31 / 71
魔法学院〜入学編〜
第27話 無事、決着
しおりを挟む
翌日――
他の生徒は朝礼の時間、俺は風紀委員会室で今回の事件に対する裁定を見守っていた。
呼び出されたのは例の三人。
男はローガン=フレオニール、女二人はヒルダ=バルバラ、オーレリア・セント・ミラーと言う名前だった。
シエンの報告を聞きながら不機嫌そうな仏頂面で俺を睨む奴、俯いて真っ青になっている奴、我関せずといった感じで無表情な奴、その様子はバラバラだ。
「――と調べた結果、処罰の必要有と結論付ける。釈明はあるか?」
そうシエンに問われ、真っ先に口を開いたのはリファに怪我をさせた張本人、ローガンだ。
「大アリですよ。何で俺らが処罰を受けなきゃいけないんですか」
「校内で無闇に魔法を使った事も問題だが、一番の問題はその魔法を故意に対人へ向けた事だ。それが差別によるものなら尚更、罪は重い」
「誤解ですって! 魔法の試し打ちをしてる所に彼女が来て運悪く当たってしまっただけなんですよ。故意だなんてとんでもない! それに、使った魔法だって許容範囲内の初級魔法だ」
「本人の証言と、目撃者もいる」
「本人って、彼女は俺達の事を嫌ってますからね。いい機会だとこの事を利用して俺達を嵌めようとしてるんですよ」
――この期に及んでいけしゃあしゃあとよく回る口だな
「それに、目撃者ってコイツですよね? 事故後を見てそう勘違いしてるんじゃないですか? 実際に見てないのに故意だと決めつけるなんて、よっぽど貴族が気に食わないんでしょうね。ひどい話です」
何がそんな自信になっているのか、ローガンは俺に不敵な笑みを向けた。
「しかし試しとは言え、魔法を不用意に使ったのは事実です。その件についての処罰は甘んじて受けましょう。リファ=フロンティーヌさんにも後日、謝罪させて頂きますよ。それはもう、しっかりと」
口元に厭らしい笑みを残したまま、仰々しく反省の態度を示す。
――レイフロの診断による状況証拠とリファによる本人証言だけで十分だと思っていたが……随分と往生際の悪い口上を並べるもんだ
しかし、悔しいが否定しきれるほどの矛盾がない。俺が見た現場が事件後なのは確かだし、魔法を当てた事は認めているため保険医の診断も故意とは立証できなくなった。リファ本人の証言も偽証と言い張られると、それを否定する材料が無い。あるのは見聞きした俺の心証ぐらいだが、それは証拠にはならないだろう。
そんな一抹の不安を抱いた時、沈黙を貫いていたイグナスが口を開いた。
「釈明は以上か? ったく、貴族のくせに糞みてーな言い訳並べやがって。お前にはその分の罰も追加するからな」
「ハァ⁈ どういう事ですか‼」
「さっき言っただろ、目撃者がいるって。――シエン」
「目撃者はレミーラ=スイウォール。見た事、聞いた事を全て証言してくれている。正誤システムにより彼女の証言が嘘偽りない証拠として受理された」
「う、嘘だ⁉」
「ならお前も今までした話しを正誤システム付きでもう一回話してみるか? 一つでも嘘があったら即退学にしてやる」
「そんな横暴許される訳――っ」
イグナスの目付きが変わり、纏う威圧感が急激に増した。
その雰囲気にローガンは言葉を失い、代わりに唾を飲み込む音が室内に響く。
「お前もこの学院の生徒なら誇りと品位を身に付けろ。まだここに居たきゃお前はもう口を開くな」
「――――っ⁉」
ローガンが悔しそうに唇を嚙みながら下を向く。
イグナスはローガンが黙ったのを確認すると、他の二人に目を移した。
「お前らの釈明は?」
「わ、私は止めました! あいつが勝手にやった事で、私は関係ないんですっ」
ローガンが凄い形相でヒルダを睨み、イグナスは呆れたように溜息をついた。
この期に及んで自己保身とは何とも情けない事である。
「……で、お前は?」
「私ですか……まぁ一緒にいましたし、結果こうなったのだから同罪でしょうね」
「他人事のような言い方だな」
青い顔をしたままのヒルダの横で、オーレリアが飄々と言葉を返す。
「実際、他人の事ですから」
「ほぅ、反省は無しか?」
「してますよ。自分の適当さと感心の無さを、ですが」
「被害者には?」
「どうでしょう……抵抗もせず助けも求めず、彼女は受け入れてましたから」
そこでオーレリアの瞳が俺を捉える。
その瞳は感情を宿さず、それは彼女の声も同様だった。
「私が止めてればこんな大事にはならなかったものね。彼女にも、ちゃんと謝るわ」
