異世界漫遊記 〜異世界に来たので仲間と楽しく、美味しく世界を旅します〜

カイ

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第10章 国立学校 (後期)

総当たり戦の選手が決まったよ!

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アンドリューが復学した日から数日後。

学校の玄関を入った正面にある巨大な掲示板に、今回行われる予定の全学年参加の総当たり戦に出場するそれぞれの学年と選手の名前が張り出されていた。

1つの学年につき5人の選手が選ばれ、試合では武術だけじゃなく魔術も同時に使用して良いことになっている。

もちろん魔術が試合中に使用可なら、武術としてはそれぞれの得意な武器で戦っていいことになっている。

つまり『総合的な闘技大会』なのである。


俺はとりあえず他の学年の有名な人とかは全く知らないので見ないことにし、同じ1年生の代表を見た。

そこには『セイン』、『クロード』、『ミスト』、『アンドリュー』の名前がまずはあった。

まぁそこまでは順当なところだろう。

トーナメント戦でも良い所まで来ていたのだから。

そして、その後に続いたのが『シエル』とある。

……そう、最後の1枠に俺の名前が入っていた。

多分一番最後に書かれているのは、最後の最後まで議論されたからなのだろう。


俺はそれを確認すると、すぐに教室へと向かった。

その途中で同じ1年生ではない生徒からのたくさんの視線が集まっているのを感じたが、気づかなかったことにして急いて向かう。

そして教室へと入ると、すかさず入り口のドアを閉めた。……これでやっと落ち着くよ。


俺が教室に入ると、教室の中にいたみんなの視線が集まる。

そして口々に「シエルくん、大会出場おめでとう!君なら優勝できるよ!」といった内容の言葉をかけてきた。

……出場するの、俺だけじゃないんだけどね?

とりあえず俺は皆に「出るからには頑張るよ」と答えながら、さっさといつもの席につく。

「大変だったな?……って、俺もさっき来たんだけど、同じ洗礼を受けたんだぜ?」

「俺もそうだったよ。アンドリューもなんじゃないか?」

俺と同じ事をされたとセインとクロードが言い、アンドリューへと話を振る。

アンドリューはそれに対して「そうだな、俺もだったよ」と苦笑いをして答えた。

……そう、あのアンドリューが普通の受け答えを自然とできるようになったのだ。大きな進歩である。

そしてアンドリューがそうやって馴染んでこれた理由には、彼に対してのみんなの態度が普通になってきた事も大きいのだろう。

今の彼なら、もしかすると立派にネシアの次期国王になれるような気もする。


「……俺の名前もあったんだが、何かの間違いか?」

ミストさんが振り向いて、俺達の方を見てそう言う。

彼はいつももっと入り口側に席を取っているのだが、今日は俺たちの近くに席を移したらしい。

やはり1人でいると皆からの口撃が集中することに気づいたのだろう。


それからすぐにマール先生が学活のために教室に入ってきた。

入ってからの開口一番、「みんな、張り出されている選手名簿を見たかい?」というものだった。

もちろんみんな「見たよ!」と答え、マール先生がう頷く。

「みんなも見て知った通り、なんとかシエルくんを選手に加えることに成功しました!先生に拍手!」

マール先生がそう言って自ら拍手をすると、パラパラと生徒からも拍手があった。

「なんだ、少ないな?でも先生も頑張ったんだぞ?なんとかシエルくんを選手に入れるためにはいろいろ条件をつけさせられはしたが、それでも常識の範囲内の条件だから大丈夫だ。」

マール先生は一旦そこで言葉を区切り、改めて言った。

「で、その条件だが……魔力と力の、両方の能力制御の魔道具の着用と結界魔法、回復魔法、身体強化魔法の使用禁止、あとは属性魔法の使用禁止だ。かなりいろいろあるが、この前のトーナメントで禁止しなかったものは属性魔法くらいか?そう考えれば、そこまで大変だと思わないんだが……みんなはどう思う?」

マール先生はそう言うと、皆にそう聞いた。

みんなは即座に「異議なし!」と答えた。

確かにそうやって聞くとたくさんハンデをつけさせられた気がするが、先生も言った通りにあの時につけさせられたハンデと大差ない。

むしろそれくらいしないと俺の一人勝ちでつまらなくなってしまうだろう。


皆からも異議がなかったことでこの話は終わり、次は大会の日程の話に入る。

大会は流石に1日で終わることはないらしく、全部で5学年がやるので10試合をやらなくてはならない。

それも1試合5人ずつで戦うので、1日にどんなに頑張っても3試合が限界だろう。

試合は勝ち抜き戦らしいので、1人目がそのまま5人倒すのが一番早いらしいのだが……俺達1年生は名前が書かれていた順で出るらしい。

つまり、俺は『最後の砦』的な立場なのだろう。

最終的には俺に回るのだが、そこまでで倒せれば俺の出番はない。

その事をマール先生から申し訳なさそうに言われたが、俺はそんな立場で全然構わないよ。

逆にそっちで良かったとホッとしていたところだ。


とりあえず試合は明後日から始まり、予定は5日間取られている。

試合が早まれば日数は短くなるらしいけどね。


マール先生が教室から出ていってから教室の中はざわつく。

この様子では試合がある明後日までの授業はまるで手につかないだろう。……かくいう俺もそうだろうな。

楽しみだな、早く大会が始まらないだろうか?

俺もソワソワしながら、1限目の授業が始まるのを待っていたのだった。
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