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しおん

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13 テンの理由2ー賢い犬(けん)クーガー

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「いつものように、基本の型から」
 噴水の前に、互いに距離を取って、並ぶ三人。
 ゆったりとした動きで、手や足を前後させる。このとき、呼吸は鼻から吸って口から吐く。腹式呼吸だ。
 集中しているうちに、心が空っぽになり、無の境地に近づく。
 太極拳は精神統一が出来るし、体幹も鍛えられるので、一石二鳥である。
 一通りこなすと、
「今日は新しい型やってみよか」
 と、祖父が新たな型を教えてくれた。
 久々の新しい型だ。それまでの動きを免許皆伝としてくれたのか、祖父はテンとユジュンに手取り足取り教えた。
 言うとおりにしようとしてみるが、身体が言うことを中々きかない。マスターするまで少し時間がかかった。
「そそ、そうや。二人とも。そのまま顎をぐっと引いて」
 ひざがカクカクと震える。伸ばした背筋が、ピンと張って反り返りそうな勢いだ。
「うう……」
「ぐぐ……」
 テンもユジュンも、無理な体勢を堪えているので、喉が潰れたような声を出した。
「ほい、よし」
 祖父がぽんと手を打って、二人は型を解いた。
「はぁはぁ。結構、きっつい体勢やったなぁ」
「う、うん……ギリちょんだった」
 テンとユジュンは肩で息をして、声も絶え絶えに言った。
「テンちゃん、おじいさん。おれ、朝食持って来たんだ。一緒に食べよ」
「え~なになに?」
 テンは期待を込めて、脇に置いてあったカバンからユジュンが朝ご飯の何かを取り出す様を見ていた。
「おにぎり。具は食べてみてのお楽しみ」
「いつも、すまんな」
 祖父が噴水の淵に腰を下ろし、ユジュンから銀紙に包まれたおにぎりを受け取った。
「わー美味しそぉ」
 テンはユジュンの隣に座って、銀紙を剥いた。
 その隣ではユジュンが、水筒を取り出して、紙コップに湯気の立つ何かを注いでいる。
「それ、なに?」
 テンはおにぎりにパクつきながら、尋ねた。
「えーとね、わかめと小エビの中華風スープだよ」
 ユジュンに紙コップを渡されたので、テンは更に奥に座っている祖父にそれを渡した。バケツリレーの方式だ。そして、ユジュンから自分の分を受け取る。温かい。
「あ、シャケや」
 海苔でグルグル巻きにされた、おにぎりの具は、シャケだった。
「わしは、たらこや」
「えー、ええなぁ、じぃちゃん」
 たらこ等、魚卵はテンの好物だ。祖父を羨ましげに見つめた。
「まるで、ハズレ引いたみたいな顔すんなや」
「シャケはシャケで美味しいもん」
 テンは悔し紛れに紙コップのスープを飲んだ。辛みを加えるために、ラー油が使われている所がにくい。
 さすが、宿屋を経営する一家に生まれ育ったユジュンが持ってくる食事なだけはある。
「太極拳って心が安らかになるよねぇ」
「雑念が消えるってゆうかなぁ」
「だねぇ」
「うん」
 ユジュンとテンは揃っておにぎりを食べ終わり、温かいスープをぐびっと飲んだ。
「ユッちゃん、今日の予定は? 学校お休みやろ。ついでに、お家のお仕事も」
「うん、午後から、おじさんを連れて山へ羊追いのバイトをしに行くよ」
「はぁぁ、クーガーと」
 テンがユジュンの足下にうずくまっているクーガーに目をやると、クーガーがぎろりと黄色い目を向けた。眼光鋭い牧羊犬である。大層、有能な犬なのは知っている。ユジュンと言葉でコミュニケーションを取れるというのも、一概に嘘とは思えないし、それがユジュンの不思議なところでもあった。
「そのアルバイト、ボクも一緒に見に行ってもええかなぁ?」
「うん、別にいいよ」