その態度にはっきりと不快感を覚える。
「悪いと思ってないなら謝る意味はないと思うぞ」
「無関心でいたのには責任を感じてるわ」
「…………」
「……素直に羨ましいわね……嫌な事に耐えてまで執着したいモノがある彼女が」
囁くように発せられた最後の言葉。
それだけは、彼女の本心な気がした。
オーレリアは俺からイグナスへと視線を戻し、そして目を閉じて口を閉ざした。
この女子生徒、どうにも掴みどころが無い。何でこの二人と行動を共にしていたのか甚だ疑問である。
満足したのか、イグナスが結論を口にした。
「犯した事の重大さを反省させるため、三人とも共通で一週間の謹慎とする。部屋を出る事は一歩も許さん。そしてお前らの処罰は全校生へ掲示する。追加の処分は後日、個々人に通達を出すからそのつもりで。以上だ」
そう告げ終わると、シエンが一歩前へ進み出る。
「今から貴殿ら三名を第一部隊へ引き渡す。ついて来い」
オーレリアが後に続き、下を向いたヒルダがそれに続く。
一拍置いてローガンが歩き出すと、部屋を出る間際、殺気を帯びた鋭い目がこちらに向いた。
その目は血走り、強烈な憎悪を宿した瞳には俺の姿がしっかりと映っていた。
・
・
・
・
シエンと共に三人が退出すると、室内には俺とイグナス、そして部屋の片隅で壁に寄り掛かるレイフロだけが残った。
「無事終わったな。俺の出番も無かったし、相変わらず抜かりの無い良い裁定するじゃねーの」
「おう、ありがとよ。オッサンも時間取らせて悪かったな」
「そんじゃ、一足先に俺は戻るぞ。坊主も、お疲れさん」
「あ、はい。お疲れ様です」
ヒラヒラと片手を振り、レイフロは保健室へと戻って行った。
残された俺は同じく残っているイグナスへと目を向ける。すると彼もまた俺に視線を向けていた。その目は観察でもしているかのように細められ、口元には愉快そうな笑みが浮かんでいる。
――この人にはあんまり関わりたくないんだよな……
「まあそんな嫌がんなよ。悲しいじゃねーか」
「別に、嫌がってる訳じゃ……早くここから出たいなとは思ってますけど」
「そう急くなって、お前に話しがあんだよ」
「話し……」
嫌な予感がして思わず身構える。
「判定決闘をやったらしいな。模擬的とは言え、随分と見せつける戦いっぷりだったそうじゃねーか」
「……ハァ。やっぱそういう情報って回るんですね」
「そりゃあな。お前、ブラックリスト入りしてるし」
「そうしたのは貴方でしょう。ったく、面倒くさい事してくれて……恨みますよ」
「んなもん、お前が正確な情報を開示しねーからだろうが。自業自得だ」
――この言い合いは不毛なだけだな……
「ところでよ、お前が戦った相手、強かったか?」
「当たり前でしょう。訓練も鍛錬もしっかりされてて、羨ましいほど魔法の才にも恵まれてましたよ」
「そうか。でも苦戦はしなかったんじゃないか?」
「それはレミーラに失礼ですね」
「否定は無しか?」
「大精霊の守護持ち相手ですよ? 聞く事が間違ってる」
呆れて溜息をつくと、イグナスはなぜか愉快そうに笑い出した。
「いや、そうか。ならいいんだ……クックッ」
――何がいいんだよ……
「まぁなんだ、一ついい事を教えといてやる。世界各地にある魔法学院での特異な出来事はな、全てこの星の特殊機関へと情報が送られるんだ。クライヴの行った実験も、今回のお前の事も、対象になってるからな」
「え」
「星の守り人候補が集まってるんだ。事前の情報収集は当たり前だろう」
――言われてみればそりゃそうか……
久し振りに“やっちまった”と反省する。少し考えれば思い至った事だ。
「……やっぱり何が何でも目立たないよう行動するべきだった……」
「お前には無理だろう。随分と素直に正義感強く育てられたみたいだしな」
「それはまあ……否定しません」
「ろくに魔法を使えないくせに平然と闇魔法を使うんだ。遅かれ早かれだったろうぜ」
確かにそれはそうだ。俺には限られた方法でしかここの秀才達に対抗できる術がない。自分のために目の前にある脅威や理不尽に目を瞑れるほど大人でもない。
そんな利己的な大人になりたいとも思わないので、イグナスの言う通り、手の内がバレるのも時間の問題だっただろう。
「ちょっと色々早過ぎますけどね……もう開き直る事にしましたけど」
「お、正確な情報開示をする気になったか?」
「ちょっと意味が分かりません。ところで、レミーラにはいつ聴取なんてしたんです?」
「昨日の夜だ。ここに治療入院してたからな」
「正誤システムって嘘発見器ですよね。そんな準備もしてたなんて少し驚きました」
「確実な証拠が欲しかったからな。魔力切れの体には酷だったろうが」
それを聞いて首を傾げる。
「何で酷なんです? 入学の受付でやったみたいな、水晶に手を置くやつじゃないんですか?」
「あ? そんな可愛いもんじゃねーよ。端的に言やぁ自白装置みたいなもんだ。真実を話す分には問題ないが、嘘を話した途端に自身の魔力が体中で暴れて激しい苦痛を引き起こす。仕組みは秘密だが、国の尋問でも使われる魔道具だ」
「……なるほど。それでローガンは慌ててたんですね」
――横暴だとか言って必死に抵抗してたもんな
「あれじゃ自白したも同然だ」
「自分と同じだと思ってた貴族のレミーラがリファに有利な証言をするとは夢にも思わなかったんでしょうね」
「むしろ迷惑を掛けたからって本人から提案があったくらいだ。本来よっぽどの事が無い限り学生には使わないんだがな、手っ取り早く済んで助かったぜ」
「レミーラもあんな奴と一緒にされたらたまったもんじゃないでしょう」
疲弊してるところに無い魔力を絞り出してまで協力してくれた彼女の誠意に、レミーラに対する印象は180度違うものとなった。
やはり彼女には彼女なりの誇りがあり、悪い奴では決してない。
今後は嫌われない努力をしてみようと密かに思った。
「そんじゃ、俺は今から校長ん所に行かなきゃならん。お前は真っ直ぐ教室に戻れよ」
「やっと解放してくれるんですね。お疲れ様でした」
「クックッ、言うじゃねーか」
頭を下げ、風紀委員会室のドアノブに手を掛けた――その時。
「ああそうだ。お前、フェリスんとこの部に入ったんだってな」
「……それもバレてますか」
「俺も在籍してるからな。次は今週の終わりに行くんだろ? 集合命令掛かってんだが俺は行けねーんだ。悪いな」
その衝撃的な事実に目を見開く。
――この威風堂々、暴君のような委員長が……
「フェリちゃん部に……」
「あ゛ぁ? あいつまだそんな事言ってんのか! あそこにはちゃんと【楽園守護部】って名前があるんだよっ」
「何だ、そうなんですか」
――良かった……これで心置きなく口に出来る
一瞬エプロン姿で花の世話をするイグナスが頭に浮かび、その横で俺が同じようにしている光景が見えてしまって、鳥肌が立ったのは内緒だ。
「……お前……今、気色悪ぃ事考えただろ」
「え? いや、そんな事ありません……よ?」
「……フン。授業始まってんだ、早く行け」
あんたが引き留めたんだろう……と喉元まで出かかり、それを飲み込んで一礼をし、今度こそ風紀委員会室を後にしたのだった。
余談だが、一限の途中で教室へと戻った俺は盛大な拍手に出迎えられる事となった。
静まり返った教室内と向けられた皆の視線に入った瞬間こそ居心地の悪さを感じたが、誰かが打った拍手を切っ掛けに次々と拍手が起こり、賛辞と称賛の声まで上がった時には気恥しさが勝って終始苦笑いするはめになってしまった。
昼はリファとミサを誘って昼食をとりながら事の顛末を報告した。
複雑そうではあったが二人の表情に安堵の様子が見て取れて、これで俺も一安心である。
放課後、三人で保健室へ足を運ぶと、レミーラは既に寮の自室へ戻ったと聞かされた。
レイフロ曰く治療の経過は良好で、あとは調子が戻るまで自室で安静との事だ。
リファは礼が言えず残念そうだったが、こればっかりは仕方がない。
そんなこんなで、一連の出来事は無事決着したのである。
******
『コンコン』とドアをノックする音が聞こえた。
浴びていたシャワーを止め、適当に水気を拭き取り、スウェットパンツを履いてドアを開ける。
「――――っ!!!!」
「ああ、なんだセシルか。どうした?」
「ど、どうしたって――っ」
頬を赤らめ、焦っているのかしどろもどろになっている。
――あ、上半身裸はまずかったか……
貴族は人前にこんな格好で出る事など有り得ないのだろう。
「悪い、何も考えず急いでシャワーから出て来たんだ」
「い、いや、急に来たのは僕だから謝らないでくれ。少し驚いただけなんだ」
そう言って「ハハハ」と笑っているが、その頬は明らかに引き攣っている。やはりマナーとして有り得ない事なのだろう。少し恥ずかしくなってきた。
「あー……とりあえず、入るか?」
「だ、大丈夫! すぐ済むからここで!」
セシルはコホンと咳払いをし、顔を引き締めて用件を話し始めた。
