異世界漫遊記 〜異世界に来たので仲間と楽しく、美味しく世界を旅します〜

カイ

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第10章 国立学校 (後期)

久々の街歩き

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俺は学校からセイン達王族4人と一緒に、まだ昼前の 街へと向かった。

街はそろそろ寒くなる時期なのにまだ雪はほとんど降っておらず、降ったとしても全く積もらないほどだ。

でも多分、今頃のスノービークは雪がいっぱいなんじゃないかな?

……まだ帰ってないから分からないけど。


スコットさんたちとも話していたが、学校が冬休みに入ったら1度スノービークへと『里帰り』をすることになっている。

だから近々王都の街へと繰り出して、お土産を買う予定ではあったのだ。

一緒に行く相手がリッキー達ではなく、セイン達になったけどね。



「なぁシエル~。何して遊ぶ?」

セインが頭の後ろで手を組みながら俺に聞いてきた。

……えっ、何も考えてないのに街へ来たの!?

「ねえ、まずは遊ぶよりお腹を満たさない?私、お腹減ったんだけど。」

「そうだな。まずは時間的にも腹ごしらえをしてからにしないか?ところでアンドリューは自国で屋台とかを巡ったことはあるか?」

ローラの意見にクロードも賛成し、ついでにアンドリューにも意見を求めた。

アンドリューは苦笑いをして「いや、王宮から出たことはない」と答える。

そうだよね、最初この国に来た時の彼を考えると、自国とはいえ平民と同じ場所に立つことに耐えられなかっただろう。

それが今はこうやって普通に歩けるようにまでなったんだ。かなりの成長だと思うよ!

「1度も行ったことはなかったが、お主達と行くのであればどこでも大丈夫な気がするぞ。」

「それはありがたいね。この2人はどうだか知らないが、俺は全く身分にこだわりはなかったから、よくこうやって街へとお忍びで出かけることがあったんだ。だから今日は俺が4人をエスコートするよ。っていっても、シエルは街に出たことがあったんだっけ?」

「うん、あるけど……そんなに何回もは行ったこと無いかな。」

クロードの言葉に俺がそう答えると、「なら、俺のお勧めの店に行こうか」と嬉しそうに微笑んだ。

「じゃ~あ~、お昼はどこで食べる~?美味しい物が食べられるオシャレなお店が良いわぁ。」

「おしゃれな店、か……そうだよな、ローラは女子だから男子みたいに『ガッツリ系』な物は食べないよな。じゃあ最近女性に人気のあの店に行ってみるか。」

クロードはローラの注文に少し考えると、お店の見当をつけて先頭を歩き出す。

俺たち3人はそれについて歩くと、今だに街の人は俺を見て「救世主様だ!」と言って握手を求めてくる人が結構いて、少し恥ずかしい。中には拝んでいる人もいる。

「……なんだ、救世主って?」

セインが俺を見て訝しそうな顔をしているので、クロードがこっそりと経緯を教えてやると、一緒に聞いていたアンドリューやローラも「それは言われるわな」と苦笑いをして納得していた。

……いや、そろそろ落ち着こうよ?


しばらく歩くと、大通りに面した店で若い女性が行列を作っている店に到着する。

大きな窓が通り側にあり、店の中がよく見えるようになっていて、沢山の女性が席に座ってパンケーキのようなものを食べているのが見えた。

中もなんだか可愛らしい飾り付けをされていて、男子の俺達はちょっと気後れする。

どうやらその可愛らしい飾り付けをされたお店が目的の店らしく、俺たちもその最後尾に並んだ。

「そっか~、クロードが連れてきてくれたのって、最近女子生徒が話していたお店だったのね!ここね、あの丸いふわふわの食べ物にシロップをかけて食べるのが美味しいらしいのよ。楽しみだわぁ~!」

中を覗きながらローラはにこにこ顔でそう言った。

「でもさぁ、なんかあれって甘ったるい食べ物じゃねえか?俺、ガッツリと食べたいんだけど?」

セインが不満げにそう言うと、クロードが「大丈夫だよ」と言う。

「あそこはね、見て分かるように恋人同士で来る人が多いようで、男性用に少し腹持ちの良い食べ物も提供しているらしいよ。」

「そうなのか?じゃあ、いっか!どんな食べ物があるんだろうな?」

クロードの言葉に、セインは舌舐めずりをしてニマニマしている。……セイン、王族だったよね?

俺は並んでいる列を見たが、確かにカップルが多いかもしれない。

もちろん女子同士で来ているパターンも結構あるのだが、この店はちょうどいいデートスポットなのだろう。


しばらく並ぶと俺たちの順番になり、店内へと入る。

中に入った途端に、甘ったるい匂いが鼻に届いた。

「う~ん……美味しそうな匂いだわぁ!」

その匂いを吸い込んだローラはとても嬉しそうに店員さんについていく。

俺たちもローラに続いて席へと向かった。


案内された席は窓際の席で、通りを眺めながら食事ができるようだ。

ローラは早速メニューを見るといかにも『甘い』と思われる物を選ぶ。

ローラからメニューを受け取った俺たちは3人で眺めた。

メニューには名前とどんな感じの物なのかが書かれており、丁寧にも絵まで載っている。

「ほら、こっちのページにはガッツリ系の物が載っているようだよ。」

クロードが何ページかめくると、そこにはパンケーキではなくてハンバーガーのような物が載っていた。

おぉ~、こっちにもこんな食べ物があるんだね!

クロードが店員を呼ぶと、ローラは生クリームと果物がふんだんに乗っているパンケーキのセットを、俺達3人は美味しそうなお肉が挟まっているハンバーガーをセットで頼んだ。


「……そっちも美味しそうね?」

それぞれが頼んだ物が届くと、ローラは俺達のハンバーガーを見てポツリとそう呟く。

「……ならば少し我の物を食べてみるか?」

アンドリューはそう言うと、ローラへと自分の目の前にあるハンバーガーの乗った皿を差し出す。

ローラはそれを見て少し目を丸くしたが、嬉しそうに微笑むとそれを受け取り、代わりに自分のパンケーキの皿を手渡した。

「……良いのか?」

「ええ。私も少し貰うのだから、私の分も差し出すのが礼儀よ。」

ローラの言葉に、アンドリューは少し嬉しそうに「……そうか」とだけ言って少し取ると、その皿をローラに返した。

……ローラは思ったより取っていたようだけど。


そんな2人を見て、クロードとセインは顔を合わせる。
……何だ?

「……案外、上手く行くと良いな?」

「まぁな?」

「……?」

2人のよく分からない会話に俺は首を傾げたが、そんな2人は苦笑いをして俺を見るだけだった。


そして俺達は各々の注文した品を食べ終えると店を出る。

さて、ここからはリッキーの両親や仲間へのクリスマスプレゼントを買わなければ!

案内を頼むよ、クロード!
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