「クーガーが羊追い回してるとこ、見てみたいわー」
 テンはクーガーの勇姿を想像して、胸が湧いた。
 噴水の淵を降りて、クーガーの元に寄ると、クーガーが立ち上がって尻尾を振った。よしよし、と頭から背に掛けてを撫でてやる。よく手入れされた、ツヤツヤの毛並みだ。クーガーは気持ちいいのか、鼻を鳴らした。
「クーガー、干し肉の切れっ端、食べる?」
 クーガーは口を開けて舌を出し、ハァハァしている。
「おじさんは、なにか芸をやったあとにしか、おやつを貰わない主義なんだって」
「じゃあ、三回まわって、ワンして。あ、ちょお待っててや」
 テンは慌てて干し肉の切れっ端を準備した。
「うん、ええよ」
 すると、クーガーはその場で三回、くるくると回ったのち、ワン! と一声鳴いた。
「ほんま、頭ええなぁ」
 芸を披露したクーガーの口もとに、干し肉を持っていく。そうしたら、鋭い牙を見せて、パクリと食べた。
 もしゃもしゃと咀嚼しているクーガーの顔や首周りを、テンはわしゃわしゃしてやった。
「このくらい朝飯前だぜ、って言ってるよ」
「えー、うーん、ほんだら、これやったら、どう?」
 テンはクーガーの鼻の頭に干し肉を乗せた。
「動いたら、あかんで……ほーれ、よし!」
 テンの声を合図に、クーガーは頭を動かして干し肉をスライドさせると、器用に口でキャッチして、また食べた。
「うまいことやるなぁ」
 テンは感心して、拍手した。
 クーガーは得意げに、もしゃもしゃ干し肉を咀嚼している。
「羊追いでの俺の華麗な活躍に刮目せよ、小僧、だって」
 ユジュンがクーガーの科白を代弁する。
「ははぁ」
 クーガーはユジュンだけではなく、他の人間の言葉も理解しているらしかった。テンはただただ驚くばかりだ。
「羊追いが終わったら、いよいよ収穫祭の季節到来だよ」
「収穫祭ってそんなにすごいん?」
「街中大騒ぎになって、お祭り状態になるよ」
「へぇぇ」
 テンはまだ、このアースシアの収穫祭の様子を知らない。
 初体験である。
「大人たちは飲めや歌えの大騒ぎ。それが三日三晩続くんだよ」
「ほええー」
 テンは空になった紙コップを握りしめた。ぐしゃっとひしげて歪む。
 さっきからテンは驚いてばかりだ。
「それも、楽しそうやなぁ」
「うん。観光客もいっぱい来るし、わちゃわちゃして楽しいよ」
 そう、ユジュンは笑ったが、背もたれのある椅子と勘違いしたのか、体重を噴水側に向けてしまい、危うく背中から噴水にダイブするところだった。
「うわわあ、あっぶなかったぁ」
「気ぃ、つけてや、ユッちゃん」
 ちょっと間の抜けたところもある、それもまた、ユジュンが愛らしい面だった。
 その後、しばし談笑してから、まだスクールで出された宿題が残っているとかで、ユジュンは家に帰っていった。
 一旦別れて、再び顔を合わせたのは、昼食を済ませたのち、正午過ぎだった。
 張り切って、二人を先導するのはクーガーだ。
 その後ろを、テンとユジュンはおしゃべりしながら歩いて、山の裾野を目指した。
 山のふもとにある牧場には、ユジュンが通い慣れているようで、たどり着くなり、
「よぉ、ユジュン。クーガーも。来てくれたか」
 まだ若い牧場主の男性が、牛の寝床を掃除する手を止めて、こちらに歩み寄って来た。
「うん、おじさん。今日はよろしく」
「おや、お友達も一緒かい?」
 牧場主はユジュンの後ろにいるテンに目を留めた。
「ぼ、ボク、テンいいます。見学させてもらいます、よろしゅう」
 テンは一歩前に踏み出すと、ペコペコ腰を折って頭を下げた。
「ああ、よろしくね。くれぐれも、ユジュンの邪魔はしないように」
「ハイ、それは分かってます」
 挨拶もそこそこに、テンとユジュンは牧場主に、羊を放牧しているポイントまで案内された。
 標高が上がると、空気が一段と美味くなる気がした。テンはつい、深呼吸などをしてしまう。
 山の斜面に、点々と羊が点在しているのが見える。
