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8 解放
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召使いの部屋までの道のりは、テンを先頭にユジュン、ヒースと続いてしんがりはイリヤという形に変わっていた。
時たま、人魂らしきものが向かってくるが、何か、見えないドーム状の膜が張られていて、それに跳ね返されている。
これは、テンの貼ったお札の効果らしかった。護符が力を発揮し、ユジュンたちを悪霊から守ってくれているのだ。
「護符、役に立ってよかったわぁ。念のために持ってきて、正解やった」
「転ばぬ先の杖? 案ずるより産むが易し?」
ユジュンは頭に浮かんだことわざを連発した。
「ちゃうちゃう、ユッちゃん。備えあれば憂いなし、や」
「確かに!」
ユジュンは納得して手を打った。
『それにしても、この屋敷は騒がしいな。不成仏霊がうやうやいやがる。どっから湧いて出たんだ』
「それは、おじさん。フローレンスさんの呪いなんじゃないの?」
「なになに、どしたん」
テンがユジュンとクーガーの会話に割って入ってきた。
「うん。おじさんが、不成仏霊が多い、どこから湧いてきたのかって」
「それは、あのフローレンスさんが支配してた力場が解放されて、閉じ込められてた屋敷の住人たちが一気に出てきた結果やろうなぁ」
「そんなこと、出来るの?」
「よっぽど恨みというか、心残りが強かったんちゃうかな」
「痴情のもつれ」
イリヤがぽつりとつぶやいた。と、そのとき、イリヤの左上に、人魂がぶつかって見えない膜に弾き返された。ちょっとした振動に、イリヤは左目を一瞬閉じた。
「霊は霊を呼ぶし…大人の事情はボクらには分からん話やな」
厨房を抜けて、ちょっとした階段を降りると、召使いたちが休息を取るためのスペースがあった。待機場所とも言えるだろうか。大きな石造りのテーブルが置いてある。
その先に進むと、ずらっとドアが並んでいた。召使いたちに与えられた、個室だと思われる。ドアは開いているものもあれば、閉じているものもある。とにかく、どこもかしこもが夜盗に荒らされているので、とっちらかっていて足下が悪い。
「メアリさん、メアリさんはいませんかぁ」
テンがメアリの霊を探して、大声を張り上げる。
「メアリさ…」
幾つのドアを通り過ぎただろうか、開いたままの部屋から、一人の女性が、ふらりとまろびでてきた。その右手には、エメラルドのブローチらしきものが握られている。
「メアリさんですね? その、ブローチを持ち主に返してくれませんか」
カッとメアリがテンの方を見た。
長い髪をひっつめて、お団子にして一つにまとめてあるが、それが乱れて、髪が額や頬に落ちかかっている。見れば、その左胸には深々とダガーが突き刺さっている。
見開いた目は爬虫類のようにぎょろりとしていて、人間ではあり得ない動きを眼球がしていた。鼻は潰れ、口が大きく裂けている。
既にメアリは人間の姿ではなくなっている。
「あかん! 悪霊に汚染されとる…!」
テンの言葉に、ユジュンは身構えた。確かに目の前のメアリは人の子ではなくなっている。
『これは、私のものだ! 誰にも渡さない!』
メアリはそう叫ぶと、長い舌を出してブローチをその上に乗せた。それをそのまま口の中へと入れて飲み込んでしまった。
『おまえたちは、あの夜盗どもの手下か! 食ろうてやる!』
メアリの背後から長い影が伸びて、ぶわっとメアリ自身の身体も膨らんだ。髪が完全にほどけてゆらりゆらりと風になびき、両手足は爬虫類のそれになって、長く鋭い爪へと変わってしまった。
メアリの右前足が先頭に立っていたテン目がけて襲いかかって来た。
だが、その爪がテンに届く前に、
「テンちゃん……!」
「うわっ!」
すんでの所でユジュンが横っ飛びになり、テンをメアリの刃から守った。メアリの爪が空を斬った音がした。二人で横倒しになり、埃の積もった床を滑った。
『大丈夫か、小僧ども!』
クーガーはグルルルと低いうなり声を発して、臨戦態勢だ。
「おじさん!」
「クーガー!」
その隙に、しんがりにいた筈のイリヤが回り込んできて、素早くテンとユジュンの前に立ち、懐から取り出した、あの曰く付きの逆十字のペンダントをメアリに向かって掲げた。
「魔よ、立ち去れ」
イリヤの声は冷たく、容赦がなかった。
赤黒い波動が、逆十字のペンダントから放出されて、メアリを直撃した。
『ぎぃやあああああ!!』
耳をつんざくような、絶叫。あまりにも汚い、汚泥から響いてくるような叫び声だった。
ぼろぼろと、メアリを覆っている影が崩れ出す。イリヤが使ったのは退魔の力だ。
グルゥと低く鳴いたクーガーが、暴れるメアリの喉笛に噛みついた。メアリが振りほどこうと頭を振り回すが、クーガーの鋭い牙は、その首に深く食い込んでいてびくともしない。
「クーガー! メアリから離れて!」
そこを好機と見て取ったテンが、新たな札を取り出した。
「雷廷招来!」
そう叫ぶや否や、四方から目もくらむ稲妻が走り、メアリだった化け物を直撃した。
『ぎゃあああああッッッ!!!』
先ほどより、更に耳ざわりの悪い、断末魔の叫び声だった。
メアリから影が引き、徐々に人間の姿に戻りつつあったとき、
「救急如律令!」
テンが追い打ちをかけるように、飛んで、とある札をメアリの額に貼り付けた。
メアリがぐらりと人の形に戻った身体を歪ませて、その場に倒れ込んだ。
「やった、のか……?」
一人、蚊帳の外で状況を見守っていたヒースが、そっときいた。
「悪い憑きものは取れた、はずや」
「正気に戻ったかな?」
「成仏は、してない」
「話、聞こ」
四人と一匹は、倒れたメアリの周囲を取り囲んで屈んだ。
「メアリさん?」
一番に声をかけたのは、やはりテンだった。
『ああ…私は、死んだはずでは…あなたたちは?』
「ボクらは通りすがりの探検隊です。メアリさん、自分のしたこと分かってはりますか」
『私は…』
「旦那様に大きい嘘を吹聴しましたね?」
テンに攻められて、思い当たる節があったのか、メアリはすぐに罪を認めた。
『私はただ、旦那様に気に入られたフローレンスが羨ましかった』
「あなたのついた、心ない嘘が原因で、その旦那様は毒を煽って自殺したんですよ」
『ええっ?! 旦那様が…? 夜盗に殺されたのではなくて…?』
「はい。どのみち、夜盗に殺されて、結果は同じやったかもしれません。でも、フローレンスさんが気の毒すぎます」
『私が妬んだばっかりに…フローレンスに、旦那様にひとこと、謝りたい…』
「後悔してはるんですか」
「ブローチを盗んだこと、認めんのかよ?」
ヒースが口を差し挟んだ。
『はい…愛の証である、あのブローチさえ取り上げてしまえば、旦那様のフローレンスに対する不信感が最も深まると思ったので…』
「そんで、マシューさんを引き合いに出して、ホラ話を吹き込んだ、と」
テンは女の嫉妬に、飽き飽きしているようだった。
『私だって、旦那様をお慕いしていたのです』
「でも、旦那様が愛してはったんは、フローレンスさんですよ」
「横恋慕もいいとこだぜ」
嫌な横やり入れやがって、とヒースが吐き捨てた。
『私は、許されるでしょうか……』
「あの世で反省したら、あるいは」
その先のことは、おそらくテンにも分からない、未知の領域だろう。
『ごめんなさい、ごめんなさい……』
不調法な召使い、哀れな召使いの女は、懺悔の言葉を残して昇天しゆく。ジグソーパズルのピースが欠けていくようにして、保っていた人の形を失っていった。最後は骨だけの骸と化した。
肋骨に守られるように、エメラルドのブローチが輝き、存在感を示していた。
「これが、フローレンスさんの欲しがってた、ブローチ?」
ユジュンは肋骨の隙間から手を差し伸べ、ブローチを取り出した。
「純度の高いエメラルド、やね」
ユジュンの手の中で輝くブローチを、テンは眺めた。
「さぞかし高いんだろうぜ。よくもまあ、夜盗に持っていかれずに残ったもんだよな」
目利きの出来るヒースがそう言い捨てた。
「そこは、メアリが必死で、隠し通したんだろ。ボールルームへ、戻ろう」
イリヤが立ち上がった。
四人と一匹は、半地下のスペースを出て、二階のボールルームを目指した。
だが、行きに比べて、何やら騒がしい。
「なんか、霊の数が増えてない?」
テンの貼った札の効果により、見えない膜に跳ね返される人魂を、ユジュンは見ていた。
「フローレンスさんの覚醒から時間が経って、霊が活性化してるんや。外に出とうてしゃあないって感じで暴れとる」
「この札の結界もいつまでもつかわかんねぇ。さっさとボールルームへ行こうぜ」
ヒースが先頭に立つテンの背を押した。
片手にランタン、背には大きな荷物を背負ったテンは、その弾みで、おっとっとと、たたらを踏んだ。
そんなこんなで順調にボールルームまで進路をとった一行は、無事、目的地へとたどり着いたのだった。
ボールルームの扉を開けると、外とは違い、しんと静まりかえった部屋が露わになった。
「フローレンスさん、いる?」
「うん、ユッちゃん。まだ、いてはるで」
テンは左手をユジュンに向かって差し出した。
また、さっきのように手を繋いで、テンの見るビジョンを共有しようというのだ。ユジュンは黙って手を繋いだ。ヒースとも同じように繋ぎ、イリヤもヒースと手を繋いだ。
「フローレンスさん」
テンが呼びかけると、床に伏せって顔を覆い、めそめそと泣いていたフローレンスが、ゆっくりと顔を上げてこちらを見た。相変わらず、影に覆われていて、顔かたちははっきりしない。
『あなたたち……戻って来られたのね』
「はい。ブローチも取り返して来ました」
『本当に?!』
フローレンスがびっくりするほど、大きな声を出した。空気がビリビリと震える。
「旦那様、レイブンさんは、フローレンスさんの身を案じてらっしゃいました。メアリさんは罪を認めて、謝ってました」
『そう…なのね…二人に会ってきたのね…』
「一つ聞いてええですか」
『なにかしら』
「あなたは、ここで殺されたんですか?」
『いいえ。私も、メアリと同じく、召使いの部屋で休んでいる所を襲われました。ここは、旦那様とワルツを踊った思い出の場所なので』
それで、ここに巣くっていたようだ。霊はより、未練が強いほど力を持ち、思い入れのある場所にこだわる傾向にあるらしい。
「これ、取り返して来たブローチです」
テンは右手に握ったエメラルドのブローチをフローレンスに差し出した。
『………』
フローレンスは怖々と手を伸ばし、そっと、ブローチを受け取った。
『ええ、確かに、確かに旦那様に頂いた、ブローチです……!』
フローレンスはブローチを胸に抱いて、自分自身を抱くような格好になった。
そして、未練が回収された結果か、彼女を覆っていた影が晴れて、その姿がくっきりと闇に浮かび上がった。
フローレンスがぽとりと一滴、涙を零した。それが、床に落ちた瞬間、そこから景色がガラリと変化を遂げた。
ボールルームはいつしか、ホテイアオイの花が咲き誇る、一面の花畑へと変わり、空には澄み渡る青が広がった。
「うわああ…」
ユジュンは口を開けて、その景色の美しさに見惚れた。
薄紫色の可憐なホテイアオイの花。夏の終わりには相応しい情景だった。
「これが、本来のフローレンスさんの心の世界なんですね」
テンが、ため息交じりで言った。
ヒースとイリヤも無言で、突如として現れた景色をぐるりと三百六十度見渡していた。
これまで屋敷に広がっていた、おどろおどろしい闇の世界は、本来のフローレンスの心の世界ではなかったのだ。真実は、今のこの美しい風景を持つに見合った心の持ち主だったのだ。
『ありがとう。名もなき小さな冒険者さんたち…これで、私の無念も、未練も晴らされました。やっとあの世へと旅立てます』
フローレンスの身体から、光が溢れ、輝き始めた。
『ありがとう、そして、さようなら』
フローレンスは光り輝きながら、すぅっと天に昇っていき、姿を消した。
青空とホテイアオイの花の景色は消え、彼女のいた場所には、エメラルドのブローチがぽつんと残されていた。あの世に持って帰れるのは、心だけ。幾ら大事なものでも、持って帰ることは叶わない。それが、因果の理法である。
「どうしよっか、このブローチ……」
ブローチを拾いに行ったユジュンだったが、ブローチは触れようとした瞬間に、亀裂が走り、バラバラに砕け散ってしまった。
「あーあ…」
ユジュンは残念に思ったが、そのとき、どこからともなく、こんな声が聞こえて来た。
『第一ゲート、解放』
男とも、女ともつかない、電子音の声だった。
そして、光の柱が立ち、天井も突き破ってその光は天まで伸びていった。
「……?」
ユジュンは疑問だらけの顔で、仲間を振り返った。
誰も彼もが、ぽかんとした表情をしている。
「第一ゲートってなんやろ?」
確かにゆうたやんな、とテンはヒースに確認していた。
「おお…なんのことだか、さっぱりだ」
「何かが、解放された…?」
イリヤまでもが、狐につままれたような顔をしている。
『運命の歯車が、動き出したのかもな』
クーガーが、意味深なことを言った。あやうくスルーしてしまうところだった。ユジュンは愛犬を見つめた。
「おじさん、運命の歯車ってなに?」
『さてな…』
「なんだよぉ」
答えをはぐらかしたクーガーに、ユジュンはじれったく地団駄を踏んだ。
「なんかの始まり…?」
テンが首を捻った。
「ま、全部片付いたからいいんじゃね? ハウスキーパーの霊がいるってのはデマで、お屋敷の愛憎劇が繰り広げられた末の災難でしたってな」
ヒースが今回の冒険を、そう総括した。
「帰るか…」
イリヤが真っ先に踵を返した。
ぞろぞろと、残りの三人もそれに続く。
ボールルームを出た廊下には、先ほどまでのじとじととした空気は失われ、骸骨や人魂の類いも姿を消していた。
ただのほこり臭い、現実から切り離された廃屋に戻っていた。
屋敷の外に出た一行は、奇跡を見た。
「わー、みんな、あれ見て!」
屋敷を振り返ったテンが、声を弾ませた。
「うわあああ、キレイだなぁ」
ユジュンの目に映ったのは、屋敷の屋根から天に昇っていく無数の魂の光だった。まるで帚星が尾を引いて飛んで行くような感じだった。夜明け前の空に、それは映えて見えた。
「屋敷で死んだ奴らの魂が、天に昇っていってんのか」
ヒースも、感動を覚えている様子だ。
「人間は、死んだら終わりだ…帰る場所なんて、ねぇ……」
ただ、イリヤだけがそれを冷めた眼差しで見つめていた。
「それは違うで、イリヤ。人間の本質は魂や。あの世こそが本当の世界で、こっちは仮の世界なんやで」
「フン……」
イリヤはテンの言葉にも耳を貸さずで、歩き始めた。
「待ってよぉ、イリヤ!」
ユジュンはイリヤの後を追った。クーガーもぴったり着いてくる。
「イリヤって頑固やなぁ」
「ま、そこがヤツらしいんじゃねぇの」
ため息を吐いたテンの肩を、ヒースが叩いて、二人も歩き出したのだった。
来た道を引き返し、一時間かけて噴水広場まで帰り着いたのは、空がやっと白み始めた頃だ。
「ま、概ね予定通りだな」
ヒースは満足そうに懐中時計で時間を確かめていた。
「じゃあ、またね」
「またな」
「また、明日ぁ」
それぞれ軽く挨拶を交わして、散り散りに別れた。
宿に着くまでの間に、クーガーが話しかけてくる。
『予想外に大冒険になったな』
「うん。本物の霊を見ちゃった」
『三人もの迷える魂を救ったことは、賞賛に値する』
「えへへ。あんまり褒めないでよ。照れる」
ユジュンはくすぐったくて、頭をかいた。
『フローレンスの怨念によって、あの世にも帰れずにいた屋敷の住人たちの魂を解放してやったことも大きい』
よくやった、とクーガーはユジュンに太鼓判を押した。
手放しに、クーガーがユジュンを褒めることは、滅多にないことなので、それなりの功績を収めたんだな、とユジュンは胸を張った。
この後、少しだけ眠ったら、また朝の仕事が待っている。
だが、このときのユジュンは、運命の輪が廻り始めたことを、まだ知らないでいた。
時たま、人魂らしきものが向かってくるが、何か、見えないドーム状の膜が張られていて、それに跳ね返されている。
これは、テンの貼ったお札の効果らしかった。護符が力を発揮し、ユジュンたちを悪霊から守ってくれているのだ。
「護符、役に立ってよかったわぁ。念のために持ってきて、正解やった」
「転ばぬ先の杖? 案ずるより産むが易し?」
ユジュンは頭に浮かんだことわざを連発した。
「ちゃうちゃう、ユッちゃん。備えあれば憂いなし、や」
「確かに!」
ユジュンは納得して手を打った。
『それにしても、この屋敷は騒がしいな。不成仏霊がうやうやいやがる。どっから湧いて出たんだ』
「それは、おじさん。フローレンスさんの呪いなんじゃないの?」
「なになに、どしたん」
テンがユジュンとクーガーの会話に割って入ってきた。
「うん。おじさんが、不成仏霊が多い、どこから湧いてきたのかって」
「それは、あのフローレンスさんが支配してた力場が解放されて、閉じ込められてた屋敷の住人たちが一気に出てきた結果やろうなぁ」
「そんなこと、出来るの?」
「よっぽど恨みというか、心残りが強かったんちゃうかな」
「痴情のもつれ」
イリヤがぽつりとつぶやいた。と、そのとき、イリヤの左上に、人魂がぶつかって見えない膜に弾き返された。ちょっとした振動に、イリヤは左目を一瞬閉じた。
「霊は霊を呼ぶし…大人の事情はボクらには分からん話やな」
厨房を抜けて、ちょっとした階段を降りると、召使いたちが休息を取るためのスペースがあった。待機場所とも言えるだろうか。大きな石造りのテーブルが置いてある。
その先に進むと、ずらっとドアが並んでいた。召使いたちに与えられた、個室だと思われる。ドアは開いているものもあれば、閉じているものもある。とにかく、どこもかしこもが夜盗に荒らされているので、とっちらかっていて足下が悪い。
「メアリさん、メアリさんはいませんかぁ」
テンがメアリの霊を探して、大声を張り上げる。
「メアリさ…」
幾つのドアを通り過ぎただろうか、開いたままの部屋から、一人の女性が、ふらりとまろびでてきた。その右手には、エメラルドのブローチらしきものが握られている。
「メアリさんですね? その、ブローチを持ち主に返してくれませんか」
カッとメアリがテンの方を見た。
長い髪をひっつめて、お団子にして一つにまとめてあるが、それが乱れて、髪が額や頬に落ちかかっている。見れば、その左胸には深々とダガーが突き刺さっている。
見開いた目は爬虫類のようにぎょろりとしていて、人間ではあり得ない動きを眼球がしていた。鼻は潰れ、口が大きく裂けている。
既にメアリは人間の姿ではなくなっている。
「あかん! 悪霊に汚染されとる…!」
テンの言葉に、ユジュンは身構えた。確かに目の前のメアリは人の子ではなくなっている。
『これは、私のものだ! 誰にも渡さない!』
メアリはそう叫ぶと、長い舌を出してブローチをその上に乗せた。それをそのまま口の中へと入れて飲み込んでしまった。
『おまえたちは、あの夜盗どもの手下か! 食ろうてやる!』
メアリの背後から長い影が伸びて、ぶわっとメアリ自身の身体も膨らんだ。髪が完全にほどけてゆらりゆらりと風になびき、両手足は爬虫類のそれになって、長く鋭い爪へと変わってしまった。
メアリの右前足が先頭に立っていたテン目がけて襲いかかって来た。
だが、その爪がテンに届く前に、
「テンちゃん……!」
「うわっ!」
すんでの所でユジュンが横っ飛びになり、テンをメアリの刃から守った。メアリの爪が空を斬った音がした。二人で横倒しになり、埃の積もった床を滑った。
『大丈夫か、小僧ども!』
クーガーはグルルルと低いうなり声を発して、臨戦態勢だ。
「おじさん!」
「クーガー!」
その隙に、しんがりにいた筈のイリヤが回り込んできて、素早くテンとユジュンの前に立ち、懐から取り出した、あの曰く付きの逆十字のペンダントをメアリに向かって掲げた。
「魔よ、立ち去れ」
イリヤの声は冷たく、容赦がなかった。
赤黒い波動が、逆十字のペンダントから放出されて、メアリを直撃した。
『ぎぃやあああああ!!』
耳をつんざくような、絶叫。あまりにも汚い、汚泥から響いてくるような叫び声だった。
ぼろぼろと、メアリを覆っている影が崩れ出す。イリヤが使ったのは退魔の力だ。
グルゥと低く鳴いたクーガーが、暴れるメアリの喉笛に噛みついた。メアリが振りほどこうと頭を振り回すが、クーガーの鋭い牙は、その首に深く食い込んでいてびくともしない。
「クーガー! メアリから離れて!」
そこを好機と見て取ったテンが、新たな札を取り出した。
「雷廷招来!」
そう叫ぶや否や、四方から目もくらむ稲妻が走り、メアリだった化け物を直撃した。
『ぎゃあああああッッッ!!!』
先ほどより、更に耳ざわりの悪い、断末魔の叫び声だった。
メアリから影が引き、徐々に人間の姿に戻りつつあったとき、
「救急如律令!」
テンが追い打ちをかけるように、飛んで、とある札をメアリの額に貼り付けた。
メアリがぐらりと人の形に戻った身体を歪ませて、その場に倒れ込んだ。
「やった、のか……?」
一人、蚊帳の外で状況を見守っていたヒースが、そっときいた。
「悪い憑きものは取れた、はずや」
「正気に戻ったかな?」
「成仏は、してない」
「話、聞こ」
四人と一匹は、倒れたメアリの周囲を取り囲んで屈んだ。
「メアリさん?」
一番に声をかけたのは、やはりテンだった。
『ああ…私は、死んだはずでは…あなたたちは?』
「ボクらは通りすがりの探検隊です。メアリさん、自分のしたこと分かってはりますか」
『私は…』
「旦那様に大きい嘘を吹聴しましたね?」
テンに攻められて、思い当たる節があったのか、メアリはすぐに罪を認めた。
『私はただ、旦那様に気に入られたフローレンスが羨ましかった』
「あなたのついた、心ない嘘が原因で、その旦那様は毒を煽って自殺したんですよ」
『ええっ?! 旦那様が…? 夜盗に殺されたのではなくて…?』
「はい。どのみち、夜盗に殺されて、結果は同じやったかもしれません。でも、フローレンスさんが気の毒すぎます」
『私が妬んだばっかりに…フローレンスに、旦那様にひとこと、謝りたい…』
「後悔してはるんですか」
「ブローチを盗んだこと、認めんのかよ?」
ヒースが口を差し挟んだ。
『はい…愛の証である、あのブローチさえ取り上げてしまえば、旦那様のフローレンスに対する不信感が最も深まると思ったので…』
「そんで、マシューさんを引き合いに出して、ホラ話を吹き込んだ、と」
テンは女の嫉妬に、飽き飽きしているようだった。
『私だって、旦那様をお慕いしていたのです』
「でも、旦那様が愛してはったんは、フローレンスさんですよ」
「横恋慕もいいとこだぜ」
嫌な横やり入れやがって、とヒースが吐き捨てた。
『私は、許されるでしょうか……』
「あの世で反省したら、あるいは」
その先のことは、おそらくテンにも分からない、未知の領域だろう。
『ごめんなさい、ごめんなさい……』
不調法な召使い、哀れな召使いの女は、懺悔の言葉を残して昇天しゆく。ジグソーパズルのピースが欠けていくようにして、保っていた人の形を失っていった。最後は骨だけの骸と化した。
肋骨に守られるように、エメラルドのブローチが輝き、存在感を示していた。
「これが、フローレンスさんの欲しがってた、ブローチ?」
ユジュンは肋骨の隙間から手を差し伸べ、ブローチを取り出した。
「純度の高いエメラルド、やね」
ユジュンの手の中で輝くブローチを、テンは眺めた。
「さぞかし高いんだろうぜ。よくもまあ、夜盗に持っていかれずに残ったもんだよな」
目利きの出来るヒースがそう言い捨てた。
「そこは、メアリが必死で、隠し通したんだろ。ボールルームへ、戻ろう」
イリヤが立ち上がった。
四人と一匹は、半地下のスペースを出て、二階のボールルームを目指した。
だが、行きに比べて、何やら騒がしい。
「なんか、霊の数が増えてない?」
テンの貼った札の効果により、見えない膜に跳ね返される人魂を、ユジュンは見ていた。
「フローレンスさんの覚醒から時間が経って、霊が活性化してるんや。外に出とうてしゃあないって感じで暴れとる」
「この札の結界もいつまでもつかわかんねぇ。さっさとボールルームへ行こうぜ」
ヒースが先頭に立つテンの背を押した。
片手にランタン、背には大きな荷物を背負ったテンは、その弾みで、おっとっとと、たたらを踏んだ。
そんなこんなで順調にボールルームまで進路をとった一行は、無事、目的地へとたどり着いたのだった。
ボールルームの扉を開けると、外とは違い、しんと静まりかえった部屋が露わになった。
「フローレンスさん、いる?」
「うん、ユッちゃん。まだ、いてはるで」
テンは左手をユジュンに向かって差し出した。
また、さっきのように手を繋いで、テンの見るビジョンを共有しようというのだ。ユジュンは黙って手を繋いだ。ヒースとも同じように繋ぎ、イリヤもヒースと手を繋いだ。
「フローレンスさん」
テンが呼びかけると、床に伏せって顔を覆い、めそめそと泣いていたフローレンスが、ゆっくりと顔を上げてこちらを見た。相変わらず、影に覆われていて、顔かたちははっきりしない。
『あなたたち……戻って来られたのね』
「はい。ブローチも取り返して来ました」
『本当に?!』
フローレンスがびっくりするほど、大きな声を出した。空気がビリビリと震える。
「旦那様、レイブンさんは、フローレンスさんの身を案じてらっしゃいました。メアリさんは罪を認めて、謝ってました」
『そう…なのね…二人に会ってきたのね…』
「一つ聞いてええですか」
『なにかしら』
「あなたは、ここで殺されたんですか?」
『いいえ。私も、メアリと同じく、召使いの部屋で休んでいる所を襲われました。ここは、旦那様とワルツを踊った思い出の場所なので』
それで、ここに巣くっていたようだ。霊はより、未練が強いほど力を持ち、思い入れのある場所にこだわる傾向にあるらしい。
「これ、取り返して来たブローチです」
テンは右手に握ったエメラルドのブローチをフローレンスに差し出した。
『………』
フローレンスは怖々と手を伸ばし、そっと、ブローチを受け取った。
『ええ、確かに、確かに旦那様に頂いた、ブローチです……!』
フローレンスはブローチを胸に抱いて、自分自身を抱くような格好になった。
そして、未練が回収された結果か、彼女を覆っていた影が晴れて、その姿がくっきりと闇に浮かび上がった。
フローレンスがぽとりと一滴、涙を零した。それが、床に落ちた瞬間、そこから景色がガラリと変化を遂げた。
ボールルームはいつしか、ホテイアオイの花が咲き誇る、一面の花畑へと変わり、空には澄み渡る青が広がった。
「うわああ…」
ユジュンは口を開けて、その景色の美しさに見惚れた。
薄紫色の可憐なホテイアオイの花。夏の終わりには相応しい情景だった。
「これが、本来のフローレンスさんの心の世界なんですね」
テンが、ため息交じりで言った。
ヒースとイリヤも無言で、突如として現れた景色をぐるりと三百六十度見渡していた。
これまで屋敷に広がっていた、おどろおどろしい闇の世界は、本来のフローレンスの心の世界ではなかったのだ。真実は、今のこの美しい風景を持つに見合った心の持ち主だったのだ。
『ありがとう。名もなき小さな冒険者さんたち…これで、私の無念も、未練も晴らされました。やっとあの世へと旅立てます』
フローレンスの身体から、光が溢れ、輝き始めた。
『ありがとう、そして、さようなら』
フローレンスは光り輝きながら、すぅっと天に昇っていき、姿を消した。
青空とホテイアオイの花の景色は消え、彼女のいた場所には、エメラルドのブローチがぽつんと残されていた。あの世に持って帰れるのは、心だけ。幾ら大事なものでも、持って帰ることは叶わない。それが、因果の理法である。
「どうしよっか、このブローチ……」
ブローチを拾いに行ったユジュンだったが、ブローチは触れようとした瞬間に、亀裂が走り、バラバラに砕け散ってしまった。
「あーあ…」
ユジュンは残念に思ったが、そのとき、どこからともなく、こんな声が聞こえて来た。
『第一ゲート、解放』
男とも、女ともつかない、電子音の声だった。
そして、光の柱が立ち、天井も突き破ってその光は天まで伸びていった。
「……?」
ユジュンは疑問だらけの顔で、仲間を振り返った。
誰も彼もが、ぽかんとした表情をしている。
「第一ゲートってなんやろ?」
確かにゆうたやんな、とテンはヒースに確認していた。
「おお…なんのことだか、さっぱりだ」
「何かが、解放された…?」
イリヤまでもが、狐につままれたような顔をしている。
『運命の歯車が、動き出したのかもな』
クーガーが、意味深なことを言った。あやうくスルーしてしまうところだった。ユジュンは愛犬を見つめた。
「おじさん、運命の歯車ってなに?」
『さてな…』
「なんだよぉ」
答えをはぐらかしたクーガーに、ユジュンはじれったく地団駄を踏んだ。
「なんかの始まり…?」
テンが首を捻った。
「ま、全部片付いたからいいんじゃね? ハウスキーパーの霊がいるってのはデマで、お屋敷の愛憎劇が繰り広げられた末の災難でしたってな」
ヒースが今回の冒険を、そう総括した。
「帰るか…」
イリヤが真っ先に踵を返した。
ぞろぞろと、残りの三人もそれに続く。
ボールルームを出た廊下には、先ほどまでのじとじととした空気は失われ、骸骨や人魂の類いも姿を消していた。
ただのほこり臭い、現実から切り離された廃屋に戻っていた。
屋敷の外に出た一行は、奇跡を見た。
「わー、みんな、あれ見て!」
屋敷を振り返ったテンが、声を弾ませた。
「うわあああ、キレイだなぁ」
ユジュンの目に映ったのは、屋敷の屋根から天に昇っていく無数の魂の光だった。まるで帚星が尾を引いて飛んで行くような感じだった。夜明け前の空に、それは映えて見えた。
「屋敷で死んだ奴らの魂が、天に昇っていってんのか」
ヒースも、感動を覚えている様子だ。
「人間は、死んだら終わりだ…帰る場所なんて、ねぇ……」
ただ、イリヤだけがそれを冷めた眼差しで見つめていた。
「それは違うで、イリヤ。人間の本質は魂や。あの世こそが本当の世界で、こっちは仮の世界なんやで」
「フン……」
イリヤはテンの言葉にも耳を貸さずで、歩き始めた。
「待ってよぉ、イリヤ!」
ユジュンはイリヤの後を追った。クーガーもぴったり着いてくる。
「イリヤって頑固やなぁ」
「ま、そこがヤツらしいんじゃねぇの」
ため息を吐いたテンの肩を、ヒースが叩いて、二人も歩き出したのだった。
来た道を引き返し、一時間かけて噴水広場まで帰り着いたのは、空がやっと白み始めた頃だ。
「ま、概ね予定通りだな」
ヒースは満足そうに懐中時計で時間を確かめていた。
「じゃあ、またね」
「またな」
「また、明日ぁ」
それぞれ軽く挨拶を交わして、散り散りに別れた。
宿に着くまでの間に、クーガーが話しかけてくる。
『予想外に大冒険になったな』
「うん。本物の霊を見ちゃった」
『三人もの迷える魂を救ったことは、賞賛に値する』
「えへへ。あんまり褒めないでよ。照れる」
ユジュンはくすぐったくて、頭をかいた。
『フローレンスの怨念によって、あの世にも帰れずにいた屋敷の住人たちの魂を解放してやったことも大きい』
よくやった、とクーガーはユジュンに太鼓判を押した。
手放しに、クーガーがユジュンを褒めることは、滅多にないことなので、それなりの功績を収めたんだな、とユジュンは胸を張った。
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だが、このときのユジュンは、運命の輪が廻り始めたことを、まだ知らないでいた。
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