異世界漫遊記 〜異世界に来たので仲間と楽しく、美味しく世界を旅します〜

カイ

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第9章 ネシアのダンジョン編

街での再会

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冒険者ギルドをあとにして、宿屋へ戻った俺たち。

なんやかんやで、もう日も暮れていたのだ。


宿に戻ると女将さんから食堂で夕飯食べられることを告げられ、その足で向かう。

まだ開けたばかりのようで、客足は少ない。

「良かったわ、席が取れて。」

「そうね、帰ってきてすぐに来たのは正解だったわね!」

女性陣2人はにこにこ顔でそう言った。

そうだよねぇ、いつもなら空いてる席を見つけるのも大変だもんね。

俺たちは一番奥の広いテーブルに席を取ると、女将さんが足りない人数分の椅子をどこからか持ってきてくれた。ありがとう、女将さん!

女将さんに礼を言い、みんな各自食べたいものをメニュー表から選んでいく。

そう、メニュー表が置いてあったのだ。

どうやら以前来た時に『メニュー表』があったほうが注文しやすいとアドバイスしたことを受けて、各テーブルに置くことにしたらしい。

おかげでヒューザ達のような初めて来るお客にも評判が良く、しかも料理の説明を書いておくことによって接客も短くて済むようになったと女将さんも喜んでいたよ。


そうやって料理が来るのを待っているうちに、店内はどんどん席が埋まっていく。

俺がなんとなく入り口を見ていたら、『ブレイズ』で知り合った『ヤドリギ』のメンバーが入ってくるのが見えた。

俺は思わず椅子をガタッといわせて立ち上がる。

それを見て周りも俺の視線の先を見た。

「ようっ!無事にダンジョンを出れていたんだな!」

ヒューザが嬉しそうに彼らの方へ走っていった。

彼らも俺たちがいることに気づくと、とても嬉しそうな顔で挨拶をしてくれる。

ヒューザはまだ幾分席に余裕があるので、追加の椅子を運びつつ、彼らを俺達の席に案内してきた。

ちなみに『ヤドリギ』のメンバーたちは、通りがけに女将さんに注文をしたようだ。


「良かったよ、君たちに会えて。君たちが無事にダンジョンから出てこれたのかがとても気になっていたんだ。」

そう言いながら、リーダーらしき男性が席につく。

彼はダンジョンの中でも俺たちに積極的に話しかけてくれていた人だ。

「それは俺たちのセリフだぞ?」

スコットさんが苦笑いをしてそう言った。

「どういう事だ?」

「どうもこうも、俺たちが翌日10階層のボスに挑んだ後、転移陣がなかったんだ。」

訝しげに聞いてきた彼の言葉に、リッキーが戯けたように答える。

するとリーダーだけでなく、『ヤドリギ』の他のメンバーもすごく驚いていた。

「本当か!?俺たちの時は普通に外に出れたぞ?あんな変な現象があった後だから何かあるかと思っていたんだが、何もなくてホッとしていたんだ。」

リーダーのその言葉に、俺はホッとした。

良かった、あの時にいた人はみんな外に出れたんだね。

あの後のとても不安になっていた現象も、やはりダンジョンの影響だったのだろう。

「じゃあ改めて自己紹介をするよ。俺が『ヤドリギ』のリーダーでタイムっていうんだ。左が順に、うちの魔法師のエンド、回復術師のエターナ、大剣使いのパントだ。よろしくな!」

そう言って次々紹介してくれるタイム。

タイムに紹介された彼らはあの時のお礼を言いながら挨拶をしてくれた。

その後にこちらも紹介をしたが、人数が多すぎて覚えられただろうか?顔は覚えてくれたとは思うけど。


自己紹介が落ち着いた頃にちょうど料理が運ばれてくる。

実はこの前、俺だけで来た時に女将さんには唐揚げのレシピを教えておいたので今回食べられると楽しみにしていたところ、『ヤドリギ』のメンバーは揃ってそれを頼んでいたのには笑った。

もちろん俺も頼んだけどね!

みんなの食事が終わった後、大人組はそのまま飲み会へと移り、子供組の俺とユーリはセバスと共に先に部屋へと戻る。

……みんな、飲みすぎないようにね?


「ねぇにぃに、この街ならスコットさん達の子供も出してあげても良いんじゃない?」

ユーリが部屋に戻るとそんな提案をしてくれて、俺はようやく悠馬のことを思い出した。ごめん、悠馬!

慌てて俺が腕輪から出してやると、悠馬は目をパチクリとさせて「ここは?」と聞いてきた。

「ここは俺がこの世界に来て初めて訪れた街で、ローランっていうんだ。あの危険なダンジョンから出てきたばかりだから、そんなに日数経ってないからな。」

「そうなんだ?なんかあのダンジョン?少しおかしかったもんね。ところで……みんなは?」

あたりをキョロキョロしていた悠馬は周りに俺達3人しかいなかったのが気になったのだろう。

俺は「みんな下の食堂でお酒を飲んでるよ」と答えてやる。

すると悠馬が「お腹減ったから、俺もご飯食べたい!」と言ったので、改めて食堂へと向かう。

ついでに悠馬の宿泊費も払いに行かないとね!


また下の食堂へと通りてきた俺たちを見て、目をパチクリさせた女将さん。

「……シエルくんは分身ができたのかい?」

「違いますよ、俺の親戚です。こいつの夕食と宿泊費も払いに来たんですよ。」

俺の説明に納得した女将さんはまず宿泊費を受け取り、改めてみんなの席へと案内してくれた。

「おう、悠馬も来たのか。ほれ、こっちに座れ。」

スコットさんが悠馬に手を振り、自分の隣に座らせようとすると、エミリーさんが眉間にしわを寄せて「あなた飲み過ぎよ?」と言って悠馬を自分の隣に座らせた。悠馬もそんな父親を見て苦笑いだ。

とりあえず悠馬もメニュー表を見て唐揚げ定食がある事に驚いていたが、違うものを選んだようだ。

悠馬は料理が運ばれてくると早速食べ始める。

「なんだか『あっち』も『こっち』も食べ物はあまり変わらないのかもね。」

悠馬はビーフシチューのような物を頼んでいたので、中に入っている人参を持ち上げてそんな事を言う。

確かに『こっち』の世界でも日本と同じ食材が売っていたりするもんね。そこは面白いと思う。



その後俺たち子供組は、盛り上がってしまった大人組に混じることができなかったので、さっさと退散する。

部屋へと帰ると、子供だけでお風呂に入りに行って久々にのんびりと風呂に浸かる。

「明日は街を案内してやろうか?」

俺は風呂の縁に頭を載せ、隣に同じ格好で浸かっている悠馬に聞いてみた。

「そうだねぇ……この世界の街ってまだこの街で3つ目だもんね。この街はどんな街なんだろうなぁ~。」

悠馬は目を閉じ、そんな事を言って笑顔になる。

俺もこの世界に来てそんなに数をこなしていないが、それでもそれぞれ特色があって面白かった。

俺もみんなと一緒にもっと世界を旅していきたい。


風呂から上がると部屋に帰り、山田が買っておいてくれた有名なカップアイスを3人で食べる。

風呂上がりのアイスは、やっぱりたまらないよね!


それから俺達はベッドに入ると、セバスが「おやすみなさいませ」と言って電気を消す。

彼はこれから少しダンジョンの方を見てくるのだそうだ。


……いつも思うけど、セバスっていつ眠っているんだろうねぇ?
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