「じゃあ、後はよろしく。終わったら、また声をかけてくれ」
 牧場主はそう言い残して、作業に戻って行った。
「いい? おじさん。一回吹いたら、直進ね。二回続けたら、右旋回。三回続けたら左旋回」
 ホイッスルを持ったユジュンが、クーガーと確認と意思の疎通を図る為の協議を始めた。
 それが一通り終わると、クーガーが野っ原に飛び出していった。
 丘を駆け上がり、散らばった羊たちを追い立て、一つの塊になるように、ふもとから俯瞰で状態を把握しているユジュンの指示で、走り回る。
 あるときは、右から回り込み、羊がはぐれないようにする。あるときは左から回り込んで、羊の進行方向を調整する。
 二人のコンビネーションは見事なもので、あれだけバラバラになっていた羊たちが、やがてひとまとまり、ものの三十分ほどで白い群れに変わって行った。
 ユジュンの的確な指示はもちろん、クーガーの脚力とスピードには脱帽だ。
「ほえええ、すっごいなぁ、クーガー」
 最後の仕上げで、クーガーが羊の群れを追い立てて、下山してくる。それに合わせて、収容する広場の柵の扉を、ユジュンが開けた。羊はそこに吸い込まれるようにして、列をなして入っていった。
「四十八、九、五十、と」
 ユジュンが入り口を通った羊の数を数えている。
「間違いないね。ごくろうさん、おじさん」
 ユジュンは膝を折ると、走ってくるクーガーを受け止めた。クーガーは興奮しているようで、ハアハアと大きく息をしており、抱きついたユジュンの顔を舐め回して答えていた。
 本当に、いいコンビだ。
 この羊たちが、美味いラムやマトン肉となり、五月の毛刈りで上等な毛糸のもとになったりするのだ。
 メェエェェェと、羊たちの鳴き声が辺りに響き渡った。
 牧場主のところへ、成果を報告しに行く。
「おじさん、羊追い終わったよ。ちょうど、五十匹だった」
「ああ、それで全部だ。いつも悪いね、助かるよ」
 牧場主は作業を止めて、腰に巻いたエプロンで手を拭きながら、テンとユジュンを事務所に案内した。
 そこで、報酬をもらう。
「はい、これ、給料だ。受け取ってくれ」
 駄賃ではなく、給料。
 今回の羊追いの報酬は、銀貨五枚だった。破格の待遇である。それだけの働きをユジュンとクーガーはしたのだ。
「坊ちゃん。見たとこ、外から来た人だろう。ユジュンの友達とあっちゃあ、手ぶらで帰すわけにゃいかねぇ。これ、お試しでやるよ。気に入ったら、また買いに来ておくれ」
 と、牧場主は商品の入った袋をテンに渡した。
 中身は、ソーセージとハムとベーコン、三種のチーズだった。
「こんなにええんですか?」
「いいってことよ」
 そう言って、牧場主は右手の親指で鼻の下を擦った。
「わあああ。しばらくは、豪勢な朝ゴハンが食べられそうや」
「良かったねぇ、テンちゃん」
 テンは土産を貰ってホクホク。ユジュンは給料を手にしてホクホクだった。
 残った時間を畜産体験に費やして、牛舎の掃除をしたり、豚の餌やりをしたり、鶏を絞める作業を悲鳴を上げながら見学したりした。
「ああやって、おれたちの食は成り立ってるんだね」
「ちょっとかわいそうやったけど、それが現実やでなぁ」
 このソーセージとかもそうや、とテンは袋の中の、もとは生き物だったものを覗き込んだ。
 帰り道、クーガーが張り切って先陣を歩き、二人はその後をゆっくり着いて行った。
「おじさんが言ってる。見たか、我が勇姿! だって」
「見た見た。ずぅっと見てたで。ほんま、凄かった。さすがクーガーやなぁ」
 そう、テンが褒めると、クーガーは一際高い声で鳴いた。ユジュンによると、喜んでいるらしい。
 テンは本気の本気で、クーガーを改めて見直した。株が上がったのは間違いない。
 夕暮れの、収穫祭の近いという、初秋の匂いがする平和なある日のことだった。
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