「一言謝りたくて来たんだ。……君を見くびり、侮るような発言をして本当にすまなかった」
頭を下げようとするセシルを慌てて止める。
「おいおい、俺はそんな事思ってない。お前だってそんなつもりなかっただろ?」
「もちろん! でもそれは言い訳だ。ルル達と反省してね……僕達の言葉は、結果として侮りだったんじゃないかって……」
「心配してくれたのは伝わってる」
「うん……ありがとう」
そう言ってセシルは微笑した。
「君には驚かされてばかりだよ。素晴らしい戦いだった」
「学年一の実力者に褒められるとは光栄だ」
「はは、僕もうかうかとしてられないね」
表情は笑んだまま、しかし、セシルの目から笑みが消える。
「無詠唱魔法に多重バフ、戦闘慣れした身のこなしと確かな技術。瞬時に判断を下せる程の知識と、行動に移す度胸は経験からかな? 貴族の中でもここまで卓越した能力がある者はなかなかいないよ」
「……買い被り過ぎだ」
「極めつけは君の使った闇魔法だ。あの魔法を文献以外で見る事が出来るとは思わなかった」
「…………」
そしてセシルの口元からも笑みが消えた。
「君はいったい、何者だい?」
俺達の間に沈黙が流れる。
――何者……か。胸を張ってそれを言えたら、どんなに嬉しいだろうな……
そんな感慨に浸り、今じゃない現実を再確認する。
笑みを消したセシルに、今度は俺が微笑み返す番となった。
「……無いなりに努力をしてきた結果が今の俺だ。『何者か』……その答えに、俺は俺だとしか言えないな」
セシルは一瞬キョトンとした顔を見せ、その後に綺麗な顔を崩しておかしそうに笑った。
「はは、違いない! ここでは誰もがそうだったよ。もちろん、僕も僕だ」
「ああ。悪いがお前がどんなに凄い奴でも、俺は今後もアクアマリン家とか関係なく接するからな」
「それは是非お願いするよ。僕も、君が何者であっても変わらず接すると誓おう」
「大げさだな」
「ただ者じゃない……それは確かだからね。でも、今はそれでいいや。――それじゃ、時間取ってくれてありがとう。ルル達もだけど、何気にゼルが一番気にしてたから機会があったら声掛けてやってくれ」
そう言ってセシルは自分の部屋へと戻って行った――……のだが、俺はある事を思い出し、部屋に入る寸前のセシルをドアから頭だけを出して呼び止めた。
「そうそう! お陰様でブラックリスト入り、絶賛継続中みたいなんだけど」
「――っあ!!」
「……ちょっと嫌味。でも不可避だったのは知ってるから気にするな。それじゃ」
笑いながら扉を閉めると、外から「ごめーん!」と叫ぶセシルの大きな声が聞こえた。
他の生徒は朝礼の時間、俺は風紀委員会室で今回の事件に対する裁定を見守っていた。
呼び出されたのは例の三人。
男はローガン=フレオニール、女二人はヒルダ=バルバラ、オーレリア・セント・ミラーと言う名前だった。
シエンの報告を聞きながら不機嫌そうな仏頂面で俺を睨む奴、俯いて真っ青になっている奴、我関せずといった感じで無表情な奴、その様子はバラバラだ。
「――と調べた結果、処罰の必要有と結論付ける。釈明はあるか?」
そうシエンに問われ、真っ先に口を開いたのはリファに怪我をさせた張本人、ローガンだ。
「大アリですよ。何で俺らが処罰を受けなきゃいけないんですか」
「校内で無闇に魔法を使った事も問題だが、一番の問題はその魔法を故意に対人へ向けた事だ。それが差別によるものなら尚更、罪は重い」
「誤解ですって! 魔法の試し打ちをしてる所に彼女が来て運悪く当たってしまっただけなんですよ。故意だなんてとんでもない! それに、使った魔法だって許容範囲内の初級魔法だ」
「本人の証言と、目撃者もいる」
「本人って、彼女は俺達の事を嫌ってますからね。いい機会だとこの事を利用して俺達を嵌めようとしてるんですよ」
――この期に及んでいけしゃあしゃあとよく回る口だな
「それに、目撃者ってコイツですよね? 事故後を見てそう勘違いしてるんじゃないですか? 実際に見てないのに故意だと決めつけるなんて、よっぽど貴族が気に食わないんでしょうね。ひどい話です」
何がそんな自信になっているのか、ローガンは俺に不敵な笑みを向けた。
「しかし試しとは言え、魔法を不用意に使ったのは事実です。その件についての処罰は甘んじて受けましょう。リファ=フロンティーヌさんにも後日、謝罪させて頂きますよ。それはもう、しっかりと」
口元に厭らしい笑みを残したまま、仰々しく反省の態度を示す。
――レイフロの診断による状況証拠とリファによる本人証言だけで十分だと思っていたが……随分と往生際の悪い口上を並べるもんだ
しかし、悔しいが否定しきれるほどの矛盾がない。俺が見た現場が事件後なのは確かだし、魔法を当てた事は認めているため保険医の診断も故意とは立証できなくなった。リファ本人の証言も偽証と言い張られると、それを否定する材料が無い。あるのは見聞きした俺の心証ぐらいだが、それは証拠にはならないだろう。
そんな一抹の不安を抱いた時、沈黙を貫いていたイグナスが口を開いた。
「釈明は以上か? ったく、貴族のくせに糞みてーな言い訳並べやがって。お前にはその分の罰も追加するからな」
「ハァ⁈ どういう事ですか‼」
「さっき言っただろ、目撃者がいるって。――シエン」
「目撃者はレミーラ=スイウォール。見た事、聞いた事を全て証言してくれている。正誤システムにより彼女の証言が嘘偽りない証拠として受理された」
「う、嘘だ⁉」
「ならお前も今までした話しを正誤システム付きでもう一回話してみるか? 一つでも嘘があったら即退学にしてやる」
「そんな横暴許される訳――っ」
イグナスの目付きが変わり、纏う威圧感が急激に増した。
その雰囲気にローガンは言葉を失い、代わりに唾を飲み込む音が室内に響く。
「お前もこの学院の生徒なら誇りと品位を身に付けろ。まだここに居たきゃお前はもう口を開くな」
「――――っ⁉」
ローガンが悔しそうに唇を嚙みながら下を向く。
イグナスはローガンが黙ったのを確認すると、他の二人に目を移した。
「お前らの釈明は?」
「わ、私は止めました! あいつが勝手にやった事で、私は関係ないんですっ」
ローガンが凄い形相でヒルダを睨み、イグナスは呆れたように溜息をついた。
この期に及んで自己保身とは何とも情けない事である。
「……で、お前は?」
「私ですか……まぁ一緒にいましたし、結果こうなったのだから同罪でしょうね」
「他人事のような言い方だな」
青い顔をしたままのヒルダの横で、オーレリアが飄々と言葉を返す。
「実際、他人の事ですから」
「ほぅ、反省は無しか?」
「してますよ。自分の適当さと感心の無さを、ですが」
「被害者には?」
「どうでしょう……抵抗もせず助けも求めず、彼女は受け入れてましたから」
そこでオーレリアの瞳が俺を捉える。
その瞳は感情を宿さず、それは彼女の声も同様だった。
「私が止めてればこんな大事にはならなかったものね。彼女にも、ちゃんと謝るわ」
その態度にはっきりと不快感を覚える。
「悪いと思ってないなら謝る意味はないと思うぞ」
「無関心でいたのには責任を感じてるわ」
「…………」
「……素直に羨ましいわね……嫌な事に耐えてまで執着したいモノがある彼女が」
囁くように発せられた最後の言葉。
それだけは、彼女の本心な気がした。
オーレリアは俺からイグナスへと視線を戻し、そして目を閉じて口を閉ざした。
この女子生徒、どうにも掴みどころが無い。何でこの二人と行動を共にしていたのか甚だ疑問である。
満足したのか、イグナスが結論を口にした。
「犯した事の重大さを反省させるため、三人とも共通で一週間の謹慎とする。部屋を出る事は一歩も許さん。そしてお前らの処罰は全校生へ掲示する。追加の処分は後日、個々人に通達を出すからそのつもりで。以上だ」
そう告げ終わると、シエンが一歩前へ進み出る。
「今から貴殿ら三名を第一部隊へ引き渡す。ついて来い」
オーレリアが後に続き、下を向いたヒルダがそれに続く。
一拍置いてローガンが歩き出すと、部屋を出る間際、殺気を帯びた鋭い目がこちらに向いた。
その目は血走り、強烈な憎悪を宿した瞳には俺の姿がしっかりと映っていた。
・
・
・
・
シエンと共に三人が退出すると、室内には俺とイグナス、そして部屋の片隅で壁に寄り掛かるレイフロだけが残った。
「無事終わったな。俺の出番も無かったし、相変わらず抜かりの無い良い裁定するじゃねーの」
「おう、ありがとよ。オッサンも時間取らせて悪かったな」
「そんじゃ、一足先に俺は戻るぞ。坊主も、お疲れさん」
「あ、はい。お疲れ様です」
ヒラヒラと片手を振り、レイフロは保健室へと戻って行った。
残された俺は同じく残っているイグナスへと目を向ける。すると彼もまた俺に視線を向けていた。その目は観察でもしているかのように細められ、口元には愉快そうな笑みが浮かんでいる。
――この人にはあんまり関わりたくないんだよな……
「まあそんな嫌がんなよ。悲しいじゃねーか」
「別に、嫌がってる訳じゃ……早くここから出たいなとは思ってますけど」
「そう急くなって、お前に話しがあんだよ」
「話し……」
嫌な予感がして思わず身構える。
「判定決闘をやったらしいな。模擬的とは言え、随分と見せつける戦いっぷりだったそうじゃねーか」
「……ハァ。やっぱそういう情報って回るんですね」
「そりゃあな。お前、ブラックリスト入りしてるし」
「そうしたのは貴方でしょう。ったく、面倒くさい事してくれて……恨みますよ」
「んなもん、お前が正確な情報を開示しねーからだろうが。自業自得だ」
――この言い合いは不毛なだけだな……
「ところでよ、お前が戦った相手、強かったか?」
「当たり前でしょう。訓練も鍛錬もしっかりされてて、羨ましいほど魔法の才にも恵まれてましたよ」
「そうか。でも苦戦はしなかったんじゃないか?」
「それはレミーラに失礼ですね」
「否定は無しか?」
「大精霊の守護持ち相手ですよ? 聞く事が間違ってる」
呆れて溜息をつくと、イグナスはなぜか愉快そうに笑い出した。
「いや、そうか。ならいいんだ……クックッ」
――何がいいんだよ……
「まぁなんだ、一ついい事を教えといてやる。世界各地にある魔法学院での特異な出来事はな、全てこの星の特殊機関へと情報が送られるんだ。クライヴの行った実験も、今回のお前の事も、対象になってるからな」
「え」
「星の守り人候補が集まってるんだ。事前の情報収集は当たり前だろう」
――言われてみればそりゃそうか……
久し振りに“やっちまった”と反省する。少し考えれば思い至った事だ。
「……やっぱり何が何でも目立たないよう行動するべきだった……」
「お前には無理だろう。随分と素直に正義感強く育てられたみたいだしな」
「それはまあ……否定しません」
「ろくに魔法を使えないくせに平然と闇魔法を使うんだ。遅かれ早かれだったろうぜ」
確かにそれはそうだ。俺には限られた方法でしかここの秀才達に対抗できる術がない。自分のために目の前にある脅威や理不尽に目を瞑れるほど大人でもない。
そんな利己的な大人になりたいとも思わないので、イグナスの言う通り、手の内がバレるのも時間の問題だっただろう。
「ちょっと色々早過ぎますけどね……もう開き直る事にしましたけど」
「お、正確な情報開示をする気になったか?」
「ちょっと意味が分かりません。ところで、レミーラにはいつ聴取なんてしたんです?」
「昨日の夜だ。ここに治療入院してたからな」
「正誤システムって嘘発見器ですよね。そんな準備もしてたなんて少し驚きました」
「確実な証拠が欲しかったからな。魔力切れの体には酷だったろうが」
それを聞いて首を傾げる。
「何で酷なんです? 入学の受付でやったみたいな、水晶に手を置くやつじゃないんですか?」
「あ? そんな可愛いもんじゃねーよ。端的に言やぁ自白装置みたいなもんだ。真実を話す分には問題ないが、嘘を話した途端に自身の魔力が体中で暴れて激しい苦痛を引き起こす。仕組みは秘密だが、国の尋問でも使われる魔道具だ」
「……なるほど。それでローガンは慌ててたんですね」
――横暴だとか言って必死に抵抗してたもんな
「あれじゃ自白したも同然だ」
「自分と同じだと思ってた貴族のレミーラがリファに有利な証言をするとは夢にも思わなかったんでしょうね」
「むしろ迷惑を掛けたからって本人から提案があったくらいだ。本来よっぽどの事が無い限り学生には使わないんだがな、手っ取り早く済んで助かったぜ」
「レミーラもあんな奴と一緒にされたらたまったもんじゃないでしょう」
疲弊してるところに無い魔力を絞り出してまで協力してくれた彼女の誠意に、レミーラに対する印象は180度違うものとなった。
やはり彼女には彼女なりの誇りがあり、悪い奴では決してない。
今後は嫌われない努力をしてみようと密かに思った。
「そんじゃ、俺は今から校長ん所に行かなきゃならん。お前は真っ直ぐ教室に戻れよ」
「やっと解放してくれるんですね。お疲れ様でした」
「クックッ、言うじゃねーか」
頭を下げ、風紀委員会室のドアノブに手を掛けた――その時。
「ああそうだ。お前、フェリスんとこの部に入ったんだってな」
「……それもバレてますか」
「俺も在籍してるからな。次は今週の終わりに行くんだろ? 集合命令掛かってんだが俺は行けねーんだ。悪いな」
その衝撃的な事実に目を見開く。
――この威風堂々、暴君のような委員長が……
「フェリちゃん部に……」
「あ゛ぁ? あいつまだそんな事言ってんのか! あそこにはちゃんと【楽園守護部】って名前があるんだよっ」
「何だ、そうなんですか」
――良かった……これで心置きなく口に出来る
一瞬エプロン姿で花の世話をするイグナスが頭に浮かび、その横で俺が同じようにしている光景が見えてしまって、鳥肌が立ったのは内緒だ。
「……お前……今、気色悪ぃ事考えただろ」
「え? いや、そんな事ありません……よ?」
「……フン。授業始まってんだ、早く行け」
あんたが引き留めたんだろう……と喉元まで出かかり、それを飲み込んで一礼をし、今度こそ風紀委員会室を後にしたのだった。
余談だが、一限の途中で教室へと戻った俺は盛大な拍手に出迎えられる事となった。
静まり返った教室内と向けられた皆の視線に入った瞬間こそ居心地の悪さを感じたが、誰かが打った拍手を切っ掛けに次々と拍手が起こり、賛辞と称賛の声まで上がった時には気恥しさが勝って終始苦笑いするはめになってしまった。
昼はリファとミサを誘って昼食をとりながら事の顛末を報告した。
複雑そうではあったが二人の表情に安堵の様子が見て取れて、これで俺も一安心である。
放課後、三人で保健室へ足を運ぶと、レミーラは既に寮の自室へ戻ったと聞かされた。
レイフロ曰く治療の経過は良好で、あとは調子が戻るまで自室で安静との事だ。
リファは礼が言えず残念そうだったが、こればっかりは仕方がない。
そんなこんなで、一連の出来事は無事決着したのである。
******
『コンコン』とドアをノックする音が聞こえた。
浴びていたシャワーを止め、適当に水気を拭き取り、スウェットパンツを履いてドアを開ける。
「――――っ!!!!」
「ああ、なんだセシルか。どうした?」
「ど、どうしたって――っ」
頬を赤らめ、焦っているのかしどろもどろになっている。
――あ、上半身裸はまずかったか……
貴族は人前にこんな格好で出る事など有り得ないのだろう。
「悪い、何も考えず急いでシャワーから出て来たんだ」
「い、いや、急に来たのは僕だから謝らないでくれ。少し驚いただけなんだ」
そう言って「ハハハ」と笑っているが、その頬は明らかに引き攣っている。やはりマナーとして有り得ない事なのだろう。少し恥ずかしくなってきた。
「あー……とりあえず、入るか?」
「だ、大丈夫! すぐ済むからここで!」
セシルはコホンと咳払いをし、顔を引き締めて用件を話し始めた。
「一言謝りたくて来たんだ。……君を見くびり、侮るような発言をして本当にすまなかった」
頭を下げようとするセシルを慌てて止める。
「おいおい、俺はそんな事思ってない。お前だってそんなつもりなかっただろ?」
「もちろん! でもそれは言い訳だ。ルル達と反省してね……僕達の言葉は、結果として侮りだったんじゃないかって……」
「心配してくれたのは伝わってる」
「うん……ありがとう」
そう言ってセシルは微笑した。
「君には驚かされてばかりだよ。素晴らしい戦いだった」
「学年一の実力者に褒められるとは光栄だ」
「はは、僕もうかうかとしてられないね」
表情は笑んだまま、しかし、セシルの目から笑みが消える。
「無詠唱魔法に多重バフ、戦闘慣れした身のこなしと確かな技術。瞬時に判断を下せる程の知識と、行動に移す度胸は経験からかな? 貴族の中でもここまで卓越した能力がある者はなかなかいないよ」
「……買い被り過ぎだ」
「極めつけは君の使った闇魔法だ。あの魔法を文献以外で見る事が出来るとは思わなかった」
「…………」
そしてセシルの口元からも笑みが消えた。
「君はいったい、何者だい?」
俺達の間に沈黙が流れる。
――何者……か。胸を張ってそれを言えたら、どんなに嬉しいだろうな……
そんな感慨に浸り、今じゃない現実を再確認する。
笑みを消したセシルに、今度は俺が微笑み返す番となった。
「……無いなりに努力をしてきた結果が今の俺だ。『何者か』……その答えに、俺は俺だとしか言えないな」
セシルは一瞬キョトンとした顔を見せ、その後に綺麗な顔を崩しておかしそうに笑った。
「はは、違いない! ここでは誰もがそうだったよ。もちろん、僕も僕だ」
「ああ。悪いがお前がどんなに凄い奴でも、俺は今後もアクアマリン家とか関係なく接するからな」
「それは是非お願いするよ。僕も、君が何者であっても変わらず接すると誓おう」
「大げさだな」
「ただ者じゃない……それは確かだからね。でも、今はそれでいいや。――それじゃ、時間取ってくれてありがとう。ルル達もだけど、何気にゼルが一番気にしてたから機会があったら声掛けてやってくれ」
そう言ってセシルは自分の部屋へと戻って行った――……のだが、俺はある事を思い出し、部屋に入る寸前のセシルをドアから頭だけを出して呼び止めた。
「そうそう! お陰様でブラックリスト入り、絶賛継続中みたいなんだけど」
「――っあ!!」
「……ちょっと嫌味。でも不可避だったのは知ってるから気にするな。それじゃ」
笑いながら扉を閉めると、外から「ごめーん!」と叫ぶセシルの大きな声が聞こえた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜
平明神
ファンタジー
ユーゴ・タカトー。
それは、女神の「推し」になった男。
見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。
彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。
彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。
その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!
女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!
さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?
英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───
なんでもありの異世界アベンジャーズ!
女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕!
※不定期更新。最低週1回は投稿出来るように頑張ります。
※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。
放逐された転生貴族は、自由にやらせてもらいます
長尾 隆生
ファンタジー
旧題:放逐された転生貴族は冒険者として生きることにしました
★第2回次世代ファンタジーカップ『痛快大逆転賞』受賞★
★現在4巻まで絶賛発売中!★
「穀潰しをこのまま養う気は無い。お前には家名も名乗らせるつもりはない。とっとと出て行け!」
苦労の末、突然死の果てに異世界の貴族家に転生した山崎翔亜は、そこでも危険な辺境へ幼くして送られてしまう。それから十年。久しぶりに会った兄に貴族家を放逐されたトーアだったが、十年間の命をかけた修行によって誰にも負けない最強の力を手に入れていた。
トーアは貴族家に自分から三行半を突きつけると憧れの冒険者になるためギルドへ向かう。しかしそこで待ち受けていたのはギルドに潜む暗殺者たちだった。かるく暗殺者を一蹴したトーアは、その裏事情を知り更に貴族社会への失望を覚えることになる。そんな彼の前に冒険者ギルド会員試験の前に出会った少女ニッカが現れ、成り行きで彼女の親友を助けに新しく発見されたというダンジョンに向かうことになったのだが――
俺に暗殺者なんて送っても意味ないよ?
※22/02/21 ファンタジーランキング1位 HOTランキング1位 ありがとうございます!
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
【完結】悪役に転生したのにメインヒロインにガチ恋されている件
エース皇命
ファンタジー
前世で大好きだったファンタジー大作『ロード・オブ・ザ・ヒーロー』の悪役、レッド・モルドロスに転生してしまった桐生英介。もっと努力して意義のある人生を送っておけばよかった、という後悔から、学院で他を圧倒する努力を積み重ねる。
しかし、その一生懸命な姿に、メインヒロインであるシャロットは惚れ、卒業式の日に告白してきて……。
悪役というより、むしろ真っ当に生きようと、ファンタジーの世界で生き抜いていく。
ヒロインとの恋、仲間との友情──あれ? 全然悪役じゃないんだけど! 気づけば主人公になっていた、悪役レッドの物語!
※小説家になろう、カクヨム、エブリスタにも投稿しています。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる