たちの結婚は形式的なものとする。互いに愛情を求めることはしない。表向きは夫婦として振る舞うが、実際には独立した生活を送る。これはお互いの自由を尊重するための取り決めだ。」
彼の冷静な口調にクラリティは微かに眉をひそめたが、何も言わずに聞き続けた。彼が続ける。
「次に、君が望むならば、好きに社交界へ出ることを許可する。ただし、私が公爵家の名誉を損なうと判断した行動を取った場合、契約の解除を求める権利を持つ。」
「……なるほど。」
クラリティは短く返事をしたが、その条件に重さを感じた。彼女の行動は全て、公爵家の利益を損なわない範囲でのみ許されるということだった。
「さらに、経済的な自由も保証する。君には年間一定額の手当を支給し、君個人の支出には干渉しない。ただし、その額を超える要求があれば、私の承認が必要となる。」
「その金額はどの程度でしょうか?」
クラリティが質問すると、彼は即座に答えた。
「君が必要とする範囲で十分な額だ。具体的な数字はここに記してある。」
彼は書類の一部を指し示した。クラリティが目を通すと、提示された額は彼女の想像以上に多く、生活に困ることはなさそうだった。
---
最も厳しい条件
ガルフストリームは最も重要な部分に差し掛かると、一瞬だけ間を置いた。
「そして最後に――互いに私的な生活には一切干渉しないこと。」
その言葉にクラリティは一瞬、息を呑んだ。彼がそう言うのには理由があるように思えた。彼女は思い切って問いかけた。
「その条件は、特に強調されているように思えますが……なぜですか?」
ガルフストリームは少しだけ表情を曇らせたが、すぐに平静を取り戻した。
「私は自由でいることを何よりも重視する。そして、君にも同じ自由を与えたい。それだけだ。」
彼の言葉には、それ以上の説明はなかったが、クラリティは彼の瞳の奥に一瞬だけ孤独の影を見た気がした。それ以上追及するのは無粋だと思い、彼女は静かに頷いた。
「分かりました。その条件を受け入れます。」
---
クラリティの決意
契約内容を全て確認し、クラリティは最後にサインを求められた。ガルフストリームは、何かを期待するわけでもなく、ただ静かに彼女の判断を待っていた。クラリティは書類に目を落としながら、心の中で自分に問いかけた。
「本当にこれでいいの?」
答えは分からなかった。しかし、彼女にはもう後戻りできる道はない。リーヴェントンとの婚約破棄で失った名誉を取り戻し、貴族社会で再び生きるためには、この契約を受け入れるしかない。彼女はペンを取り、名前を書き入れた。
---
契約が正式に成立した瞬間、ガルフストリームは淡々とした態度を崩さずに言った。
「これで君は私の妻になる。準備が整い次第、式を執り行う。」
彼の声には、どこか安心感すら漂っていた。その一方で、クラリティの胸には不安と緊張が渦巻いていた。これから始まる結婚生活がどのようなものになるのか、彼女には全く想像がつかなかった。
---
新たな人生の幕開け
屋敷を後にしたクラリティは、胸の中に複雑な思いを抱えていた。形式的な結婚とはいえ、これが彼女にとって新しい人生の始まりだった。そして、この契約がどのような未来をもたらすのかは、彼女自身の覚悟と行動にかかっている。
「私は、私のやり方でこの状況を乗り越えてみせる。」
そう心に誓い、彼女は前を向いて歩き出した。その先には、冷たく厳しい運命が待ち受けているかもしれない。それでも、彼女は一歩ずつ進むしかなかった。
1
あなたにおすすめの小説
閉じ込められた未亡人は、当主となった義息と契約する。
黒蜜きな粉
恋愛
借金の肩代わりとして後妻に入った私は、
妻と呼ばれながら屋敷の離れで「いないもの」として暮らしていた。
ある雪の日、夫が事故死したと告げられる。
だが、葬儀に出ることすら許されず、私は部屋に閉じ込められた。
新たに当主となった継子は言う。
外へ出れば君は利用され奪われる、と。
それが保護であり、同時に支配なのだと理解したとき、
私はその庇護を条件付きの契約に変えることを選ぶ。
短いお話です。
※第19回恋愛小説大賞にエントリーしております。
私を簡単に捨てられるとでも?―君が望んでも、離さない―
喜雨と悲雨
恋愛
私の名前はミラン。街でしがない薬師をしている。
そして恋人は、王宮騎士団長のルイスだった。
二年前、彼は魔物討伐に向けて遠征に出発。
最初は手紙も返ってきていたのに、
いつからか音信不通に。
あんなにうっとうしいほど構ってきた男が――
なぜ突然、私を無視するの?
不安を抱えながらも待ち続けた私の前に、
突然ルイスが帰還した。
ボロボロの身体。
そして隣には――見知らぬ女。
勝ち誇ったように彼の隣に立つその女を見て、
私の中で何かが壊れた。
混乱、絶望、そして……再起。
すがりつく女は、みっともないだけ。
私は、潔く身を引くと決めた――つもりだったのに。
「私を簡単に捨てられるとでも?
――君が望んでも、離さない」
呪いを自ら解き放ち、
彼は再び、執着の目で私を見つめてきた。
すれ違い、誤解、呪い、執着、
そして狂おしいほどの愛――
二人の恋のゆくえは、誰にもわからない。
過去に書いた作品を修正しました。再投稿です。
バケモノ貴公子は傷を負った令嬢を寵愛する
冬野 海
恋愛
命をかけて救った王女は婚約者になった。
だが第一騎士団長である彼は、「バケモノ」と罵られている。
事件を境に、彼は下弦の月の仮面を被る。
そんな彼の前に現れたのは、仮面の下の「バケモノ」を見ても恐れない少女だった。
冷静、冷徹だけど、不器用な仮面の騎士と、不思議な魅力を持ちながら、消えない傷を抱える少女の深い恋の物語。
——この素顔は君だけのもの
この刻印はあなただけのもの——
初めまして。本作品に目を留めていただき、ありがとうございます。
1月5日から【6時・21時】に公開予定です。
1日に2話ずつ更新します。短いお話の回は、3話になることもあります。
ぜひ、近況ボードにもお立ち寄りください。
もしお気づきの点がありましたら、優しくご指摘いただけると嬉しいです。
どうぞよろしくお願いいたします。
不機嫌な侯爵様に、その献身は届かない
翠月 瑠々奈
恋愛
サルコベリア侯爵夫人は、夫の言動に違和感を覚え始める。
始めは夜会での振る舞いからだった。
それがさらに明らかになっていく。
機嫌が悪ければ、それを周りに隠さず察して動いてもらおうとし、愚痴を言ったら同調してもらおうとするのは、まるで子どものよう。
おまけに自分より格下だと思えば強気に出る。
そんな夫から、とある仕事を押し付けられたところ──?
完結 愚王の側妃として嫁ぐはずの姉が逃げました
らむ
恋愛
とある国に食欲に色欲に娯楽に遊び呆け果てには金にもがめついと噂の、見た目も醜い王がいる。
そんな愚王の側妃として嫁ぐのは姉のはずだったのに、失踪したために代わりに嫁ぐことになった妹の私。
しかしいざ対面してみると、なんだか噂とは違うような…
完結決定済み
天然だと思ったギルド仲間が、実は策士で独占欲強めでした
星乃和花
恋愛
⭐︎完結済ー本編8話+後日談7話⭐︎
ギルドで働くおっとり回復役リィナは、
自分と似た雰囲気の“天然仲間”カイと出会い、ほっとする。
……が、彼は実は 天然を演じる策士だった!?
「転ばないで」
「可愛いって言うのは僕の役目」
「固定回復役だから。僕の」
優しいのに過保護。
仲間のはずなのに距離が近い。
しかも噂はいつの間にか——「軍師(彼)が恋してる説」に。
鈍感で頑張り屋なリィナと、
策を捨てるほど恋に負けていくカイの、
コメディ強めの甘々ギルド恋愛、開幕!
「遅いままでいい――置いていかないから。」
嫌われたと思って離れたのに
ラム猫
恋愛
私は、婚約者のカイルに嫌われたと思った。冷たくそっけなく、近づくたびに避けられる日々。
距離を置くことを選び、留学の準備も進めて心を落ち着かせようとするけれど——。
「わざわざ始まるまでまたないで、今のうちに手を打ったってよくない?」
イチイ アキラ
恋愛
アスター公爵令嬢エステルは、夢をみる。それは先を映す夢。
ある日、夢をみた。
この国の未来を。
それをアルフレッド王太子に相談する。彼女を愛して止まない婚約者に。
彼は言う。
愛する君とぼくの国のためなら、未来を変えるのも仕方なくない?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる