「国家反逆罪で追放?濡れ衣は嫌なので国家反逆実行しちゃいます!」

しおしお

文字の大きさ
3 / 20

第3話 追放の旅立ち

しおりを挟む
 ナヴィアは小さな手で涙をぬぐいながら、侍女アルマに支えられて宮殿を後にした。父のいる大好きな宮殿を離れることになり、胸がぎゅうっと痛む。



「アルマ、わたし、本当に追い出されちゃうの?」

ナヴィアの目には涙がたまり、声が震えていた。



「大丈夫です、ナヴィア様。この旅はきっと、新しい未来への第一歩です。」

アルマは優しく言いながら、ナヴィアの手をぎゅっと握りしめた。



ナヴィアはその言葉に少しだけ元気を取り戻したものの、まだ不安が拭えない。



「でも、お父様に会えないまま、さようならするなんて、そんなのいやだよ……。」

アルマは微笑みながら、ナヴィアの肩に手を置いた。



「陛下はきっと、ナヴィア様のことを信じて待っておられます。だからこそ、ナヴィア様が元気でいることが何より大切です。」





---



馬車での旅立ち



ナヴィアとアルマを乗せた馬車が、ゆっくりと宮殿を出発した。馬車の中で、ナヴィアは不安そうに窓の外を見つめていた。



「アルマ、この馬車、どこに行くの?」

ナヴィアの幼い声には、少しだけ冒険心が混じっていた。



「隣国のエトワール王国です。セリーナ様がいらっしゃる国ですよ。」

アルマの説明を聞いて、ナヴィアの目が輝いた。



「セリーナお姉様に会えるの!?それならちょっと楽しみ!」



ナヴィアは少しだけ笑顔を見せたが、すぐにまた考え込んだような表情になった。



「でも、セリーナお姉様に会ったら、わたし、どうしたらいいのかな?お父様を助ける方法、わからないよ……。」



アルマはナヴィアの小さな手を握り、静かに言った。



「ナヴィア様、まずはセリーナ様にお話を聞いていただきましょう。そして、一緒に考えましょう。」



ナヴィアはその言葉にうなずき、小さな拳を握りしめた。



「うん、わかった!お姉様と一緒なら、きっと何かできるよね!」





---



旅路の危機



馬車は山道にさしかかり、周囲がだんだん暗くなってきた。その時、突然馬車がガタンと大きく揺れた。



「きゃっ!」

ナヴィアは驚き、アルマにしがみついた。



「ナヴィア様、ご安心ください。私がいますから。」

アルマがナヴィアを抱きしめて安心させようとしたその瞬間、外から荒々しい声が聞こえた。



「止まれ!馬車を降りろ!」



ナヴィアは目を見開き、小さな声でささやいた。



「アルマ、誰かが怒ってる……怖いよ……。」



「大丈夫です、ナヴィア様。私が守ります。」

アルマは冷静な声で答え、馬車の扉を少しだけ開けて外を確認した。



そこには、武器を持った男たちが馬車を囲んでいた。男たちはニヤニヤと不気味な笑みを浮かべながら近づいてくる。



「この馬車の中に王女がいるんだろう?出てこい!」

その声を聞いたナヴィアは震えながら、アルマの後ろに隠れた。



「アルマ、あの人たち、誰なの?どうしてわたしを探してるの?」



「……宰相の差し金かもしれません。」

アルマは険しい表情を浮かべながら、ナヴィアを守るように体を張った。



「ナヴィア様、ここでじっとしていてください。」

アルマが馬車を降りようとしたその時、突然、馬車の外で大きな声が響いた。



「おい、こいつらは何をやってるんだ?」





---



謎の青年の登場



男たちが驚いて振り返ると、そこには一人の青年が立っていた。背の高いその青年は、鋭い目で男たちを睨みつけている。



「お前たち、こんな小さな馬車を襲うなんて、情けないと思わないのか?」

青年の声には怒りが込められていた。



男たちは動揺しながらも、武器を構えた。



「なんだお前!関係ないなら引っ込んでろ!」



「関係ないかどうかは、これから決める。」

青年はそう言うと、素早い動きで男たちに向かっていった。



「すごい……!」

ナヴィアは馬車の中からその様子を見て、目を輝かせた。青年の動きは驚くほど早く、男たちが次々と倒されていく。



「アルマ、あの人、すごく強いね!」



「ええ、本当に……。」

アルマも感心しながら、ナヴィアをしっかりと守っていた。





---



助けられたナヴィア



男たちが全て倒れた後、青年は馬車に近づいてきた。ナヴィアは恐る恐る窓から顔を出し、小さな声で尋ねた。



「あなた、誰なの?」



青年は微笑みながら答えた。



「俺はビクター。ただの冒険者さ。」



「ビクターさん、ありがとう!わたし、ナヴィアっていうの!」



ビクターはその名前を聞いて、一瞬だけ驚いたような表情を浮かべたが、すぐに微笑みを浮かべた。



「ナヴィアか。可愛い名前だな。それより、君たちが無事でよかった。」





---



新たな決意



ビクターとアルマのおかげで安全を確保したナヴィアは、改めて自分の胸に手を当てて決意した。



「アルマ、ビクターさん、ありがとう。わたし、もっと頑張る!お父様を助けるために、絶対負けない!」



ビクターはその言葉を聞き、少しだけ不思議そうな顔をしながらも頷いた。



「そうか。君がそんなに頑張るなら、俺も力を貸すよ。」



こうしてナヴィアは、新たな仲間とともに、次の目的地であるエトワール王国へ向かう旅を再開するのだった。





---





しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

感情の無い聖女様は、公爵への生贄にされてしまいました

九条 雛
恋愛
「――私など、ただの〝祈り人形〟でございます。人形に感情はありませぬ……」 悪逆非道の公爵の元へと生贄として捧げられてしまった聖女は、格子の付いた窓を見上げてそう呟く。 公爵は嗜虐に満ちた笑みを浮かべ言い放つ。 「これからは、三食きちんと食べてもらおう。こうして俺のモノとなったからには、今までのような生活を送れるとは思わぬことだな」 ――これは、不幸な境遇で心を閉ざしてしまった少女と、その笑顔を取り戻そうとする男の物語。

学生時代、私をいじめていた女と一緒に異世界召喚されたけど、無能扱いされた私が実は本物の聖女で、いじめていた女は災厄を呼ぶ魔女でした。

さら
恋愛
いじめていた女と一緒に異世界召喚された私。 聖女として選ばれたのは彼女で、私は無能扱いされ追放された。 だが、辺境の村で暮らす中で気づく。 私の力は奇跡を起こすものではなく、 壊れた世界を“元に戻す”本物の聖女の力だった。 一方、聖女として祭り上げられた彼女は、 人々の期待に応え続けるうち、 世界を歪め、災厄を呼ぶ魔女へと変わっていく――。

婚約破棄された幼い公爵令嬢、目覚めたら絶世の美女でした

鍛高譚
恋愛
『幼すぎる』と婚約破棄された公爵令嬢ですが、意識不明から目覚めたら絶世の美女になっていました 幼すぎる、頼りない――そんな理由で婚約者に見限られた公爵令嬢シルフィーネ。 心ない言葉に傷ついた彼女は、事故に遭い意識不明となってしまう。 しかし一年後、彼女は奇跡的に目を覚ます。 そして目覚めた彼女は――かつての面影を残しつつも、見る者すべてを惹きつける絶世の美女へと変貌を遂げていた! 周囲の反応は一変。婚約破棄を後悔する元婚約者、熱視線を送る他家の令息たち、さらには王太子からの突然の縁談まで舞い込み――? 「もう、誰にも傷つけられたくない。私は私の幸せを手に入れるの」 これは、冷たく突き放された少女が美しく咲き誇り、誇りと自由を手に入れる、ざまぁ&逆転恋愛劇。

【完結】 笑わない、かわいげがない、胸がないの『ないないない令嬢』、国外追放を言い渡される~私を追い出せば国が大変なことになりますよ?~

夏芽空
恋愛
「笑わない! かわいげがない! 胸がない! 三つのないを持つ、『ないないない令嬢』のオフェリア! 君との婚約を破棄する!」 婚約者の第一王子はオフェリアに婚約破棄を言い渡した上に、さらには国外追放するとまで言ってきた。 「私は構いませんが、この国が困ることになりますよ?」 オフェリアは国で唯一の特別な力を持っている。 傷を癒したり、作物を実らせたり、邪悪な心を持つ魔物から国を守ったりと、力には様々な種類がある。 オフェリアがいなくなれば、その力も消えてしまう。 国は困ることになるだろう。 だから親切心で言ってあげたのだが、第一王子は聞く耳を持たなかった。 警告を無視して、オフェリアを国外追放した。 国を出たオフェリアは、隣国で魔術師団の団長と出会う。 ひょんなことから彼の下で働くことになり、絆を深めていく。 一方、オフェリアを追放した国は、第一王子の愚かな選択のせいで崩壊していくのだった……。

編み物好き地味令嬢はお荷物として幼女化されましたが、えっ?これ魔法陣なんですか?

灯息めてら
恋愛
編み物しか芸がないと言われた地味令嬢ニニィアネは、家族から冷遇された挙句、幼女化されて魔族の公爵に売り飛ばされてしまう。 しかし、彼女の編み物が複雑な魔法陣だと発見した公爵によって、ニニィアネの生活は一変する。しかもなんだか……溺愛されてる!?

「わざわざ始まるまでまたないで、今のうちに手を打ったってよくない?」

イチイ アキラ
恋愛
アスター公爵令嬢エステルは、夢をみる。それは先を映す夢。 ある日、夢をみた。 この国の未来を。 それをアルフレッド王太子に相談する。彼女を愛して止まない婚約者に。 彼は言う。 愛する君とぼくの国のためなら、未来を変えるのも仕方なくない?

竜帝に捨てられ病気で死んで転生したのに、生まれ変わっても竜帝に気に入られそうです

みゅー
恋愛
シーディは前世の記憶を持っていた。前世では奉公に出された家で竜帝に気に入られ寵姫となるが、竜帝は豪族と婚約すると噂され同時にシーディの部屋へ通うことが減っていった。そんな時に病気になり、シーディは後宮を出ると一人寂しく息を引き取った。 時は流れ、シーディはある村外れの貧しいながらも優しい両親の元に生まれ変わっていた。そんなある日村に竜帝が訪れ、竜帝に見つかるがシーディの生まれ変わりだと気づかれずにすむ。 数日後、運命の乙女を探すためにの同じ年、同じ日に生まれた数人の乙女たちが後宮に召集され、シーディも後宮に呼ばれてしまう。 自分が運命の乙女ではないとわかっているシーディは、とにかく何事もなく村へ帰ることだけを目標に過ごすが……。 はたして本当にシーディは運命の乙女ではないのか、今度の人生で幸せをつかむことができるのか。 短編:竜帝の花嫁 誰にも愛されずに死んだと思ってたのに、生まれ変わったら溺愛されてました を長編にしたものです。

婚約破棄された際もらった慰謝料で田舎の土地を買い農家になった元貴族令嬢、野菜を買いにきたベジタリアン第三王子に求婚される

さら
恋愛
婚約破棄された元伯爵令嬢クラリス。 慰謝料代わりに受け取った金で田舎の小さな土地を買い、農業を始めることに。泥にまみれて種を撒き、水をやり、必死に生きる日々。貴族の煌びやかな日々は失ったけれど、土と共に過ごす穏やかな時間が、彼女に新しい幸せをくれる――はずだった。 だがある日、畑に現れたのは野菜好きで有名な第三王子レオニール。 「この野菜は……他とは違う。僕は、あなたが欲しい」 そう言って真剣な瞳で求婚してきて!? 王妃も兄王子たちも立ちはだかる。 「身分違いの恋」なんて笑われても、二人の気持ちは揺るがない。荒れ地を畑に変えるように、愛もまた努力で実を結ぶのか――。

処理中です...